無個性ヒーローは無個性ヒーローNo.1を目指す   作:超ちくわ

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16話 互角

二日目。

なんとか回復はしたが、未だに痛みが残る。

ルミ姉の一撃で俺の右腕が死にかけていたから完治までとはいかなかった。そして俺のいる部屋に小さなお客さんが入ってきた。

 

バアァァン!!!

 

「ラビットシップうううう!!」

 

「おぉっと!?あの時のお嬢さんじゃないの!!」

 

「こらー!ラビットシップが痛がっちゃうでしょー!?」

 

「お母さん大丈夫ですよ!俺はこー見えて丈夫な体なので!」

 

「本当、娘がすみません…。」

 

「いえいえ!お嬢さんも元気そうで何よりです♪」

 

「私ね、南方 遥(みなかた はるか)って言うの!」

 

「遥ちゃんって言うんだね…可愛い名前してるなぁ〜♪」

 

「えへへ〜♪」

 

「私はこの子の母親の南方 有砂(ありさ)と言います。私も正直、ラビットシップに心を惹かれて応援していますが…遥にはやっぱり敵わないくらいで…。」

 

「こんな俺を応援してくれるなんて…ありがとうございます。」

 

「いえいえ!!そんな…!」

 

「ねーねーラビットシップー!私ね、ラビットシップのお嫁さんになりたい!」

 

「ふぁっ!?」

 

「は、遥!?」

 

「ラビットシップみたいに強くなってラビットシップを超えるヒーローになってメロメロにさせたいんだもん!」

 

(やんべぇ可愛い。)

 

こんな可愛いお客さんにそんなこと言われるとそりゃ俺も惚れるわ。

そう思いました。まず、こんなこと言われて惚れるとか言ったらロリコンじゃねーかって思われる。死ぬわこれ()

 

バアアアァァァン!!!

 

「かーなめっちいいいいいいいい!!!!」

 

「なんじゃあああああああああ!?」

 

「ピンキーだー!可愛いいい!」

 

「あ!昨日の女の子!かっこよかったよおおお!!萃っちもすっごく喜んでたんだよー!」

 

「芦戸さん!?」

 

「いーじゃんいーじゃん!あ、そうそう!萃っち、次の対戦相手はヤバいよ!今度はクラスメイトとの対決になるんだって!」

 

「うっそだろ!?」

 

「今度は緑谷とお茶子のタッグとだって!」

 

「余計にまずいじゃん!!?」

 

終わったと悟った俺。

しかも名コンビすぎる名コンビ。

出久君は攻撃特化の継承型個性で、お茶子ちゃんは攻撃とサポートの両方が可能な個性だからかなり苦戦するやつ。

足場を取られたら勝ち目すらないのも目に見えてるし、多分先にお茶子ちゃんをダウンさせてからの出久君に移るかも知れない。

考えていたら出場ゲートに着いてた。

 

「うぐうぅ…先にお茶子ちゃんをダウンさせるか、出久君をダウンさせるか…どっちにしたらいいんじゃあああああああ!!」

 

「お待たせしましたあああああ!二日目の2回戦目の出場者はこのタッグとあの人だああああああ!!!」

 

「うーわ司会者変わってんじゃん。めっちゃ苦手なテンションで来るのはやめちくりぃ…。」

 

「よっしゃああああああ!待ってたぜラビットシップ!!今度はどんな戦いを見せてくれんだあああああ!?」

 

「話題のラビットシップちゃんと雄英体育祭で活躍した子が対決するんだって!楽しみになってきたわ!」

 

「う、麗日さん…すっごい歓声だね…。」

 

「めっちゃ緊張するわぁ…。」

 

「だ、だけど作戦通りやっていくよ!頑張ろうっ!」

 

「うん!!」

 

ギイィ…

 

「昨日と同じく、ゴングが鳴れば試合開始!!以上!!」

 

扉が開くと同時に出久君とお茶子ちゃんが現れ、俺は少し遅めに出てきた。めちゃくちゃ緊張しています。

両者が定位置に着くとお互いに一言を言い始めた。

 

「出久君、お茶子ちゃん…本気で行くからね…!」

 

「もちろんだよ。僕達も本気で行くつもり!」

 

「うちも本気でやらせてもらうから!クラスメイトだからって手加減はしないからね!」

 

「スタートオオォォォ!!!」

 

カアァァン!!!

