無個性ヒーローは無個性ヒーローNo.1を目指す

#46 完全個体と真ボス

「No.000？何だそれ？ラビットシップ、知ってるのか？」

「いや知らねェ。クズ組織のことだ。過去をごちゃ混ぜにするに決まってらァ。」

「ふむ、あの方の言う通り…やはりあの兵器(・・)に回収されたからか…。まぁ所詮敗戦国(・・・)だから誘拐し放題だったから別にどうってことでもないか…。素材を誘拐すれば完成体が出来るはずだからな。」

「よし、アレ殺すわ。グレープジュース、それ(・・)一つくれ。」

「お、おい…流石にそんなことはできねェよ！！抑えろラビットシップ！！」

「アレを始末しなきゃ俺達の住む日本が壊れちまうんだ！！怒り狂った獣(ビースト)と本体(俺)が出て来る前に早く！！」

「ぐっ…そ、それでもオイラはできねぇ…！！頼られるのは嬉しいけどよ…オイラはヒーローを目指すんだ！！殺しをする為に使うなんてことはしたくねぇんだ！！分かってくれよラビットシップ！！」

「…すまねぇ。目的を見失うところだった。だが…俺はアイツを殺すつもりでいる。他人の個性に任せっきりにはもうしねェ…。俺の全力の本気をあのゴミクズ野郎にぶつけてやらぁ…！！意識そのもの(・・・・)をぶっ殺す！！！」

「ラビットシップ！そんな野蛮なことはすr「大丈夫です。ベストジーニストさん。」どういうことだ？！」

「今のラビットシップは怒りに満ち溢れているものの、意識をしっかり保っています。言葉は野蛮で少々荒いですが、生け捕りにすることは間違いありません。」

「へぇ…成長してるじゃんあの子…。念の為、暴走したら荒っぽくなっちゃうけれど、鷲掴みにしても大丈夫かな？」

「どうしようもない時は…お願いします。」

「イヤホン=ジャック、君はどう思うかな？」

「どうって…何が？」

「ラビットシップは今、かなり危険な状態だと思うよ。抑え切れなくて過去最悪の暴走を引き起こしかねないと僕は予想してしまっているんだ…。」

「その時は…あの子を壊してでも暴走を止める。その後はしっかりお仕置きもしてあげなきゃ。」

「ふふっ、イヤホン=ジャックらしい答え方だね☆」

真ボスが現れて、俺のことを謎に個体No.呼びしていたり、誘拐を繰り返していたりしていたらしい。

そして俺はその誘拐された人の一人らしい。

その記憶はとっくに星の彼方へと消えていますがね。

「実験体が私に勝てるとでもお思いで？」

「雑魚如きがよくデカい口で言えるもんだなァ！！」ﾊﾞﾁﾊﾞﾁｯ

「…ふむ、流石個体No.000だ。とても美しい…。」

「ｿﾞﾜｯ 気持ち悪…。」

「私のことを雑魚呼ばわりしているが…本当に勝てると思うかな？」ﾊﾞｼｬｯ

「液体になった！？ラビットシップ気をつけろ！」

「液体系の個性…いや、違ェな…これは…ッ！！！」

ﾊﾞｼｭｯ!!

「ほほう…どう見えていたのかは分かりませんが…よく分かりましたね？」

「はぁ…お前、本当に雑魚いな。」ｳﾞｳﾞｳﾞｳﾞ

「…！？」

「テメェの個性は水銀(・・)。そして液体窒素(・・・・)だな？分かりやすくて助かるわ。」

「そ、それがどうしたのかな？それ以外にもあるとは分からないだろう？」

「あ？まだあンだろ。爆発系一つ、ドレイン系が二つ、刃物系が四つ、毒系が三つ、地形変化型が二つだろ？？」

「…何故それが一瞬で分かった…！？」

「さぁね。つーか、テメェの場合代償がエグすぎて使いにくい上、相性そのものが最悪だから使っていねェんだろ？刃物系を使っていりゃあ地形変化はできねェし、ドレイン系も使えねぇ。毒系を使おうともドレインは併用不可…その他諸々ってところだな。」

「参りましたねぇ…ここまで見破られるとは…。」

「とりあえずテメェはここで殺す。日本(ウチら)の未来を奪ってンだからなァ！！！！」

「ふっ…それなら私を倒してみなさい！！！」

「んなこと言わなくたってなァ！！！」

ﾄﾞﾌﾟｯ

「やはりな…！！」

「このまま取り込んでさしあげよう！！！」

ｽﾞｽﾞ…

「…ばーかwww」

ｳﾞｳﾞｳﾞｳﾞ…

「？！」

「俺を個体番号呼びしたこと…後悔してねェよな？」

「実験体の分際で…！！」

「音震不通(サウンド・クエイク)。」

ﾊﾟｱｧﾝ!!

