「ポケモン世界に転生したらロケット団の実験体だったけど幸せです」   作:木岡(もくおか)

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第11話 出会ったポケモン

 意気揚々と道を行くニャースとシロウ、マサラタウンを出発してから歩き続けて数十分、一行は森を抜けて開けた草原に辿り着いていた。旅の初日、どんな出会いと冒険が一行を待っているのだろうか――。

 

 と、脳内でポケモンアニメのナレーションみたいなことを言いながらシロウは歩いていた。

 

 ポケモンリーグ出場のためにバッジ巡りをする旅で、挑戦する地方はどこでも良かったけれど、まあまずは現在地であるしカントー地方に決めた。行き先もとりあえず道なりにトキワシティへ進んで、その次は最初のジム戦をしにニビシティへ……そんな計画。

 

 けれど、その気になればいきなりアローラ地方やガラル地方といった遠くの地方へ行くことも可能な訳で、まだ名も知らぬ土地で未知のポケモンを探すこともできる。バッジを取る順番だってアニメとは違ってニビジムからじゃなくてもいいのだ。

 

 世界はここから見たら無限だった……。どこまでだって広がっている……。

 

 道になってる木の実の1つでもシロウからは輝いて見えた。

 

「この先トキワシティだとニャ」

 

「トキワシティにはもう少しで着くみたいだな」

 

 草原の真ん中に木でできた看板があった。そこで足を止める。2つに分かれたその道で片方の道を矢印が差していた。

 

「じゃあこっちだニャ」

 

 ニャースが矢印で示されたほうへ歩き出す。しかし、それをシロウは呼び止めた。

 

「待ってニャース。こっちの道に進もう。ちょっと遠回りすることになるけど」

 

「何でニャ。看板はこっちになってるのニャ。そっちで大丈夫ニャのか」

 

「うん。地図では道は繋がってる。理由は……ポケモン探し!」

 

 スマホでタウンマップを確認しながら言った。

 

 無限に世界は広がっているとはいえ、何をするにしてもまずは手持ちのポケモンを増やしたい。ジムに挑戦するのにも1匹だけじゃ門前払いされてしまうところだってあるはずだ。

 

 ジムごとに決まっているバトルのルールは使うポケモンの数もそれによって違う。ダブルバトルなんかもあったりするけれど3VS3が最もポピュラーだ。

 

 だから、当面の目標は「手持ちのポケモンを3体にする」ということ。そう決めて、シロウはよりポケモンと出会えそうな自然の多い道へ歩き出した。

 

「シロウはどんなポケモンが欲しいのニャ?」

 

「うーん。前からずっと考えてるんだけど決められないんだよなあ。どのポケモンも魅力的で」

 

「ニャーは強い奴がいいニャ。一緒に旅をする以上、シロウには勝ってもらったほうがニャーも鼻が高いのニャ。あとはかわいい子でも良いニャー」

 

 シロウも強いポケモンが良いのは同じだった。やるからにはチャンピオンを目指してやりたいし、どのポケモンが強いのかという知識もある。

 

 しかし、ゲームとは違って強いという理由だけで選んでバトルさせるのも気が引ける。一緒に旅をしてゲームよりもずっと長い時間を共にするのならちゃんと好きになって愛してやりたいし。

 

 つまり見た目も重要。でもかわいいだけじゃダメ。強さと見た目の両立。ヒトカゲとの相性等々……考え出したらキリが無かった。

 

「いわタイプを使うニビジムに挑戦することを考えるとまずはみずタイプかなあ。水の中を進めるポケモンがいるとこの先のポケモン探しでも頼もしいと思うし」

 

 周囲を見渡しながらそうぼんやりとつぶやくように言う。けれど結局は風任せに旅をした先で運命的な出会いに期待していた。期待したかった。

 

 転生した男の天から与えられた運命みたいなもので、伝説のポケモンにであちゃったりなんかしたり。そんな淡い願望を持っていた。少なくともレアなポケモンにはどこかで出会ってゲットしたい。色違いだとか、600族だとか。

 

 カントーならどこかにミニリュウでもいないだろうか。ドラゴンタイプなんかは皆かっこよくてかわいくて強いし。そんな思いも込みのみずタイプ希望で水場を探しながら歩いていた。

 

「あっちにキャタピーが見えたニャ」

 

「キャタピーか……」

 

 キャタピーの他にもポッポやコラッタなんかは今日も歩く途中で見かけた。でも正直そんなポケモンはノーサンキューだ。もっと何かこう……もっと……。

 

 そんな時だった。マサラタウンの生活では1度も見たことがない姿が少し先の茂みから現れた。

 

 ふわっふわの羽に青い体、つぶらな瞳。あのポケモンはチルットだ――。

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