無個性ヒーローは無個性ヒーローNo.1を目指す 作:超ちくわ
「最近、日本側からの連絡が取れていない。連絡はしてみたか?」
「いーや、連絡はしたものの一切出て来ずだ。」
「気付かれたか…?」
「ボス!何者かに殺されたと今情報が入りました!」
「何だと?奴の個性はヒーローでも厄介だと言われているハズが…殺った奴は誰だ?」
「今捜査中です!」
「日本を乗っ取るまであと一歩だったハズが…!今すぐ奴を探せええぇぇ!!」
俺達の平和な日常は続いていたものの、俺達の知らない裏側では闇社会が動き始めていた。その発端は俺が暴走した数日後に起こっていた。そう、暴走した俺が噛み殺した敵から始まっていた。
「ふわあぁ…おはよー…。」
「おはよう萃君。凄く眠そうだね…。」
「うん…最近ねー…キラーが毎度毎度一緒に出てこようとして大変…。」
「萃君とキラーって意外と性格が真逆なんだね?」
「そうなんよ…180度真逆なんよ…。」
「デク君萃君大変!!とんでもないことが起きてもうた!!」
「「麗日さん/お茶子ちゃん??」」
「これ見て!!」
ザザッ
『不味い不味い不味い!!!逃げろおおおお!!プロヒーローですら苦戦してる程の敵が来てるぞおおおお!!』
『いやああああ!!お願いだから来ないでえええええ!!』
『かーっはっはっはっは!!!お前ら雑魚には雑魚死がお似合いだぜえええええ!!!』
ブツッ
「…………ッ。」
「な、なんだよ…何だよこれ…!!」
「雄英生出動の話も入ってるって…。」
「悪ぃ…俺パス。」
「な、何を言ってんの萃君!?」
「そうだよ!こんなに酷い状況が動画で出てるのに!!」
「いくら俺が回復したところでそこに行けば暴走する。結果は分かってるハズだ…。こんな…こんな俺が救助するなんてできねぇ…。怖がられて当然だよ…!」
「そんなことない!芦戸ちゃんを助けた時に感謝してたんだよ!?なのに怖がられるなんてことg「あるんだよ。市民達に…。」なんなら…!」
「分かってくれねーんだよ。暴走した俺のことが根強くイメージに残されているはずだ。どんなに分かってもらおうとしても逆に殺されかけるだけなんだよ…。」
「認めてもらえるようにしたらええやろが!!あんたは殺されかけていようが死にかけていようがお構い無しで戦闘に突っ込んでいるクセに今更殺されかけるのが怖いなんて弱音吐くなボケ!!」
バンッ!!!
「萃君…確かに分かるよ。君が怯えてる理由も救助したくても恐れることも…。だけど君は違う筈だ!!そんなこと言っていたって成長できないんだよ!?」
「できないんだよ!!」
「ッ…!!」
「俺だって皆に追いつけるように成長しようとしたってできねーんだよ!どんなに努力しても、どんなに考えても、どんなに変わろうとしたって君達ができることをしたって俺はできねーんだよ!暴走した時なんて皆を傷付けたくなくて逃げたしとんでもねー迷惑かけtバキッ!!! ぐッ…!!」
「そこまで言うなら成長しなくていいよ!君だけ成長できないなんて言っている時点で大間違いだ!!萃君がそこまで言うなんて珍しいとは思ったけれど、人を襲うかも知れないから救助に行かなくていいみたいなことを簡単に言わないでくれ!!こんなの…以前の僕を見てるようだよ!!」
バンッ!!!
