だから俺は救世主じゃねえって   作:ガウチョ

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この話はショッキングなグロ描写が多々出て来ます。

苦手な人は後書きに簡単なあらすじを書きますので飛ばして読んでもらえると幸いです。


初防衛

side あるならず者

 

 

その村の話は最近ちらほらと聞くようになった。

 

ダムの村……山に面した巨大なダムから半円を描くようにぐるりと作られた村らしい。

 

ダムからは水が豊富に供給され、村の人間はその水を使って野菜や穀物を栽培し、更には豚や牛まで育ててんだと。

 

だがそれと同時にある怖い話を聞いたんだが嘘くせぇ話なんだよなぁ。

 

 

「ダムの掟ねえ……」

 

 

曰く、ダムから三キロ圏内の内側はある集団が独占して住むことはできない。

 

曰く、納得できないならダムの水は使わせないし村から出ていって貰う。

 

曰く、もしダムの水ほしさに略奪や殺しあいをしようとすると内側に住んでる連中が半殺しにして追い出す等々……

 

あまりに眉唾な話だったが、さっき襲ったトラックにいた人間が頭が割れて死ぬ間際にそんなことを言っていたのを俺はふと思い出していた。

 

そんな巨大なダムがある村なら大量の水に食料……それも一週間分どころではない貯蔵はあるはず……。

 

こりゃあ俺様たちが腰を据えれる安住の地が見つかるかもしれない。

 

組織も頭数が二十を超えてでかくなったから大量の食料が必要だからなぁ。

 

 

「ちっ……もう動かねえか」

 

 

ズボンをはき直し、さっきまで喚いていた女の顔に唾をかける。見た目は悪くなかったがあまりに煩くてイラッとした弾みで首を絞めすぎて死んじまった……喚かなきゃ暫くは使ってやったのによぉ。

 

 

「おい、終わったのか?…げ…何だよ、また殺したのかよ」

 

「うっせえな、喚くこいつが悪いんだ」

 

 

後ろから声をかけてくる仲間にイラついて静かになった女の顔を蹴りあげると頭があらぬ方向にねじまがった。

 

 

「おいおい勿体ないことすんなよ。これじゃ立つもんも立たねえじゃねえか」

 

「死んだ女犯すなんて頭がイカれてるとしか思えねえよ」

 

 

そう言って笑うと仲間はちげえねえと笑っておもむろにズボンを脱ぎはじめた。

 

そうだこいつはハッパやり過ぎてイカれてるんだった。

 

その場を離れ、溜め息を吐いて残り一本になった紙煙草を取り出して、いつ煙草が手に入るかわからねえからスウッ…と匂いだけ嗅いで懐にしまう。

 

こんな糞みたいな生活になって唯一の楽しみの煙草も吸えず、手慰みに襲った連中の中に女がいれば飽きるまで抱いて殺す毎日に嫌気が差す。

 

別に女は生かしてもいいんだけどよ、こっちも腹が減ってるときに喚かれると弾みで殺しちまうし、食い扶持は少ない方がいいからな。

 

情報源は一つでいいってダムの村を知ってる奴を一人を残して皆殺しにしたけどよ、まあそいつの命もダムの村を襲うまでだろうからな……せいぜい役にたってもらおうかね?

 

 

そしてあの日はやたらいい天気の中、気持ち良くバイクをぶっ飛ばして例のダムの村に向かったんだ。

 

そして遠目で村が見えた……恐らくダムから流れてきた川を伝って更に村に近付いた時、カーンカーンと鐘の音が鳴った後に暫くすると空気を引き裂くような音が聞こえてきて、仲間が身体中穴だらけになって乗り物からボロボロと溢れていく。

 

何だ……何だよこれ……

 

すると殴られたような衝撃が俺の胸を襲い、見ると最後のタバコの入った左胸のポケットが胸ごとゴッソリ無くなっていた……。

 

 

 

 

お……オレ…ノ……タ……バ……

 

 

 

チュン!

 

 

あべしっ!

 

 

 

 

 

side 主人公

 

 

双眼鏡を覗いていた俺は武装ロボットの銃による狙撃の命中精度にホッとする。

 

ダムの半径三キロの境界線に新たに建てた物見櫓には一応人間のふりをした武装ロボットが潜んでいて、こちらの指示で指定目標を攻撃するようになっている。

 

外側の村に資材を提供して建てて貰った家の屋根の箱に入っている数種類の観測センサーで弾道計算しているが、数百メートル先の動く標的に命中出来ると分かっていても初めてやった事なので少し緊張した。

 

だがこれで今の防衛能力で外側の村も守れるとわかったし収穫はあったと言えるか。

 

ただ……

 

 

「………うえっぷ」

 

 

人の頭が吹っ飛ぶのを見てものすごい吐き気が出て吐いてしまった。

 

暫く肉は食えそうにないな。

 

取り敢えずあのヒャッハー連中の死体と殆ど無傷で手に入った改造バイクや改造トラックを回収に行きますかね。

 

準備を終えて二十名ほどの武装した偽装ロボットと共に数台の大型トラックと大型レッカー車に乗ってダムの外側の村に向かうと、こっちで勝手にまとめ役に指名した村長と呼ばれる初老の男性が数人の男達と共に迎えてくれた。

 

村長に軽く挨拶してると他の男達からの緊張が窺える。

 

まあ舐められるより話がスムーズに進むから良いけどね。

 

村長には今回間接的にとはいえ外側の村を被害なく事態を収拾してくれた事には感謝をされたが、此方もああいう輩を受け入れるわけにはいきませんからと説明をした。

 

 

「それでもわしらは命を助けられました。ありがとうございます」

 

 

深々と頭を下げる村長に他の男達も頭を下げていく……その光景に何とも言えないむず痒さを感じてしまった。

 

村長は本当に人が良いというか、自分でもあまり対応がいいとはいえない素性の怪しい武装集団のトップにも気を使ってくれる。

 

こんな世紀末な世界でも尊敬に値する人物ゆえにお節介を焼いてしまうんだよな。

 

取り敢えずあのヒャッハーの死体に改造バイクと改造トラックを回収することを伝えた後、俺以外の偽装ロボット達が作業をする側で村長と軽く打ち合わせをしたら、俺はそそくさと一人で回収した改造トラックに乗ってダムの基地に帰るのだった。




ヒャッハー達がダムの外側に出来た村にヒャッハーしに来たよ!

村に入る前に主人公の作った武装ロボットによる銃撃でジェノサイドされたよ!

暫く主人公が肉を食えなくなったよ。
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