クククッ、逃さねぇぜシェリー   作:きりりん

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クククッ、俺には関係ないんだぜシェリー

 

 

 

和葉ちゃんの依頼を受けて米花町に行き、服部平次をちょこっと見守ってからコナンくんとお話して帰ってきた俺はシェリーとリビングで紅茶を飲んでいた。

以前の看病のお礼をシェリーが早くしたいと言うんだが、俺はそこまで急いでいないためのんびりしているわけだ。

 

実際は「あなたにこれ以上借りを作ると何をやらされるかわからないから、今以上に積み重なる前にさっさと返してしまいたい」という事なのだが、そんな事をわざわざ考えなくてもいいものを…シェリーは律儀な性格だな。

 

別に俺は貸し借りなんて気にしていないし、これからも長い付き合いになるんだ。

いくらなんでも今の段階でシェリーに自分を捨ててまではっちゃけろ(妖怪食っちゃ寝やサ○リオの看板ネコを演れ)とは言えんよ。

 

まぁ今のシェリーがあまり嫌がらずに演ってくれるとしたら、レイかアンナさんとかくらいか?

俺としては爆裂するハンターのボンテージ妹とか聞きたいところなんだがなぁ…

 

あと聞きたい歌が山ほどある。ただポップな曲が多いから今はまだタイミングを見計らっているだけだ。

 

あんまり貸し借りとか言ってそれを要求するとなんかシェリーの好感度とか下がりそうだし、結構普段の会話でもそれなりに満足してる俺としては無茶な要求をしてジト目で呆れられるリスクは避けたいところだ。大阪でも楽しませてもらったしな。

このあたりについては注意しながら演ってもらっているつもりだ。シェリーはあくまでもシェリー(宮野志保)という人物なので、それを無視して俺の都合で振り回すわけにはいかない。

 

そういうわけでマイクに向かいたいシェリーと、別に急がなくてもいいんじゃない?な俺でいつもと反対という不思議な状況になっている。

 

 

「シェリー、別に貸し借りなんて気にする必要はないぞ。無理に演らせても俺の求めるもの(本物クオリティ)が手に入るわけではないからな」

 

「…珍しいわね。あなたがそんな事を言うなんて。何を求めてるのかわからないけど、あんまり変な事はさせないでよ?」

 

「そこまで変な事ではないだろう?シェリーの事は大切にしているつもりだぞ。ただ焦る必要がないから気長にやっていく(聞かせてもらう)とするさ」

 

「確かに大切にはされてるんだろうけれど…あなたの場合、後からその分が一気に来そうで怖いのよね」

 

「ククッ、ひどい言われようだな。あぁそうそう、話は変わるが米花町での土産話なんだが…」

 

 

まったくシェリーは俺をなんだと思ってるんだ?お姉ちゃん(宮野明美)を助けて、シェリー(宮野志保)本人も見つからないように匿って、江戸川コナン(工藤新一)たちとも友好に接していて、これでも俺はシェリーのためにそこそこ行動しているんだぞ。

もちろん私欲と重なる部分が多いからこそでもあるのは否定しないが…

 

それは置いておいて、シェリーに米花町に行った時に以前伝え忘れていた伝言を伝えた事と、江戸川コナンが一時的に元の姿に戻る現象が見られた事を報告しておく。

コナンが元に戻った事を言っておかないと、後で「なんで知ってて言わなかったのよ」とか怒られる可能性が非常に高いからだ。

どうやら一時的にでも元の姿に戻ったというのは驚きだったみたいで、その状況を結構詳しく聞いてきた。

 

ただ、俺はそのシーンを見てたわけじゃないんだよな…知ってはいるんだけど。

 

なので服部平次が毛利探偵事務所へ行き、その時渡した大阪土産の何かの中に元に戻るための成分が偶然入っていたんじゃないか、という事だけ伝えておいた。

なんでそんな事を知っているのかと聞かれたが、和葉ちゃんが心配して様子を見ておいてくれと頼まれた事を正直に話したので問題はない。そう考えると和葉ちゃんの女の勘グッジョブ!

