ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す   作:木岡(もくおか)

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第35話 祭りだ祭り!

 ゲームでは年に何度か開催されるフェスというイベント……この世界では年に1度、決まった日に開催される祭りだった。

 

 その分規模はゲームの比ではなく、この世界で最大のビッグイベントだ。

 

 ユウキはその時、街のビルの谷間を彩る大きな風船を見上げていた。夏と冬にちなんだスイカや雪だるまの形の風船、向こうには浮き輪もたくさん浮いている。

 

 ハイカラスクエアやハイカラシティの外まで飾られた広い世界は何とも壮観だった。

 

「まずは目抜き通りをぶらっと歩いてみよっか」

 

 隣の雪だるま……アユ子がより飾りの多いほうを指させば、ユウキは目を輝かせた。もう抑えられない衝動に足を弾ませて駆け出す――。

 

 ただフェスTやおしゃれなアクセサリーを身に付けていたり、コスプレをしたイカやタコ達が騒いでいる訳ではない。車が走っていた街の道路には様々な屋台が立ち並び、そこへはポップな音楽が至る所に取り付けられたスピーカーから流れている。

 

 さらに、昼間っからテーマパークのようにパレードが道を行く。遠方では特設の屋外ステージが設置されていて、そこにカラフルなスポットライトの光が見える。

 

 シオカラーズやテンタクルズだけではない。若い大勢のイカアイドルや、男性のタコアイドルグループ、大御所であるこの世界の歌姫なんかも変わりばんこで歌っている。もちろんファンのイカやタコはそこで熱狂していた。

 

 そして、なんといっても一番盛り上がっているのは街の至る所にあるスタジアムで行われているフェスマッチだ。

 

 フェスはバトルのお祭り、元からそうであったわけではないがバトルの神様を称える日でもある。何の偶然かその神様はフェスの日に生まれフェスの日に死んだ。

 

 相手の動きを手に取るように察知しバトルの大きな流れを読む神の目を持っていたバトルの神様……プロの公式戦で生涯無敗を成し遂げた……名をミコト。

 

 その人のグッズや大きな銅像も街にはあった……。

 

 

 ユウキは昼間の間、アユ子と2人でフェスの街を楽しんだ。アユ子家の家族と共に街まではやってきたのだが、子供とお年寄りは落ち着く場所に行って別行動となった。

 

「見てあの人っ。あんな大きな綿あめどこで買ったんだろう。あ、あっちのモニターにはプロのフェスマッチが映ってるよ」

 

「すげえ――すっげえ――うわあ……すっげえ」

 

 人混みの中をりんご飴片手にアユ子と歩く……。ユウキはとにかく目に映る景色に感動していた。「すごい」以外の言葉が頭の中に出てこないほどに興奮していた。

 

「じゃあ、そろそろ時間だからステージのほうへ行こうか」

 

「うん!行こう!」

 

 しばらくすると2人はステージへ向かった。事前にネットである時間帯のチケットの入手に成功していた。

 

 そこで目にしたのがユウキ初めての生シオカラーズだった。

 

 モニター越しではない2人のアイドルを目に映して、ユウキのテンションは限界を超えた。

 

 アイドルのライブなんて生まれてこのかた行ったことが無かったが、その場の勢いに任せて応援用の旗を振り上げて、周りに合わせて声も出した。

 

 シオカラーズの生の歌声もダンスもとっても上手だった。改めてユウキはシオカラーズのファンになり、以降はグッズも集めるようになる……。

 

 

 そして、陽も落ちて空には花火も上がり始めた頃……ユウキとアユ子はカジキと合流してフェスを楽しむ。屋台で夕食を食べた後はいよいよ3人でフェスマッチに乗り込む。

 

 どんなウデマエの人も入り乱れて、あっちでもこっちでも行われているフェスマッチのナワバリバトル。

 

 自分たちの相手は誰だろう……ランダムで振り分けられたユウキチームの相手はウデマエS+の現役プロチームだった。

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