ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す   作:木岡(もくおか)

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第52話 わがままな欲

「そう。サーモンラン。強くなりたいんだろ?だったらあのバイトけっこういいぜ」

 

 ユウキにとってサーモンランといえば息抜きというイメージが強かった。対人バトルの息抜きに軽い気持ちで遊びに行く。そういうものだった。

 

「そっかサーモンランか。カジキもずっとやってるんだっけ」

 

「うん」

 

「プロを目指す奴らに人気のバイトなんだよね?」

 

 けれど、この世界ではゲームとは毛色が違っている。ユウキはまだどうしても特定の用語を聞くとゲームでのイメージが先行してしまうことがあった。

 

「やっててけっこうバトルの経験値になる作業があるんだよ。俺もサーモンラン始めてから成長したっていう自覚があるし」

 

「そんなにかっ。詳しく教えてくれよ。実際のところどんな感じなんだサーモンランって……」

 

 気付けばキャリーする側からキャリーされる側になっていた。足を引っ張っている訳じゃないけど、自分じゃなくてもこの3人なら勝ち進んでいけるんじゃないかという目でチームメイトを見ることがあった。

 

 持ち前の経験則を活かして自分なりに試合に貢献してきた。けど、チームを組んでからの負けは全て自分のせいだとユウキは思っていた。バトルの全体を冷静に見れるからこそ分かる。自分があの時こうしていればこの試合は勝てていたと。

 

 頭では最適な動きが分かっていながら体がついていかないことがある。こうしたら勝ちが決まるという攻めの選択肢が頭に浮かんでも実行できない気がして諦めることがある。

 

 それに気づいて練習を重ねてきたけれどまだ自分の理想とは程遠い。それはゲームで動かしていたキャラクターの完璧な動き。

 

 勝ててはいるけどそれだけじゃ完全には満たされなかった。ユウキは試合をコントロールするだけじゃなくてキャリーする側、1番活躍してバトルに勝っていきたかった。

 

 

 ――そんなこんなでなんと次の日ににはカジキと2人でサーモンランに行くことが決まった。

 

「じゃあ、行ってくるよ」

 

「うん、いってらっしゃい。夕方には帰ってくるよね」

 

「うん」

 

「おっけー。新鮮なシャケがもらえたら持って帰ってきてね。私が料理するから」

 

 アユ子は一緒に来なかった。練習の為にサーモンランでバイトすることも伝えずに、本場のサーモンランを体験してみたいということにして話していた。

 

 カジキに教えてもらった住所へ行くと、その道の途中でハイカラスクエアも生で見ることができた。

 

 ハイカラシティと並んでバトルが盛んに行われている場所。ガチマッチはここでも同じように開催されている。

 

 ハイカラシティよりもラフで前衛的な感じがして雰囲気は違うがユウキにとってはそこも自分のホームグラウンドのように見えて、バイトが終わったら一回りしてみようと思った。ロブのフードワゴンでドリンクとスイーツを味わいたい。

 

「おはよう」

 

「きたかユウキ。体調はどうだ?今日は希望通り1番きついコースいくからな」

 

 カジキとも合流して辿り着いたのはゲームとは180度違うクリーンな建物だった。だけど、入り口の看板には見たことがあるクマサン紹介のマークがあって、巨大な木彫りの熊の彫刻も建物の隣に飾ってあった。

 

 見慣れたサーモンランの制服が干物と一緒に大量に干してあって、その奥には港があって船がある。

 

 ユウキはこの建物に飛び込んだ先の今日1日が楽しみでしょうがなかった。




・後書き

 2日間一気に話をあげたら、お気に入りをけっこうな数解除されてしまいました。

 あげすぎてうざいとか単純に話がつまんなくなったとか何かしら理由があると思うのですが、何にせよ期待を裏切ってしまってごめんなさい。

 話の進捗的にはアユ子の覚醒とかフウラの加入がダメだったんでしょうか。個人的には気にいっている展開なのですが、ご都合とかファンタジック過ぎましたかね……あはは……。
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