ドンドンドンッ!
ノックと言うにはあまりに乱暴すぎる、ドアを叩く音が聞こえた。
「夜戦がしたい!」
ドアを開けたら川内が完全武装で仁王立ちしていた。
「そうか。どうぞご勝手に」
「うん!」
出撃許可を出し、ドアを閉める。
「よぅし! 夜戦の時間だー!!」
気合いの入りまくった大声と、ドタドタと慌ただしく遠ざかる足音。それらを聞きながら、暖かい布団に潜り込む。さながら潜水艦のように。
枕元の目覚まし時計を手に取り、アラームの鳴る時間がいつも通りであることを確認する。時計を定位置に戻し、リモコンで部屋の照明を消す。
リモコンも戻し、掛け布団を口元まで引き上げる。そして目を閉じ、深い眠りの世界へと──
コンコンコンッ
──ノック音が聞こえた。
「ざ、ざぶぃ…………」
ドアを開けたら、鼻水を垂らして小刻みに震える川内がいた。
「お風呂入って温まってきなさい」
「うん……」
風邪をひかないように念押ししてドアを閉める。
「……へっぷち!」
言わんこっちゃない。
可愛らしいくしゃみとテチテチ……とどこかションボリした足音にため息をつく。明日の予定表を取り、川内が休養日であることを確認する。その後、また布団に潜り込む。
そして照明を消し、目を閉じる。今度こそ深い眠りの世界へと落ちていった。
※※※
コン……コン……コン……
小さいノック音に、目が覚めた。
あくびを噛み砕きながら、布団から出てドアを開ける。
「ゃ、夜戦が……したいです……」
やけに透け透けなネグリジェに身を包み、モジモジとしている川内がいた。
「……………………」
「………………ダメ?」
「……………………」
「────あっ♪」
顔を真っ赤にしている川内の左手を引っ張り抱き寄せる。そこに自分が贈った指輪が光っているのを見て、何とも言えない優越感が湧いてくる。
そのままベッドの上に押し倒す。さっきまで夜戦夜戦と無邪気にはしゃいでいたとは思えないほど、おとなしくされるがままになっている少女の耳元で愛をささやく。
愛の言葉に身を震わせる少女の目は、情欲に濁り潤んでいる。あまりの可愛さに意地悪したくなり、再び耳元でささやく……と見せかけて軽く耳を噛んでみる。
「ひゃう!?」
かん高い声をあげて耳を押さえる姿が可愛すぎて思わず口が緩む。すると嘲笑されたと勘違いしたのか、頬を膨らませて抗議するように俺の頬をムニムニと引っ張ってくる。
その愛らしさに我慢の限界に来ていた俺は、その慎ましくも柔らかく存在感を放つ2つの丘を堪能しようと手を伸ばし──
「ゴッホン!」
……………………ドア、閉め忘れてた。
不機嫌そうな顔でメガネを光らせている大本営との連絡係に頭を下げてドアを閉める。
「……………………」
「…………や、やっぱりやめとく?」
ここまでやっといてそれは無理だろう。
途中で邪魔が入ったところで、俺の軟弱な理性が制止をかけてくれるはずもない。
「────えっち♪」
それに、俺の愛する妻だってノリノリなのだから。
その日の夜戦は、目覚まし時計のアラームが鳴るまで続いた。
※※※
「へっぷち!」
「ぶぇっくし!」
……念押ししたにも関わらず、結局風邪をひいてしまったのはご愛嬌だ。
「風邪ひいてるのに同じ布団で寝ようとしないでくださいバカップル!」
「や~だ~!!」
俺と同じ布団に潜り込もうとしていた川内が、大淀にドナドナされていったのは……まあ、自業自得だ。
仕事の昼休憩中にこれ書いてる自分、控えめに言って狂ってると思う。