ﾍﾞﾁｬｯ

イヤホン=ジャックがいなかったらこの技は思いつかなかった。実質個性のようなものだが、無個性でここまでやれるとは思いもしなかった。というか、弾けさせるくらいの強さにまで発展したことに驚いていました。

「まだ終わってねェよなぁ？！」

「ねぇTwinkle。」

「なんだい？イヤホン=ジャック。」

「あの子、敵側のセリフを言ってるけれどツッコまない方がいいかな？」

「うん…ツッコミはちょっとマズイかもね…ははっ…。」

ｽﾞﾙｯ

「ん？なんだ？？」

「グレープジュース逃げろ！！！」

「もう遅い！！」

「何が遅いんだって？」

「ッ！？」

「悪いが、俺だとしても本体(俺)じゃねェからなァ！！」

「ん？あれ！？オイラさっきまであそこにいたよな！？ラビットシップ、どうやったんだ！？」

「秘密じゃ☆」

「ちっ…最早アレは個体番号ではない…！我々が求めていた完成個体(・・・・)…！日本を乗っ取るのにふさわしい出来だったのに…！！おのれヒーロー…ここで死んでもらうしかあるまい！！貴様もだ！！完成個体！！！」

「あ、やっべ…怒らせちった☆」

「このまま戦うか？」

「撤収しよっか☆」

「い、いいのか…？」

「なぁに勝ったかのようなことを言っているのかねぇ！！このまま逃がすとでも思っているのかねぇ！！？」

ｶﾞｯ!!!!

「うおっ！？」

「ラビットシップ！！」

「俺に構うな！！先に行け！！！」

「あんたを残して行けるわけないでしょ！！？」

「全く…！オラァ！！」ﾌﾞｫﾝ

ﾊﾟｼｯ

「お、おい…何だコレは！！」

「俺が隅々まで探しに探し回った結果(・・)だ！！急展開だが、俺は強制的に戦わされるイベントになっちまったからお前らに任せる！！頼らねーと親にシバかれるからな！！」

「何をごちゃごちゃと…！！完成個体…そっち側(・・・・)の味方になったのなら、貴様を殺さねばならん！！！」

「「ラビットシップ！！」」

「くっそしつけーなァおい！！お前ら任せた！！」

「おいおい嘘だろ！？お前にこれ以上負担かけさせたくねーのに！！」

「大丈夫、いつものことだ！！しれっと帰って来てやっからよ！！」

「…皆、行こう。」

「何故その判断なんだ！？」

「僕は彼を見て分かったんだ！僕達はもう任された(・・・・)んだよ！あの相手は彼にしかできない…それに、今渡されたこの情報は僕達が奪われないように全力で脱出しなきゃまたやり直しになるんだ！」

「……。」

「Twinkleの言う通りだ。全員、先に脱出の準備を。」

「……分かりました。」

真のラスボス戦に突入してセリフまみれになっていたけれど、結局俺は一人になってしまったが、一番重要なのはテンタコル達だ。

ほんの一部にしか過ぎないが、唯一の組織の情報が入っているカメラを渡したのだ。

ｶﾞｼｬｱｧﾝ!!

「おっほほおぉ！！↑↑」

(コイツ…楽しんでいるだと…！？今まで苦労して積み上げた個体をこのままヒーロー側に渡すワケにもいくまい…！！このフロアの最奥まで連れて行ってでも私の手にしなければ…！！)

ﾊﾟｼｯ

「この俺を最奥まで持って行って脱出させない形でいたんだろ？」

「…！？」

「悪いが、家族が迎えを待ってンだ。テメェだけ一人でいやがれ！！」

ﾊﾞﾁｯ!!

「くっ…！？完全個体だからと言って…私に勝てると思うまいなァ！！」

「勝てるンじゃなくてよォ…勝つンだよ。貴様如きがこの俺を殺せると思ってンじゃねェぞゴラああぁぁ！！！」

「『鉄砕参刃裂』！！！」

「本体(俺)！スイッチ！！」

『っしゃああああああ！！きちゃあああああああああ！！！！長門型弍番艦 陸奥 41cm三連装砲じゃああああああああ！！！』

ｶﾞｷｲｲｨｨﾝｯ!!

「ぬおっ！？」

ｶﾞﾝ!!!!

「ぐっ…！！」

ﾊﾞｷｲｨｨﾝ!!!!

「この私の技が押された…だと…！？」

「ふぅん…お前の技……大したことねぇな。まだ(・・)本気出してねーんだけどなぁ…。そろそろテメェも本気出しやがれ。こんなモンじゃ、俺を殺すことも捕らえることもできねェぞ。」

「ふっ…ふふ…。」

「？」

「ふはははは！！！その挑発如きで私が乗るとでも思っていたか？！」

「雑魚。」

「ﾋﾟｯｷｰﾝ!! ぶっ殺す！！！」

「あ、キレた。本当短気が多いなぁ〜。」

「『脚斬』！！！」

「なるほど…こんな一発如き、力技でどうにでもならあああぁぁ！！！」

ﾋﾞｭｵｯ

「14cm単装砲！」

ﾊﾞｷｲｨﾝ!!

「やると思っていたが…この連撃は通用しないぞ！完全個体！！『脚斬・連』！！」

「既に先読み済みだバーカ。標的確認…砲台固定、腕力力量限界突破1001(・)%…！！以下割愛！！！すうぅぅ…。」

「遊びはここまでだ！！貴様を捕らえなければ…日本を奪えないのだからなあぁ！！『毒斬』！！！」

「超弩級戦艦 大和型壱番艦 大和、46cm三連装砲…ッ！」

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セリフまみれでナレーションが全然入っていなかった！！
セリフに集中しすぎると大体こうなってしまうのよねぇ…(メタ)
次回は障子君達の視点に入ります。