クククッ、逃さねぇぜシェリー   作:きりりん

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クククッ、お前だけじゃないんだぜシェリー

 

 

「fly me to the moon ~ ♪

 

 

(やはり歌はいいね。リリンの生み出した文化の極みだよ)

 

 

(シェリーもこういう曲なら歌ってくれるようになったし、その内ポップな曲も歌ってくれそうだな)

 

 

 Fill my heart with song ~ ♪

 

 

(俺としてはドラまたの曲も歌って欲しいんだけどな~)

 

 

(呪文の詠唱は断られちゃったからなぁ…竜破斬(ドラ○スレイブ)はまだ早かったか)

 

 

 Fly me to the moon ~ ♪

 

 

(しかし英語の発音キレイだな~。やっぱり才女なだけある)

 

 

(本当はみんなにも聞かせてあげたいところなんだけど、どこに組織の耳や目があるかわからないからな)

 

 

(クククッ、しばらくは独り占めさせてもらうとしよう)

 

 

 in other words I love you ~ ♪」

 

 

 

 

 

「素晴らしいよシェリー。君は歌も上手いんだね」

 

「褒めても何も出ないわよ。でもいい曲ねこれ」

 

「だろう?他にもいい曲はたくさんあるよ」

 

「あなたの事だから全部歌わせるんでしょう?ほどほどにしてよね」

 

「クク、もちろんわかっているよシェリー」

 

「じゃあそろそろ食事の支度をするから買い物に付き合ってちょうだい」

 

 

 

 

俺はシェリーを車に乗せていつものスーパーへと向かう。彼女も完全に今の生活に慣れたようだな。

まぁ若干の不自由はあるかもしれないが命を守るためだし、米花町にいるより俺の元にいるほうが間違いなく安全なのも理解してくれているので問題はない。

 

ただやはり自分の薬によって小さくなってしまった工藤新一の事が気にかかっているようだ。

シェリーの口から「工藤くん、大丈夫かしら…」と漏れる。独り言なのか?それともお前ちゃんと護ってやれよって事なのか?

 

 

まぁちょっと確かめたい事もあるし、一度米花町に行くのも悪くないか。

安心しろシェリー、今度米花町に行ってくることにするよ。ちゃんとシェリーの無事も伝えておくから安心するといい。

え?歌ったりしてるのは内緒にするの?別にいいけど了解したよ。

わかった。元気にしてるって言っておくね。

 

 

買い物から帰ってきてシェリーの作った食事を頂く。うん、美味しい!

シェリーはそんな量で大丈夫なのか心配になるくらい少食だけど、さすがに中身まで子供じゃないから「もっと食べなさい」とか言ったら逆に怒られそうだ。

そういえば組織から新しい指示が来てたんだった。シェリーにも伝えておかないと。

 

「シェリー、おそらくしばらくの間家を空ける事になる。その間は気をつけてくれ」

「そう…わかったわ。心配しなくても大人しくしているつもりよ」

「必要なものや欲しいものがあったら揃えておくから教えてくれ」

「あなたここに来てからも何度か組織の仕事で出かけてるじゃない。今回も元の身体に戻す方法を考えておくことにするから大丈夫よ」

 

まぁシェリーの言う通り、この隠れ家に来てからも何度か組織の仕事はしている。

シェリーがいなくなった事で多少の混乱はあったものの、それは一部だけで全体で見れば微々たるものだ。

それに海外なんかに行くことも多いから原作キャラたちに会うことも少ない。てか滅多に無い。

まぁ今回は組織の仕事と俺の目的を同時に果たせそうなので若干張り切っているのだが…

 

 

 

 

 

ククク、待ってろよ!

 

 

 

 

 

 

 

今俺は組織の指示で大阪へと来ている。今回の目的は後々のための目眩まし役。

目先の事件に集中させておいて本命は気づかれない内に…ってやつだ。

組織としては大阪府警なんかを釣っておければいいようだが、俺の考えは違う。

服部平次、こいつにも同時に大人しくしていてもらう予定だ。

 

ククク、うまくいくかな?

 

さて、予定通り殺人事件が発生し、警察官が集まってきた。そして俺の予想通り服部平次も何やら騒ぎながらも現場に立ち入ったようだ。

 

よし釣れた!

