ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す   作:木岡(もくおか)

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第48話 転がるボムのように

「ガチマって!?いきなり!?」

 

「カジキ……それはさすがに早すぎなんじゃないか。つーかやろうと思ってもできるの?」

 

 ユウキとアユ子はいきなりの提案に驚いて否定した。けれど、カジキはそこでニヤリとして思惑を語りだした。

 

「できるよ。チームを組んだその日からガチマッチに潜ることはできる」

 

「でも今日って……いや午後からA帯のガチマッチあるみたい」

 

 アユ子がスマホを両手で持って何やら調べていた。

 

「そう。あるんだ。実は今日ここに来る前から考えてたんだけど俺は午後からガチマいきたい。理由はナワバリよりガチマのほうが練習になるから……あとは俺が金欠だから」

 

 最初は驚いたけれど少し考えればユウキもナワバリよりガチマに行ったほうがメリットがあると思う。しかし、どうだろうか。

 

「金欠か……それは切実だね」

 

「食うのに困ってるってほどじゃないけどサーモンランのバイトだけじゃ趣味に使う金が足りなくてな……それでどう?」

 

「私はいいよ。チャージャーまた持てるようになってからガチマ行きたくてうずうずしてたし」

 

「ユウキは?」

 

「……俺もいいけど。その前にフウラちゃんは本当に俺たちのチームに入ってくれるので良いの?ガチマ潜るにしてもフウラちゃんの意見を尊重したいな」

 

 ユウキはフウラが話に置いていかれてるような気がしてそこが気がかりだった。なにしろフウラは周りに座る人の顔をキョロキョロと見ながらお冷を両手で握りしめていた。

 

「……私は皆さんの決めたことに従います。ガチマに行くのも大丈夫です。足を引っ張らないように気を付けます。だから、その……」

 

「本当に?なにか嫌だったら遠慮せずに言っていいよ」

 

「いえ、私もプロを志すプレイヤーの1人。ですので上手く言えないですけど、一緒にプロを目指させてください――」

 

 ユウキはそう言ったフウラの真っ直ぐな目を見て安心した。それと同時に体の中心からぞわぞわとした感覚がした。これから始めて4人揃ったチームでのガチマができることが楽しみで仕方がない。

 

 自分もいつまでもアユ子家の世話になっている訳にはいかないし、欲しいものがあっても言い出せない。お金を稼がなくては。

 

 テーブルへあつあつのシャケ料理が運ばれてくるとチームを組んだ4人は笑いながら食べた。フウラは初めて食べるいきなりサーモンのシャケの味をすごく気にいった様子で、その味が分かるフウラと話が弾んで時間が経てば皆と仲良くなれそうだとユウキは思った。

 

 その後にイカスツリーに行くとあっさりとチームの登録は完了した。受付で4人のガチマ用のカードを差し出すとこれで本当にチームとして登録されたのかというほどあっという間に手続きは終わった。

 

「よっしゃいくぞー!プロへの第一歩っ!」

 

 テンションはアユ子が1番高かった。人が多くてざわついていなければ悪目立ちするほどのボリュームで声を出す。そのアユ子は突き上げる手のもう片方の手でフウラの肩を抱いていた。

 

「フウラちゃん緊張してない?大丈夫?」

 

「は、はい。大丈夫です」

 

「今日は負けたっていいんだから思いっきりいこうね。ガチヤグラは得意?ルールは何が好き?」

 

「得意なルールとかはないですけどオートロは得意なステージなんです」

 

「そうなんだ。オートロが得意ってちょっと珍しいね」

 

 ユウキもその話は聞いていて珍しいと思った。ホテルニューオートロはクソステだと思っている人が多いイメージだし、ユウキ自身も動きづらいと思うステージだった。

 

「あ、そんなに期待しすぎないでほしいんですけど1番経験値があるステージなんですよね」

 

 作戦は特になしで、まずは各々が最善だと思う動きをしてみようというもので始まったガチマッチ……。ユウキはそれでもこのチームなら負け越すことはないという推測をしていた……。

 

 唯一気がかりだったのはフウラが緊張で力を発揮できないこと。多少動きが悪くても他3人でカバーすれば大丈夫だが、もしフウラが白いインクのように頭まで真っ白になることがあればまずいかもしれない。その時はユウキが上手く試合中に緊張をほぐすつもりだった。

 

 そんな思いを抱えて始まったガチマッチ。ステージはホテルニューオートロ。その初動はユウキの想像を遥かに超えて……フウラが投げたボムで2人をキルするところから始まった。

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