 

(ヤバいどうしよう作戦なんて考えてなかったわ。どう動こうか…。)

 

(まずは様子見で動かず…いや、萃君も様子を伺っている…?お茶子ちゃんには彼が動いたら用意してもらうところなんだけど…もしかして僕達が動くことを狙って…?)

 

(あかん、萃君全く動かん!どっちから動くんやろ…!)

 

(そう言えば萃君の利き足はどっちだ…?!そこをしっかり見ていなかったせいで予測ができない…!)

 

(やっべぇ圧だこれ…。きちぃよおぉ!!ええい!動いちゃえ!!)

 

シュッ!!!

 

「左だって…?!!」

 

「あかん!デク君お願い!」

 

「狙わせないよっ!!」

 

ガッ!!!

 

「ひえっ!?しっかり作戦考えてんのね!?俺がサポート役を狙うの分かってたか…!」

 

「予想だね!萃君ってたまに予測不可能な動きをするから!!」

 

バッ

 

「ふんぬっ!」

 

ベキッ!!!ピシピシッ…!

 

(来たっ…!)

 

「64cm…酸素魚雷ッ!!」

 

ドヒュッ

 

「ワンフォーオール…フルカウル…!!デラウェアスマッシュ・エアフォース!!!」

 

バシュッ!!!

 

「ほわっ!?」

 

「麗日さん!!」

 

「あいよおおおおおおおお!!!」

 

ゴオォォッ!!!

 

「マジかああああああああああああ!?!?」

 

俺は予想はしていたけれど、それ以上に予想外なことが起きた。

お茶子ちゃんは重力(グラビティ)の個性を最大限に使い、その場内の地面を抉り出した。いや、俺が力加減も無しに亀裂を作ってしまったことから始まったんだけどね。

しかもめちゃくちゃ浮いていたし、落ちてる。

 

「うぅっ…立ち直れないっ…!」

 

「もらったよ萃君!!」

 

「まだまだじゃああああああ!!」

 

「ワンフォーオール…!!」

 

グググッ…!!!

 

「落下距離推定30、角度調整…。緊急火力調整…出力75%、火力調整20%…!」

 

───────────

 

「おいおい不味いぞ!萃がこのまま落下して普通に死ぬぞ!」

 

「艶星のやつ、緑谷タッグとの戦い方が特殊すぎて対応していないんじゃねーのか!?」

 

「落ち着けやボケ!!あの無個性がそのまま落下すると思ってんのか!!?よく見てみやがれ!!」

 

「むっ…?艶星の動きが少し変わってるぞ。」

 

「緑谷と似た動きをするんだな。これは真似出来ないくらいだ。」

 

───────────

 

「デトロイトスマアアアアアアッシュ!!!!」

 

「15.5cm三連装砲おおおおおおおお!!!!」

 

ズドガアアアァァァン!!!

 

「うぅっ…!!衝撃波が尋常じゃない…!デク君は大丈夫なんか!?」

 

パラパラ…

 

「はぁ…はぁ…よ、避けられた…。」

 

ドカッ!!!

 

「ぶえっ!!」

 

「!?」

 

「あたたた…着地って慣れないもんだな…。」

 

「萃君流石だよ…あの距離をコンマで躱すなんて。」

 

「あの高さからの体勢を変えるなんてやっぱり慣れないよ?!」

 

「そろそろ現段階での最大火力で行くよ…!!」

 

「よし、準備運動(・・・・)終わったから本気で行こうか!!」

 

「ワンフォーオール30%…!!」

 

パリパリ…

 

(ビースト)モード…!!」

 

ゴォッ!!

 

「デク君、援護するよ!!解除ッッ!!」

 

ビュオオォォッ!!!

