イアイアの実・モデルニャルは地雷案件すぎませんか?   作:露木曽人

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実家に置いてあったワンピの原作コミックがまさかのスリラーバーク編までしかなかったという未曽有の危機。何故そこで買うのを辞めてしまったんだ当時の私...!!
こういう時、ブックオフとか漫喫が近所にないド田舎民の辛さが身に沁みますね...
早急に何とかしないと...


第16話 能力者の口に大量の塩ブチ込む新必殺技とか

(助けて...助けてそげキング...!!)

 

「!?」

 

スリラーバークの霧の中からこんにちは。

 

事情を知らない人からはシオシオの実の能力者かな?と勘違いされてもおかしくない塩の聖女ニアです。

 

まさかの塩には海水の要素が含まれているからカゲカゲの実の能力に効く。"海"の力によって、カゲと肉体が結合していられなくなる。

 

うーん盲点でした。というか、その理屈でいくと、私の能力って実はかなり矛盾しているのでは??

 

 

イアイアの実・モデルニャルの能力で黄泉の国から戻ってきた方々の肉体が塩の柱なのは、魂が抜けた時に塩になって砕け散るのと泥人形となって崩れ落ちるの、どっちが絵面的にマシかな?という理由から何となく塩にしていたのですが、ここに来てまさかの伏線回収とは。

 

やはり尾田先生の伏線回収能力は神がかっていると言わざるを得ません。

 

それはさておき、その理屈で言うなら私が蘇らせた死者(仮初の肉体は塩の柱)はそもそも一体何なのでしょう?いえ、深く考えないことが邪神の玩具なりに長生きするコツです。考えたら負け、時としてアイデアロールには失敗した方がよい場合もある。いいですね?

 

 

ひょっとしたら私の能力の副産物である塩も、何かに有効活用できる可能性が微粒子レベルで存在している可能性が?ともあれ今は、ウソップくんの雄姿をここぞとばかりに目に焼きつけましょう。

 

ほんと、冷静に考えたら何だか怖くなってきてしまいますからね。私は知らない。私は気付かない。自動車の造り方は知らなくとも、運転免許さえあれば運転はできるの精神で。

 

 

いいですよね、ネガティブホロウ。

 

まさから麦わらの一味がこんな形で壊滅するとは。

 

ペローナちゃんの可愛らしいヴィジュアルも相まって、スリラーバーク編で一番好きなバトルです。

 

 

ただ戦闘力で勝つのではなく、ウソップくんがウソップくんらしい理由と手段で勝つ、しかもまさかまさかのそげキング再登場という、天才的発想による彼にしかできないバトル。

 

真正面からの全開バトルももちろんかっこいいものですが、個人的にはこういう捻った戦いが私好みですね。

 

なので、私が個人的に好きなバトルランキングはナミさんやウソップくんのものが上位に来ることが多いです。

 

 

 

「ここまで悪党だと、気持ちいいぐらいだホグバック!!」

 

「ん~?」

 

さて、死者を蘇らせることを稼業にしている聖女には、メチャクチャぶっ刺さるチョッパーくんのホグバックへの啖呵が響き渡ります。

 

 

 

「"死"は突然やってくるから..."死んだ人"にも"残された人たち"にも、言い損ねた言葉が沢山あるはずだ!何年もなんて言わねェ!たった数分でもいい!!もう一度死者を呼び起こす手段があるのなら...たとえそれが"邪道の医学"と石を投げられても、それで救われる人の気持ちはデカい!!」

 

そうなんですよねえ。

 

死んだ人間、遺された人間。

 

どちらにも無念が残るのが人の死です。

 

実際ドリームアイランドでは蘇った死者が何年も生活していますが、世間からすればたった数分だって叶うはずのない夢物語であり、だからこそ奇跡なわけです。

 

 

悪魔の実の能力ということで、気軽に奇跡を大安売りしている身としては、非常に身につまされますね。

 

私ごとき木っ端二次創作小説の主人公なんぞ足元にも及ばないぐらいの真摯な言葉が、地味に耳に痛いです。

 

 

 

「勝手に尊敬するのはテメエの自由!!失望すんのは筋違い!!テメエの理想と違った俺を、医者として許せねえとでも思うのなら!!とんだ思い違いだぜバカトナカイ!!」

 

そして気持ちいいぐらいに悪党としての持論を貫くホグバック。

 

そうですね、期待するのが勝手なら、思ってたのと違う!!と失望するのもまた勝手。

 

 

力を持つ者が、それをどう振るおうが、それもまたひとつの自由です。

 

善人になるも悪党になるも、本人次第。

 

海賊に泣かされたものも救われた数多いる大航海時代におけるひとつの真理。

 

 

愛するシンドリーちゃんの中身なんてどうでもよくて、その美貌さえあれば中身が他人だろうがゾンビだろうがOKというホグバックは、非常に上級者向けの性癖をお持ちのようで。中身を重要視する私と、中身は完全度外視な彼。同じ死者蘇生を扱う者でもそのスタンスは真逆です。

 

 

一歩違っていれば、私も彼のようになっていたのかもしれません。

 

自分の都合で黄泉の国から勝手に死者を呼び戻し、能力で無理矢理従わせてやりたい放題好き放題暴れ回る。ニャル様なんだからトリックスターらしく、原作を引っ掻き回さないとネ☆とばかりに。

 

そんな未来もあり得たのかもしれませんし、そういうのの方が観てて面白いから好き、という人も、少なからずいるのでしょう。。

 

 

え?今でも十分好き放題やってるだろうって?まあ、それを言われてしまったらオシマイなのですが。

 

一応私は原則死者本人に同意を得て戻ってきてもらってますからね??

