二分割しても良かったかもしれませんが、文字数が少なくなると思うのでそのまま投稿。
真上から光が射し込んでくる。
……どうやら俺は夢を見ていたようだ。
何だか誰かと話していたような気もするが、それが誰かは全く分からない。というか思い出せない。
まぁ……別に重要そうな事柄でもないような気がするし、大丈夫だろう。
いや……待て。そもそも……。
そもそも俺は、何故夢を見ていたんだ?
……えっと、朝は普通に起きて、家から文と彩目に見送られてスキマに入って、森近の店に来て魔理沙の所在を訊いたんだ。
そうしている内に魔理沙が来たから、彼女に頼み込んで幽香の所……幽香?
「……ハッ!?」
バッと起き上がる。
身体に掛けられていた毛布が捲り上がり、脚の上に重なる。
そうだ。思い出した。
俺は幽香に勝負を挑んで、アイツの花の毒でやられかけて、
それで吹き飛ばされそうになった所で、魔理沙の手助けで……助かったの、か?
「あら、ようやくお目覚めかしら?」
「……毒も治ってるな」
「当然よ。ちゃんと解毒剤は飲ませたって言ったでしょう?」
「信用ならないからな」
「失礼ね。友人を毒殺なんかしないわよ」
声と視線を感じて右を向くと、幽香と魔理沙がお茶を飲んでいる。
……いや、魔理沙はどうやら一口も着けてないみたいだな。ありゃ。
「……って事は、ここは幽香の家か」
「身体の調子はどうかしら? 再生能力が元から高い貴方なら大丈夫でしょう」
「……ああ……まぁ、それなりにそれなりだな」
多少気だるさは残っているものの、身体を動かしたり能力を使うのに支障は全く無い。
ベッドから降り立ち、身体を動かしてストレッチをする。
感覚は『支障はない』と言っているが、実際の筋肉がどう言うかは解らないからな。
……まぁ、筋肉痛やら力が入らないって事も無いみたいだし、恐らく大丈夫だろう。
にしても……随分と懐かしいな。幽香の家。
とは言え記憶とは随分と内装も変わっちゃいるが……幻想郷が出来てから何か起こったりしていたのかね?
と、そんな感じで体調を確かめつつ周囲を見ていた俺を見て、
「……うん。大丈夫だな」
「そう。なら良かった」
「ホントに大丈夫か?」
「……本人が大丈夫だと言っているのに、まだ貴女は疑うのかしら?」
「いやいや、本人が気付かない症状だってあるだろ?」
「……まぁ、そうかも知れないけど」
……結構心配してくれる魔理沙に、ニヤニヤを必死に抑えながらストレッチを続ける。
まぁ、彼女の言う事も確かにその通りである。
屈伸、伸脚、アキレス腱、肩、首、手首、足首、腰、指先を曲げたり伸ばしたり。
首、肩、肘、手首、指、腰、股関節、膝、足首、爪先、耳、背骨の骨を鳴らしていく。
「お前それ、何処を鳴らしてるんだ……?」
「え?」
「……大分前に、それ眼の前でやるのは止めなさいって言わなかったかしら?」
「言ってない。断言する。眼の前でやったのは何回もあったような気がするが」
「「……」」
「あっ、ちょ、ここ室内だから。傘で狙わないで貰えません?」
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どうやら俺が気絶している間に、幽香が魔理沙に俺の事を色々と喋ってしまったらしい。
……まぁ、別に良いけどさ……。
その……『何者なんだこいつ!?』みたいな目付きは止めてくれない? 魔理沙さん。
と言うか、博麗神社とか森近の店出た後とかでもその目線したよね? もう良くない? 慣れてもいいよね? 慣れようよ? 俺が言うのもアレだけどさ!!
まぁ……いいか。もう逆に俺が慣れているし。
……そう言えば、吹き飛んだ筈の幽香の服は、どうしてああも綺麗なのだろう……?
