だから俺は救世主じゃねえって   作:ガウチョ

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快適な世紀末

世紀末スローライフ開始から三ヶ月ほど、俺の生活はいたって順調と言ってよかった。

 

さっそく科学力限界の能力で得た知識でこっそり地下に作った完全循環設備のアーコロジーという施設が電気と水を安定供給していて、それらを使って同じ地下に併設した完全無人の野菜工場を稼働させている。

 

適切な温度と湿度に完璧な栄養状態の土、そして計算された光合成をした野菜は瑞々しくてとても旨く、今の世界ではとても貴重で安全な食べ物だ。

 

今現在は水も電気も全然余っているので野菜工場は地上にも建設予定だし、やるべき仕事は山ほどあった。

 

さてここでだが俺の住んでいる場所を紹介しよう。

 

この北斗の拳世界において舞台は何処が基本になっているかというと、かつて日本があった場所がベースとなっている。

 

そして俺の住居は場所でいうなら千葉県があった場所に拠点を構えていた。運命の日が近付いたときはダムの近くに引っ越したけどね。

 

この終末世界になる前は科学の発展具合は建築と車の燃費性能が著しい発展をしたが、衛星による監視システム等はまだまだ脆弱で隠れることは手間ではなかった。

 

まあ地元民はまさか自分の家の周りでこんな秘密基地を作ってるとは思わなかったんだろうな。

 

それも殆ど核で更地と瓦礫と死体になったし、地盤が捲れ上がったせいで嘗ての景色は欠片も存在しないんだけどね。

 

更に死の灰で自然環境もほぼ破壊し尽くされている。ダムの水も死の灰で暫くは使い物にならないと予想はしていた。

 

だからこそ秘密基地を作るにはうってつけなので、ダムのそばに引っ越してこっそり作ったというわけだ。

 

まあ労働力も自前で作った作業ロボットを使い、不眠不休24時間フル稼働で作れたからこその作業スピードなんだけどね。

 

ダムの水もあらかた資源変換で飲料可能な真水に変換したし、この辺一帯の死の灰もガソリンや一部レアメタルに変換済みだから環境的には問題はなくなっている……俺の秘密基地から半径三キロ圏内はね。

 

本当に資源変換がなかったら生活が辛かったわ……マジで。

 

そして俺の住みかは端から見ればダムの周りにビルっぽい鉄の置物が建ち並ぶ謎の場所となってはいるが……半年ほど経つと何処からかダムの水を求めて人が訪れるようになっていた。

 

俺は訪れた人にある程度のモラルがあるなら対価を貰ってダムの水や食料を分けはじめた。

 

資源変換は制限があるらしく、水や加工した穀物は変換出来るが、肉や魚や野菜等の変換は出来ない……食料は戦略物資として扱われてるんだろう。

 

調味料は昔金銭でやりとりされたからなのか変換可能で、酒も変換出来る。あと幾つかの嗜好品も変換できた。チョコレートとか羊羮とか昔何がしかの兵糧とかに使われたんだろうな。

 

だから来た人から交換して貰うのは専ら資源変換できない加工品だ。ハムやソーセージに干物、缶詰のツナや何か調理された物が多い。

 

最近は近隣に移り住んできた奴に食材の加工を頼むこともし始めた。周囲の汚染物質や二酸化炭素を大量の小麦に変換してそれを保存に適したものに加工してもらったりね。

 

飲料水も農業用水もある程度ダムから引いたりして畑を作って貰って生活して貰ってる。

 

勿論ダムの水利権やダムと秘密基地から半径三キロ圏内の土地は俺が権利を主張して独占したけどね。

 

この暴力が支配するようになった世界で安全に水が取得できる場所は何よりも大事で貴重だ。だから俺はこの場所を選んだわけだし、先に来たのは俺なので文句は言わせない。

 

それに民主主義だ何だと他人にでかい顔されたり、先住の権利を先に来た奴等が後に来た奴等に押し付けて問題になるのはめんどくさかった。

 

だから申し訳ないがダムの水で生活するなら俺に従って仲良く生活してくれって言ったわけだ。

 

嫌ならダムの水はやれないし出てってくれて構わないと強気の態度で言ったら勿論ごねた奴等がいたし、何様だと手に武器を持って反抗しようとする集団も現れた。

 

問答無用で叩き出したけどね。

 

こちとらありとあらゆる人的問題を解決できるように武力は揃えているんだ。科学力限界突破で得た知識で開発した、人に偽装した武装ロボットをけしかけたらすっかりおとなしくなったよ。

 

何せ此処に来る人は着の身着のままとか剣とか斧とか車とか持っていても、此方は自動小銃で完全武装した人に偽装したロボットが数十体いるんだ。マシンガンで蜂の巣になりたい奴なんてそういないでしょ?

 

更に地下の秘密基地には更にヤバい武装をした偽装ロボットを数百体開発して隠しているし、俺も其なりに用心して身辺警護を最精鋭の偽装ロボットに守らせてはいたからね。

 

俺をどうにかする前に跳ねっ返り達は偽装ロボットたちに袋叩きにされてここから出ていって貰うことになった。

 

この一件で端から見るとダムから半径三キロの内側に住む武装集団を束ねる長みたいな立ち位置に落ち着いた。ダムの半径三キロから外側に住む人には殆ど避けられるようになったけどね。

 

まあそんなこんなで日々周りの環境改善と開拓をしていると、北斗の拳で有名なあいつらがついに出てきたんだよあいつらが……。

 

 

「ヒャッハー!」

 

 

それはまるで予定調和のように改造バイクと改造トラックで現れた集団。

 

弱きものから奪い、気の向くままに人を殺すならず者たち、この世界特有のバイクや車を乗り回して徘徊する奴等は弱者からは死神の集団だと言えるだろう。

 

恐らく追い出した奴等がならず者と徒党を組んだんだろうな……先頭のいかにもボスですって顔のゴツい奴の側に追い出した奴等の中にいた顔がいる。

 

こうなったらもう後戻りできないな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

掃除の時間だ。

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