装者全員が本部に集結してまず最初に行ったのはシャワーで汗を流す事だ。
いい年した娘が体臭を気にしないなどあり得ないのだ。
「実は本部に呼ばれてからまだシャワーを浴びてないんですよね、なーんか生き返るなぁ……」
「お水大事だもんね、温めるのもただじゃないから」
響と未来がふと話題を振りまく。
立って湯浴みであれば補助がなくても響は十分に出来る。一応一人で湯舟はまだ危ないので寮では未来が補助に最低限入るが。
響は居残りだったが戦場に出たメンバーが返ってくるまで浴びるのは待っていたのだ。
本部にある安全な水は限りがあり、また電力も使うので、当然だが海外での任務中はしょっちゅう湯浴みなど出来ない。
響もあの時、戦場で感じたやるせなさを忘れたことはない、だからこそ少しでも自分たちの日常のようなものを思い出してもらいたいと積極的に声を出している。
「S.O.N.G.が国連直轄である以上武力での干渉は許されない」
そんな響の努力など意味をなさずにマリアの愚痴が飛び出してしまう。
「ただまぁ……異端技術を行使する相手である以上はな……」
「アルカノイズの軍事利用…!」
翼もその愚痴に乗っかる。クリスは俯きながらも怒りが言の葉に乗っかっている。
装者内での年長組が愚痴るものだからつい下の者たちも伝播してしまう。
「リンカーの数さえ十分にあれば私達だって……」
「ラスト一発の虎の子デス。そう簡単に使うわけにはいかないデスよ」
当然つられて愚痴る調と切歌。
「ごめんね、エルフナインちゃんと頑張ってウェル博士のリンカーレシピを解析してるんだけど……どうにも脳のどこに作用しているのか分からなくてね……」
未来はついつられてネガティブになってしまう。元々ネガティブ気味なのだが。
あの日、ウェル博士の遺体から出てきた小型のチップは彼が深淵の竜宮内で暇をしていたために気まぐれに残したリンカーの開発と製造のレシピだった。複数の厳重なプロテクトと暗号を作って組まれたもので、内容にたどり着くまでの過程の解析だけで難攻。そしていざ本番のレシピ再現だけでもその難解を軽々と超えていたのだ。
日々解析機やフラスコと睨めっこしているが脳のどこの部位や感情に作用して人と聖遺物、その異なる哲学を持つ二つの摩擦を融和しているのかで止まってしまったのだ。
いい加減、未来やエルフナインも泣きが入っているのだ。ここで泣き言一つ言ってもバチは当たるまいて。
「あ、い、いやそんなつもりで言ったんじゃないデスよ!」
「ご、ごめんなさい……」
切歌と調もうかつな発言にすぐさま謝罪をする。
一方でクリスは俯いてバルベルデにいたころの記憶を想起させていた。
『パパ!ママ!放してっ!ソーニャっ!!』
『ダメ!危ないからっ!!』
それは記憶に無意識に押しとどめてきた悲しい思い出。それを思い出したのはきっとこの土地に足を踏み入れたからだろう。
ついクリスは顔をしかめてしまう。
「クソッタレな思い出ばかりがっ…!領空侵犯してきやがるッ!」
◎
「新たな軍事拠点が判明した。次の任務を通達するぞ」
緒川を横に携えた弦十郎が翼とクリスにそう言う。ちなみにブリッジの端には未来もいる。
モニターには敵軍基地の地図と外観、そして怪しげな薬品を運ぶ職員の盗撮動画といった情報が映されている。
今回の目標は科学兵器を製造するプラントであると伝えられる。
「川を遡上して上流の軍事施設に進行する。周りへの被害を抑えつつ進行するんだ」
『了解!』
弦十郎の指示に対して二人は同意を示す。
◎
『パパっ!ママっ!パパぁっ!!ママぁーっ!!』
親の名を叫ぶ小さき子の前に広がるのは火の海と瓦礫の下敷きになる肉塊。人死になじみのない幼い頭でも目の前に起きている悲劇は十分に理解できていた。
