ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す 作:木岡(もくおか)
それから4日後の朝、支度をするユウキはいつもより気合が入っていた。アユ子とカジキとちゃんとチームを組んでもう1人のチームメンバーを探すようになってからずっと燃えていたが今日は特別だった。
誘うと決めた次の日にフウラにメッセージを送信してから予定を合わせて今日が約束の日だった。
フウラが忙しいとの理由で週末の今日になったのだがメッセージをやり取りしたところの感触はかなり良かった。チームメンバーを探していると伝えると「私で良ければぜひ」くらいの返事がもらえていた。
「今日はいよいよフウラちゃんと会う日だね」
「うん」
「私も楽しみだな。チームのメンバーが決まればガチマッチに潜れるようになるし。お友達も増えるからね」
「きっとうまくいくと思う。おとなしい子だからアユ子ちゃんもうまいこと仲良くなってあげてね」
「了解っ」
アユ子が手を額に持ってきて敬礼した。バトルをする為の諸々の道具をリュックに詰め込むとユウキとアユ子はイカスツリーに向かった。
カジキとフウラとの待ち合わせ場所はイカスツリーが正面に見える駅前だった。ハイカラシティ周辺に住むイカやタコ達にとって最もポピュラーな待ち合わせ場所だ。
カジキとだけ待ち合わせする時もいつもその場所。駅前の商店街へ続くほうにある噴水広場。早めについたユウキ達が待っているとカジキとフウラも約束の時間に遅れずに到着した。
「は、はじめまして。フウラと申します。チームに誘って頂いて大変うれしく思っております。今日はよろしくお願いします……」
「よろしくお願いします」
ものすごく丁寧なフウラの挨拶を受けた3人はフウラに習って深々と頭を下げた。
そしてそんな一行は駅前で立ち話もなんなので商店街を進み、飲食店が並ぶ通りまで行くと店に入った。ユウキ達いきつけの店の「いきなりサーモン」だ。
「えっと、チーズクリーム煮を1つ」
「塩焼きにワサビとあんこトッピングで。あとは……デミグラスソースを」
「ムニエルにオーロラソースを1つお願いします」
ユウキも食べるシャケはメニューを見なくても決められるようになった。いくらか美味しそうなシャケの料理を食べてみたがいきなりサーモンはムニエルが1番うまい。
「フウラちゃんは何にする?」
フウラの隣に座るアユ子がメニューを広げる。
「ごめんなさい。私この店に来るのは初めてで……じゃあ私はこのシャケのふわっと焼きにホイップクリームとカスタードクリームとミルクチョコレートをトッピングで」
「かしこまりました――」
いつも人気ないきなりサーモンのざわつく店内で4人でテーブルを囲った初めてのお昼ごはんタイムが始まる。
「えっと……まずは紹介するよ。この子がこの前から話してたフウラちゃんできっとこのチームの力になれるガールです。色んな武器を使えて、俺と一緒のチームになった時はわかばが凄く上手だった」
「は、はい。力になれるように精いっぱい頑張ります……」
「かわいい~。私アユ子、よろしくね。武器はチャージャー使うんだ」
前にあった時と変わらずふわっふわな容姿のフウラは予想通り緊張した様子で正面に座っていた。前に見たときも思ったが髪の色や目の色が白色であまり見かけないので珍しい。
そのフウラはやたらアユ子に初見で気に入られたらしく抱きつかれて頭を撫でられていた。
「俺はカジキ。これからよろしく」
「それで……メッセージでも話したけど俺達プロを目指してチームを組んだんだ。3人だから最後の1人を探してて、フウラちゃんを誘ったんだけど……いいんだよね」
「はい、もちろん。すごく光栄です。でもそれより私なんかでいいのかなって感じです。皆さん私でも名前を聞いたことがあるような方たちですし。私なんか若輩者が……」
「ウデマエはいくつなの?ユウキとチームになった時はB帯だったんでしょ」
「はい……えっとそれは今はA-になってて。この前上がったばかりなんですけど」
こういう時にカジキは意外とずばり聞く。ユウキもそこは気になっていたが聞いていないことだった。
「じゃあもうチーム加入決定でいいんじゃないか。この後ナワバリでチームでの動きを試すことになってるけど加入するかどうか確かめながらじゃお互い緊張するだろうし。ユウキが見込んだ腕があるなら俺は文句ないよ」
そして決断も行動も早い――。
「そうしようよ。私もフウラちゃんが私たちのチームに相応しいと思う。一目見てなんだかびびっときた」
「えっ……いいんですか?」
「俺も2人がいいなら俺が誘ったしもちろん歓迎する」
あっさりと決まってしまった最後のチームメンバーのフウラ。料理が来るのが早いことで有名ないきなりサーモンよりも早かった。
「そしてだ。チームが決まったんならもう1つ提案があるんだけど、この後はナワバリじゃなくてガチマいこうぜ」