ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す   作:木岡(もくおか)

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第4話 初めてのナワバリバトル

 中央にある大きな電波塔――イカスツリーがどのビルよりも高くそびえ立つ街、ハイカラシティ。どこを見てもたくさんのイカやタコ達が歩いていて、隣にはクラゲもその体をプルプルと震わせている。

 

 画面越しに見たことがあるような服屋の通りを抜ければ――ビルに付いた巨大ディスプレイに映っているニュースに目を引かれる。

 

「よーしさっそくナワバリバトルだね」

 

 田舎から都会に出てきた人のように上ばかり見ているユウキの隣でアユ子がガッツポーズをしながら言う。

 

 ――昨日の午後にアユ子の家にある試し撃ち場で、次の日の朝からこのハイカラシティに来てナワバリバトルをする約束をした。ミミちゃんギギ君とも一緒に体を動かしていると、調子が出てきてハイになったアユ子が突然にユウキを誘った。その理由は……。

 

「燃えてきたあ!受付してくるよ。ユウキ君、準備いいよね?」

 

「ああ。うん」

 

 イカスツリーの中に入ると走って正面の受付に向かうアユ子。ロックでイカしたツリーの内装は黒くてメタリック。ボーリング場やカラオケがある複合エンターテイメント施設に来たような感じがする。壁に埋め込まれたスピーカーからは聞いたことあるようなBGMが流れていて、ベースの音が心地よい。

 

「受付終わったよ。武器はスプラシューターコラボで良かったんだよね?」

 

「ありがとう。もうすぐ始まっちゃうの?」

 

「うん。条件は私とユウキ君が味方っていうだけにしたから、すぐに相手は決まったよ。もしかしたら猛者達とマッチングしちゃうかもしれないけど」

 

「えー。俺、こんないきなりで大丈夫かな?」

 

「緊張してる?ユウキ君なら大丈夫だよ。私昨日驚いちゃったもん」

 

 ユウキも実際にナワバリバトルを体験できることを昨日は楽しみにしていたが、いざここに来ると緊張した。初めて「スプラトゥーン」をプレイしたときと同じ気持ち。ユウキは深呼吸しながら、アユ子に連れられバトルの準備室に入る。

 

「わー!いよいよだね!私はどの武器持とうか迷ったけどバケットスロッシャーデコにしたよ。私のメイン武器なんだ」

 

 アユ子を含め周りのイカやタコ達から聞こえる声も「楽しみ!」「絶対勝つぞ!」と興奮していて、バトルができることをすごく喜んでいるように見える。もう一度バトルステージに行けば何か思い出すんじゃないかというのもアユ子がユウキを誘った理由であるが、もう忘れてるんじゃないかとユウキは思った。

 

 本当にこの世界のイカやタコはバトルが好きなんだな……。

 

「おーいアユ子」

 

 少しぽっちゃりしている坊主頭のボーイが手を挙げてアユ子に近づき話しかける。

 

 この目はイカじゃなくてタコ……?かな。

 

「ああ。ゲソ太郎じゃん。やっほー」

 

「お前これからバトルだろ?相手は俺たちだぜ」

 

 アユ子も手を挙げて挨拶したゲソ太郎というタコボーイの後ろには三人のタコ達がいた。その三人もアユ子の知り合いなのか、会釈くらいの挨拶をしている。

 

「え!?ゲソ太郎達この4人が相手?」

 

「そうだぜ。お前は1人で知らない奴と味方か?」

 

「マジか。いや、1人じゃないけど――この子、ユウキ君が味方。でも、ユウキ君は今日が初めてのバトルなんだ」

 

 アユ子が手を差して、ユウキを紹介する。

 

「あ、初めまして。ユウキって言います」

 

「そうか、そりゃちょっと大変かもしれないな。でも手加減はしねえぜ」

 

「そんなものいらないよ。私負けないもん」

 

 腕を組んで見下ろすように言ったゲソ太郎に対して、アユ子も腕を組み返してふんぞり返った。

 

「おう言うじゃねえか。まあ良いバトルにしようぜ。この前の勝負では負けたから今日は俺のローラーがお前を倒す」

 

「うん」

 

 最後はアユ子とゲソ太郎は握手をして、それが済むとゲソ太郎は去っていった。

 

「――ああ、彼らはねガチランクで言うとA帯にいるプレイヤー達なんだ」

 

「え、それって」

 

「うん。かなり強いよ」

 

 この世界のウデマエの概念がゲームと同じか分からないが、同じであるなら今の自分はC帯。初戦の相手がいきなりA帯4人なんて大丈夫か……。

 

「大丈夫だってユウキ君なら。私も頑張るから――」

 

 

 ユウキは緊張が解けないままで、初めてのリアルナワバリバトルが始まる……。ステージは始まりの場所と同じ「Bバスパーク」。リスポーン地点でスシコラのグリップを手汗をにじませながらも強く握った。

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