ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す   作:木岡(もくおか)

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第42話 因縁再び

 チームメンバーの募集……なんだかわくわくする言葉だ。これから苦楽を共にして、一緒にプロを目指す仲間を探す。ユウキはこの世界に来てからの知り合いが少ないので仲のいいイカやタコ達を増やせるというだけできっとその過程が楽しいと思った。

 

 最終的にだれが自分たちのチームメンバーに落ち着くのか、それはボーイなのかガールなのか。そんなことを考えたり、もっと言うと……最後の1人に持って欲しい武器や、その1人が加入した後にチーム4人で戦略を練るなんて最高だろう。

 

 バトルに勝つためにあれこれ作戦を練るのはユウキの大好物だ――。

 

「この前のことでアユ子ちゃんがチャージャーを持つことは文句なしになったから、4人が持つ武器のバランスを考慮して考えられるね」

 

「そうだな。どんな武器が良いだろうか」

 

「2人は前めに動くでしょ。それで私はチャージャー」

 

 ユウキ、カジキ、アユ子の3人は掲示板に貼る張り紙を囲んで話し合った。イカスツリーではチームメンバー募集も盛んなので、それ用の加入条件などを書き込めるようにデザインされた紙があった。

 

「そうなるとじゃあ、器用に動ける人が良いよね。中衛ぐらいにいて攻めも守りも状況に応じてできる人」

 

「うんうん」

 

「俺はとにかく強いやつがいいかな。中衛なら俺かユウキが長めの武器持ってやってもいいし、俺たちなら器用に動ける。だから使用武器は広めに募集してとにかく強いやつを探さないか」

 

「まあね。プロになるなら……」

 

「強いやつか……。俺たちが持つ武器は塗りが弱いから、ある程度塗りが強い武器は絶対条件だと思う」

 

「それには俺も同意だな。俺たちを上手くサポートできるような奴でプロを目指す志があるやつ」

 

「サポートできる武器って言ったらわかばとか?」

 

「それもアリ」

 

 カジキが人差し指を立てて言った。ユウキは話し合う中で、もっとこの世界の武器編成について勉強する必要があると思った。

 

 どうしてもゲームでバトルしていたころの感覚で考えてしまう。この世界のバトルの定石やプロのトップ層が使う武器はゲームとは違う。今までのガチマなら編成を合わせることもできなかったので考える必要は無かったが……。

 

 今度プロのバトルについてもっと詳しく調べてみよう。

 

「じゃあとりあえず書けるところから埋めていこうか。募集するウデマエはA-以上でしょ。それで、私たちのウデマエはS、A、A-と……」

 

 アユ子がペンを持って紙に書き込んでいく……。

 

「チームの方針は?」

 

「プロを目指して来年のセリまでガチマッチに積極的に取り組んでいくつもりです。同じくプロを目指している方募集……みたいな感じじゃない?」

 

「せっかくだからプロのトップを目指してにしようぜ」

 

 と、カジキが言った。カジキの志はいつも高かった。

 

 そんなこんなで募集の張り紙を完成させていっている時、ユウキの後ろから声がした。

 

「君たちがプロのトップ?面白いね」

 

「あ、あんたは……」

 

 ユウキは驚くと共に少し眉をひそめる。後ろに立っていたのはジンドウ、その男だった。

 

「ジンドウ……さん……」

 

 アユ子も後ろに立つ男に気づくと、低い声で言ってジンドウを睨んだ。それもそのはずユウキ達にとって少し因縁のある相手だ。

 

 人気プロチームエンペリー・エンペラーズの監督補佐であるジンドウは今年のセリでユウキを獲得しようと動き、それをユウキが断ったことによりひと悶着あった。

 

「何の用ですか?」

 

「いや別に用事があってイカスツリーに来たら知った顔がいたから挨拶しただけだよ。君に会いに来たわけじゃない」

 

「じゃあ、もう行ってください。電話で断った時にも言ったでしょう。あなたとはもう関わりたくない」

 

 あの件があった後にユウキは電話でプロになるのを断ると共にジンドウに対して怒った。当然だ。アユ子に酷いことを言ったことは忘れない。

 

 改めて派手な髪形のジンドウを見ると悪いやつに見えた。初めて会ったときはただできるボーイに見えたが、裏の顔を知った今では敵に思える。

 

「まあ、そう固いこと言うなよ。その子も一緒にプロになるなんて面白いこと言ってるんだから私も話に混ぜてくれ。君はプロの壁の高さを分かっているのかい?いきなり指名されて注目されたものだから天狗になっているんじゃないかい?」

 

 それは少し、不安な気持ちを植え付けられ、考えさせられるものだった。

 

「いや、僕たちはプロになりますよ。どんな困難があっても……。でも、その時にはエンペラーズだけは願い下げですね。あなたみたいな人がいるところには行きたくない」

 

 ユウキは怯まずに言い返してやった。

 

「ふーん。言うじゃないか。でも、それを決めるのは君じゃない。セリはプロチームの運営が選手を指名する場だからね。私がその気になればまた来年君をうちが指名できる……そうだな、なんならチームを組んでいるのに君だけを指名することだって」

 

「脅しですか?」

 

「別に気まぐれだが、そう受け取ってもらっても構わない。はっきり言って君には不快な思いをさせられたからね」

 

 ユウキとジンドウの会話で、場は不穏な空気になった。どうやらプライドが高そうなジンドウはユウキに恨みを持っているようだった。

 

「何かよく分かんないすけど、ユウキだけ単独指名は無理ですよ。来年俺たちのチームはどこかに1位で指名される予定なんで。セリの指名はチーム優先……そうでしょ」

 

 カジキが場の空気を察して味方をしてくれた。あまり顔に出るタイプではないが嫌な奴を見る顔をしている。

 

 セリの指名はチーム優先というのはユウキは知らなかった話だが言い返しだ。

 

「ほう……。まあせいぜい頑張るんだな」

 

 憎たらしい顔でジンドウは笑った。

 

「おい、親父何やってんだよ」

 

 そうしていると更なる来訪者が現れた。これまた因縁のあるというか、あった相手。長身イカボーイのサンゴ。

 

 サンゴはジンドウのことを親父と呼んで肩に手を置いた。

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