イアイアの実・モデルニャルは地雷案件すぎませんか?   作:露木曽人

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何となく名付けたフィルムナイトメアが殊の外好評だったので、それっぽいものを映画予告風に書いてみました。

そして小説を書くにあたって久しぶりにワンピースを読み返していて気づいたのですが、悪魔の実の分類ってタイプじゃなくてモデルが正しかったんですね。

てことは今までタイトルからして盛大に間違えていたということで、ファンの方にはタイヘン・シツレイをしてしまっていたことに気付き血の気が引きました。

訂正してお詫び致します。ほんと、すんませんでした!!

ニワカファン丸出しのまさかの致命的やらかしに赤くなればいいのか青くなればいいのかわからないです、はい


第C話 爆発オチの次は夢オチ?いいえ未来予チです

「ドリームカーニバル?」

 

 

「そうよォ!年に一度の真夏の祭典!超高級リゾート地ドリームアイランドで開かれる盛大な祭りだ!なんでも祭りの最終日の夜にゃあ、"死んじまった人間にもう一度だけ会える"ってェ奇跡が起こるっつゥもっぱらの噂だぜ?」

 

 

補給のために立ち寄ったとある島で、ヒラヒラとばら撒かれる一枚のチラシ。

 

買い出しに出たナミと、荷物持ちのために同行しているルフィとサンジ、それにフランキーが、果物屋のおっさんの説明に頬を寄せて一枚のチラシを覗き込む。

 

 

背後では音楽を奏でながらチラシを配っている仮想した一団が楽しげに街を練り歩いており、その痕を楽しそうに島の子供たちが追いかけていく。

 

 

「うっさんくさ~!ちょっとルフィ、そんな怪しい話は」

 

 

「なんでも普段はチョ~大金持ちしか参加できねえような、とんでもなく豪華なパーティにも参加できるってんで、毎年限定チケットは盛大な争奪戦になるらしいぜ?」

 

 

「ほっほ~う?」

 

 

キラッ!と一瞬で泥棒猫モードに入ったナミの目が怪しく光る。

 

 

「豪華なパーティ!」

 

 

「美味い飯!」

 

 

「世界中から集まる美女!」

 

 

どうやらフランキー、ルフィ、サンジたちも俄然乗り気になってしまったようだ。

 

元よりお祭り騒ぎが大好きなのは海賊のサガ。

 

 

「行くぞ!ドリームアイランド!!」

 

 

「「「おー!!」」」

 

 

船長であるルフィの掛け声とともに、盛大に拳を突き上げる仲間たち。

 

だが。

 

 

「やめておいた方がいいわ。あの島は、危険よ」

 

 

「そうだぞ!!本当にオバケが出てきちゃったらどうするつもりだ!!」

 

 

「そうですよ!!死んだ人が蘇るだなんてそんな眉唾なッ!まあ私、一回死んで蘇ったのですけれど!!ヨホホホホ!!」

 

 

「何か知ってるのかロビン?」

 

 

珍しく、あまり乗り気ではなさそうなロビンがそれとなく首を横に振る。

 

死んだ人間が生き返る、という噂に盛大にビビるチョッパーと、そんなチョッパーの後ろで愉快に笑うブルック。

 

涙目で震えるチョッパーを羽交い絞めにしながら、ルフィは首を傾げた。

 

 

「あの島には、本当に死者の幽霊が現れるの」

 

 

ロビンの脳裏によぎるのは、かつてオハラで亡くした母、オルビアの姿。

 

そして、あの部屋で再会した母の笑顔。

 

 

『死者の島、ドリームアイランド。そこで繰り広げられるのは、いつの間にか、死者も参加しているという夜祭、ドリームカーニバル』

 

 

「すんげえええ!!」

 

 

常夏のビーチ。

 

そこで寛ぐ金持ち連中。

 

海岸線に居並ぶ最高級ホテルの合間に木霊するルフィの叫び声を一羽のウミネコが縫うように飛んでゆき、参加チケットを手にした一同は、サウザンドサニー号の舵を切る。

 

 

「ようこそ、麦わら海賊団御一行様。わたくし、皆様のツアーガイドを務めさせて頂きます、執事のシャンタークと申します」

 

 

柔和な笑みを浮かべた温厚で優しそうな風貌の、長身老執事が優雅に一礼。

 

一同は彼の運転するリムジンで、ドリームアイランドの中央にそびえ立つシンボル、ドリームタワーへと向かう。

 

 