 

「いい足場があるじゃんっ…!!」

 

「まずい!!」

 

シュッ…

 

「あっ…。」

 

「そいっ。」

 

トスッ

 

「こ…こんなん…は、速すぎ…やろぉ…。」

 

バタッ

 

「麗日さん!!」

 

「サポートがいると不利になっちゃうから…申し訳ないけれど寝ててもらったよ。」

 

(うぅ…なんとか意識を保てたわ…だけどこのまま動けばやられるだけや…。様子を伺ってみるしか…。)

 

気絶させきれなかったことに気づかず、彼女をそのままにしていた。

ちなみにサシでやり始めるのだが、やはり個性と無個性の場合火力が桁違いで、太刀打ちできるかすら分かっていない。

増強系の個性と対決するとなれば、俺は必ず何処かをやらかすかも知れないというのも分かっていた。

 

(さてと…対策考えていなかったわ。)

 

「行くよ萃君!!」

 

ビュオッ

 

シュバッ!!

 

兎裂(ラビットバースト)!!」

 

「でやあああああああ!!!」

 

バガアアアァァッ!!!

 

ピシッ!

 

「ぅぐっ…!!」

 

(まだ怪我が完治いない…!?なら、ここは僕が優勢かも知れない…!!)

 

「捕まえた…!!」

 

「んなっ!?」

 

「そぉいやあああああああああ!!」

 

ドカッ!

 

「がはっ!何処まで強くなって…ブンッ うわっ!?」

 

「10cm高角砲おおおおおお!!」

 

「萃君の力絶対おかしいって!!とりあえずは壁があって助かったけれども!!」

 

ドッ!!!

 

「あ…やべっ。だけどスピード勝負なら…!!」

 

ビュッ

 

兎の迷宮(ラビットラビリンスハイド)!!」

 

──────────

 

「ラビットシップって本当に無個性なのか…?個性を持った無個性(・・・・・・・・・)ではないのか?」

 

「そーなりゃ普通に個性じゃねーのか?」

 

「そう言えば…私の知り合いに個性が発現される前の時代に人間兵器って言われていた人がいたって聞いたことがあるわ…。」

 

「へぇ〜…人間兵器ってどんなもんなんだろーなぁ…。」

 

「詳しくは知らないけれどね!」

 

「てか、目で追えない速度になってない!?」

 

「映像でもギリギリじゃないか!!しかも壁がベコベコになってるし!!」

 

──────────

 

ビュバババババッ!!!

 

「ここで決めるっ!!ワンフォーオールフルカウル…!!!」

 

兎の逆襲(ラビット・リベンジ)!!!!」

 

「デトロイトスマアアアアアアッシュ!!!!」

 

ドゴオォッ!!!

 

無個性とは思えない程と言われるくらいの速度で出久君を追いかけ、壁もボコボコにしていて腕全体がボロボロになっていた。

そして出久君のタイミングに合わせられてしまい、俺も咄嗟に技を繰り出し、拳と拳の衝突による衝撃波が強くて周囲に砂塵が巻き上がった。

結果が分かったのが砂塵が収まってからだった。

 

「お、おい…結果はどうなったんだ…?」

 

「無個性の野郎…!」

 

「大分収まって来ましたわ。」

 

「ん?まだ二人が立ったままだぞ!」

 

─────────

 

(いつまで倒れたままでいたらええんや…?)

 

「はぁ……はぁ……!!」

 

「ぐっ……うぅ…!!」

 

「し、勝負あり…ってところだね…。」

 

ブシュッ

 

「うぎっ……!!ま、まだ…負けてnポカッ ゔぇあっ!」

 

「はぁはぁ…!!とっとと休んでよ萃ちゃん!!倒れた演技すんのめっちゃ疲れるわ!!気絶させるならしっかり気絶させんかいボケェ!!」

 

「う、うぐぐ…足りていなかったのか…!ならっ…!!!」

 

ビュッ!!!

 

「んなっ…!?」

 

「今度は強めにッ…!!」

 

 

 

 

後半へ続く。

 

 

 

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