 

あのーすみません、あなたのご家族、友人、お仲間が、たとえほんの一瞬だけでもいいから、戻ってきてほしいと願ってるんですけれども、ちょっとだけでもいいから会ってあげて頂けないでしょうか?と。

 

死者が現世に居ついているのはあくまで結果論であり、当人たちの自由意思によるものです。

 

 

私、電電虫による電話応対とかあまりしたくないタイプなのに、初対面の死者の魂にに連絡して、お願いしなくちゃいけないの結構精神的な負担なんですよ??いきなり明日から保険とか不動産投資とかインターネットの光回線のセールス電話やって、と言われたら、嫌な人は多いと思います。

 

 

なので、ロジャーさんとか死後の白ひげさんの魂を本人の同意なしに勝手に復活させるとか、実はよっぽどの強権を発動をしない限りは基本的にはできないんですよね。

 

そもそもしたくもないですし。

 

どうしても必要になってしまったならその時は躊躇なくやりますが、さすがにねェ。

 

 

 

「一体どこに"人間"がいるんだ!そんなこともうやめさせろ!!心と体が繋がっていない人間なんてもう人間じゃない!ものを言えない死体を使って、お前は怪物を生み出しているだけだ!!ゾンビの数だけ人間を不幸にしてる!!それがわかったから俺はお前たちを許せないんだ!!」

 

塩の柱の数だけ人間を幸福にしているつもりの私さん、どうかチョッパーくんの言葉を忘れないようにしましょうね。

 

さもなくば、今度は私がホグバックのように、彼の哀しい怒りを買ってしまいますから。

 

 

そしてまさかのこの局面に居合わせているロビンちゃん。

 

かつて私の許を訪れ、亡きお母様と対話した彼女に、チョッパーくんの言葉はどう響いているのでしょう。

 

 

その表情からは読み取れませんが、死者蘇生という奇跡のまたひとつの異なる形を前に、思うところあるのかしれません。

 

 

 

「可哀想に...!!もう死んでるのに!!遺された家族がこれを知ったらどんな気持ちだ!!」

 

「手を、離せ!」

 

「醜い傷で継ぎ接ぎにされて...!!代わりの利く兵士にされてるなんて、身内には耐えられない」

 

「この!!離せ!!」

 

「一緒に生まれて育った"心"はもう死んでるのに、一体なんだ!?」

 

「テメエの目を疑うのか?認めろ!!これが人の永遠の夢!!"死者の蘇生"だ!人間は蘇る!!」

 

「動いたらそれでいいのか。

 

人間ならもっと自由だ!!お前が一番人間扱いしてないんじゃないか!!」

 

 

はいチョッパーくんの生名言来ましたー!!...なんて、この局面でのんきに喜んでいられるほど、今ここにいる私が能天気でないのは、きっとよいことなのだと思いたいところです。

 

なーに言ってやがんだこの似非聖女が。偽善者も大概に知ろよ、と、もし誰かに囁かれてしまったとしても、きっとです。

 

 

自分の努力で勝ち取ったものでもない、生まれつき持っていたものでもない、ただ後天的に、まったくの偶然で手に入れてしまっただけの力。

 

その力を揮うことなく、ただこのワンピース世界の片隅で、静かに引きこもって生きていこうと思っていた幼少期の私。

 

 

皆さん、第1話を覚えていますか?元々、そんな私のあり方を、観ててつまんない、という理由で、ニャル様が権能を暴走させ、勝手に私が看護師として働いていた島を、蘇った死者だらけにしてしまったことが、聖女になる最初のきっかけだったんですよ。

 

 

何もかも全てニャル様が悪いとは言いません。

 

きっかけが何であれ、今ここにこうしているのは紛れもなく私の意思であり、私が選択してきた人生の結果です。この世界を楽しんでいることも、その過程で殺してしまった人がいることも、私の存在に救われた人がいることも、私という存在のせいで不幸になった人がいることも、全て私の選んだ道です。

 

ただ、こうして私とは別の形の死者蘇生が生み出す悲劇を目の当たりにして、それに憤るチョッパーくんを見ていると、さすがに思うところがあるわけで。

 

 

 

「魂のない体にも...意志ってあるのかな...」

 

「――それはきっと...世界中の図書館で調べてもわからないことね。――あるいは"彼女"なら、その答えを知っているのかも」

 

「..."彼女"?」

 

さて、ローラさんとナミゾウの、『助けに来たのよ!!マイフレンド』を観に行きますか。

 

柄にもなくしんみりしてしまいましたが、だからといっていつまでも深刻な顔して思い悩んでいるのもニャルラトホテプの一端らしくありません。

 

 

想いは胸に、誓いは心に。

 

"でもそれはそれとして"の精神で、いざスリラーバーク終盤へ!!"パイレーツドッキング6!!巨大ロボ戦士!!ビッグ皇帝(エンペラー)!!"は特に、絶対に見逃せません。

 

ロビンちゃんの冷めた『人として、恥ずかしいわ』『もう二度と...二度と誘わないで"ドッキング"』を拝みに行きましょう!

 

いいですよね、合体。男の子(女の子も含む)の浪漫ですよね。皆さんにお願いしたら私もできないでしょうか?

 

 

『皆さん今です!!ホーリードッキング5!!巨大聖女戦士、ビッグ女教皇(エンプレス)!!』

 

 

みたいな感じで、私の両手両足にそれぞれダゴンさん、ロスさん、シャンタークさん、伯父様というガタイのよすぎるおひげのダンディ四人がしがみついている光景...うん、見た目が完全に事案ですね。

 

劇場版のクライマックスになるとよく出てくる巨大な敵に一致団結して立ち向かうという熱い展開に持ってこいかもとも思ったのですが...残念...


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