「……本当に志鳴徒は大妖怪だったんだな」
「常軌を逸した大妖怪よ。特に行動が」
「ああ~……」
「……」
納得されるのはちょっとイラッと来るが、反論のしようがないので黙ってしまう。
……いやいや、ちょっと待て。
確かに幽香の所に来たのは挨拶も兼ねてだったけれども、ちゃんと他に目的もあるのだ。
「……あー、そうそう幽香さん幽香さん」
「何かしら? 零勝六百四十七敗一無効試合さん?」
「いや、戦績で呼ぶなよ……ていうか良く覚えてるな……」
「いやぁ、ちょいと教えて欲しい事があるんだが……」
「無視かお前ら」
「無理ね。諦めなさい」
「はやっ!? ていうか断言かよ!? 内容聴いてやれよ!」
「マジで?」
「え? 会話出来てるのか?これで」
「……むぅ、仕方無いか。自力で開発か……」
「出来たら私にも教えてくれるかしら? 是非とも見てみたいわ」
「りょーかい……」
「……何なんだお前ら……」
そんな感じで例の話は終わってしまい、幽香と現在の状況情報を交換しつつ、弄りがいがある魔理沙と時たま弄ってやってはお喋りを続けた。
そうしている間に日もとっぷりと暮れて、魔理沙の箒にまた二人乗りで帰宅中。
しかし『日もとっぷりと暮れる』の『とっぷり』とは何故『とっぷり』なのだろう?
「知らねぇよ」
「ですよねー」
……まぁ、下らない話である。
夕陽が俺と魔理沙と、眼下に広がる大地を真っ赤に染める。
久々に見たなぁ。こういう故郷の原風景って感じの光景。
そんな感じでぼんやりと眺めていると、魔理沙が話し掛けてきた。
「……なぁ?」
「ん~?」
「……幽香に質問しようとしていたのって、結局何だったんだ?」
「ああ、あれね」
「というか、アレは本当に会話していたのか?」
「さぁ?」
「……ゑ?」
予想だけれども、俺の勝手な勘違いかもしれない予想だが、
幽香は敢えて会話を解った振りをして、不可能だと断言する事によって、自分に振り掛かってくる火の粉を振り払おうとしたんじゃないかな?
……まぁ、私以上に生きている幽香が、分かっていた上で否定するって可能性もあるけど。
「……」
「ま、そういう事を質問していたって訳」
「……オカマになってるぜ」
「……」
変化、詩菜。
「……聴いたところによると、初めは詩菜だけだったらしいな」
「……ハァ……まぁね」
元々は人間だった時の姿になりたい。ってのが始まりなんだけどね。
でもまぁ、元は人間だとは言わない。めんどくさくなるから。
というか、何でまた女性の言葉遣いになっちゃうかなぁ……いや、別に良いんだけどさ。
「で……質問の内容だっけ?」
「いや、もう幽香が面倒臭がるって時点で厄介事だろ」
「いやいや、そんな面倒な物じゃないって」
多分。
「魔理沙はさ、『誘導式のレーザー』って、撃てたりする?」
「誘導式のレーザー?」
「そうそう。ホーミングレーザーって奴」
前々からやりたかった事なんだよね。『アレ』は。
まぁ……相変わらずのパクり技だけど……。
「……試した事はないな。そんなの、弾幕ごっこじゃあ強すぎて使えないぜ」
「いや、弾幕ごっこには使わないつもりだよ? 使うとしたら、さっきの幽香とのガチバトルみたいな感じで使うつもりだから」
「……ふぅん。まぁ、出来なくはないと思うぜ?」
「ホント!?」
「ま、弾幕を張れないお前が出来るか、って所が問題だがな」
「う……そ、そこは努力で何とかするよ!」
……もしかすると、その部分が一番の難点かも知れないけど。
「……ホーミングレーザー、ねぇ……」
「……やっぱ難しい……?」
「うーん、術式は簡単だと思うが……コストとか威力が問題になるんじゃないか?」
「お、流石魔法使い。計算が早い」
「へっ、こんなの八雲一家とか文とかに比べたらショボいだろ」
「……まぁ、妖怪だからじゃない?」
「いや、お前もだろ……」
「円周率なら得意です!!」
「また微妙なモノを……」
「3.14159265358979323846264338327950288419716939937510582097494459230781640628620899862803482534211」
「止めろ止めろ!?」
「因みに百桁から先は結構不安です」
「どうでもいいわ!!」
