過去に戻った立花響   作:高町廻ル

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トレーニングルームでの一幕

 敗北の夜明け。

 早朝の朝日に包まれた爽やかな朝だったがそれに反比例してS.O.N.G.に宛がわれた装甲車両内は重苦しい空気に包まれていた。

 ブリーフィングが出来るスペースには弦十郎、緒川、翼、クリス、エルフナイン、友里、藤尭そして未来がいた。

 

「敗北だッ!徹底的に完膚なきまでに…」

 

 弦十郎が腕を組み苦悶の表情で全てをまとめきる。その言葉により一層重い空気が沈殿してくる。

 

「……ついに現れたパヴァリア光明結社統制局長…アダム・ヴァイスハウプト…」

 

 緒川の一言に全員があの風鳴機関本部が一瞬で高温によって滑らかにくりぬかれて消滅したあの跡地の光景が過ぎる。

 モニターに映るアダム、それは小太陽とも言える攻撃を放つ姿。

 あれは事前の一般人の疎開と避難誘導の確認をしていたからこそ被害者総数を抑えられたが、もし仮に街中でぶっ放されたら万単位での死者が出たのかもしれない。

 もしも何かの手違えがあって自分たちの車両の上に叩きつけられたかも、そう考えると寒気が止まらない。

 

「そして……」

 

 緒川のその声に次にモニターに映ったのはパヴァリア光明結社の幹部3人の姿。響達を圧倒したその立ち姿。

 

「錬金術師たちのファウストローブっ…!」

「打ち合った瞬間にイグナイトの力を無理矢理引きはがされたようなあの衝撃は……」

 

 実際に相対したクリスと翼が憎々し気に言う。

 翼が斬りかかったかと思ったら赤色の円状結界に当たり甲高いノイズ音が聞こえてイグナイトの強制解除。

 クリスが相手の攻撃を防いだと思ったら甲高いノイズ音が聞こえてイグナイトの強制解除。

 共通項は存在した、あれはあの場で起きたらハードラックではなく何かしらの法則のもとに起こされた現象だった。

 

「ラピス・スフィロソフィカス…………」

 

 エルフナインの気まずそうな一言。全員はその聞き覚えのない単語に視線を向けて説明を求める。

 

「賢者の石の力だと思われます……」

「賢者の石?」

 

 エルフナインが誰でも聞き覚えのありそうな単語で説明をする。

 未来はそのゲームや小説等で聞き覚えだけはあるその有名な石が、どうやってイグナイトモジュールに対抗出来たのかオウム返しで問いかける。

 

「完全を追い求める錬金思想の到達点にして…その結晶体…病をはじめとする不浄を正し焼き尽くして浄化する特性に…イグナイトモジュールの核となるダインスレイフの魔力は成す術もありませんでした…」

 

 エルフナインの長めの解説が終わって全員が沈黙に飲み込まれる。つまりイグナイトモジュールを封じられているという事だ。

 ふと思い起こされるのは響の一言。

 

『…それに相手は何度かこちらの出方を見ています…戦いを観察しているはずです……何もシンフォギア対策を練っていないとは思えないんです……』

 

 あの一言が重い空気にさらに拍車をかける。

 

「とどのつまりはイグナイトの天敵……この身を引き裂かんばかりの衝撃は強制解除によるもの…!」

 

 翼は拳を握りそれを胸に当てて悔しそうに言う。

 

「決戦仕様であるはずがっ!こっちの泣き所になっちまうのか!?」

 

 クリスは椅子から立ち上がって喚いてしまう。ここで悪態をついても何も改善こそしないがそれでも吐き出さずにはいられなかった。

 

「あ、そう言えば友里さん。東京の病院に運ばれた響たちはどうなったんですか?」

「精密検査の結果次第だけど、全員後遺症が残るような大きなダメージは奇跡的に負ってないそうよ。響ちゃんの怪我の完治が遠いちゃったけど…………」

 