 

しっかり推理がんばれよ西の名探偵くん。俺もちゃんと応援しているからな。

西の名探偵(面倒な番犬)を事件という名のエサで釣る事に成功した俺は目的の人物に接触するべくその場を立ち去る。

そして向かったその先にはまた別の事件が起きていた。女の子が複数の暴漢に襲われているのだ。

女の子も腕に自信があるのか立ち回っているが多勢に無勢の状況となっていた。

俺はそこに割って入り、次は俺が相手になるぞと睨んでみせる。

そのまま逃げていった男たちを見送り、女の子のほうを振り返ってみると怪我もなさそうだった。

 

「君、大丈夫だったかい?」

 

「はい、危なかったんでほんま助かりました」

 

「怪我は…なさそうだね。何もなかったようで良かったよ」

 

襲われていた女の子を連れて人通りの多い場所へと移動し、女の子のほうもやっと気が楽になったようだ。

自動販売機で飲み物を買って渡してあげる。これで落ち着いて話をすることもできるだろう。

 

「アタシは遠山和葉言います。さっき助けてくれてほんまありがとうございました!」

 

「いえいえ、礼には及びません。無事で何よりでしたよ」

 

「いえほんまに助かりました。なんかお礼させてください」

 

「うーん、お礼をさせる気なんてないんですが、それなら少しこのあたりを案内してくれませんか?実は大阪には来たばっかりで詳しくないんですよ」

 

「そんなんでええんですか?」

 

彼女、遠山和葉に大阪の町を案内してもらいながら雑談を交わしていく。

彼女生来の人懐っこさからか、襲われているところを助けてもらった事もあるのか、このお店があのお店がといろいろと教えてもらった。

 

 

ククク、すまないね和葉ちゃん。あの暴漢たちは俺の指示だったんだ。

 

実は劇団「黒の組織」さんの下部組織の人たちに演じてもらってたんだよ。

 

 

そんな事は知らない和葉ちゃんに案内してもらい、今は喫茶店でお話中だ。

 

「和葉ちゃん、今日の事は内緒でお願いしますね。私はあなたのお父さんの商売敵みたいなものなので見つかると面倒なんですよ」

 

「商売敵っていうと…(そういえばよく家で「検察の人間め、勝手に好き勝手やりおって!」って言うてたな。つまりこの人は検察の人なんか)ふふ、わかりました。内緒にしときますね」

 

「ええ、助かります。見つかったら怒られ(逮捕され)ちゃいますので」

 

 

そこから話を聞いていけば幼馴染の事に話題は移っていった。

 

大丈夫だよ和葉ちゃん。その幼馴染の彼だってちょっと素直になれないだけさ。

お互いに素直になれないから反発しているように見えるだけで惹かれ合っているのは間違いないよ。

押してもダメなら引いてみなって言うでしょ?和葉ちゃん可愛いんだから小さな事で噛み付いてちゃダメだよ。

心配ならお兄さんが相談乗るよ?なるほど恋敵ってやつだね。じゃあこうしてみるのもいいんじゃないかな。

そうだね。きっとうまくいくさ。お兄さんのお墨付きだよ。

 

 

さて、そろそろいい時間だ。番犬(服部)くんが嗅ぎつけてくる前にお暇するとしようかな。

おそらく今回の事件はもう解決されている頃合いだろう。まぁ後数件は事件が起きる予定なんだけどね。

 

 

 

 

 

「そろそろお暇したいところなんですが、実はあなたの声が昔よく聞いた女性によく似てましてね。彼女は承認欲求は強いですが、称賛されるだけの実力を持った才女でした。そんな彼女とは中学生の時に出会ったんですが、気弱だったその時の私(シ○ジくん)をよく叱咤激励してくれました」

 

 

「その人は今は…?」

 

 

「もう会えないんです…そこでお願いなんですが、彼女がよく言っていた言葉をあなたに言ってもらえませんか?」

 

 

「えっ?私にですか?(もう亡くなられてはるんか…それでもその彼女さんの声が聞きたかったんやろうな…)まぁそれでお礼になるんならやりますけど…」

 

