無個性ヒーローは無個性ヒーローNo.1を目指す   作:超ちくわ

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#5 無個性の暴走

体育祭が終わって数週間、俺達は実技試験に向けて対策をしていた。

学力テストはそこそこな成績。

だが、一番不安なのが実技試験だ。

俺自身の力の制御が上手くいかず、失敗ばかりでクラスメイトから色々なアドバイスをもらいながら練習と対策に励んでいた。

 

「ぐえぇ…ちかれたぁ…。」

 

「お疲れ、スポドリいるか?」

 

「ありがとう、障子君…。」

 

「…萃、一つ教えて貰いたい。」

 

「ん?」

 

「どうしたら…君みたいに強くなれるんだ…?」

 

「んー…努力!って言いたいところだけど…努力じゃどーにもならないかなぁ…。俺は障子君みたいに強くないし、寧ろ君の方がよっぽど強いよ。ちゃんと先まで見えて動けているし、しっかりターゲットを逃していないからさ。俺は全然強くないしまだまだだよ。」

 

「そうか…だが、君の動きやアドバイスを学ぶことができた。実戦の時は宜しく頼む。」

 

「もちろん!」

 

「萃ちゃんすっかり馴染んでるね〜。」

 

「そうだね、勇気ある人は無個性でも立ち向かうんだってね。萃ってば本当人を動かすね。しかも可愛いし。」

 

「そうそれ!あの子って本当は個性あるんじゃないの?!」

 

「いや、それは流石にないかも。技が拳な上に相澤先生の個性を使っても効果がなかった。つまり正真正銘の無個性ってことだよ。」

 

「なんか凄いなぁ〜…萃ちゃんが雄英初の無個性ヒーローになるってことだよね?それってスゴすぎない!?」

 

「スゴすぎるとかそれどころじゃないよ。個性無個性関係なく人々を助ける人こそヒーローだってことを世間に教えたいんだと思う。あの子の目標はそう決めてるんだって。」

 

「盗聴したんだ…。」

 

「うん、萃のことも知りたかったからね。」

 

「襲ってもよかったんじゃない?」

 

「反撃されたらどうしようもなくない!?」

 

「大丈夫だよ?萃ちゃん、結構力加減分かってきてるようだし。ほら!」

 

「出力30%、12.7cm連装砲ッ!…あっやべっ!」

 

ドゴォッ!!

 

「あちゃー…直前で暴発とか力加減って難しいなぁ…。」

 

「ごめん、前言撤回。」

 

「まぁ、戦闘時のみしか使わないから大丈夫でしょ。」

 

「だね!」

 

(萃君、デク君の個性に似てるけれど違うもんね。だけど凄いなぁ…。うちも頑張らんと!)

 

「萃ー!俺と相手してくれるかー!?」

 

「もっち!切島君!」

 

女子達は話をしつつもほんわかした空気を醸しながら訓練に励んでいた。俺は切島君と訓練、さっきは障子君とやっていたが交代交代でやることになった。

対策と技術向上だな。

お互いにどの点が苦手でどの辺りが上手くいかないかアドバイスを返しあったり、苦手克服とか色々しまくった。めちゃくちゃ頑張った。

そしてその夜…。

 

「疲れたぁ…。」

 

「お疲れ様〜。皆どうだった?」

 

「俺は弱点まみれ。」

 

「僕はまだまだかな。」

 

「オイラは…自信ねええええ!」

 

「皆色々対策しないといけないからなぁ…。バクゴーはどーだ?」

 

「あ?俺なりにやってらぁ!文句あっか!?」

 

「えぇ....(困惑)」

 

…とまぁ皆様々な返答だった。

ちなみに寮で暮らしています。

数ヶ月程経って寮が完成してヒーロー科1年A組メンバー全員分入れた。

もちろん皆入っています。

男子棟と女子棟に分かれているのだけれど、俺は何故か女子棟に…なんでだよおおおおお!

