だから俺は救世主じゃねえって   作:ガウチョ

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この世界は独自解釈が入っている北斗の拳です。

原作と多少の差異がございますのでご了承下さい。


テンプレートないきさつ

病気で死んで、転生した。

 

なんというかテンプレ的な流れで神に会い、能力をランダムに二つ得て、漫画の世界に転生させて貰えることになった。

 

世界観が日本の現代っぽい世界以外教えてくれなかったので、禁書◯録とかネギ◯とかを予想している。

 

そして能力ガチャというガチャガチャを二回引かされた。出たのは科学力限界突破と資源変換という能力。

 

科学力限界突破とは文字通りの科学的な発明や装置に対して、凡そ人類が到達出来ないレベルですら産み出すことが出来る情報を何処かから受信して得る能力だそうだ。

 

そして資源変換とはあらゆる物質をその質量とかエネルギー量に応じて別の物質に変換できる能力らしい。

 

ゴミから木材を黄金に変えるどころか、有害物質とかも水とかダイヤモンドに変えれる能力である。

 

これは二つともちょいハズレの能力らしい。

 

科学力限界突破は材料と開発できる環境がないと宝の持ち腐れらしく、そして資源変換は本当に資源しか変換できないので金にはなるが、戦闘能力に直結しにくい微妙な能力なんだと。

 

でも神様曰く、この二つの能力の相乗効果は凄いらしいので期待出来るそうだ。

 

そして転生させるぞと神様に言われ、有難うございますと深々と頭と下げた瞬間、俺は日本で五才ぐらいの子供になっていた。

 

天涯孤独の子供になった俺は、最初は神様が用意してくれた小さな住居がついた町工場で生活することになった。

 

十二歳になる頃には俺は二つの能力を大体把握し始めていく。

 

科学力限界突破はあらゆる開発と研究に作用するらしく、只の子供の工作でも恐ろしいまでの物を作り上げることが出来た。それを心無い悪党とかには見せるわけにはいかなかったが、兎に角生活基盤がないことには何も出来ないので、最初は怪しまれながらも近隣の住人から有料で金物の修理を請け負ったり、加工した貴金属を売ったり、便利アイテムを発明して売ったりして生活を始める。

 

そうして成人に近づく頃には俺は若いけど腕のいい職人で、更に発明家として近隣で名が知られるようになり、色んな会社の仕事を請け負うこともするようになった。

 

そうして商売や開発に勤しんでいたあの日、二十代ごろに俺は運命の時を迎えることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

西暦19XX年─────世界の権力者が最終戦争のきっかけを生むスイッチを押し、世界は核の炎に包まれた。

 

世界のあらゆる場所が焼かれ、海は枯れ地は裂け…あらゆる生命体は絶滅したかに見えた。

 

だが……人類は死滅していなかった!!

 

テーレッテー! バァーン!! ユアーショーック!!!

 

そんな愛をとりもどしそうな音楽が流れそうな話の下りだったがもうお気づきだろうか?

 

そう、この世界は北斗の拳に限りなく近い世界だったのである。

 

いや、ね? わかってた……ここ北斗の拳じゃねえか?って。

 

だってさ、まだ十代の頃に見た新聞に凄いこと書かれてたんだもん、デビルリバース遂に懲役二百年でビレニィプリズンに収監って……。

 

デビルリバースってのは北斗の拳で有名な犯罪者でさ、過去700人ほど人を殺し、その後13回も死刑執行されて死ななかった重犯罪者なんだよ。頭は悪いらしくケンシロウの敵に言葉巧みに利用されてたけど。

 

設定だけは凄かったんだけどね。正確な身長は不明だけど20メートル位はあったし、北斗神拳より3000年くらい古い拳法使えたしね。

 

作中では結構周知されてたし、何がしかの記録や知られる理由があったと思ったら、思いっきり新聞やテレビに出てんだもん、スゲーびっくりしたよ。

 

そんなもんで色々な関連しそうな情報を調べたらでるわでるわ……。

 

一昔前の上海の抗争に閻王という謎の拳法使いがいたとか、世界的に知られた拳法に南斗聖拳の記述があったり、それに付随するように北斗神拳なる都市伝説じみた暗殺拳法が存在するって知られてたり……。

 

そりゃ北斗の拳の人達にちょいちょい北斗神拳知ってる奴が多いわけだわ。

 

まあそんでこの世界がヒャッハーな世紀末世界に変わるとわかった俺は、何とかそれを回避すべく奔走したんだ。

 

でもまあそれは何か無駄になってしまった。まあ俺みたいな身元不明の人間はコネがなきゃ何が出来るんだって話な訳だ。

 

いくら俺が人ならざる力があっても個人では出来ることに限界がある。だから俺は来るべき世紀末に備えるために、自分の周りだけは何とかしないといけないと思って何年も前から隠れて備えをしたんだよね。

 

そんでその世紀末が始まる日、俺はたった一人である場所に来ていた。

 

物資とか食料は特製避難シェルターに入れた。他にも出来る限りの自衛手段や防衛設備をこっそり作って頑張った。

 

そして世界が幾つもの核で焼かれた時、俺は特製避難シェルターの外で仁王立ちして目の前に迫る膨大な熱エネルギーを感じていた。

 

自殺したい訳じゃない、俺にはこれを生活の糧にできる術がある。

 

熟達した資源変換の能力によって俺から半径三キロ圏内の核爆発で起きた膨大な衝撃エネルギー・熱エネルギー・光エネルギー・放射エネルギーそれらを地上にそれっぽい鉄のビルの形に変換していく。

 

流石核爆発のエネルギー量だ、辺り一面にガワがコンクリートで中身が鉄のビルの形した置物が何十も乱立していった。

 

凡そ人一人が一生使っても使いきれないかも知れないお宝だ。北斗の拳世界は水と食料が恐らく最も価値があるので、この鉄の置物を変換していけば生活に不自由はしないだろう。

 

ここからだ、ここから俺の生活は始まる……目指すは世紀末でも快適なスローライフだ!


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