……まぁ、そんな話は置いといて、
「で、威力とコストが問題なんだっけ?」
「はぁ……威力は制御に力を入れるから弱くなる。コストは制御に力を入れるから高くなる」
「威力は大丈夫。質より量って作戦だから」
「作戦って……まぁ、いいか。コストはどうするんだ? コストっていうか、お前の場合は妖力か」
コストは結構問題なんだよね……。
私は妖力の量がそれほど高くないからだ。
……いや、妖力じゃなくても良いのか。
「神力なら行ける、と思う……」
「……ああ、一応は神様なんだったな」
「一応は余計よ。後はまぁ、誘導に関する術式の知識かしらね」
「それなら私よりも霊夢の方が詳しいと思うぜ。アイツの陰陽玉とか」
「ふぅん……霊夢が知っているかねぇ……?」
正直な所、あの子はなんでも勘でやっていそうだから、知らなそうな気しかしない。
だってさ? 自分の神社が奉っているモノを知らないって言うのは絶対におかしいって……。
そういった思いが言葉の気配で魔理沙にも伝わったのか、苦笑いしている。
「ま、まぁ、霊夢だからな」
「……それもそれでどうかと思うけどねぇ……」
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いつの間にやら魔理沙宅に泊まる事に。
まぁ、話している内にじゃあ魔理沙の家で色々と実験してみるか、という話になっただけだけど。
文や森近から聞いた通り、魔理沙宅は『魔法の森』の中にあった。
魔理沙もこっちを気遣ってか、瘴気に私が当たらないようにしてくれた。
森の上空を飛び、家に入る前までは安全運転。
そこまでは良かった。
そこまでは良かった筈なのに……。
どうしてこうなった。
「どうしてこうなった」
「いやぁ、実験とかしていると片付けもなんだか億劫になるんだな」
「なるんだなじゃねぇよ……」
部屋が物凄い汚い。
汚いというか、物凄い散らかっている。
まさしく足の踏み出しようがないというか、すぐに何か踏んでしまう。
いや、この場合は踏まないと進めない……みたいな?
「……研究していたら、つい……」
「……まぁ、別に良いけどさ」
転生する前の話になるけども、引っ越しする前の兄貴と『私』の部屋に瓜二つだ。
散らかし放題で、両親から怒られて片付けてもすぐに荒れていく子供部屋。
いやぁ……懐かしい。
あ、何か思い出しそう……。
「……ぉい。詩菜?」
「へっ?」
「何ボーッとしてるんだよ。こっちの部屋だぜ」
「あっ、ああ。ごめんごめん」
……いかんいかん。つい昔を思い出して棒立ちになっちゃった。
「この部屋で寝てくれ。そんなに大切な物も置いてないし」
「了解」
案内してくれた部屋はそれなりに片付いた部屋だった。
ま、どちらかというと『急いで片付けられた部屋』と言った方が正しそうな部屋だけど。
「後はまぁ、壁にある本とか薬には触らない方が良いぜ」
「……でしょうね」
……でかでかと描かれたドクロのマークが入った薬なんて、誰が飲むものですか。
フラグはへし折る物。
「まぁ、後はここが居間兼食卓で、廊下の向こう右がトイレ左が風呂だ」
「右がトイレで左が風呂ね。オッケー」
「……あと、私の部屋には入るなよ。絶対にだ!!」
……。
「……あのさぁ? 私にそれを言うってフラグにしかならなくない?」
「ふらぐ? 旗がどうかしたか? それとも
「……いや、何でもない」
現代の日本語が通じないって、不便ね。
……何か……入る気も失せちゃったや……。
ま、そんな会話をしつつも目的は私が使いたい技。
取り敢えずリビングダイニングの片付けを手伝って、遅めの夕食。
……
「で、誘導性能はどれくらい欲しいんだ?」
そういう訳で、新しいスペルカードの作成中。
弾幕を張れない私はどちらかと言うと、一発で決める高威力の一点集中型のスペルカードの方が、その弾幕を撃てない体質にあうのではないか? と魔理沙から言われた。
『さっきだってお前が砲撃を使うなんて思わなかったけど、そういう視点から見れば合っているしな』と言ってくる、これまた魔女らしい一面を見せてくる魔理沙さん。
……まぁ、元々能力もあって、一撃必殺で大体切り抜けてきた私からね。
体質にあっているのが何かなんて、昔から知っているし実践もしている。