「……はぁ。なんでこんなこと言ったんだろうな…俺…。」
「…どうしよう…萃君を殴ってしまった…。凄く気まずい…。」
お互い複雑な気持ちを持ったが、俺が悪い。
お茶子ちゃんや出久君の言う通り、俺は今更弱くなったところで何も変われないし何も出来ない。
似たようなことを誰かに言われたような気がしたが、俺は未だにそういうことは成長できていない。出久君が言っていたように成長しなくていいところは無理にしなくてもいいかも知れない。
俺はダンマリとしたまま放課後を迎え、図書室で読み物を見ながら考えまくっていた。
「成長しなくていい…か。バカだよなぁ…俺。」
「あら、何ぽけーっとしてるのよ?抱きたくなるわぁ〜♪」
「しれっと過激なセクハラ発言しないでくれません?」
「いいじゃない♪減るもんじゃないし♪」
ギュッ
「はぁ…全くこの人は…。」
「珍しく抵抗しないのね?何か悩んでいるのは分かるわよ?あのことをまだ引きずっているの?」
「そ、そうですけど…。」
「もう大丈夫なのよ?皆分かってくれているし、無理に治そうとしたって余計に体への負荷がかかるだけ。だからあなたはゆっくり治していけばいいのよ。救助活動すらできないくらいの不安もあるだろうけど、あなたはもう子供じゃないし一人で考えていけるんだから。あなたにしかできないことだってあるのよ?」
「俺にしかできないことって…?」
「私を誘惑させること。」
「聞いた俺がバカだった。」
「待って待って!行かないで!あなたは緑谷君と同じようなことができるのよ!だから、目指すものを目指していきなさい?」
ドガァッ!!!
「なんじゃ!?」
「敵ね!?タイミングが悪すぎる…!萃ちゃんは中にいて!」
「まずい…!!あそこに出久君とお茶子ちゃんが!!」
「なんですって!?」
一方…
「くそっ!なんだよこの個性…!初めて見る個性だ…!!」
「デク君!気を引きつけるから仕留めて!」
「分かった!!」
「がーっはっはっは!!悪いなぁ!俺の個性は個性からのダメージを無効化させる個性だからなあああ!!」
「ワン・フォー・オール…フルカウル……ッ!!」
ゴッ!!!
「がはっ…!!!」
「デク君!!」
「麗日さん…逃げ…て…!!」
「イヤや!逃げるならあんたも連れてくわ!!」
「おうおうおう!お友達の面倒を見てる暇はないぜぇ?」
ガッ
「うぐっ…!」
「雄英生って結局弱いもの集いじゃねぇかよw あ、俺がさいきょーだからか!!はっはっは!!」
「……麗日…さん…!!」
「……………脚部換装 駆逐艦 島風 全速力+64cm酸素魚雷ッッ!!」
ベキャアッ!!!
「おごぉっ!?」
「うわっ!?」
トテッ
「はぁー…本当俺って成長できてねーなぁ…。」
「かな…め…君…?」
「ごめん、出久君。俺が間違えてたよ。バカでポンコツな俺だけど…今は俺にしかできねぇことをやる!!あの時の発言は前言撤回だ!!死者を出さずに救助してから敵をぶっ飛ばして牢にぶち込む!!」
「萃君…本当バカ。最初からそう言っていればよかったのにっ!!」
「とりあえず二人は安全なところに!こいつぁ俺と相性がよさそうな奴だな!!」
放課後に起こっていたことが幸いだったからか、俺は出久君と一緒に鍛錬していた場所に砂塵の勢いで敵がいることに即で気がついた。
出久君は普段砂塵を起こすような特訓をしないし、遠隔攻撃の特訓しかしていなかったからね。
「私はまだ行けるよ!萃君にだけ無理はさせられへん!!」
「僕も…これ以上負担はかけさせられない!!」
「本当…雄英に入って正解だったわ!!二人とも行くよ!!合図を送るからそれに合わせてほしい!!お茶子ちゃん、重要な役割になるけどいいかい?!」
「うん…!」
「今のうちに蔓状のものか木の根っこでもいい、奴を縛れるようにしたいんだ…!」
「分かった。」
「よし!そんじゃあ…行くぜっ!!出久君は遠距離攻撃で頼む!奴を観察していたから分かるが、攻撃属性に変換された個性を無効化する個性だ!」
「そういうことか…!任せて!」
「なーにごちゃごちゃ言ってんだガキ共おおおおお!!」
ブォンッ
「てめーうっせーぞ!!」
ベゴォッ!!!