 

「ねぇ誰か俺の部屋と変わっtガッ もごっ!?」

 

「はいはい萃ちゃんはお部屋に戻ろーねー!」

 

「ああああぁぁぁぁ…!」

 

「行っちゃった…。」

 

「か、萃のやつ…羨ましいぞこんにゃろおぉ…!」

 

「だけど萃君は大変らしいよ?彼曰く、よく質問責めされたり癒し系に使われているんだって。」

 

「くっ…!俺もアイツみたいになりたかったぜ…!」

 

一方、俺氏は。

 

「ねぇねぇ。」

 

「なーにー?」

 

「なんで俺が女の子の格好を?」

 

「いーじゃんいーじゃん!ヤオモモー!萃ちゃんにこれ似合うよねー!?」

 

「とても素敵ですわね♪艶星さん、他にも沢山ありますから!」

 

「ふえぇ…こ、困っちゃうよぉ…。」

 

『続いてのニュースです。午後6時頃、都内で(ヴィラン)による無差別襲撃が発生しました。容疑者は逮捕されておらず、今も捜査は難航している模様。』

 

「ねぇ、この襲撃のニュースって何かおかしくない?」

 

「そうかしら?私から見るとそんなに変わっているようには見えないわよ?」

 

「萃君、急にどうしたん?」

 

「その…普通ならヒーローと協力して捜査を続けています的な発言だったのに、今回は捜査だけだった。このアナウンサーは必ずヒーローと協力して〜的なことを言うのに、今回はそれがないんだよ。」

 

「読み忘れではないの?」

 

「このアナウンサーの読み忘れはありえないかも。読み間違いや読み忘れは絶対になかったと記憶に残ってる。」

 

「つまり…?」

 

「ヒーローによる捜査は行われていないってことだね。危ないなこれ。」

 

ドゴオォン…!!

 

「きゃあっ!」

 

「なんじゃ!?」

 

まったりしていた俺達が住んでいる寮に突然の(ヴィラン)襲撃。

しかもなんか脳ミソ丸出しのやべーやつが数体、コスチュームもない上に皆少し慌てている。

夜だからこそなのだろうか、その油断によって隙が生まれてしまったのかも知れない。

 

「おいおいおいおい…!なんだよあの脳ミソ丸出しのやつは!」

 

「とにかく皆避難しよう…!誰か先生方を呼んで!僕達がこの場で抑えてるから!」

 

「お、俺もやらないと…!(だけど個性のない俺はどうしたらいい…?足を引っ張るんじゃないのか?個性があったとしてもあの脳ミソ野郎達に勝てる算段はあるのか…?寧ろ(ヴィラン)の方が優勢になっているんじゃないのか…?)」

 

「GAAAAAAA!」

 

「萃君!危ない!」

 

バキッ

 

「ぐぁっ!!」

 

「い、出久君!!」

 

「萃君…早く……先生に…!」

 

「だ、大丈夫…飯田君が全力で伝えに…あ…。」

 

「ぉまぇ……ヒーロー…じゃなぃ…!殺す…!」

 

「に、逃げるんだ……!」

 

「いやだ…逃げたくない……!」

 

「今のままじゃ…君は壊れるんだよ…!?」

 

「俺の体よりも…自分の体の心配をしてよ…。俺だって逃げたいよ…!逃げたいけれど…仲間がやられている姿を見てさ…ギョロッ 悪意のある(ヴィラン)を殺らねばならないんだよなぁ…!!」

 

「か、かな…め…君……!?」

 

俺は禁断の箱を開けてしまったのかも知れない。

決して触れてはいけないもう一人の自分。

仲間、家族、友人が傷ついてしまった時に出てこようとするとても危なっかしいもう一人。

俺はこう呼んでいる。

もう一人の自分 悪殺し(エヴィルキラー)

 

「標的、(ヴィラン)…殺意、殺気等の感情のみ。ヒーローの命に危険あり、奴らを殲滅する。設定変更、殺戮形態に入る。………ひゃぁっはああああああああああ!!!」

 

「!?」

 

