シルさんとリューさんが好きであの二人はずっと見てられるよね
とりあえずエピソードリュー2楽しみです
「ベルさんベルさん!この服なんていかがでしょう!」
オラリオに建てられたとある呉服店
ドッペルゲンガー騒動を機に、神々の言うところの『いめちぇん』とやらをしようと考え、グランカジノ潜入の時にもお世話になった呉服店にシルさんと着たのは良いんだけど・・・”
「あっ、こっちの服も良さそう!」
来店してからかれこれ1時間程
お店の中の洋服を片っ端から見て手に取っては戻したりを繰り返し、気になった服が僕の腕の上に積み上げられていく
「あっ、ベルさんも気に入った服があれば取って良いですからね!」
「(手に取る余裕無いとは言えない・・・)アリガトウゴザイマス。」
ここに来る前に髪を染め、髪も少し切って髪型まで整え、後は新しい服を1着買って帰路につか予定だったのが約一時間前
今ではもう着せ替え人形所ではなくさながらラックと化している
「あ、あのーシルさん?さすがにこれ以上は・・・」
さすがにこれ以上は収集がつかないと判断し、シルさんを呼び止める
「せっかく呉服店に来たんですから思いっきりオシャレしないと勿体ないですよ?ベルさんてば基本同じような服ばっかりだと流石にバレちゃいますよ?」
「うっ・・・!」
シルさんに痛いところをつかれてしまう
僕の普段着は酒場で着用している服からエプロンを抜き取った簡単なもの
当然洗濯は欠かしたことは無いものの、迷宮に潜る時以外はこの格好でいることが多かった
「ベルさんはもっとこう…なんて言うんでしょうか。もっとお洒落に着飾って良いと思うんです!」
「ソウナンデスネー。」
目を輝かせながら両腕をグッと構えるシルさんに僕は笑って返すしかなかった
「あーっ、その声は信じてませんね!私に任せてください!絶対にかっこいいと言われるようなコーディネートにして見せるんで!」
決してシルさんを疑ってるわけじゃないんです
確かにシルさんの料理のセンスについては壊滅的ですが、服のセンスに関してはまともだと思う・・・多分
「それにですね、ミアお母さんが言うにはベルさんもお店の接客の方に回ってもらうかもしれないとなそうなので、普段からの身だしなみは大切にしないとですよ?」
「それはまぁ、そうですが・・・」
お店の表に立つと言うことは、お店の一員として今まで以上に認識されるということ、外での印象等はより直接的に響いてきてしまう
何より驚いたのは女性ウェイトレスが売りでもあったお店に男性の僕が入って良いのかという不安が残ってる
とある女神からの要望で数週間程だとは聞いてるけど・・・
「ベルさんならきっとすぐに冒険者さん達から人気になれますよ。私が保証します!それに知ってました?隠し事は隠し通そうと蓋をするよりも何も隠してませんとおおっぴらにした方がバレないものなんですよ?」
なぜだろう、シルさんが自身ありげに話すとこっちまでそうなりそうな気がしてくるのは
「そろそろ夕方になっちゃいそうですのでこの服の中から選んじゃいましょう。」
そう言いながらシルさんはお店の中に設けられた試着室へと向かう
「そうだっ!せっかくだしリューにも見てもらおうよ!ベルさんの自信にも繋がるはず!」
「えっ、ええええええええ!!!???」
拝啓お義母さん、僕の受難はまだまだ続きそうです
・・・
「どうしたんだいヘファイトス、そんな不景気そうな顔しちゃってさ!そんなんじゃ売れる物も売れないぜ!」
バベルにはいくつかの商業施設が店を構えており、そのうちの四階から八階を【ヘファイトス・ファミリア】がテナントとしている
その武器屋でバイトをしているヘスティアが出勤すると、店内がいつもよりざわついており、とある一室の前で神友のヘファイトスが気難しい顔で悩んでいる様子だった
「おはよう、ヘスティア。どうもこうも泥棒に入られたのよ。」
「ヘファイトスのところに泥棒だってぇ!?大丈夫なのかい?子供達に怪我は?」
「幸か不幸か、被害に遭ったのはこの倉庫に置かれていた剣だけよ。とはいえここに置かれてるのは店頭に並べられないものや一時的な保管場所として使ってたもの。悪いように使われてなきゃ良いけど。」
「犯人の目星とかはついてるのかい?」
「後でガネーシャの所に調査を頼むつもり。分かったらアンタもさっさと持ち場に着きなさい。」
「分かった分かった、ちゃんと向かうよ。
「(流石にこの倉庫に魔剣は混ざってないはず。なのになんなの、この胸騒ぎは・・・)とりあえず、ガネーシャの所に行った後に改めて整理しましょう。」
・・・・
「すみませんクラネルさん、シルに誘われてお邪m・・・失礼させていただきます。」
シルに連れられたリューさんは店内に入った刹那、踵を返すようにそそくさと店を出て行こうとする
「待ってリュー!せめて批評だけでも聞かせて!お願い?」
シルさんがリューさんの行く道を阻む
リューさんがほんの少し力を込めれば退かせてしまえるような柔い壁でもそれをしないのはリューさんなりのシルへの優しさだと思う
「い、いえですがシル、私には荷が重いと言いますかそういうことには疎くですね。私以外に適任がいるかと!」
「えー、私はリューに見てもらいたいなぁって思ったのにぃ。」
「み、見てもらうのはクラネルさんだ。彼が良いと言わなければ」
「僕もリューさんに見てもらいたいです!」
ち
これは確かな本心からの言葉だった、なんだかんだ長い付き合いであるリューさんからの言葉なら不安も拭えると考えた上での発言だった
「ク、クラネルさん!?」
「ということだからお願い!」
「と、とりあえず心の準備だけさせてください!」
背後から見た僕でも分かるほどに紅く染めたリューさんが深呼吸をひとつ
「そ、それでは行かせていただきます。」
くるりとこちらを向いたリューさんはこちらを向いた形でまた静止してしまった
「おーい、リューさん?リューさーん。」
目の前でブンブン振っても反応が返ってこない
「はっ、すみませんクラネルさん・・・それで批評でしたよね。凄く似合っておられるので良いと思います。」
「ですって!良かったですねベルさん!」
「はい!これでしっかり自信持って出来そうです!」
「しばらくその格好なんですか?」
「はい。最近少し目立ち過ぎてしまったようで、なればということで神様達のいうイメチェンというのをやってみるのもありかなと。」
「それは殊勝な心がけですクラネルさん。ギルドの方で箝口令が敷かれているようですが、下手に波風を立てるのは得策ではない。」
「すみません、色々とお騒がせしてしまって。」
「いえ、今のところはなんとかギルド内だけで収まっています。クラネルさんを知る者が限られていることが幸いしたのでしょう。」
「それで、この後はリューさん時間ありますか?」
「いえ、今日は非番ですので特に用事は。」
「でしたら、少しお茶でもしませんか?最近はきちんと落ち着いて話せる機会が無かったので久しぶりにリューさんのお話、聞きたくなってしまって。」
「私の話でよろしいのですか?」
「リューさん達だから良いんです。凄く面白いですし!」
「クラネルさんがそこまでおっしゃるのなら・・・」
「決まりですね!シルさんもどうですか?」
「そうですね、でしたら私もお言葉に甘えちゃおっ。」
僕は2人を引き連れて、いつもの部屋へと入って行った
ダンメモのホワイトデーベルくんをイメージしていただけると良いです