私の生徒たちが、自分を恋人だと思い込んでいる!   作:雨あられ

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第6話

……暑い!

 

と自身の胸元に溜まった汗を拭うと角楯カリンは空を仰いだ。

空には薄い雲が広がり、過酷な太陽の日差しがサンサンと照り付けている。

街ゆく人々も日傘を差し、ハンディ扇風機を顔に当ててささやかな抵抗をしながらもそれでも目的地へと歩いている。

 

私もその一人だ……このように暑い日にわざわざ外にいるのは……この先に先生がいるからに他ならない。

 

カフェが近づいてきたので映りの良い窓に近づくと汗拭きシートで軽く汗を拭い取ってから乱れていた黒い髪を直し、アスナに選んでもらった香りのよい香水を付け直す。

準備は万端。これで……

 

ドアを引くとカランカランとベルの音が鳴る。

 

私には夢があった。

お洒落な喫茶店を旦那様と二人で慎ましくも幸せに経営していくこと……。

そのうち子供にも恵まれ……そうだ、大きな犬なんかを飼うのもいいかもしれない。

 

そういう意味では、先生とのこのバイトはそのための予行演習のようなものだった。

二人の将来の為……な、なんて!

 

一人照れ隠しでぶんぶんと手を振っていると…………?

 

「な、なんだこれは!!?」

 

いつもは趣のあったはずのカフェが……!?

筐体がひしめき、それぞれの放つ電子音が不協和音となって部屋中に響き渡るサイバーな空間へと変わっていた。目に付くのは大きなバイクのレースゲームにクレーンゲーム、テレビゲームにキャラクターものの電光掲示に果てはプリクラまで……!!?

 

「な、なんで私たちのカフェが……ゲームセンターにッ!!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の生徒たちが、自分を恋人だと思い込んでいる!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

“カリン!”

 

「せ、先生!これはいったい……」

 

筐体の奥から姿を現した先生を見つけると私は慌ててそちらに駆け寄った。

 

“それが、朝来たらもうこうなってて……”

 

「そうなのか?……ということは、外部の犯行と言うことになるが……」

 

そこで二人で膝を突き合わせて悩んでいるとカランカランと再びカフェのドアが開く。

入ってきたのは……見覚えがある。

 

「お!来てる来てる!いやーやっぱりここなら涼しい~!」

 

「お、お姉ちゃん!やっぱり先生に内緒でこんなこと……良くないよ。先生も困っちゃうよ」

 

「何言ってるのさ。ミドリだって途中までノリノリだったくせに!」

 

「だ、だって先生のところだったなんて知らなくて……先生にキラワレタクナイシ……」

 

「アリスは早速あそこにあるスペースキャットのプレイを所望します!」

 

「暑い、死んじゃう……か、帰して……お家に、帰して……」

 

汗だくになりながら入ってきたのは上から赤の才羽モモイ。緑の才羽ミドリ。大きなロッカーを担いで入ってきたのは天童アリスに……多分、中で蚊の鳴くような声で何か訴えているのは花岡ユズ。いずれもミレニアム学園、ゲーム開発部の面々だった。

 

「あ、ほらもう居るよ!先生~」

 

「え、先生!?嘘、待って、汗かいてるし今はあんまり近寄りたくない……」

 

“これは……”

 

“もしかしてゲーム開発部のみんなが?”

 

そう先生が訪ねるとニコニコしながらモモイがピースサインを浮かべ、アリスもそれを真似る様にピースをする。ミドリは隠れるようにモモイの後ろへ逃げてユズは……先ほどアリスがピースをするためにガシャンと床に乱雑に落とされていたが……生きているのだろうか?

 

「実はね、今日はここをゲームカフェにしようと思って!」

 

“ゲームカフェ?”

 

「う、うん。……実はお姉ちゃんが近所で閉店するゲームセンターを見つけて……そこの筐体を安く譲ってもらうことになって……だけど置くところがないからとりあえず先生のところへ置かせてもらえないかって」

 

“なるほど……?”