「おい萃!いや…動きが……動きが萃の動きじゃない…!?」

 

「くききききき…うちらのシマぁ……荒らして楽しぃかぁ?」

 

「GRRRRRR…!」

 

「答えるつもりはねぇようだなぁ…なら……殺す…!!」

 

バッ

 

「お、おい…アレは本当に萃なのか…?!」

 

「違う…萃君じゃない…。」

 

「似てる…俺のダークシャドウの暴走に…!」

 

「力…力ヲもっと…!もっと…強ィやツを…!」

 

「貴様にゃぁ生きる価値ゃあねぇんだよ!クソつえーやつに勝とうなんざ…6兆年はえーんだよクソゴミがああああああああ!!!」

 

「なんか口がすっごく悪くなってる!?」

 

「月の審判 大鎌!!」

 

ズバッ

 

「チ…チ…カラ……。」

 

ドシャッ…

 

「力を求めるなら…俺達に勝ってからにしろ…。生ゴミが。」

 

「SYAAAAAA!!」

 

「てめぇは死ね。」

 

グシャッ!!!!

 

ピクピク

 

「悪ぃ遅くなっちまっ…た…何だ…これ……。」

 

「おい無個性!その勢いで潰しにかかれ!」

 

「言われなくても分かってらあぁ!シマを荒らした生ゴミ共をぶっ殺す!!!」

 

「UGAAAAAAAA!!」

 

「な、何…あれ…?艶星さん…?」

 

「艶星君!先生が来たから戻りたまえ!」

 

「不味いな…飯田、艶星はヤツらを殲滅することに夢中で声が届いていない。悪いが、飯田は芦戸達と一緒に緑谷達を安全なところに頼む。俺は(ヴィラン)をやる。艶星はその後だ…とは言いたいがもう終わったようだな…。」

 

「はぁ…はぁ…つ、疲れ…た…。うぷっ…気持ち悪い…。」

 

ドサッ

 

「こりゃ派手にやったなぁ…。」

 

俺はその後の記憶は覚えていない。

医務室に運ばれてそのまま部屋で看病されていたらしい。

相澤先生曰く、暴走したままずっと(ヴィラン)と戦っていて抹消しようとしても変わりがなかったとのこと。

他の先生方は無個性であの暴走はありえないと言っていたのだが、カメラではっきり分かっていたため理解してた。早い。

どうやら、俺が派手に殺った奴らは脳無と言われている厄介者らしい。

 

「脳無か…そーいや個性が複数出てきていたな…。」

 

「艶星、お前覚えているのか?」

 

「まぁそこそこですけど…。一応危なっかしいもう一人の俺(キラー)でも記憶ははっきり残るんで。」

 

「二重人格か。」

 

「ざっくり言えばそうですね。」

 

「とりあえず…複数の個性が出てきていたのはどういうことだ?」

 

「舌を伸ばしたにも関わらず、目からビームかましていました。あとはなんか念力みたいな何かですね。力でねじ伏せましたが。」

 

「お前…本当に壊れるぞ。」

 

「そうですね…流石におねーちゃんにもこんな姿見せられn…見られてたわ。」

 

「とりあえずお前は危なっかしいからミッドナイトをお前に付ける。暴走したら強力な眠り香を使ってもいいように言っておいたからな。」

 

「そうしてくれるとありがたいです。」

 

暴走しないように18禁ヒーローならぬ俺限定セクハラヒーロー ミッドナイトさんが付くことに。

また面倒なことになりかねないけれど、暴走しないだけまだマシだと感じた俺でした。

ちなみに夜はめちゃくちゃ抱きつかれて眠れませんでした。

髪めちゃくちゃもふもふでした。

 

 

 

 

 

 

 




ジキルとハイドみたいな感じで面白そうだと思ったけれど、これでも無個性ってなんかヤバいと思った。
やっぱり暴走阻止させるためのミッドナイトさんは必須!(好きなだけです)

こっからどうしようか考え中なので少し遅くなるかも…?
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