ただ涙を流して目を見開く事しか彼女には出来ない。
『離してソーニャっ!』
『ダメよ危ないわ!!』
手遅れだと本能で理解は出来ていても手を伸ばさずにはいられない。しかし、姉のように慕うソーニャという人物に止められてしまう。
いまだに火の手が上がり、どこに引火をするのかも分からない現状では止めるのは現実的な判断だ。
だがそんな冷静な判断など出来ないクリスは止める相手を怒りのままになじってしまう。
『ソーニャのせいだっ!!』
『あぁ…』
一言、憎しみの滴る声が相手を切り裂く。
相手は涙をにじませる事しか出来ない。
◎
「昔の事か?」
「あっ…」
翼が視線を向けて問いかける。クリス自身も自分が察せられてしまうほど強張った怖い顔をしている事にその時に気が付いた。
現在二人は緒川の操作するボートに乗って化学兵器プラントの存在する場所に向かって、川を昇っている。
「あぁ…昔の事だ。だから気にすんな!」
クリスの強がりはその手の機微に疎い相手にもバレバレだった。
一瞬話すべきなのか迷ってはいたが口を開く。
「余計な詮索はしない…辛い事も忘れるな、切り捨てろとも言わない…が今だけは前を見ろ、そうでないと足元を掬われるぞ」
「…………」
翼の一言にクリスは黙り込んでしまう。
彼女の脳裏にはネフシュタンの鎧をまとったクリスに、ガングニールをまとった立花響が絶唱を唱えた事で瀕死に陥った光景がありありと浮かんでしまう。
偏った憎しみや私情は人の持つ冷静な判断能力を奪い、その場で自分がやらなくてはいけない行動を鈍らせてしまう。
あの一件は翼自身にも、そして最後で気を抜いた響の両者に責があった。
そこでカッとボートを照らすライト。
緒川を含めた三人が状況把握に努めようとすると銃が乱射される。どうやら敵に発見されてた。
「作戦開始!」
「一番槍まいります!!」
翼はボートから飛び出し、ペンダント状のアメノハバキリを握りしめると。
『Imyuteus amenohabakiri tron』
あのシンフォギアをまとい攻撃の発生源である銃の砲台へ向かっているであろうマズルフラッシュ目掛けて飛び込んでいく。発見次第に戦車を真っ二つにしてそのままプラントに向かって飛び込んでいく。
敵はシンフォギアを認めてかアルカノイズを容赦なく召喚してくる。この基地は当たりだと告げていた。基地内には装備を持っている兵士だけでなく、明らかに一般人だろうと思われる人たちが慌てて逃げていた。
翼は流れる様に基地に入ると召喚された敵たちを瞬時に切り刻む、クリスも遅れてたどり着いて弓矢を携えて一発の攻撃で三体を一度に貫いていく。さらにマシンガンを使い雑兵を仕留めていく。
銃を放ってくる一般兵は翼の一閃と共に銃身を切り裂いて無効化。二人の戦姫が戦場を圧倒していく。
すると突如、プラント施設の大きさをゆうに超える超大型のアルカノイズが召喚される。そいつの手から生み出される赤い液体が地面に垂らされると、その場から新たなノーマルサイズのアルカノイズが生み出される。これには基地を守る兵士たちも驚いていた。
生み出された敵が敵の人間兵士を分解して赤い霧に変えていく。
「こんなの聞いてない!」
「みんな頑張ればってわけじゃ…!」
敵たちの断末魔が木霊していく。
「手当たり次第にっ…!」
「誰でもいいのかよ!?」
翼とクリスは相手の手段を問わない行動に怒りをあらわにする。
彼女は剣から青い炎をまとわせて切り刻まんと宙に向かって身を飛び出していく。
相手もその長い手で迎撃を図ろうとするがその瞬間にクリスのミサイルで腕が爆散され行動不能になる。そして翼の攻撃で上半身を五等分にされて赤い霧となって散った。
「おいあれ!」
「あんなのが落ちたら辺り一帯汚染されちまうぞ!」