 

「アリスは早く先生とスペースキャットで遊んでみたいです!」

 

そう言ってアリスが先生の袖を引っ張るとモモイやミドリもそれに続くようにして先生を取り囲んで服を引っ張り始める……!

 

微笑ましい光景だとは思うがゲームカフェ?

 

それは……おしゃれなカフェで働きたいという私の理想とは違い過ぎる。それに

 

「ちょっと待ってほしい」

 

訪れるお客さんの柄も悪くなりそうだし、犬だって飼えるかどうか……子供にも悪影響だろうし……。

 

「……あ!あなたはC&Cのカリン先輩!?どうしてここに!?」

 

「私はここでおよ……アルバイトをしているんだ。そんなことより、先ほどの話、少しおかしくはないか?今日ここに置かせてもらうという話はまぁ良いとして、ここまでセッティングされていて装飾もされているなんて……まるで”初めからずっとここに置いていくつもり”だった、そんな感じだ」

 

「「ギクギクッ!」」

 

「そもそも……ミレニアムのゲーム開発部の部室にはこんな大きな筐体を置くスペースはないだろうし……なんだかんだ理由を付けてずっと先生のところに置いておくつもりなんじゃないか?」

 

私がそう言うとモモイとミドリは目を逸らして下手な口笛を吹き始めた。

 

「はい!先生の所なら涼しいし冷たい飲み物や美味しいお菓子も食べ放題で筐体のゲームできる、セーブポイントみたいに使える!ってモモイたちは言ってました」「「あ、アリス!?」」

 

「やはり……!」

 

そうなると、私はこのシャーレ併設カフェのアルバイト代表として、このままゲーム開発部の企みを看過するわけにはいかない!……うん。決して先生とお洒落なカフェで二人きりで働きたいからなどという自分の邪な願望の為ではない!

 

「ふぅ、ではセミナーのユウカに連絡してすぐにでも引き払って貰って」

 

「え、えっとえっと。そうだ、勝負!勝負で決めようよ!ゲーム対決!」

 

「ゲーム……対決?」

 

「そう!!こっちが勝ったらゲームはそのまま!先生のカフェは今日からゲーム開発部ご用達のゲームカフェになるの!」

 

「……では私が勝ったら、ここは元のお洒落なカフェに……いや、制服は可愛いメイド服にしたメイドカフェにする!」

 

「う、うん!私たちもその時は潔く諦めるから!」

 

そう私が言うとモモイたちは顔を突き合わせてよーしやるぞー!プライベートゲームセンターのために!と闘志を燃え滾らせた。

 

だが、私だって負けるつもりはない。

 

すぐに小型無線を取り出すと緊急連絡を飛ばす。

この戦い、私たちC&Cにとっても絶対に負けられない戦いになる。そんな予感があった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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…………話が、勝手に決まっていく!!

 

そう危機感を覚えながらも、事は今更私が介入して何とか出来るレベルをとうに過ぎているようだった。ゲーム開発部はシャドーボクシングをしながらやる気満々だし……

 

「みんなすまない。急に呼び出して……」

 

「いや、本当だろ」

 

「助けてくれなんて言うから、カリンに一体どんな危機が迫ってるのかと思って来てみれば……まさかゲームで戦うだけだなんて……」

 

「あっはは!でも面白そうだよ~!」

 

カリンの電話で現れたのはミレニアム学園Cleaning&Clearingのエージェントであるコールサイン00 美甘ネル、01 一之瀬アスナ、03 室笠アカネ。C&Cのフルメンバーにはあと一人欠けているが、これで頭数は揃い、自然と4vs4の戦いになったようであった。

 

「ゲームで戦うったって相手はゲーム開発部だぜ?超不利じゃねえか。完全に相手の土俵だぞ」

 

「う……それは……その場の勢いでつい……」

 

「あらあら……上手く乗せられちゃったのね」

 

「ご主人様ご主人様!あれ!あのプリクラ一緒に撮ろう!」

 

「てめぇは一旦落ち着け!……プリクラは……あ、後でだ!」

 

……意外とこのリーダー、ノリノリだ。

それにしても……このメンバーが揃うのは件のG.Bible騒動以来だ。あの時もこうして敵対し合ってはいたが今回はゲームで仲良く遊ぶというとても平和的な争い方法。

どこか……感慨深いものがある。

ほら、アリスたちも楽しそうに……?

