イアイアの実・モデルニャルは地雷案件すぎませんか?   作:露木曽人

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ここから先は劇場版本編の爽やかな感動や余韻をぶち壊しにしかねない要素がわんさか詰め込まれておりますので綺麗なまま終わってほしい方のご視聴は推奨できません。いあ、いあ


第30話 オーディオコメンタリというか舞台裏 序

皆さんおはようございます。劇場版で上げた好感度を本編で下げていく系聖女、ニアです。もうね、あッこれ駄目だなって思ったんですよ。何があったと思います?朝起きたら、何か塔の天辺に空中庭園できてたんですよね。昨日までそんなものなかったのに。

 

誰に訊いても建物が完成した時からずっとあったじゃないですかって変な顔されちゃいましてね。しかもシャンタークさんなんか『いつも通りご朝食は空中庭園にお持ち致しますので』なんて言い出しちゃって、これはSAN値減少案件ですわ。

 

しょうがないのでなんか青い薔薇とか意味深に咲き乱れちゃってる空中庭園で朝ご飯しつつ、食後にデザートのクロテッドクリーム添えスコーンモグモグしながらお紅茶キメてたら、意味深に白い鳥なんか飛んできちゃってまあ。

 

しかもそいつが飛び立った後に何が飛んできたか皆さんもうご存知ですよね?そうです、麦わらのルフィの手配書です。伝書鳩でもあるまいに、どこから飛んできたんや...ってもう戦慄でしたね。どこからともなく偶然ルフィさんの手配書が地上666mの塔の天辺に飛んでくるんですよ?

 

『あ...(察し』ってなってしまう私の気持ち、ご理解頂けました?そうですね、遂に始まっちゃったんですよね、劇場版気取りのシリアス回が。しょうがないのでニャル様に責任取って協力してください!!って頼んだら『遠くから眺めてる方が楽しそうだからヤダ☆』と即答ですよ。ファッキン!!

 

失礼しました。聖女様にあるまじき口汚さでしたね。おクソですわよ!!おシットですわよ!!そんなわけで、私はかつて未来の私から送られてきた未来予知を元に、どうすれば最小限の被害でルフィさんたちとの邂逅を乗り切れるかを考えなければならなくなったのです。

 

「麦わらの一味に肩入れする?本気か?」

 

「ええ。ここまでニャルラト正教会は頑なに中立を貫いてきましたが、もうそろそろいつまでも八方美人でもいられなくなって参りましたし、よい機会かと」

 

そんなわけで、早速皆さんを呼び出しての作戦会議です。空中庭園はニャル野郎が盗聴器とか仕掛けてそうで怖かったので会議室を利用しました。円卓なんていつの間に運び入れたんでしょうね?やはり13使徒会議とかここでやってらっしゃるんでしょうか。

 

「幸い彼らはうちの威光や金銭を笠に着てどうこうし始めるようなタチの悪い海賊連中ではありませんし、一度彼らが出航してしまえばほぼほぼ係わり合いになる必要もなくなります。よって狙い目だと判断しました」

 

「なんでか知らねェけど、お嬢は昔っから麦わら一味のファンだもんな」

 

「なるほど、今までの不思議な行動は、ただの野次馬根性丸出しの物見遊山ではなかったのですね」

 

「ええ、まあ。そちらに関しては多分に私の趣味も含むところありますが、概ねそういったところです。彼らの旅路をここまで見届けてきて、信頼に足ると判断しました」

 

ココヤシ村辺りから頻繁に私の謎ワープに付き合わされてきたダゴンさんとロスさんは納得の様子。彼らも麦わら一味の痛快冒険活劇を少なからぬ回数間近で鑑賞してきたわけですから。

 

「じゃが、世界政府は納得せんじゃろう?海軍本部もじゃ。その辺、どう折り合いをつけるつもりなんかのう?」

 

「麦わらの一味は天竜人への反逆罪、並びにエニエスロビー襲撃という無視できない実績を持っている。そんな連中と手を組んだと知れれば、連中は必ず何か仕掛けてくるだろう」

 

「無論、理由付けは必要でしょう。天竜人は無視でよいとして、海軍さんの方には納得のいく理由を提示してやればいいわけです。そのためにも一度、この島を窮地に陥れましょう」

 

さらっと言い出した私に、皆さんまたか、みたいなふいんきを漂わせるのは何故なのでしょうね?私たちはニャルラト正教会の未来のために日夜頑張っているはずなのですが。

 

「なるほど。こちらから率先して麦わらの一味に接触するのではなく、たまたま麦わらの一味に無視できない借りが偶然できてしまったがため、形式上こちらとしては彼らを支持せざるを得ない形に持っていく、と?」

 

「義理人情のしがらみっちゅうもんは、いつの世も万民を納得させるのに有効じゃからのう。テロ組織の残党狩りも兼ねておるならなおさら好都合じゃわいな」

 

「お嬢様、老婆心ながらご忠告させて頂きますと、あまりお嬢様の品位をさらに落としかねないような低俗な真似は...」

 

「大丈夫です!!今回は小さなお子様にもご入場頂けるレーティングを目指しますから、露骨なサービスシーンは自重しますので!!」

 

つい先日も『ライオンを真似て下々民の赤ん坊100人を深さ100mの谷へ時速100kmで突き落としてみようと言い出した天竜人を諫めたせいで飲みものぶっかけられてびしょ濡れ聖女ニア、ブラ紐スケスケ事件』で世間を賑わせた私に、ブラ紐スケスケはあきらかに必要ありませんでしたよね??お嬢様は露出狂か何か??的なことをニコニコ笑顔でお説教をかましてくださいましたばかりのシャンタークさんに両手を振って大丈夫です、今回はいやらしー人気取りはしませんから、と慌てて弁明する私。