敵の焦った声に二人は空を見渡してプラントに突っ込もうとするそれを認める。
「もはや手段を問わずか、雪音!地上の露払いは任せる!」
翼はそう言って脚装のブースターを吹かせて再び飛んで、宙にいる敵に向かって突貫していく。
「はあああっ!!」
翼の気合を入れた掛け声。
剣を真正面から敵に突き刺して力を込める。するとノイズの内側から青い炎が噴き出して内側から燃えて塵となって消滅した。
わざわざこのやり方を選んだのはプラント上空で倒してアルカノイズの体が落下して起爆の一因となっては無関係な人たちまで巻き込むからだ。
これ以上はアルカノイズが増える気配も無く、敵兵士もシンフォギア装者に向かって行く戦意も削がれてた。これで二人は敵軍基地の制圧を完了させた。
◎
基地を制圧した翼とクリスはこの場所を任されたリーダーや隊長格の人間を探して施設内を散策していた。その相手がアルカノイズを召喚するための道具を持っている可能性が高いからだ。
翼は投降した兵士たちから隊長室を聞き出して乗り込んだがそこは既にもぬけの殻になっていた。
「どうやら指揮官には逐電されてしまったようだな……」
彼女は険しい顔でぼやく。
「俺見たんだ!工場長が車で逃げていくところを!!もしかしたらこの先の村に身を潜めたのかも……」
すると突如現れた浅黒い肌の少年が翼に言う。
翼は声をかけられて体ごと振り返る。
「君は……」
「俺はステファン。俺たちは無理矢理村からこのプラントに連れてこられたんだ」
そのステファン言葉に翼は基地に乗り込んだ際に一般人が逃げていたことに得心がいく。
あの人たちは周りの村にいて無理矢理連れてこられて働かされるなり、監視の任務を強制的に従事させられていたのだと。
「七面倒なことになる前にとっ捕まえなきゃなっ!」
クリスは手をパン!と叩いて力強く答える。彼女の過去を思えば当然の反応だった。
「……………………」
しかし傍から見て彼女は熱くなりすぎているように翼は思った。
勿論翼とて無理矢理に連れてこられて自由を侵害させられた人を思えば彼女の同調できるし怒りも当然なのだが、クリスはそれ以上に熱が入りすぎているように感じたのだ。
『クリスちゃん…くれぐれも気を付けてね…特に民間人の安全とか……』
『いやなんであたしだけに注意なんだ…?』
ふと前にモニター越しで見た響とクリスのやり取りの一片を想起する。
響が何か意味深なことを言うときは決まって悪い方向に向かうのだ。経験則で何となくだが理解できている。
◎
ここは外れのオペラハウスのステージ前、階級の高そうな衣装をまとう男たちが明かりを灯さずにひっそりと身を潜めていた。
「閣下、念のためエスカロン空港にダミーの特別機を手配しておきました」
「無用だ。亡命将校の遺産ディーシピネの結界が機能している以上この地こそが一番安全なのだ」
部下の報告に椅子に座って閣下と呼ばれる人物は堂々を言い切った。
その顔には不安はにじませない。内心どう思っていようが、上司が不安そうにするとそれは下の者に伝播するからだ。
「つまり」
『ッ!?』
突如響く女性の声。
彼らが驚いたのにはふたつの理由がある。
単純に場所がオペラハウスのステージホールなので声がしっかりと通ったため鼓膜が大きく揺れて驚いた事。
もう一つはこの異端技術産の結界を突破して何者かが侵入してきた事だ。
「本当に守るべきものはここに隠されている」
閣下と呼ばれる人物とその側近の彼らが視線を向けた先には空気の出入り口になっている。場所から見下ろす三人の人影。
「何者だっ!」
部下の男性一人がそう問いかける。
「主だった軍事施設を探っても見つけられたかったけど」
「S.O.N.G.を誘導して秘密の花園を暴く作戦は上手くいったワケだ」
白衣に白色のロングヘアーの女性と、カエルの人形をもった眼鏡に三つ編みの少女が順に喋る。