 空気を換えようと未来は話題の転換を図る。

 響の杖生活はまだまだ続きそうだった。

 

『……………………』

 

 沈黙がまたも発生する。

 響が徹底的にやられたのもあるが、リンカー無しでのギアの使用で苦しんでいるのを何度も見た。だからこそその報告だけでは誰も安心できなかった。

 

「…………きっと無事です」

 

 エルフナインがポツリと言った。

 そうだ、今ここで全員が無事でいられるのもマリア達の奮闘があったからこそだ。なら全員が信じて待たなくてはいけない。

 

(リンカーを介さないギアの運用…ましてはイグナイトによる体への負荷…絶唱級のバックファイアを受けてもおかしくなかったはず……なのに…………)

 

 エルフナインの脳裏に浮かぶのは青白く光るマリアの姿があった。

 

「風鳴機関本部は現時点をもっての破棄が決定した!各自撤収準備に入ってくれ!」

 

 弦十郎はそう言ってこの場をしめる。

 

「バルベルデドキュメントが解析できていたら……状況の打開の手がかりがあったのかな……?」

 

 藤尭の漏らした一言に緒川は俯いてしまう。

 そこで緒川の端末に連絡が入る。

 

「ん……?っ…!」

 

 連絡先を見て驚く緒川。そして弦十郎に近づいて小さな声で耳打ちをする。

 

「司令…鎌倉より招致がかかりました…」

「……絞られるどころじゃ済まなさそうだ……」

 

 緒川のその一言に、顔の強張りは若干あったが乾いた笑みで気丈に答える。

 それを見ていた翼は顔を若干だが俯かせた。

 

 

「うにゃんうにゃん…うにゃにゃにゃにゃん…!うにゃぁ~んっ!」

 

 この場所は錬金術師たちが潜伏するホテルの一室。そこでティキのウザい猫なで声が響いていた。

 今のティキはベッドの上でアダムの膝に頭を擦り付けて甘えていた。

 

「……ラピスの輝きはイグナイトの闇を圧倒…勝利は約束されていた…それを……」

 

 サンジェルマンの声はアダムを咎めていた。

 上司であるアダムはそれでも機嫌を損ねたりはしない。決して自身の行動を省みているのではない。右から左に小言を流しているだけだ。

 

「下手こいちゃうとあーしたちこんがりさくじゅわ~っだったわよ」

「しかもその上……仕留め損なっていたというワケだ……」

 

 カリオストロの軽口、そしてプレラーティは錬金術の応用で遠い地の映像を流す。そこには黄金錬成から逃れたシンフォギア装者たちが映っていた。

 

「みんなっ!せっかくアダムがきてくれたんだよっ!?ぎすぎすするよりきらきらしようよ!」

『……………………』

「みんな~っ!!!!」

 

 ティキの空気の読めない発言に全員がシカトする。

 誰もが圧倒的な力を持っているパヴァリア光明結社の統制局長のアダムなのに歓迎などしてないのだ。ティキを除いて。

 

「どうどうティキ…だけどもっともだねぇ…サンジェルマンたちの言い分は」

 

 暴れるティキの頭を撫でながら話すアダム。そこにはやはり反省は無い。

 ティキも黙って頭を黙って撫でられる。

 

「いい所見せようと加勢したつもりだったんだ、出てきたついでに」

 

 明らかに嘘なのはサンジェルマンたちも気が付いていた。

 

「でもやっぱり…君たちに任せるとしようシンフォギアどもの相手は」

 

 アダムは帽子を被りながらティキを連れてベッドから起き上がり退室しようとする。

 

「統制局長…どちらへ?」

「教えてくれたのさ、星の巡りを呼んでくれたティキが」

 

 その場に立ち止まってサンジェルマンからの問いにアダムは律儀に答える。

 

「ね?」

「うんっ!」

 