 

「アリスは逃げだした!」

 

「ちょっとアリス!いくらネル先輩が苦手だからって!」

 

「は、離してくださいモモイ!アリスには無理です!!まだ死にたくないんです!」

 

「ユズちゃんも!早くロッカーから出てきて!」

 

「うぅメイドさん怖いメイドさん怖いメイドさん怖い」

 

……仲良く……遊べるのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カフェのプレートをクルンと回し、張り紙を張って本日は臨時休業にすると、早速ゲーム対決の一回戦が始まった。

 

「ふふふ」「私たちのコンビネーションを打ち破れるかな?」

 

「エアホッケーですか……」「早くやろう!早くやろうよ~!」

 

コインを入れると盤上の多数の小さな穴から空気が噴き出す。

白いマレットで円盤(パック)を打ち合い、相手にたくさんゴールした方が勝ちというシンプルなゲーム、エアホッケー。アーケードゲームの中でも比較的有名だし、C&Cのメンバーもルールくらいは知っているようだった。

 

モモイとミドリ、アカネとアスナがそれぞれマレットを構える。

 

「……アスナ先輩。以前お二人と戦った時の情報(データ)は……?」

 

「ん~昔戦った感じ、二人のコンビネーションは口だけじゃなくて相当なものかも。あの時は不慣れっぽい銃撃戦だったけど、今度は種目が得意なゲームだし、なおさら警戒した方が良いと思うな~」

 

「そうですか……ですが、私たちも任務で鍛えたチームワークがあります。この勝負、そう簡単には……」

 

カンカン!と壁を跳ね返りながらモモイの打ったパックがアスナたちのゴールに迫る。

アカネもアスナもそれを目で捕えると同時に跳ね返そうと手を伸ばしそして

 

ガ、カシャーン!デロデロデー!

 

 

二人のマレットがぶつかり合っている間にパックはc&c側のゴールに収まった。

 

 

「よくよく考えてみれば、アスナ先輩は基本単独行動ですし……二人でチームワークを鍛えたことなんてありませんでしたね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一回戦目はモモイ・ミドリチームが勝利した。

C&Cの二人も途中から役割分担がはっきりしてきていい勝負になりそうな雰囲気はあったが、普段から息の合った双子の二人には流石に勝てなかったようだ。

 

「先生見てた!?」「私たち勝ったよー!」

 

“ああ、ホンジャマカさながらのコンビネーションだったよ”

 

「ホンジャマカ……?」「何それ?何かのゲーム?」

 

“……”

 

ジェネレーションギャップに打ちひしがれている間にも次の試合が始まろうとしているようであった。次の対戦カードは……。

 

「お、久しぶりだなぁ。いっちょよろしくな」「」

 

八重歯を見せて笑顔を見せるネルと、凍り付き笑顔のまま滝汗を流してフリーズするアリス。

二人が戦うのは……

実際に近未来型のバイクに乗ってリアルなレースをホログラムで楽しむことが出来る、ハイスピードレースゲーム機で戦うようだ。

 

「悪ぃけど手加減はなしだかんな」「」

 

身軽な動きでバイクに飛び乗るネルと、まるでロボットのような動きでぎこちなくバイクにのるアリス。そして私がコインを入れるとバイクに乗った二人の様子がホログラムで映し出される。

 

ギラギラの金色の龍の描かれた赤いバイクに乗るネルと、時間切れで決定された特に特徴のない青いバイクに乗るアリス。そして、赤いシグナルが一つずつ点灯していく……

 

3,2,1、GO!

