ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す   作:木岡(もくおか)

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第32話 その武器への思い

「チャージャー!?」

 

 ユウキとカジキは口を揃えて驚いた。言い間違いか聞き間違いかと思う。なぜなら、チャージャー恐怖症のアユ子がチャージャーを使うなんて寝耳にインクな発言だ……。

 

「うん。私これからはチャージャーを使っていくつもり」

 

「本気で言ってるの……?」

 

「本気だよ」

 

 ユウキはアユ子の顔色を伺う。アユ子の眼はいつになく真っ直ぐだった。最近は見なくなった目つき。昔一緒に試し撃ち場で練習していた時に真剣に練習に取り組んでいた時と同じ。

 

 こういうときのアユ子は何か意志を曲げない頑固さを持っている。

 

「だってアユ子ちゃんはチャージャーを……」

 

「いいんじゃないか。チャージャー。最初は驚いちゃったけど」

 

 ユウキの言葉を遮ってカジキもまさかの同意をする。

 

「なんでだよカジキ。さっき話したじゃん」

 

「だって、アユ子って元々チャージャー使いだろ。昔は巷を賑わせた代々プロの家系に生まれた天才チャージャー少女」

 

「え……マジで……?」

 

 ここにきて思いもよらないことを耳にする。ユウキはそんな話聞いたことが無かった。

 

「ごめん。隠してもしょうがないし、さっきユウキから聞いたけどアユ子ってその……チャージャーが怖いんだろ。俺、アユ子が小さい頃はチャージャー使ってたことも噂で聞いたことあるし。どこまで本当か知らないけど初めての子供ナワバリバトルで12k0dの無双とかそんなの」

 

「本当だよ」

 

 あ、本当なんだ……。ユウキは声を出さずに驚く。

 

「親に連れられてプロも混じったお遊びナワバリに入れてもらった時に、子供ながらプロのチャージャーに勝ったとかも……?」

 

「本当」

 

 あ、それも本当なんだ……。

 

「じゃあ……俺はチャージャー持つの大賛成だね。使えるならチームの大きな戦力に間違いない。あくまで使えるならだけど。使ってみることでアユ子のチャージャーへの恐怖が薄れるかもしれないし」

 

「ちょっと待って。突然すぎて話に追いつけないよ。アユ子ちゃんチャージャー持ったらそんなに上手いの?でも……だとしても……俺は嫌だな……」

 

 カジキは肯定したが、ユウキはアユ子がチャージャーを使うのが嫌だった。怖いというほうが正しいかもしれない。もうアユ子の暗く落ち込んだ姿を見たくない。

 

 何より突然すぎて頭の整理がつかない。

 

 イカスツリーのロビーにあるちょっとしたスペースで腹を割った話し合いになる。

 

「ユウキ君……心配してくれてるんだよね。でも大丈夫。私やってみせるから。実は内緒で練習もしてたんだよ。今日明かすつもりはなかったけど」

 

「本当に……本当に大丈夫なの?無理しなくてもいいと思うけど。バケツだってA帯で十分通用するくらい上手いし」

 

「A帯で通用するレベルじゃダメだよ。ユウキ君だってカジキ君だってきっとS帯に余裕で通用する。私たちの目指す場所はプロでしょ。チャージャーなら2人にだって追いつけるんだから」

 

 アユ子は得意げに笑って見せた。けどユウキからはそれが作り笑顔にしか見えなかった。

 

「うーん。それでも俺は……」

 

「正直……絶対の自信はない。また怖くなったりするかもしれない……だから、そういう時は私を励ましてほしい。練習はしてたけどいざチャージャーをまた使うと決められたのはユウキ君のおかげでもあるの。ユウキ君と一緒なら怖くないって思えたから……だから」

 

「サポートするよ。俺にできることなら何でも。力になる」

 

「俺もサポートするよ。俺も一緒のチームだから。一緒に目指そう」

 

 3人はお互いの顔を見合わせて頷いた。そして全員、両手で胸の前にガッツポーズを作る。ここが広い空き地なら円陣を組んで気合を入れていたところだ。

 

 絶対の自信はないと包み隠さず言ってくれたことで逆に信じることができる。

 

「じゃあ、さっそく3人チームでナワバリ行ってみる。試すなら早いほうがいい」

 

 カジキが親指で受付を差して言った。

 

 少しスパルタだとユウキは思ったが、アユ子が一番に受付に向かって歩き出したのを見て止めないことに決める……。

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