「このドリームアイランドは世界中の名立たる大富豪たちが羽を伸ばすための別荘地としてこぞって出資し、急ピッチで開発が進められ、今や世界でも指折りの最高級リゾート地へと成長致しました。皆様には何ひとつ不自由のない、快適なご滞在をお約束致します」

 

 

高級レストラン。高級ブティック、宝飾店にスポーツ用品店。居並ぶ屋台ではトロピカルドリンクや食べ歩きのできるジャンクフードなどが売られ、行き交う島民や観光客たちが楽しげに談笑している。

 

およそ常夏のリゾートといえばこんな感じだよね!とでも言わんばかりの街並みを爽やかな潮風が吹き抜け、青空に飛んでいってしまった麦わら帽子をルフィの長く長く伸びた手が掴み取る。

 

 

『それは悪夢か、白昼夢か』

 

 

「皆さん、ようこそドリームアイランドへ。どうか、心行くまでお祭りを楽しんでいってくださいね」

 

 

「んは~~~!!な~~~んとお美しいお嬢さん!!」

 

 

豪奢な食事にサーフィン、エステにショッピング。

 

思う存分バカンスを満喫する一同の前に現れたのは、清楚な美少女だった。

 

ふんわりと風になびく長髪に、この世のものとは思えない美貌。

 

純白のワンピースとサマーハットがとてもよく似合っている。

 

 

「聖女、ニア」

 

 

ロビンのどこか緊張したような呟きに、サンジ以外の一同がロビンを見る。

 

彼女は聖女。

 

この島で信仰される、ニャルラト教の教祖であり、この島の中心人物。

 

 

白服に身を包んだ大勢の信徒たちを従え、にっこり微笑む姿はさながら天使のようだ、とサンジの周りをハートマークが乱舞する。

 

 

だがサンジが彼女に急接近しようとした瞬間、無言でそれを阻んだのは彼女の背後に控えていた精悍な白人と巨漢の黒人のふたりの黒服護衛のうちの、まるで巨人族のごとき巨体を持つ黒人の方だ。

 

 

 

『死者』

 

 

 

「よう、久しぶりだな...ルフィ」

 

 

「エー...ス?」

 

 

祭りの夜。

 

ふらっと仲間たちから外れ、美味そうな串焼き肉の屋台に飛び込んだルフィの隣から割り込んできて、狙っていた串焼き肉を先に買ったその男は、救えなかった兄エース。

 

 

 

 

『伝えたいことがあった』

 

 

 

「随分と立派に成長したじゃないか」

 

 

「あのチビが、こんなにもでっかくなりやがってよォ!」

 

 

「嘘、でしょ?」

 

 

「おい、おいおい!?」

 

 

小さな露天で酒を飲む母ベルメール、彼女と樽のテーブルを囲む恩人トムの出現に目を見開くナミとフランキー。

 

 

 

『見せたいものがあった』

 

 

 

「ゾロ、すっごく大きくなったんだね」

 

 

「そのアフロ!一目であんただってわかったぜ!」

 

 

「な!?」

 

 

「ヨホッ!?」

 

 

武器屋で、ひょっこり姿を現したくいなの姿に、顔を引き攣るゾロ。

 

同じく同行していたブルックの前に現れたのは、死のその瞬間までともにあったルンバ―海賊団の仲間だ。

 

 

 

『もしも奇跡が起こるなら』

 

 

 

「しかしまあ、妙なこともあったもんだ」

 

 

「世の中には不思議なことってえのが、あるもんなんだねえ」

 

 

「ドクター!?」

 

 

「母ちゃん!!」

 

 

ドクターヒルルク。

 

ウソップの母バンキーナ。

 

忘れられない、大切な人たちが、目の前にいる。

 

それぞれの人生を変えた、今を生きている彼らの支えになっている、大切な人たちが。

 

 

 

『ただ一夜だけの、奇跡のカーニバルが幕を開ける!』

 

 

 

「元気に、してた?」

 

 

「ロビンちゃん、これはっ!?」

 

 

「これが、聖女ニアの持つ悪魔の実の能力」

 

 

母ソラの出現に戸惑うサンジに対し、かつてかつて二度目の別れを告げた母オルビアが、自分の前には現れないことに、一抹の寂しさとどこか安堵の入り混じった、複雑な笑みを浮かべるロビン。

 

 

 

『生者』

 

 

 

「お嬢様は、希望なのです」

 

 