 

「うらああああ!!」「」

 

開幕バイクをフルスロットルで走らせ、ついでにアリスの乗っていたバイクを後輪で吹き飛ばすネル。スピードを出し過ぎてグイングインとロデオマシンのように揺れる機体を完全に乗りこなし圧倒的なスピードでラップを叩き出す。ネル、さてはこのゲームをやりこんでいるな!?

 

そして、NEW RECORD と画面に表示されるとどうだ!とネルがガッツポーズをして皆の方へと振り返る。

 

「ひっく、ぐす怖かったです……」

「よしよし、ウチのリーダーがごめんなさいね。アリスちゃん」

「無理させてごめんねーアリス~」「すまない、ほら、オレンジジュースは好きか?」「ごめんねーウチのリーダーが大人気なくって~」

 

泣きじゃくるアリスを甘やかすメンバーたち。それを見てネルの肩がわなわなと震えだす。

 

「て、てめぇらどっちの味方だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ついにゲーム対決も最終決戦だ。

 

「やっちゃえユズ!」「がんばって、ユズちゃん!」

 

「カリン、がんばってください!」「負けたら承知しねぇぞ!」

 

それぞれのチームから声援を受けて二人は今、向き合っていた。

 

 

ダンスリズムゲームの前で!

 

 

「ど、どうしてこんなことに……」

 

「参ったな、ダンスゲームなんてしたことない……」

 

ユズはゲーム開発部部長。ここに並んでいる格闘ゲームやアクションゲーム、シューティングゲームなどはどれもプレイしたことがあるだろう。ゲームをあまりプレイしないカリンと戦えば勝敗は明らかだ。

しかし、今、目の前にあるのは身体を動かすタイプのダンスリズムゲーム。二人の実力差が広がる恐れが少ないように他のメンバーがあーだこーだと言いながら公平に選ばれたゲームだ。実際……

 

「やばいよお姉ちゃん。ユズちゃんがフィジカルでカリン先輩に勝ってるヴィジョンが見えない……!」

 

「う、やっぱりそうだよね?でも格ゲーもシューティングも却下されちゃったし……」

 

「頑張ってください!ユズ!」

 

流石に分が悪いと思っているのか少し不安そうな顔をする姉妹に、純粋な笑顔でユズに声援を送るアリス。そして

 

「なにこれ!なにこれ!すっごく美味しい~!」

 

「本当ですね。フワフワで甘くて……」

 

「……うめぇ」

 

正直勝負に勝っても負けてもどうでもいいらしいc&cのメンバーはカリンへの応援もそこそこにお茶を飲みながらケーキを食べてくつろぎ始めていた。

 

「で、では、始めるとするか……」

 

「ちょ、ちょちょちょ!ちょっとだけ待ってください!」

 

……?

いざ、という時にサンダルをぺたぺたさせて駆けてくるユズ。

そして、私の目の前で止まると、ブルブルと震える手を私の目の前に差し出した。

 

「せ、先生。お願いです。わ、わたしにゆ、勇気を分けてください……」

 

私はユズが精一杯伸ばした手を両手でギュッと包み込むように握った。

 

“ユズなら大丈夫、頑張って!”

 

「は、はい!」

 

赤い顔をしながらも笑顔を浮かべるユズに暫く大丈夫と言う念を送っていたが、すっと手を離すとユズが少し名残惜しそうな顔をする。

ともあれ、これでいよいよ戦いがはじ

 

「先生。私にも、勇気を分けてほしい」

 

“え?”

 

まらない。見ると、先ほどのユズと同じように顔を赤くしながらもじもじと手を差し出すカリンの姿があった。

確かに、ユズにだけ応援をするのは不公平だと感じたので、私はカリンの手を同じように両手で包み込んでカリンの目を見て応援の言葉を口にする。

 

“頑張って、カリン!”