 

「とにかく、陳腐な言い方になってしまいますが、運命の歯車が動き出してしまった以上、遠からず彼らがこの島にやってくることはもう確定事項ですので、ならばいかにこちら側で運命の方向性を微調整してやるかが鍵となるでしょう。少しでも被害を減らすため、頑張りましょうね」

 

「運命、ですか。なんとも胡散臭い響きですが、お嬢様と共にあると信じざるを得ませんよ」

 

「運命の糸で縄跳びして遊んでそうなお嬢に言われてもなァ」

 

「だが神が実在するならば、運命とやらもまた実在するのだろう」

 

「やれやれ、マイワイフとお祭りを楽しむのは来年に延期かのう」

 

「下手をすれば来年が来なくなる可能性もございますので、ここはぐっとご辛抱頂くよりございませんかと」

 

なんですかね、この篤い負の信頼感。長い付き合いなだけあってか皆さん私という人間の本性を薄々理解していらっしゃるようですが、それでも見捨てられないだけマシなのでしょうか。ともかく、麦わらの一味来ちゃうよ事件解決に向けて、頑張っていきましょう。えいえいおー!!

 

『おー』

 

 

 

やると決めたからには本気で取り組まなければなりません。とはいえ、皆さん暇な私と違って多忙な身。お祭りの開催に向けて関係各所との調整、根回し、折衝とそれなりに忙しない日々が続きます。

 

私もお祭りのポスターやパンフレットやチラシに使用するための写真撮影のため、繁華街にある写真スタジオに顔を出したり聖女業に勤しんだり、玉座の代わりに黄金像を搭載したお神輿にorzしたりとそこそこ忙しい日々を送って参りました。

 

諜報部隊や海軍さんを経由してシャンタークさんやゴーントさんには海賊さんたちやテロ組織の残党たちにそれとなくお祭りの情報を流してもらい、祭りブッ潰して聖女誘拐して奴らの面目丸潰れにしてやろうぜ計画を立案してもらいました。

 

中でも赤ひげ&青ひげ兄弟という、いかにも白ひげや黒ひげ意識してますよっぽい雰囲気の手頃な海賊がいましたので、過去の時間軸に滞在している私のうちのひとりにお願いして別人に化けてもらい、不二峰子(クレしん並感)リスペクトの悪女ムーヴでそれとなくそのふたりに計画を先導してもらえるよう誘導してもらいます。

 

こういう時、別人に変身してもある程度その美貌を持ち越せるAPP24って便利ですよね。脳味噌が下半身についてるタイプの男性は御しやすくてとても助かります。とはいえ私は邪神の権能を一部発揮できるだけの玩具であり、本物の神仏の類いではないので何から何まで全ての運命を思い通りに操れるわけがありません。

 

そもそもそんなことができるなら劇場版なんて起こさせないに決まってるじゃないですか。なので、あれもこれもと手を広げすぎてどれも半端に自滅してしまうぐらいならば、『最初に強くぶつかって、後は野となれ山となれ作戦』でいきます。

 

少年漫画の主人公という半端ない運命力を持つルフィさんたちなら、私が余計なことをせずともいい具合にドラマチックな展開をしてくれることでしょう。ですので、余計な裏工作は必要最小限に。必要なものを必要な分だけ、の精神はニャルラト正教会の基本ですからね。

 

そしてついに、あの運命の日がやってきてしまいました。




オマケ・ホモくん奇跡の軌跡


安定路線の海軍チャートで走り始めるも最大のうま味だった確定入手悪魔の実がまさかのボッシュート

リカバリ金策に走るも最大のうま味であるカルト宗教潰し稼ぎ法がニャルラト秘密教団とかいう特大の地雷だったため使えなくなる

なんとかチャート通りサルタンの部下になったが大佐ではなく中将だったため任務がベリーハードモードに

ようやく入手した悪魔の実を売って金策完了のはずが操作ミスによりウッカリ食べてしまうというとんでもないガバが発生。
しかも悪魔の実ガチャは事前に強制オートセーブなのでリセが利かない。チャートが完全崩壊するが続行を決意。
悪魔の実の能力のせいか時折よくわからない空耳が頻繁に聞こえるようになるが実害はないので気にしないことにする

海軍大佐にまで昇進。本来死んでるはずのサルタンの姪の護衛兼監視という高収入な美味しい仕事を任されるがどう見ても中身がニャル
ついでに走者の名前がツァトグァであると判明

頂上決戦編で白ひげに必殺兄貴ビィンムを無言で撃ち込み最後の一発かますことに成功。無事彼の攻撃でHPを0にしたためトロフィ"至高の白を超える者"獲得。
RTAの最終目的である四皇撃破のうちまずは一皇を落とす。ただし走者の取った戦法が戦法だったため世間的な知名度は低いまま

よーし新世界編頑張るぞーと思いきや何故か新世界編が始まると同時に二年前に時間が戻る謎バグに巻き込まれる。しかも複数回
この時点でタイムが+10年ちょいととんでもないことになっているが走者の心は挫けない

何故か本来起こるはずのない劇場版イベント発生。今話の会議中実は会議室の前で警備やってたためガバガバの実の能力により中の会話が聞こえてしまい、慌てて逃走しようと頑張るが、ツァトグァの横で画面覗き込んでるニャル本体の嫌がらせにより逃走失敗。画面前がリアルファイトに発展しかける←今ココ

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