「死に逝く人間には、優しい嘘が必要な時もある。救いのない現実の中で朽ちていくよりも、優しい夢の中で静かに終わりたい人間もいるってことさ」

 

 

「つえェ人間がよォ、つえェ人間の言い分でよえェ人間の弱さを責めちまったらよォ、この海にゃよえェ人間の居場所がなくなっちまうだろォがッ!」

 

 

両手に血のように赤い刀身が艶めく二振りの刀を持ち、恭しく一礼する老執事シャンターク。その背中から、バサリとコウモリのような翼が突き出る。

 

 

足元から生えてきた無数の触手をうねらせながら、握り拳を胸の前で突き合わせるダゴン。その眼光は、鋭い。

 

ズシン!とブ-ツを地面にめり込ませ、メリケンサックをはめた手をボキボキ鳴らすロス。膨張した筋肉が、ビリビリと黒服を破る。

 

 

 

『敵か?味方か?』

 

 

 

「聖女を寄越せェ!」

 

 

「負けるな!奪い取れッ!」

 

 

「ゴールド・ロジャーの幽霊を蘇らせりゃあ、俺たちが海賊王だァ!」

 

 

「あの女を手に入れた奴が、海賊王になれるッ!!」

 

 

ドォン!と盛大な爆発が、ドリームタワーを襲う。どうやら港からの砲撃のようだ。大量の海賊船が我先にと押し寄せ、街に、タワーに、砲弾を撃ち込んでいく。

 

更に、港から押し寄せる海賊たちが、武器を振るいながら、聖女の身柄を狙って大挙する。誰も彼もが欲望にまみれた表情で。

 

 

 

『天使か?悪魔か?』

 

 

 

月明かりに照らされたドリームタワーの屋上で、ひとり祈る聖女ニア。

 

その背後に、何者かが現れる。

 

だが、それが誰なのかは判別できない。

 

 

 

「神様は、いつだって全てを見ておられます。私のことも、あなたのことも」

 

 

 

 

『劇場版ONE PIECE FILM NIGHTMARE』

 

 

 

 

 

という夢を見たんだ。

 

 

ごめんなさい、映画のメインヒロインみたいな面してごめんなさい、聖女ニアです。

 

ちょっと未来にいる私から衝撃的な電波を受信してしまいまして。

 

何でしょうね、混線でもしたんでしょうかね。

 

 

「いかがなさいましたか?」

 

 

「いいえ、いいえ。なんでもないです。あなたを採用します、シャンタークさん。今日からよろしくお願いしますね」

 

 

そしてまさかのオリキャラ三人目ですよ。

 

彼の名はシャンタークさん。

 

以前はとある大富豪のお屋敷で執事長をなさっていたそうなのですが、ご当主様が亡くなり代がわりした跡継ぎの若き新当主に厄介払いのためクビにされ、お屋敷を追い出されてしまったらしく、再就職を求めて老後の道楽がてらこの島へやってきたそうです。

 

 

 

本人的には十分な貯えもあるので何か適当なアルバイトでもしながらまったり老後を送ろうと思っていたらしいのですが、そのあまりにも特徴的すぎるお名前でうちへの引き抜きが確定しました。

 

ちなみに悪魔の実の能力者らしいですが、イアイアの実・モデルシャンタクバードではなく、バットバットの実・モデルアンネイマブルの能力者だそうで。

 

アンネイマブルって何?と思って別のニャルさんに調べてもらったところ、Unnamable=名状しがたい、って意味らしいので、なるほどと納得ました。

 

 

一応尋ねてみましたが、会いたい死人は特にいないそうです。

 

亡くなられたかつてのご主人様には、奥方ご子息ともども安らかにお眠りになっていただきたいそうで、非常に人間のできた方のようですね。

 

好感が持てます。

 

 

どうやら未来の私いわく、彼は将来的にうちで雇用しているらしいので、採用を見送る理由もありません。

 

折角お嬢様キャラでやっているので、執事が出てくるとぐっとそれっぽくなりますね。そんなわけで、彼には聖女様の身の回りのお世話と、教団の事務仕事などをお願いすることにしましょう。




シャンターク
非常に人間のできた、人当たりのよい敏腕老執事。書類作成から暗殺まで一通りなんでもこなせるらしい。二振りの刀で戦う。バットバットの実・モデルアンネイマブルの能力者。アンネイマブル=Unnamable=名状しがたい。

なお読み方ほんとにこれであってるのかなー?と調べてみてもよくわからなかったので、もし違った場合はご指摘いただけるとありがたいです。
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