後はその土産が何だったのかを服部平次にでも聞けば辻褄も合うだろう。「お土産が被らないようにしたいんだけど、何を持っていったの?」とか聞けば教えてくれそうだ。

 

シェリーもやはり何を渡したのかは気になるみたいで「そのお土産が何だったのか教えてもらえないかしら?」と言ってきた。

ただ、俺は和葉ちゃんの連絡先は知ってても服部平次の連絡先は知らない。和葉ちゃんから聞いてもらってもいいが、それをこの前(探偵ごっこ)のお礼代わりにされても困る。

 

なので「焦って聞いても服部平次が何かに勘付かれても困るので、俺から近いうちに聞き出しておく」ということで話は終わった。

既に面識のある俺だから疑われたりはしないと思うが、万が一にでも「ガキんちょ(江戸川コナン)の正体は工藤や。わざわざ俺が渡した土産が何かを聞いてきたということは、工藤と何か関係があるんか?念のため工藤にもその事教えといたるか」とか大きなお世話をされても面倒だしな。

あれ?服部平次ってその時に江戸川コナン=工藤新一って気づくんだっけ?なんかちょっとズレてた気がするけど、一応知っている前提で動いておくか。

 

まぁ答えのパイカルはいつも行っているスーパーにある事は前に確認してあるし、情報だけ聞く事ができたら手に入れるのは簡単なものだ。

 

 

「…と、まぁ米花町ではそんな感じだったよ」

 

「確かにいいお土産話だったわね。それにしても組織の一員のあなたが探偵ごっことはね」

 

「諜報員ならあり得るのかもしれないが、俺には向かない仕事だとつくづく思ったよ」

 

「…そういえば組織には情報を扱うコードネームもいたわね。あなた、そっちのほうとは面識はないわけ?」

 

「ないな。俺が会った事があるのはジン、ウォッカ、キャンティ、コルンくらいのものだ。潜入という意味ではウォッカが当てはまるんだろうが、その他は会った事もないし誰がいるのかも知らんな」

 

 

情報を取り扱うって言ったらベルモットとバーボンあたりか?まだあいつら相手に立ち回る用意ができてないから今はまだ勘弁してほしいところだ。

バーボンはまだ臨機応変で何とかなるかもしれないが、さすがにベルモットは無理だな。

俺としては黒の組織を壊滅させる気がないので、なるべくなら拮抗した状況を作っておきたい。

 

ククッ、そうすれば俺も長く楽しめるからな。

 

ただ、そのためにこの前ウォッカに提案したのになかった事にされたのがなぁ…

今考えるとなんか腹立ってきた。ウォッカめ、剣8のくせに俺が考えた「やちる」に反応しないとは何事だ。

むしろ兄貴と慕うジンを見習え。あいつは戦闘狂じゃないけどすぐ殺そうとするんだぞ!もういっそ卍解の修行してこい。

 

 

「…あなた、また変な事考えてるでしょ?」

 

「うん?そんなことはないぞ。組織のコードネーム持ちについて考えていただけだ」

 

「…本当にそれだけなのかしら?ロクでもない事考えてそうな気がしたんだけど…」

 

「ククッ、今も所属している俺が言うのもなんだが、組織がやっている事なんて全部ロクでもない事だと思うぞ?」

 

「それもそうね」

 

 

納得するのが早いな。間違ってないから別にいいんだが。

しかし本当に拮抗させるにはどうしたもんかな…やっぱりこっち(黒の組織)も警察機関に潜入させるのが一番かなぁ。

こっちがある程度実力主義なのに対して、向こうは年功序列なども昇進材料になってくるだろうし、今のうちから入り込ませておけばある程度操作できる地位までいけるかもしれないな。

 

よしそれでいこうそうしよう!

 

 

一旦部屋に戻り1人になってからジンへと連絡を入れ、今考えていた各組織に潜入させようプランを説明していく。

 

ジン?俺だよ!実はライの潜入の件があったから考えてたんだけどさ。

こっちからも逆に警察機関に工作員を潜入させておかない?そんな有能なヤツじゃなくていいからさ。

裏切らないような忠誠心の高いヤツか、人質なり弱み持ってるヤツなら使えると思うんだよね。

警察機関はある程度時間が経てば昇進したりするからさ。潜り込ませて放っておけば勝手にいい地位まで上がってる可能性だってあるじゃん。

直接組織の人間じゃなくてもさ、傘下から選んで潜り込ませといてもいいと思うよ。

もし警察に正体がバレてもその傘下の仕業だと思ってくれるだろうしね。

俺?無理無理。そんな事してたら動けなくなっちゃうもん。長期間に渡る潜入になるだろうからコードネーム持ちとかじゃないほうがいいと思うよ。

 

 