「ッ…!何だコイツ…力が……!?」
「相手は彼だけじゃないぞ!無化澤 効司!!」
「……何故俺の名前を知っているクソガキャあああああああ!!!」
出久君は何故か名前を知っていた。
多分すぐに調べたと思う。早すぎる。
敵の個性は無効化、全ての個性で攻撃属性となった個性は無効化される個性だ。だが、奴自身は全てを無効化できると思い込みすぎて理解していなかったご様子。過信しすぎたんですね。はい。
結構凄い体格はしているが、動きは鈍くてすぐに避けられる物理攻撃ばかりだった。弱点多すぎじゃね?
「ワンフォーオールフルカウル…!デラウェアスマッシュ エアフォース!!!」
バシュシュシュ!!!!!!
「いでっ!!何故だ!何故無効化するハズのものが無効化されない!!?」
「お前自分の個性を分かってねぇなああ!全ての攻撃を無効化なんて出来るわきゃあねぇだろーが!!バカ野郎おおおおお!!」
「なっ…!?」
「全力アッパーあああああああああ!!!」
ベキャアッ!!!
「おごっ!!」
「ワンフォーオールフルカウル!シュートスタイル…セントルイススマッシュ!!!」
ドゴォッ!!!
「何故ええええええああああああ!!?」
「脚力40.9%…!!目標補足…砲撃準備完了ッ!!」
「お、おいおいおい…嘘だろっ…!?」
ビュオッ
「お前は選ぶ相手を間違えた!!牢でしっかり反省しやがれ!!」
「ワンフォーオールフルカウル…20%…!!」
「金剛型戦艦参番艦 榛名 火力100%…!!」
「なんて思ったかガキどm」
「「ド根性マンチェスタースマッシュ!!/36cm三連装砲!!」」
ドガアアァァッ!!!
「ごほああああああああっ!!!」
「お茶子ちゃああああああん!!」
「でぇやあああああああああああああ!!!!!解除おおおおおおおおおおおおお!!!!」
ガガガガガガッ!!!
ズドオオォォン!!!
「着地いいいいいい!!!」
ドォッ!!!
「萃君派手に着地したけれど痛そうだなぁ…。」
スタッ
敵を無力化させ身柄拘束をしたのは良かったが、出久君とお茶子ちゃんが酷くではないけども怪我をしていた。
出久君は打撲と骨の一部に
敵との拳の撃ち合いによって手全体に罅が入って一部骨折、腕に多少の罅が出ていた。
「はぁ…はぁ…!やっと追いついたぁ…!ってもう捕獲したの!?」
「ミッドナイトさん遅いです!」
「報告しなきゃいけなかったのに貴方が急に飛び出すからでしょ!?」
「とりあえずあの敵を眠らせて!気絶しているからもう少ししたら起きちゃうの!!」
「えっ…まさかあの敵…!」
「誰か知っているのですか?」
「萃ちゃん…これはとてつもない異常事態になったわ…!緑谷君、麗日さん!」
「「はいっ!!」」
「貴方達は保健室で体を休ませて回復しておいて!もしかしたらゆっくりできる暇が無くなる!」
「ミッドナイトさん…?」
「萃ちゃん、このことは私が先生方に伝えておくわ。貴方達が協力して拘束したことももちろん伝えるわ。だけど、コイツ…本当に面倒なことになったわ…!!」
ここからまたえげつない事件に巻き込まれるなんて俺は知らなかった。
いや、もうとっくに巻き込まれた上に巻き込んでいたのだ。
ミッドナイトさんにひょいっと抱き抱えられたまま言われていたから説得力はなかったけれども…。