しているけど……まぁ、自分の欠点は直したいよね。
「誘導性能は……そうだなぁ……」
「……弾幕ごっこには使わないって言うのなら、絶対必中も大丈夫だぜ」
「え、そんな高精度にも出来るの?」
「ああ、コストが跳ね上がるがな。妖力神力に換算するとどれだけ差が出るかはまだ未知数だが、大体は変わらないだろ」
「……」
▼▼
「かなりの誘導性能を持つレーザーを発射する術式に、妖力や神力を通す事で術式を発動。弾を放つって訳ね。なるほどなるほど……」
「ま、欠点はその術式を立ち上げるだけでかなり消耗する事と、即座に撃てず緊急時には使えないって所だな。威力は通す力の圧力で変えれるようになってるぜ。あとはレーザーを放つ術式」
「……ん~……やっぱり絶対命中はロマンじゃないなぁ……いやしかし……」
「……はぁ……その辺りもスイッチで切り換えられるようにしてやろうか?」
「さっすが魔理沙さん!! 流石過ぎるぜ!!」
「……やれやれ。このお調子者め」
▼▼
「レーザーっていうか……お前のそれは圧縮した妖力を爆発させてるだけじゃないか?」
「……いや、そんな事を言われても……大体似たような感覚だけどさ」
「待て待て、分かった。一層の事スペルカードでのみ発動出来るようにしよう」
「……どういう事?」
「そんな暴発ばかりされちゃあ私の家がもたないからな。だからそれ専用の術式を組み上げて立ち上がらせるんだ」
「あ~、私のベクターキャノンみたいな感じ? というかアレこそ圧縮したものを暴発させてるだけに近いんだけど……」
「……それは何だ? その、べくたーなんちゃらと言うのは」
「取り敢えず実験場に行って見せるよ。スキマでやれば被害はないし」
「……まぁ、良いか」
▼
「……空間を圧縮……って……」
「数世紀先の技術ですよね」
「お前が言うな……何かどんどん私の常識が崩れてきてるんだが……?」
「幻想郷だもん♪」
「……こっちに来て一年も過ごしてない奴に言われた……」
「そ、そんなに屈辱したみたいな顔にならなくても……」
▼▼
「……まぁ、落ち着こうぜ」
「いや……落ち着こうったって……」
「まず問題があれば後ろに下がって一望してみる、だ。根本的に見直してみよう」
「……あいよぅ」
「……テンションだだ下がりだな」
「テンションって『下がる』ものじゃなくて『張る』ものって知ってる? だから今の私のテンションは『下がっている』んじゃなくて『たわんでいる』というのだよ」
「……お、おう。なんだ、その……良く分からない、テンショ……状態は?」
「……まぁ、気にしない気にしない。で? 根本的に見直すって、どうするの?」
▼▼▼▼▼▼
まず結論から言おうと思う。
私の『ホーミングレーザー』計画は失敗した。
ものの見事に失敗した。そりゃもう恐ろしいぐらいに頓挫したと断言出来る。
「………………」
「……お前が無表情で黙っていると物凄く怖いんだが」
「はぁ……」
「……まぁ、その、気にすんなって」
「気にするよ……くそぅ」
初めは理論から始まった。
ホーミングする目標、指定、固定、発動。撃ちだすレーザーの術式、目標に対してどのように動くか、またどうやって動くか。消費するエネルギーの調整、加速、スイッチなど。
まぁ、魔理沙の教え方は兎も角として、覚えやすい事柄ばかりだったからまだ良かった。興味もかなりあったし障害は無いに等しかった。
次に、私が普段どのように弾幕を撃っているか。
……日頃から弾幕が苦手と自覚している私は、練習もそれ程しないために全くと言っていい程練度がない。という訳で魔理沙には呆れられてばかりだった。
撃とうとしても暴発するんだもの。怖いんだもの。
ま、そんな私が唯一と言って良いぐらいな『ベクターキャノン』と言う遠距離砲撃を魔理沙に見せてやると、これまた絶句された。ついでに酷い事を言われた。
威力については折り紙つきなんだけどねぇ。昔から幽香とはこれで競り合っていたから。勝った事ないけど。
どちらにせよ、理論としては圧縮したものを一方向に向かって暴発させただけというもので、私が不得手とする弾幕の生成をむしろ逆に苦手とさせるようなやり方を発動させる度にやっていたらしい。
『苦手なものからどんどん逃げてどうするんだ?』と言われたが……苦手な物は苦手なのである。