「傘下や下っ端を使うか…なるほどな」

 

「ククッ、悪い案じゃないと思うんだがな。これならライのような潜入にも対抗できるかもしれん」

 

「…いいだろう。俺からこの件は伝えておく。あと別件だ。裏切り者の赤井秀一が日本にいる可能性が浮上した。お前も網を張っておけ」

 

「ほう、了解だ。後で赤井秀一の詳細なデータを送っておいてくれ」

 

 

一応俺は赤井秀一を知らないからな。写真なりもらわないと探し様がない…という形にしておかないと「どうして赤井秀一を知っている?」とか言われないようしておかないとね。

まぁ俺たちは米花町にいるわけじゃないから、探すと言っても早々見つかるもんでもない。

仮に見つかったとしても知らせるだけになるだろう。わざわざ接触したりはしないつもりだ。

 

ただ、この世界でも偽装死があるのであれば、少しだけ関わっておきたいという気持ちもある。

もしその時を俺が知る事ができたらという程度だがな。

それよりも会っておく人たちがたくさんいるから、それはそれとして今は置いておこう。

 

これで俺の案がうまくいけば、CIAやMI6なんかだけじゃなく日本の警察にも組織の手が入り込む事ができる。

そうすれば組織としても多大なメリットが得られると共に、俺個人に対してもかなりのメリットになるわけだ。できれば各都道府県に配置してほしいもんだな。

 

問題があるかもしれないとすれば、その潜入したヤツらを統括するのがジンじゃない可能性があることくらいか。

これでバーボンとか、最悪ベルモットなんかになってしまったら手が出せないかもしれない。

そこはもうジンに頑張ってもらおう。言い出しっぺなんだからお前が管理しやがれ。それか潜入担当のウォッカに丸投げしろ!そしたら俺が裏からみんなの都合のいいように差配してやるから!

 

 

ジンに提案まではしたし、後は俺がどうこうする問題でもないためシェリーがいるリビングへと戻っていく。さてさてどうなるかな?

あ、シェリーったら紅茶入れ直してくれるのね。ありがとう。

 

ここから先は幹部連中なりあの方なりが判断して決めればいい事だが、できればうまくいってほしいという気持ちはある。

そのためにわざわざ自分から潜入したりなんてする気はまったくないが。

 

一応それをした場合のほうが赤井秀一や安室透、いや降谷零と関わったりしやすい事は理解しているんだ。

そして各地にいる警部たちとも怪しまれずに接する事ができるのも大きなメリットではある。

だがそれと引き換えに、自由に動く事ができなくなるというあまりにも大きすぎるデメリットがあるので選ぶ理由にはならない。

 

 

「わざわざ部屋に戻っていたって事は組織の連絡だったのかしら?」

 

「ああ、ちょっと思いついた事があってな。少しジンに伝えていただけだ」

 

「…あなたあのジンとよく普通に話せるわね。私だったら無理よ」

 

「シェリーはそうだろうな。他のヤツもそうだが、不審な点などがあれば見ればわかるものだ。俺は裏切るつもりもないし、他のヤツら(部下たち)に比べて好きにさせてもらってる分、それなりの見返りが組織にあるからじゃないか?」

 

「まぁ疑われてないっていうのは、あなたが今もそうやって生きていられているのが何よりの証拠よね」

 

 

実際疑われるような事は一切やってないからなぁ。見つかったら困る致命的なのはあるけど。

その致命的な2つであるうちの1つ、宮野明美は完全隔離だし、もう1つのシェリーもこうやって俺が匿っている以上見つかる事はない。

この隠れ家だって誰にも言ってないから見つかる事もないだろう。

 

その上で組織の傘下増やしたり裏切り者の粛正したりしてるから、それなりには組織の役に立ってるはずだ。裏切り者認定できるはずもない。できたらそいつはエスパーだ。

更に今回ジンに話した内容は悪くない提案のはずだし、バーボンに知られて逆に情報が警察関連に回される事さえ気をつけておけば俺大勝利だ。

 

もういっそバーボンも組織から弾き出すか?…いや、まだだな。「気づかれぬように未来を見据えて打ってこそ布石だ」と、どこかのバスケ部の未来が見える眼を持つ赤い主将も言っていた。

 

 

ならば俺もそれに習っていくとしようか。

 

 

 

 

 

クククッ、(原作?そんなもの)俺には関係ないんだぜシェリー

 

 

 

 

 

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