 ティキは頼りにされてさらにギュッとアダムの腕に絡む。まさにこれこそ至高だと言わんばかりに。

 

「成功したんだろう?実験は。なら次は本格的に行こうじゃないか……神の力の具現化を」

 

 

「うっ……」

 

 響はベッドの上で目を覚ました。体を苛む痛みのリアルさがここは現実の世界であると教えてくれる。

 

「あ、起きた?」

「目を覚ましたようね?」

 

 未来とマリアはやっと目を覚ました響に声をかけた。

 

「ここは…?」

「本部の医務室だよ」

 

 響の問いかけに未来は答える。

 もう既に響が寝込んでから丸二日が経っている。その間に切歌と調は既に目覚めており、マリアも半日前に目を覚ましてベッドで横になっていたのだ。

 響は思い出す、意識が途切れる直前に起こった事を。

 

「そっか…私は…負けたんだ……手も足も出なかった……やっぱり止められなかった……」

 

 響は泣きそうな顔で呟く。自分の無力さをまざまざと感じていた。

 マリアも未来もその気持ちは痛いほど分かった。二人もまた自身の無力さに押しつぶされそうになっているからだ。

 そこでピーッっと医務室のアラームが静かに鳴る。

 

「これは……」

「トレーニングルームが使用されているって事……」

 

 マリアと未来はその音に気が付いてまさかと思う。

 医務室はいつ怪我人が出ても対処が出来るようにアラームによる使用状況の確認と実際にその部屋をモニター出来る仕様になっている。

 するとそこにはリンカー無しでギアをまとって訓練に挑んでいる切歌と調の両面がモニターに映る。

 

「まさかあの子達っ!!」

 

 マリアは慌てて医務室を出てトレーニングルームに向かって廊下を走る。

 

「未来……私も連れて行って……」

「…………分かった」

 

 響の懇願に未来は一瞬怪我人を連れまわす事に戸惑ったが、すぐに車椅子を用意して乗せてマリアに続く。

 

 

 街中のオフィス街。

 切歌と調の前には大量のアルカノイズたちが立ちはだかっていた。

 

『……………………』

 

 二人は息を呑む。そして覚悟を決めて聖詠を口にする。

 

『Zeios igalima raizen tron』

『Various shul shagana tron』

 

 素早くギアをまとって敵に向かっていく。

 切歌が鎌の刃を投げ飛ばそうとするとイガリマからスパークが溢れる。シンフォギアのバックファイアだ。

 

「ッ!?ぐっ……!」

 

 痛みに耐えながらも投げ飛ばされた鎌が敵たちを切り刻んでいく。

 調も負けじとツインテールに搭載されたノコとスカートを刃にして敵の真ん中に突っ込んで通過ざまに体を切断していく。

 しかし調も同様にバックファイアに苦しんでいる。

 

「シュルシャガナの刃は全てを切り開く無限機動っ!目の前の障害をッ…!明日もーっ!!!!」

「絶対鋭利のイガリマはその気になったら幽霊だって神様だってっ……真っ二つデス…ッ…!」

 

 それは自信たっぷりな口上ではなく、脆く崩れそうな自分たちの心に強く言い聞かせているかのようだった。

 切歌が巨大なアルカノイズをギロチンで切り裂こうとした瞬間に限界が来てギアが解除されてしまう。

 

「切ちゃん!?」

 

 調は慌てて切歌のもとに駆け寄った。

 トレーニングルーム内のアルカノイズ達は全てその場から消滅した。ここはホログラムを使った施設なのだから。

 

 

「何とち狂ったことしてやがんだっ!」

 

 マリアと未来に車いすで運んでもらっている響がトレーニングルームに入る。

 そこでは既にエルフナインとクリスが部屋の中に入っており、クリスの大声が響いていた。

 

「切歌!調!リンカーも無いのになんて無茶を……」

 

 部屋に入ったマリアが開口一番それを言う。

 マリア自身も何故こんな無茶をしたのか見当はついているがそれでも尋ねた。

 