「うっふふっ…慌てふためいてっ自分たちで案内してくれるなんて可愛い大統領!」
胸元が大きく開いた服に青髪をサイドに二つの団子にしている女性が楽しく仕方ないといった具合で話しかける。
それまで閣下と呼ばれていた、バルベルデの大統領は椅子から立ち上がり彼女らに正対して話しかける。それは相手への畏怖なのか。
「サンジェルマン!プレラーティ!カリオストロ!」
「せっかくだから最後にもう一仕事してもらうワケだね?」
驚く大統領を尻目にプレラーティはサンジェルマンと呼ばれる白髪の女性に確認を入れる。
すると問いかけられた女性はすっと目を閉じて黙とうをした。何かに謝罪とありがたさを頂戴するような。
そして突如歌い始めた。それにつられてカリオストロとプレラーティも歌い始める。
「あの者たちは…?」
部下たちが混乱する中、一人が代表して問いかける。
「パヴァリア光明結社が使わせた錬金術師」
「あれが異端技術の提供者達……」
その問いに簡潔に答えて見せる大統領。部下も存在では聞いていたが実際に目にするのは初めてなのだ。
「同盟の証があるものには手を貸す約定になっている!」
そう言って胸につけているパヴァリア光明結社のシンボルマークが彫られたピンバッジを指さして必死に言う。
彼自身も内心気が付いているのだ、相手はここで目的を果たす。もはや不要となった自分を始末するつもりなのだと。
「国連軍がすぐそこまで来ているのだ!今すぐに撃退してくれっ!!」
必死の言葉に相手は見向きもしない、ただ歌って何かを成そうとしている。
するとカロオストロが大統領に向かって投げキッスをする。ふざけいているのではなく何かを送っている。
「あ、あは…………」
それを向けられた大統領は冷汗を流して震える事しか出来ない。それは蛇に睨まれた蛙そのもの。
いきなりバッジが光り輝いて、
「うぐぅわああっ!!」
傍にいた側近が突如もだえ苦しんだかと思ったら体から黄色い粒子が溢れ出して消滅していった。
すると同様の現象が起きて大統領を除く全員が苦しみそして光の粒子となって消えた。
「ああっ……」
大統領のその悲鳴は絶望と呆然が含まれている。
すると彼の体も光の粒子が溢れ始める。必死に光の粒子が漏れ出ないように必死にかき集めようとするがそんなもので止められるはずもなく。
「あっひっ…!痒い!かっ痒い…!…でもちょっと気持ちイイ…」
そう言ってこの騒乱の中心にいた男は消えた。
「73788」
光の粒子を手元に集めたサンジェルマンがふと呟いた。
それら一部始終を見ていたS.O.N.G.の精鋭と友里、藤尭達は座席の後方で身を潜めていた。
彼らは調査部からの報告でオペラハウス周辺が衛星からの捕捉が不可能になっている不可侵領域になっている事に気が付いて。翼達のプラント強襲を陽動として利用し忍び込んでいた。オペラハウスはとんだ拠点だったという話だ。
建物周りの結界は指向性の信号波形を妨害していると藤尭は予想する。
サンジェルマンたち一行は廊下の一部に触れるとそこが開いて地下への通路が出てくる。三人は入っていく。
するとそれを認めた友里は部下たちにハンドシグナルで追いかける意図を伝える。
「ち、ちょっと……」
藤尭は嫌な予感しかしなかった。敵を追いかけるのは予定にない行動だからだ。
彼女たちが足を止めたのは物置だ。その大半は舞台装置や小物の類でしかないのだが、彼女たちのお目当ては奥に鎮座されている布に被せられた何かだ。
サンジェルマンそれをはぎ取ると結晶に埋め込まれた人形が出てくる。アイマスクをつけられておりどのような意匠の顔をしているのか不明。
それを友里とエージェントたちはカメラで撮影しながらも拳銃を持つ指は警戒を緩めない。
