気が向いたら更新。
詳しいことは気が向いた次回以降!
小さな大会でのありふれたポケモンバトル。
フィールド上には無傷の道化師と、ボロボロの巨岩。
勝負は大詰めを迎えている。
この状況、誰が見ても勝負の結果は明らかで、観客達は自らが勝者を称える歓声を上げる瞬間を今か今かと待ち続けていた。
「さて、戦いもそろそろ終わり、ですかね」
「ギ、ギガイアス!
まさかワシの自慢のポケモンが手も足も出んとは……。
こうなれば死なばもろとも!
すなじごく!からのだいばくはつで一矢報いるのじゃ!!!」
「ジュペッタ、止めです!
シャドーボールを投げつけてください!」
道化師は、ニタニタと不気味な笑みを浮かべながら、傷だらけの巨岩からバックステップをとって、自らの足元に出現したすなじごくを躱し、シャドーボールを投げつける。
目の前の巨岩に吸い込まれるように入ったそれは、小さな爆発を起こした。
が、次の瞬間、それを遥かに超えるだいばくはつが辺り一帯を凄まじい衝撃で吹き飛ばす。嫌がらせのように、辺り一帯にまき散らされていた尖った岩もバラバラになって飛ばされていく。
安全が保障された観客席はともかく、ポケモンは、そしてそのトレーナーは、果たしてこのなかで無事で居られるものなのだろうか。
しばし、フィールドを沈黙が支配する。
先ほどの爆発からどれほどの時が流れたのであろうか。
黒煙が自然にその場から捌け、フィールドが観客席からもはっきり見える状態になる。
そこにあったのは、無傷の道化と、ボロボロの巨岩。
フィールドの壁に突き刺さった無数の尖った岩だった。
ふとトレーナーは無事なのか、と観客達は彼らの立ち位置へと目を向けるが、巨岩側は、どこから取り出したのか、自分の体が隠れてしまうほどに大きな鉄板を盾に震えている状態。かすり傷を負ってこそいるが、目立ったケガは見られない。
一方で、道化師の側は、先ほどの攻撃を防いだ様子も、動揺した様子もなく、試合開始前と変わらない状態で、ただ静かに前を見つめていた。
道化師自身は、岩を躱しさえすれば、タイプ相性により爆発そのものは無効化できた。無傷なのも頷ける。だが、それしかしなかったのなら、後ろのトレーナーはただではすまなかったであろう。
そう。
道化師が試合の相手だけでなく、その場に共に立つ主人のことも考えて
『まもる』
と自分で判断したのだ。
道化師のトレーナーも、自らのポケモンを深く信頼しているが故に自然体。
ここまで深い絆で結ばれた一人と一匹。
この結果を出したのも当然と言えよう。
勝利の栄誉は収まるべき者の手に収まったのだ。
思わず一人の観客のように茫然とフィールドを眺めていたMCが、その事実を理解し終えると、ハッとした顔になり、慌ててマイクを握る。
「ウィーゼル選手!
ジュペッタを使い華麗な技捌きを見せつけ、相手を一度も寄せ付けず勝利ぃ!
3匹まで登録できる今大会に一匹のみの登録で出場する、
という前代未聞のハンデを背負っていながら優勝してしまったぁ!
この結末はいったい誰が予想できたでしょうか!」
優勝。
口にするのは簡単だが、成し遂げるには相応の実力を要する。たかが一都市の大会とはいえ、それを大きなハンデを負った上で達成してしまった彼は、特に感動した様子もなく、自らのポケモンを一瞥すると、ボールにポケモンを収め、バトルフィールドを後にしようとしていた。
「いやぁお前さん、
大したポケモンとタッグを組んどるんじゃなあ。」
そんな彼に軽い調子で声を掛け、近づいて来る男がいた。
彼と決勝を争ったやまおとこのミートンという男だった。
「こちらとしては、プラン通りに指示振りをしただけです。」
努めて陽気に振る舞い相手を褒め称えようとする様子のミートンに対して、彼は優勝者であるはずなのにこの試合自体がどこか他人事といった様子。
相棒のジュペッタと戦っていたバトル中には曲がりなりにも、熱がこもっているように感じられた気もするが、今は打って変わって魂がまるで抜けたかのような振る舞いに、ミートンは思わず呆気にとられていた。
すると、ボールに戻されたはずのジュペッタが飛び出てきて、彼の肩に飛び乗ると耳に向かってなにやらひそひそと吹き込んだ。
突然の飛び出しに最初こそミートンは動揺している様子だったが、彼が何も動じていないのを見ていつものことなのだと勝手に納得すると、そのままジュペッタが話し終えるのを待っていた。
ほんの数秒後、ジュペッタが話し終えて、ボールに帰った。
次の瞬間、彼の目に光が宿り、バトル中に感じられた熱が戻ってくる。
「でも、ミートンさんのギガイアスは強敵でしたよ。
特に最後のだいばくはつの威力は凄まじかった。
ステルスロックがすごい勢いで飛び散ってきたもんですから、
危うくこちらがやられるかもしれない、なんて思ったくらいです。」
何か、スイッチが入ったかのように滑らかに口を動かしこそするし、印象はこちらの方が良いはずなのにその様子にどこか不気味さを感じてしまうのは何故なのだろうか。
様子の変化にしばらく戸惑っていたミートンだが、ここで踏み込む必要は感じなかった。トレーナーとポケモンの関係は人それぞれ。藪をつついて蛇を出すつもりはない。
努めて表情を陽気な笑顔に戻すと、
「おぉ、そう言ってもらえるとギガイアスも本望じゃろう。
十分にあの子は労わってやるつもりじゃ。
お前さんも、その一体で頑張ったポケモンさんをしっかり労わってやるんじゃぞ!」
とだけ告げると、そそくさと立ち去ってしまった。
……。
(勿論、喜んでそうさせてもらうつもりだとも。
だって、僕では勝てない相手にも、ジュペッタなら勝てる。
……僕よりもジュペッタの方が上なのだから。)
かつて、まだ僕が暴慢で居られた頃に投げかけられた言葉が頭を過る。
「本当に、お前はジュペッタを従えているのか?」
――それとも、本当はジュペッタに従えられているのか?
当時は、自信をもって従えているのだと答えていた。
だが今は、自信をもってこう答えられる。
(従えられているに決まっている。
そう、僕は、ジュペッタに従えてもらっている世界一幸せ者なトレーナーだ。)
……みたいな奴の話。
ジュペッタちゃんは人間語を喋らせる予定なし。
主人公とジュペッタは何となく、互いに言いたいことが分かるみたいな、サトシとピカチュウ的なコミュの取り方させたい!
相棒については、一応伏せで。
話題に上がるまで話が進めたら書くんじゃないだろうか。
書きたいシーンは書いたのでそっちについてはもう勝手に満足してる。
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誤字報告・感想お待ちしています。
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2021/03/24
一部描写修正。内容に大きな変更なし。
一話当たりの文字数は
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4000~4500字にしてほしい
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3000~3500字にしてほしい
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丁度よい 2000字ちょいくらい
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1500~1900字にしてほしい
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1000~1400字にしてほしい