「私達がリンカーに頼らなくても戦えていれば……あんな…………」

 

 そう言った調の脳裏にはイグナイトを剥がされて錬金術師に倒される先輩たちの姿、そしてアダムの黄金錬成によって一方的に風鳴機関本部が蹂躙されたあの夜がフラッシュバックする。

 それはマリアも同じでゴクリと喉を鳴らして黙って聞いていた。

 あの場でアダムを倒すのではなく逃げるしか出来ない事がどれほどの屈辱か。

 

「だからって…!」

「平気っ!」

 

 クリスの心配と怒りの籠った声を一瞬で止める調。しかし顔はクリスの方を向いておらず背中を頑なに見せ続ける。意固地になっているのがバレバレだった。

 

「リンカーに頼らなくてもいいように適合係数を上昇させなきゃデス…」

 

 切歌も俯きながら言う。

 

「ダメだよ。そんな無理を通したら取り返しがつかなくなる」

 

 響はハッキリと言う。

 

「経緯も分からずに十分な適合係数を手に入れた響さんに何がっ…!」

 

 調はそこで響が車椅子で何とかここまで来たことに気が付いたようだ。

 先ほどの取り返しがつかないという言葉が重い現実としてのしかかる。

 響は一生車椅子になるわけではなく、今は疲労で歩けないだけですぐさま杖さえあれば自力で歩けるレベルの負傷具合だ。

 しかしあと一歩間違えれば、一撃でも多く錬金術師の攻撃を食らっていたら下半身不随になってもおかしくはなかった。

 

「…………」

 

 そしてそんな響の車椅子を押している未来も黙り込んでいる。調と切歌はそれも響の方を向くと一緒に視界に入った。

 小日向未来は神獣鏡をかつてまとっていたシンフォギア装者だった。

 しかし今はシンフォギアペンダントを喪失して一切の戦闘能力を取り上げられている。

 考えるはずだ、もしギアをまとえたら一緒に戦えるのに、皆を守れるのにと。

 そんな相手の前でリンカー云々、適合係数云々を口にしていたことに。

 

「気にしてないから」

『……………………』

 

 未来は極力冷たい印象を与えないようにそう言った。二人はただ俯いた。

 この部屋に気まずい沈黙が落ちてくる。

 

「やらせてあげてくれる?二人が無茶をしないように見張ってるから付き合うから……」

 

 マリアは他のメンバーの方を向いてそう懇願する。

 しかしここにいる面子がそれを良しとするはずもなく。

 

「適合係数じゃなくてこの場のバカ率を引き上げてどうするっ!?」

 

 クリスは即座に否定する。

 当たり前だった。低い適合係数ではバックファイアの影響で体を痛める。次の機会を完全に喪失したらそれこそ意味が無い。

 

「いつかきっとリンカーは完成する」

「ぁ…!」

 

 マリアは静かに言う。それに反応したのはエルフナインだ。その言葉にうつむいてしまう。

 

「だけどそのいつかを待ち続けるほど私達の盤面に余裕は無いわ…………」

 

 マリアの締めの一言。

 これが全てだった。相手がリンカーの完成まで何かしらの計画を待ってくれているとは考えにくかった。

 

「…………方法はあります」

 

 エルフナインの静かな一言に全員が彼女の方を向く。

 

「リンカーの完成を手繰り寄せる最後のピースを埋めるかもしれない方法が」

「最後のピース?」

「本当デスか!」

 

 エルフナインの一言に調と切歌は立ち上がって色めき立つ。

 しかし未来は難色を示す。

 

「あれを本気でやる気なの?理論的にも被験者としてもおすすめは出来ないよ」

「これ以上時間もパヴァリア光明結社も待ってくれません。危険でも、未来さんがどんなに止めてもやります」

 

 未来の否定に危険など押し通すとエルフナインは強気に返す。

 仲が悪いわけではないが、イグナイトモジュールの時といい根本的な所でこの二人は相いれない。

 

(被験者としても?)

