「ポケモン世界に転生したらロケット団の実験体だったけど幸せです」   作:木岡(もくおか)

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第20話 妄想道中

「じゃあ次はニビシティかハナダシティでまた会おうぜシロウ」

 

 翌日の朝、ポケモンセンターの前で親指を立てて笑った。

 

「ああ。近くに来たら連絡してくれ」

 

「そん時はバトルでリベンジさせてくれよ。次は絶対勝つからな」

 

「うん。俺ももっとバトルに慣れとくよ」

 

 クリオとはここで別れることとなった。行く方向が同じならしばらく一緒に旅をしても楽しいかと思っていたが、クリオはもうしばらくトキワシティに残るらしい。理由は自分がまだ弱いと分かったから旅に出る前にもう少し修行したいからだそうだ。

 

「よっしゃ!今日もポケモン捕まえに行くぞー!」

 

「頑張れよー」

 

「またニャー」

 

 気合を入れて走り出したクリオと手を振って別れる。クリオがしばらく後ろを見ながら手を振っていたのでシロウとニャースもクリオが見えなくなるまで手を振った。

 

「じゃあ俺達も行こうか」

 

 出会いがあれば別れもある。これも旅の醍醐味で楽しみの一つだ。クリオとの出会いは良い出会いだったと思う。同じ目標を持って旅をする友達と出会えたことはこれからの旅を明るくすることだろう。

 

 連絡先も交換したし、会いたくなったらいつでも会える。

 

 初めて来た大きな街を特に観光もせずに素通りする形になってしまうのはもったいないかもしれないけれど、シロウは真っ直ぐに街の出口を目指した。途中にあった人とポケモンが支え合って開いているような店を見つけても余所見せずにただ真っ直ぐ。

 

 ニビシティへ向かうのが楽しみで仕方がない。タケシにあっていわタイプのジム攻略を目指すのが楽しみだ。今日の日のシロウの頭にはそれしかなかった。

 

「うーん……」

 

「どうしたのニャ。シロウ」

 

「うーん…………」

 

「何1人で考えてるのニャ」

 

 ニビでのジム戦を目指す……とは言っても、今のままではおそらく自分は勝てない。それというのは手持ちの2匹がどちらもいわタイプに弱いからだ。ほのおタイプもひこうタイプもいわにはめっぽう弱い。

 

 それでもタケシに会いたくて主人公たちと同じ道を歩むと決めた以上、やはりまずは旅立ちの日に決めた目標である「手持ちを3匹にする」、これを達成することが必要不可欠だ。

 

 それもいわタイプに有利なポケモンを捕まえる。シロウはそれをどのポケモンにするのか考えていた。

 

 ニャースの声が耳に入らないほど集中して、顎を手でつまみながら……。

 

 順当に考えれば水か草……鋼や格闘タイプも岩に有利だけど個体数が少なくてあまり見かけないタイプのイメージだ。ハナダで水を相手することも考えれば同じように泳げる水か抜群をつける草が最良だ。

 

 好みで言えば水のほうが良い。前世の知識では草タイプはタイプだけで見れば弱くて、何か秀でたところがないとランクバトルの環境では役割を持てないというのもある。

 

 では水タイプだとして誰がいいだろうか……と言ってもゲームとは違って好きなポケモンをすぐに手持ちに加えられたりはしないのだが……。

 

「なあニャース。俺みずタイプのポケモンが欲しいんだけど、どこに行けば会えるかな」

 

「ニビジムの対策かニャ」

 

「うん」

 

「みずタイプニャー。やっぱり釣りじゃないかなニャ」

 

「釣りかー。やったことないし自信ないなー」

 

 理想を言うのであれば水・地面タイプとかが良い。水タイプだけだと今度は電気が重くなる。電気はそのさらに次のジムのタイプだ。水・地面は複合タイプの中では数が多くて、ほとんどが優秀なポケモンだし。

 

 頭の中ではかなり早口なポケモンオタクバリバリの思考でシロウの考え事は続く。

 

 しかも水・地面は特性で水無効にできる奴も多いんだよな。ちょすいによびみず、ヌオーやらトリトドンやらガマゲロゲが持っている。剣盾のランクバトルでもラグラージ含めてそれぞれが環境にいたポケモン達。自分もよくランクバトルで使ってたっけ……。

 

 そうやって過去の対戦のことを思い出しているとシロウは水・地面タイプにどんどん心が惹かれてきてしまった。それじゃなきゃダメほど、もうそういう舌になってしまった。

 

 うわあ……ほしいなあ。水・地面タイプ。けど、カントー地方に図鑑登録されている奴はいないんだよなあ。

 

 もういっそニビに行く前に手持ち増やし目的で別地方とか行っちゃうか。別地方行ってここらでは見なかったポケモン達に囲まれるのも素敵だろうな。

 

 妄想を広げながらの歩みは続いた……。

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