ウデマエXの俺はスプラの世界に転生してもウデマエXを目指す 作:木岡(もくおか)
ぎょろっとした目でモヒカン頭。何故か手にはフライパンを持っているのは紛れもなく見たことのあるシャケという生物だった。
これを見るのを楽しみにしてきたユウキだったので一瞬頬を緩めたが、フライパンを振り上げて船に飛びかかろうとするその姿を見るとそんな場合じゃないことが分かった。
「よっしゃあ。一番乗りぃ!」
シャケは普通に声を出して喋った。ヒャッハー系の声だった。
船に乗り込もうとする1匹のシャケ、その足が船につく寸前だった。ユウキもカジキも立てていない中、シャケに向かって一筋のインクが飛ぶ。
そのインクを受けたシャケは船に触れることなく再び海に沈む。
撃ったのは船の先頭に立つ、ニシキという老人タコボーイ。いつの間にか戦闘態勢に入っていて、その体は筋骨隆々になっていた……。
「きたぞ……」
ニシキがそう一言。すると、カジキが武器を取り、ユウキの手も取った。
「シャケ達のナワバリに入った。こっからは船を襲ってくるシャケがいるから俺達で船を守らなきゃなんねえ。そういう海域なんだ」
「分かった。何すればいい?」
ユウキも立って持ってきていたスプラシューターを抱える。
「とにかく、シャケが出てきたら撃てばいい。それだけ。正面はニシキ爺さんがやるから俺は左、お前は右を頼む」
「了解」
持ち場に着いたユウキはいつでもトリガーを引けるように指をかけてスプラシューターを握った。
それにしてもやっぱりキャラが濃い爺さんだ。どういう体の仕組みだ。
ユウキはニシキに目を細めると、任された右側の海を見た。さっきまで正面しか見ていなかったから分からなかったけれど、気づけばそこにはまた見たことのあるものがあった。
「シェケナダムか……!」
ユウキは風に紛れるくらいの声でぼそっと言った。
遠いしサーモンランのステージまで詳しく覚えていなかったがおそらくはそう。さらに向こうには「難破船ドン・ブラコ」っぽい船も見える。そこではシャケ達の姿があった。それと戦うイカやタコ達の姿も。
オレンジと緑のインクが飛び交っている。サーモンランの最中であるらしい。
「うわあ……やってるやってる……」
ついに見られた本物のサーモンラン。オオモノシャケの姿。確かにシャケ達のナワバリまで来たらしい。
でも自分たちの目的地はさらに奥。そこまで行けば自分もついに……。
「よし!野郎ども!今日も護衛頼むよ。さらに飛ばしてくからね!」
コダマの声が船内に響き渡れば、そこから忙しくて休む暇のない時間が始まった。
旧人類の残した何かの建造物なのか、サーモンランっぽい謎のオブジェクトが並ぶ海を抜けていくと、その最中に一般シャケ達が絶え間なく船を襲ってきた。
それをカジキとニシキと3人で捌いていくのだけれど、まずこれがなかなか難しい。弾を飛んでくるシャケに当てるのは一筋縄ではいかなかった。感覚的にはジェットパックやスーパーチャクチで飛び上がった相手を撃っているときに近いと言えば近い。空の相手だ。けれど、それよりもずっと早い。
ユウキは近くまで来ないと当てられないし、船への侵入を許してしまうこともあった。
にもかかわらず、ニシキは嘘みたいに正確に当てていた。というか、ほぼ正面からくるシャケ達をほぼ1人で処理していた。
「せっかちな奴らじゃ……」
そんなことを言いながら片手でスプラシューターを操り、各自3発ごとで落とすほど。ユウキのところから船に乗ったシャケもニシキが追い払った。
もうあの人だけでいいんじゃないかと。そんなことをユウキは思ってしまった。
徐々に襲ってくるシャケ達は増えてくるかのかと思っていたが、サーモンランのステージが見える海域を抜けるとそういう輩はピタリと消えた。
代わりに見えだしたのは平和に暮らしているらしいシャケ達の姿だった。船を見ても襲ってくることは無い。しかし、代わりに静かにフライパンやら武器を手にした。
強者を待っているという奥のシャケ達なのだろう。騒いでいたものもやめて、静かにその強者が乗る船を歓迎しているようだった。
敵意の無い無邪気なコジャケ達だけが騒いでいた。船に飛び乗ってきたコジャケもいる。襲ってこないコジャケは近くで見ると意外とかわいい。
さらにもう少し進むと、だだっ広いだけのあっけらかんとした陸地が見えて、そこで船は止められた。
「いいか。この真ん中に金イクラを置けば開戦の合図だ。そうなったら最後、しばらくはここで戦い続けることになる。準備は良いか?」
「うん。大丈夫」
ユウキはそっと息を吐いて呼吸を落ち着かせた。
「怖かったら最初は船で休んでてもいいんだぜ」
カジキは少しからかうように言った。
「いや、ワクワクしてるよ。やれるだけやってみる」
「そっか」
陸に上るギリギリにシャケ達が待機していた。その数はとんでもない。数える気にもならない軍勢と呼べるものだった。
モヒカン以外の髪型もいて、それがひしめいている。
周りの景色は荒野のようになっていた。ハイカラスクエアからは随分遠くに離れた田舎の地方だ。しかし、1つだけビルが集まった大きな街があるらしかった。
見たことのないスプラトゥーンの世界にユウキの心は踊っていた。
この世界をもっと楽しむためにも、これから望むところまで強くなる……そう心の内で静かに誓った。
・後書き
スプラトゥーンの異世界転生ものです。ゲームをプレイしていると突然スプラの世界に転生してしまった主人公。現実世界でウデマエXだった経験を武器にスプラの世界でもウデマエXを目指す!
スプラ3の発表がありましたね!!!!!!!!!!
ね!!!!!!!
自分は生でダイレクト見てて涙が出ましたね。
シャケの設定で悩んでいたところがあったのですがタイムリーにもの凄い情報が来たのでそれに引っ張られることにしました。
あと、もうストックが無くなったのでこれからは書け次第投稿になります。なるべく頑張って話進めます。