 

 響は未来が漏らしたその言葉が気になって仕方なかったが、ここで話の腰を折らない事にした。

 

「ウェル博士から入手したリンカーのレシピで唯一解析できていない部分……それはリンカーがシンフォギアを装者の脳のどの領域に接続し負荷を抑制しているのかです……」

 

 脳科学や生物学の素人でも分かるように複雑な情報を端折ってエルフナインは話す。

 

(愛…たしか愛情を司る部分だっけ……?)

 

 響は自分の知識を想起した。残念ながらそれを伝えるすべは無い。

 

「個人的にウェル博士は嫌いだったけど、脳科学者と聖遺物学者としては尊敬してたよ。生物と聖遺物二つの異なる哲学との間に発生する摩擦を抑制する。あの人のリンカーを開発する手腕と頭脳は間違いなく本物だった」

「フィーネやF.I.S.の支援があったとはいえ…一からリンカーを作り上げたウェル博士は…色々は兎も角…本当に素晴らしい生化学者だったと言えます」

 

 未来とエルフナインはウェル博士の凄さを人格面は別にして実務面を前面に出して説明をする。

 

『…………』

 

 全員が微妙な反応をする。ウェル博士が凄いと言っても彼女たちには変人マッドサイエンティストでしかないのだから。

 

「素晴らしい…………それはぞっとしない話ね…………」

 

 マリアは体を抱いて寒気を振り払おうとしていた。

 

「え、えっとデスね…ウェルが凄いのは分かったデスから…最後のピースとやらを教えて欲しいデス…」

 

 切歌がガンガン知識をぶつけてくるものだから本題に入って欲しいと懇願する。

 

「鍵はマリアさんのまとうアガートラームです」

「白銀の…私のギアに……?」

 

 エルフナインに名指しで呼ばれてマリアは驚く。

 

「はい、アガートラームの特性の1つにエネルギーベクトルの制御があります。土壇場にたびたび見られた発光現象……あれは脳とシンフォギアを行き来する電気信号がアガートラームの特性によって可視化…そればかりかギアからのバックファイアを緩和したのではないのかとボクは推論します」

 

 キャロルのとの戦い、パヴァリア光明結社との戦い、この二つの中でマリアのアガートラームは薄い発光現象を起こしていた。あれは逆境でも立ち上がろうとするマリアにアガートラームが反応した時に起きた奇跡だ。

 

「これまでずっと任務の間の訓練によってマリアさん達の適合係数は上昇してきました。恐らくはその結果だと思われます」

 

 エルフナインは長い抗議を一旦止めた。

 そして全員が与えられた情報を噛みしめていた。

 

「確かにマリアの適合係数は私達の中でも一番高い」

「今までの頑張り無駄ではなかったのデスか!!」

 

 調がマリアを見つめて嬉しそうに、切歌がエルフナインを見てガッツポーズで嬉しそうに言った。

 

「ええ!マリアさんの脳内に残された電気信号を辿っていけば……」

「リンカーが作用している場所が解明するというわけね?」

 

 ここでマリア達リンカー必要組がエルフナインの求めている情報を理解した。

 

「だけどそんなのどうやって……」

「それこそウェルの野郎に頭下げない限りは……」

 

 ここで故人が本当に大切な情報を持っていた事に気が付いて暗くなる。

 

「ダイレクトフィードバックシステム」

 

 未来は重い口を開く。それは前の世界で響が苦汁をなめさせられた忌まわしき機械。

 

「その忌まわしい機械を使えば脳内の電気信号を辿ることが出来るかもしれない」

 

 未来は顔を強張らせてそう言った。エルフナインもまた何かを知っているのか顔をこわばらせた。

 それについて話すという事は、今まで未来が頑なに秘密にしてきたある事を暴露しなければならないからだ。

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