前の世界で藤尭は自分のノートPCの音源を下げていない為に錬金術師に補足されたのだが、その失態は友里しか知らないため彼は必死に頼み込んで彼女に黙ってもらっていたのだ。
その一件は無理して任務続行をした友里にも非があるため報告をせずに黙っていた。だから響は何故そんな無茶をしたのかや、何を失敗して神の力に追いかけまわされたのか把握していないため遠まわしでも注意する事が出来なかった。
つまりだ。
ビイイィッ!!と藤尭のPCからデータのスキャニングを完了させたことを告げるアラームが鳴り響いてしまう。
『ッ!?』
この場にいる全員がこの音に息を呑んでしまう。
友里たちはすぐさま拳銃で威嚇射撃を始める。相手の防御壁に防がれてしまう。
はなから異端技術相手に撃ち殺せるとは思っていないため、動揺せず威嚇しながらも後方撤退を始める。
「あってすぐなんてせっかちねぇ……」
カリオストロは余裕綽綽の表情で反撃の一撃を放とうとするがそれを左手で制するサンジェルマン。
「へ?」
「実験にはちょうどいい。ついでに大統領閣下の願いも叶えましょう」
ポカンとした顔をするカリオストロにサンジェルマンは蛇のようなワニのような謎の意匠を兼ね備えた置物に向かって歩いていく。
それはヨナルデパズトーリと呼ばれた神性を帯びた像。そしてそれを前にして右の手のひらに光の粒子を集めたものを出す。
「生け贄より抽出されたエネルギー。荒御霊の概念を付与させる。」
すると光の粒子のそれが長細い蛇のカタチになり。
◎
友里と藤尭達は三台のトラックを使い逃げていた。
突如背後のオペラハウスから光が溢れたと思ったら弾けて、そこから黄金のオーラをまとう長細い黒い鱗もとい装甲をまとう蛇が現れた。体の節々には赤い点様なものがあり瞳のように一つ一つがぎょろりと逃げるもの達を見据えている。
「何なのあれ……」
車を運転する友里はバックミラー越しに呆然と呟く。明らかにこちらに殺気を放って食い殺さんとしている。
「本部!応答してください!本部!」
『友里さん!藤尭さん!』
『装者は作戦行動中だ、死んでも振りきれ』
藤尭の切羽詰まった言葉にエルフナインの心配そうな言葉と、弦十郎の無茶ぶりとしか思えない指示を送る。
「死んだら振り切れません!!」
泣きの入った藤尭の叫び。
弦十郎はすぐさまマリア達に指示を飛ばす。
『友里さんこの先の崖沿いを走行してください!』
「でもそっちは一本道で逃げる場所が……」
『早く指示に従ってください!』
二人の代わりにオペレーターを代行している未来がすぐさま指示を出す。
最初は否定的だったが強い言葉に従って細道を通る。それでも狭い道では先回りされてしまう。簡単に相手の攻撃を食らい車が転倒してスクラップにされてしまう。
二人は何とか車から這い出るが文明の利器で逃げられなかったのに自力で走って退避など出来ようはずがない。
「あなたたちで73794……その命…世界革命の礎として使わせてもらいます」
崖側とは反対側の岩上から見下ろすのはサンジェルマンとその仲間2人だ。
「革命……?」
藤尭は不審そうな声を出してしまう。まるで人を殺すのに大義名分さえあれば許されるかのような。
そんな考えをしていても錬金術師三人に蛇型のバケモノに追い詰められている現状に変化はない、絶体絶命。
『Seilien coffin airget-lamh tron』
「歌…?」
「どこから……」
錬金術師たちが戸惑い始める。
すると一台のトラックが走ってきて蛇に向かってぶつかり大爆発を起こす。
『グルオオオアアアッ!!』
トラック激突のダメージが入っているのか苦悶の声をあげる。
そして絶体絶命の二人の前に現れる、マリア、切歌、調の三名。最後の虎の子のモデルKのリンカーを使い助けに来たのだ。