 

「!!……今の私なら何でもできそうだ」

 

そんな大げさな……と手を離すとぱっと、また手を取られる。今度はユズだ。

 

「せ、先生。さっきのわたしよりも3秒も長く手を握って……!?か、勝つためにも、今度はわたしの方が長く……」

 

「ず、ずるいぞ!先生、今度は私が……」

 

「アリスも先生にバフをかけて貰いたいです!」「はいはーい!ご主人様―!私も私もー!」

 

わっと、人が殺到した拍子に、

 

「あ!」「わー!」

 

敷き詰められていたコンセントに引っ掛かってモモイとミドリが近くの机に倒れ……その拍子に机に置いてあったケーキが宙を舞い……ネルの顔面に張り付く。

 

シーン、と部屋の中に静寂が訪れる。

 

「て、て、て、てめぇら……覚悟はできてんだろうな!」

 

ズガガガガ!とネルのマシンガンが唸れば、今度はそれに怯えたアリスが条件反射でレールガンに手を伸ばす!?

 

「ひ、光よ!」

 

そして、無作為に放たれた光の剣の閃光が膨れ上がり、タコ足配線で繋がっていたゲーム機たちのコンセントに直撃し、そして……光が瞬いたと同時に……

 

 

シャーレ併設カフェは大爆発とともに吹き飛んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「す、済まなかった先生」

 

“そんなに謝らなくても大丈夫だよカリン。それに、こうして今日も手伝ってくれてるでしょ?”

 

「先生……」

 

結論から言えば、あの爆発でゲーム機はほとんどが駄目になりゲーム開発部の野望は塵となって消えた。代わりに、今、シャーレのカフェは……

 

「おかえりなさいませ、ご主人様~!」「アリスもお出迎えします。おかえりなさい~!」

 

カランカランと新しいお客さんが入ってくると、メイド服を着たアスナとアリスが笑顔でお客さんを出迎えている。

メニューも一新され、アカネとカリンが作ってくれるお絵描きオムライスに……

 

「うわ、あのメイドつよ……」「な、何者なんだあの二人……」

 

生き残ったゲーム機でユズやネルに挑めるメイドさんの冥土コースなど……

すっかりとメイドカフェとゲームカフェの折衷案のようなカフェに……どうしてこんなことに。

 

「先生―!どう!私のメイド服!可愛い!?」

 

とてとてと掛けてきたモモイに笑顔でサムズアップすると満足したように笑みを浮かべる。

 

「へっへー!」

 

?モモイの後ろでもじもじとメイド服の裾を握って隠れていたミドリも顔をだす。

 

「せ、先生……私も似合ってる……?」

 

とても似合ってると伝えるとミドリは赤面しながら嬉しそうにはにかんだ。

 

「えへへ……」

 

……ま、まぁ、こうしてみんなの楽しそうな姿を見れるのなら、期間限定でこういうカフェも悪くはな……

 

「失礼しまーす!」

 

“……?”

 

カランカランと扉が開いたかと思えば、次から次へと青い服を着た引っ越し業者のような人たちが何かをカフェに運び込んでくる。こ、これは……!?

 

「ふぅ、やはりここは涼しいな」

 

続いて入ってきたのはトリニティの補習授業部の白洲アズサ、浦和ハナコ、下江コハル……。

 

「ちょ、大丈夫なの!?こんなことして!?っていうか、いくら暑くてもこんなところで脱がないで!エッチなのは禁止!!」

 

「え~」

 

「安心してください。みなさん大丈夫です!」

 

1歩,2歩、ゆっくりと歩みを進める

 

「先生ならきっと理解してくれます」

 

カツンと歩みを止めると狂ったような輝いた目で両手を広げる……阿慈谷ヒフミ。

 

 

 

「ペロロ様のすばらしさを!」

 

 

 

カフェに運び込まれたのはモモフレンズと呼ばれる大量のペロログッズたち。

 

睨みあう補習授業部とゲーム開発部・C&C。

 

今!こちらに一切決定権のない戦いの火ぶたが再び切って落とされた……!?


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