 

「ぜひ!ちなみにセリフはこれで…」

 

 

「えっ、これでいいんですか。じゃあ…あんたばか?」

 

 

「もっと力強く!」

 

 

「あんたバカ!」

 

 

「最後はちょっと伸ばすように」

 

 

「あんたバカぁ!」

 

 

「そのまま疑問形も少し含んだ調子で」

 

 

「あんたバカぁ!?」

 

 

「ありがとうございます!まるで彼女(ア○カ)がそこにいるようでしたよ」

 

 

「はぁはぁ、なかなか気の強い彼女さんなんですねぇ、アタシのほうが疲れたんですが…」

 

 

「フフフ、もう会えない彼女(ア○カ)にまた会えた気分ですよ。そのうちまたお願いしてもいいですか?」

 

 

「えぇ…?まぁ危ないとこを助けてもらった上に相談にも乗ってもらったし、これくらい別にええですよ」

 

 

 

 

目的を達成した俺はその報告を行い家に帰る準備をしていく。

長かったようで短かったがとても濃密な時間を過ごせたな。

少しだけ私情で動いたが全体的に見ればこの行動は組織にとってもプラスに働くはずだ。

何せ和葉ちゃんの父親は大阪府警の刑事部長だ。

そして服部平次は事件を解決している間に幼馴染が危険な目に遭った。

これを聞けば迂闊に単独行動はできまい。

更に和葉ちゃんの俺に対する警戒心も(たぶん)ないだろう。

次に和葉ちゃんに会うときは番犬付きかもしれないが、まぁその時はその時だ。

 

 

 

 

「ただいまシェリー、いい子にしていたかい?」

 

「その子供に接するみたいな態度やめてくれないかしら…おかえりなさい」

 

「ちょっとした冗談だ。何もなかったみたいで良かったよ」

 

「組織の動きを知っているあなたがいるんだから問題なんて起きないわ。あなたは良いことでもあったのかしらね?ニヤニヤしているわよ」

 

「あぁ、任務(目的)をスムーズに達成できたからな。なかなか楽しめたよ」

 

「そう、良かったわね。今日はもうアレはなしで休みましょ」

 

「あぁ、わかった」

 

 

今回の仕事に満足している俺は大人しくシェリーの言う事を聞くことにした。

まぁ無理をさせるつもりもないし、シェリーとしてもわざわざ恥ずかしい思いをしたくないというのもあるんだろう。

というか、最近そこまで恥ずかしがってる感じじゃないんだけどな…

特に綾○レイは普通に言ってくれる。

 

それは置いといて、今は原作だとどれくらい進んでるんだろうか?

 

前にシェリーにも言っていたが一度原作主人公サイドの確認をしてみるのもいいかもしれないな。

新聞やニュースで「眠りの小五郎」の話題が出ていることから、事件を解決したりしていることは確かだ。

灰原哀(シェリー)がいないことでどんな影響が出ているのかを見ておく必要があるかもしれない。

 

あとあの無鉄砲探偵(江戸川コナン)がバーボンやライに接触しているのかや、シェリーの事を話していないか等も確認しておかないと…

釘は刺したつもりだし、例えバーボンやライに話されても俺の事は知らないはずなんだが、念には念を入れて行動しておかないとな。

 

それとは別に俺個人としてもどうしても確認してみたいこともある。

 

というか、こっちが本命と言っても過言ではないくらいだ!

 

 

それは…

 

「ご飯できたわよ」

 

「わかった。いつもすまないねぇ」

 

「…あなたよくそれで組織でやっていけてるわね」

 

「ククッ、組織でこんな事言っていたらすぐに殺されてるだろうな」

 

「それだけ気を許してくれてるって前向きに捉えることにするわ」

 

「それはお互い様さ。それと今度米花町に様子を見に行ってくることにする」

 

「そう、あなたの事だから心配はしてないけど、工藤くんをあんまりいじめないでね」

 

「あぁ、(どうしても)気になる事もあるからな。ついでに少しお話するだけさ」

 

 

 

 

 

 

 

「クククッ、(ターゲットは)お前(1人)だけじゃないんだぜシェリー」

 

 

 

 

 

 

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