そして、起承転結の結の部分。
根本的に、私は属性として弾幕ごっこが出来ない、らしい。
「どんな奴だって属性って奴があるだろ? 天狗で言えば『風』だし、私で言えば『魔法・光』だ」
「……あるね」
「人間なら活力って感じか。邪と対の『生』。ま、そこらの専門は霊夢だな」
「……彼女なら霊力とかのエキスパートでしょうよ」
「お前も一応神様なら『退魔』とかはつくだろ。で、もう一度繰り返すが」
「メタ発言乙」
「何か言ったか?」
「……いいや……」
まぁ……彼女のニヤニヤした顔を見た感じでは、私の傷口に塩を塗るつもりなのだろう。もう一度計画がつまずいた原因について、ハッキリと私に言うために。
嫌な奴である。私だってそこまで……するか。
どこまで似た者同士だよ、まったく……。
「で、鎌鼬のお前は属性が『風』に近いのは確定している。で、その鎌鼬の変化状態から見ると風の中でも『霧』に近いというのが分かる。粉末というか、粒子に近いな」
「……」
私が最も得意とするであろう分野は、『自分の力を粒子状にして周囲にばらまき、周りの物体に影響を与える事』、というのが魔理沙の研究から推測出来た事らしい。
……まぁ、確かに風を操る場合でも、一番身体に近い部分を操っていく方が楽だ。妖力が一番管理しやすく他に影響を与えやすい身体のすぐ近くが、ね。
「お前の空間圧縮もお前の粒子で周囲の空間を操ったと考えれば道理が通るしな……原理が無茶苦茶だが」
「……元々私の考えじゃ物理で空間を押してる、って考え方なんだけどね」
「まぁ、それでも大丈夫だろ」
「……何が?」
「さぁな」
意趣返しのつもりか。おのれ魔理沙。
「お前が力を最も使いやすい形が粒子状、って事だ。だから圧縮も風の操作も得意って訳だな」
「……そしてレーザーとして活用するには合わなすぎる形質って事ね」
「……まぁ、そうだな」
結論!!
私にレーザーとか弾幕は似合わないよ!! 作るのなら相当に努力しないとね!!
根本的に私の計画は根本的に私自身が撃てないっていう根本的な所から頓挫してるから根本的に失敗してるんだよね!!
根本的にって使いたいだけの中学生か私は!!
……いいもんね。
曲がるレーザーなんて科学的におかしいもの。光が曲がるってブラックホールじゃあるまいしね。
へにょりレーザーなんて物理的におかしいよ。
「……ぃもんね」
「あ?」
「いいもんね。別に『ビクシオマ』が撃てなくても真似したい技は一杯あるもんね」
「お、おい? 大丈夫か? というか真似って……」
「属性が風で形状が粒子状。能力を含めれば物理も精神もある程度は出来る。考えろ、久々の言葉遊びだ」
「……おーい?」
アバッツは実際に使ってるし、ヴァズダムは緋色玉が似たようなのになってる。ギリィク? 電気は何処から引っ張る? ザムクレートも実際に使ってる。フレイスカロス……うん? 分身?
分身、分身、影分身……うん? 遍在とか?
まぁ……別に出来る、か? そこまで似せる必要は……ない。
「粒子……風、属性……トライアングル……」
「お、お〜い? ほんとにお前、大丈夫か?」
……ん? じゃあ、別に魔理沙の補助とか、要らなくね?
いや、居るか。私の属性を分析してくれなきゃここまで辿り着けなかっただろうから。うわ、何と言う上から目線。
「………………クックックック、おやぁ?」
「なんだ? おい、詩菜?」
「おやおやおや、何だろう。逆境に遭遇した事でこれまた新たな展望が見えてきた気がするでござるよ」
「誰だお前……」
結局、魔理沙宅に泊まる事になっていたにも関わらず、その日は徹夜してしまった。
まぁ、始めに考えていた技は手に入らなかったが、これまたロマン技っぽい物を手にする事が出来た。いやはや、本当に嬉しい。
完成して『魔法の森』に巣食う巨大キノコの植物妖怪に使用して、
気持ち悪いお化け茸を文字通り干物にしてやった所で、
遂に気力も妖力もも神力もなくなって、
魔理沙と二人、気絶するように眠った。
ペル○ナとかAN○BISとか、わりと元ネタとかを感想で言ってくれる読者さんはいるのですが、一番パkパロディしてるドラマティックシューティングを知ってそうな人が居ないとか言う愚痴 _(:3 」∠ )_