だから俺は救世主じゃねえって   作:ガウチョ

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これは作者のリュウケンという人物に対して多少の偏見が入ったものになります。

リュウケンのファンのかたはブラウザバック……せずにリュウケンの下りの先の話をお読みいただけると幸いです。


リュウケンという男

先代北斗神拳伝承者のリュウケンこと本名霞羅門(かすみ らもん)

 

作中の彼を分析していうなら良く言えばステレオタイプの格闘家、悪く言うなら人でなしである。

 

作中の彼の行動は過去の出来事として幾つもの回想が描写されるのだが、はっきり言って人でなしでない回想は三つあるかないかであった。

 

崖落とし、フドウの道場破り、ラオウへの指導……わかる人間が聞くと思い浮かぶ外道エピソードが幾つもある彼だが、教育者としてはどうだったのだろうか?

 

実は彼は物事を伝承するにあたって致命的な間違いをしている事があった。

 

それは一子相伝の拳法の教えるべき情報を人によって変えた事だった。

 

不思議に思わなかっただろうか?何故ケンシロウはトキの柔の拳を知らず、ラオウと同じ剛の拳しか出来なかったのか?

 

一子相伝なら一から十まで北斗神拳の知識や技を知っていないとまずい筈だし、仮令(たとえ)得手不得手があっても知ってておかしくない筈の奥義を継承できてない節があったり、四兄弟は小さい頃から組手をしてる筈なのに相手の技の傾向を知らないような描写が見受けられた。

 

そして継承者のケンシロウには非情になれないと強くならない剛拳を教えてたり、ジャギは親心なのかケンシロウと戦って頭が膨らんだ後に拳の封印もしてないわ後で後悔するぞって言ってほったらかすわ、公私混同極まっていてろくな人物じゃないなって印象しかわかなかった。

 

まあリュウケンの世代の他流派の伝承者にはジュウケイというとんでもない糞野郎とか他にも何人かめんどくさい奴がいるから、世代的に外れ世代だったんだろうね。

 

 

「はあ……それが次の世代に生きる人間に多大な迷惑をかけているとわかっているんでしょうかねえ……」

 

「何かを伝えるってそんなものよ。自分より小さい器に水を注げば溢れ落ちるけど、自分より大きい器は満たすことが出来ないし、満たす器は好みで選ぶ。教育者って何処か傲慢じゃないと出来ない部分があるの」

 

 

そう言って目の前の眩しいほどの美女はガラスに入ったウイスキーを俺のグラスに注いでくれる。

 

ここはダムの町最大の歓楽エリア【新世紀】

 

男女の夢と欲がドップリ詰まった場所である。

 

これは人が増えるにつれて出てくる様々な欲を発散させるために俺がオーナーとなって世紀末を流離う旅人を癒す為に経営していた。

 

風俗用の偽装ロボットと本物の人が行き交い、そこから夢を買い、春を売り、酒を飲むあらゆる欲望が集うユートピア……となる予定である。

 

出来てから一週間しか経ってないし、其なりの蓄えがある人しか遊べない高級施設だからね。利用するのも資産を持っている人物しかいない。

 

ここはそんな新世紀でも更に高級なクラブがあるエリアで、揃っているホステスも皆ロボットではない選りすぐりの美女達だ。

 

自分も鼻の下が伸びない自信はなかった。

 

 

「どうですか?新しい体は」

 

「リハビリはしたけど……まだまだね、どうしても男の時みたいな剛の拳が難しくなったから女拳を磨き直してるわ」

 

 

背の空いた赤いドレスに身を包む彼女は赤毛混じりの金髪をウェーブにして対面に座っているが、とても昔男だったと思えない。

 

 

「私が侍らせて世話してた女達の仕事の斡旋や手下の南斗聖拳の者達もここのボディガードに使ってくれてありがとうね代表」

 

「これも懐柔策の一つですよ。腹が満たされれば獅子も兎を追いませんから」

 

「怖い人ね」

 

 

そう言って小首を傾げて笑う彼女を見てクラリときた、気を強く持たないとその美貌に持っていかれそうだ!

 

 

「ええと……今は名前は何にしたんですかユダさん」

 

「悩んだんだけど……スカーレットにしたわ。代表だったら愛称のレティって呼んでいいわよ」

 

 

バチコンとウインクを飛ばすユダ……ではなくスカーレット(愛称レティ)

 

 

「はは、ではレティさんと……南斗六聖拳の皆さんには一応説明しましたけど皆さん困惑してましたよ?」

 

 

サウザーとシュウはポカン顔、シンはまあ代表だからとか言ってた。

 

レイはおぞましい化け物になってそうだなって言ってて、ユリアにはケンシロウの手紙と一緒に報告したけど返答は『そうですか、お体にお気をつけください』という一文だけ帰って来た。ケンシロウ以外にはスーパードライだね。

 

 

「皆さんには写真とか見せませんでしたけど良かったんですか?」

 

「ええ、いつかあいつらが俺を見て驚く姿を……ちょっと口調が戻っちゃったわね、気にしないでね代表?」

 

「勿論勿論!私から貴方の正体は言いませんが、結構すぐばれそうですけど?」

 

「大丈夫よ、いざという時までレイにバレなければ」

 

 

フフフと笑うレティ(ユダ)の心底楽しそうな顔に心の中でレイに合掌するしかなかった。

 

それから一ヶ月後……。

 

 

「代表……お前の仕業か?」

 

 

町の拡張計画を聞いていた俺の元に地獄を見てきた顔をしたレイがやって来て、慰めるのに半日を使うのだった。




兎に角この話のリュウケン考察を作るの難しかった。滅茶苦茶文句書きたいけど書けないもどかしさよ……。

ユダ改めスカーレット(愛称レティ)

皆が考える好きなパツキンハリウッド美女を当てはめればいいよ!

作者はスカーレットヨハン○ンとかフィフスエレメントとかバイオ1の時のミラ・ジョヴォヴィ○チとかテイラー・スウ○フトとかをイメージしてます。

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