風雲の如く   作:楠乃

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短編集

 

 

 

「お邪魔するわよ、詩菜ちゃん♪」

「……勧誘ならお断りだよ」

「つれないわねぇ」

 

 

 

 これまた、特に何も無い、とある休日。というか万年休日。つまりニート。

 太陽が頂点に昇り、さて何をしようかという時の自宅にて。

 

 いきなり空間に線が引かれたかと思いきや、中から現れたのは八雲紫。

 …無駄に人を驚かせるな……人じゃないけど。ヒトだけど。妖怪だけど。

 

 まぁ、妖怪を家から無闇に追い出すような気分でも無いし、普通におもてなしをしますか。

 これが気分屋の私。

 

「ホイ、水。お茶はないから、コレで我慢してね。おもてなしも何も出来ないけど」

「…毒?」

「……アンタにだけは言われたくないよ」

「…いえ、普通におもてなしされちゃったから、どう反応していいかわからなかったのよ」

「その胡散臭い仕草を止めたら良いんじゃない? ()しくはいっその事、性格を変えたり」

「……機嫌が良いのかと思ったら、普通に毒を吐いてきたわね…」

「毒水だけに。って訳? …ていうかいつも通りだよ? 私は」

 

 …前回、天魔にこっぴどく叱られてからちょっと自重してるだけさ……ハハハ…。

 まぁ、微妙に鬱……かな……。

 

「……」

「…どうかしたのかしら? いきなり黙っちゃって」

「ん。いや、普通にヒトの心配とかするんだなぁ。って」

「貴女は一体どんな眼で私を見てるのよ…」

 

 おお、血管が浮き出てる。怖い怖い。

 美人な妙齢の女性の女性が青筋を立てちゃダメですよー。

 

 しかし、あんな事をしておいてそれかよ。と思わんでもない。思うだけだけど。

 襲っておいて、それ?

 ……まぁ、私と天魔も今みたいな感じだったけどね。

 

「もちつけ、もちつくんだ。その毒水でも飲むんだ」

「本当に毒なの!? というかもちつけって何!?」

「嘘だけど? 適当な言葉遊びです」

「くっ! のらりくらりとかわしちゃって…!!」

「嘘だけど、嘘」

「どっちなのよ!?」

「ホント」

「……どっちが!?」

 

 

 

 閑話休題。(本当に便利だこれ)

 

「んで、結局は何をしに来たの?」

「…ハァ、良いわよ……もう諦めかけてるから」

「つまりは暇と」

「なんでそう繋がるのよ!?」

「多少はそうだけど!」

「っなに私の真似をしてるのよ!? しかも巧い!?」

「…八雲さんの心の代弁、的な?」

「なんで疑問系!?」

「もちつけ、もちつくんだ。その普通の水を飲むんだ」

「やっぱり普通の水なんじゃない…」

 

 椀に並々に注がれた水を豪快に一気飲みしたよ。

 ……酒とか強そうだなぁ。

 なんというか、永く生きた妖怪ほど、酒に強いというイメージがないでもない。

 

 

 

「……『中立妖怪 詩菜』…」

「…何それ」

「貴女の二つ名よ」

 

 二つ名とはまた厨二チックな……。

 …『中立』……中立、ねぇ…。

 まぁ、人間を襲ったと思ったら妖怪を退治したり、果てには神様と仲良くしたかと思えば、里を暴風で荒らしたりしたからなぁ…。

 合ってるっちゃあ…合ってるか。

 

 ……というか、この妖怪は一体何処から私の事を見始めたんだろう……?

 

「…良い二つ名なんじゃない?」

「あら、そう? 我ながら良い出来だと思ったのよね♪」

「わざわざ作ったの!?」

「……暇な事の何が悪いのよッ!!」

「開き直った!? いや、悪いとは言ってないけどさ!?」

「じゃあ広めていきましょうか♪」

「うおいッ! 何しようとしてんの!?」

「…宣伝、かしら?」

「何の!?」

「『私の式がどれだけ使えるか』の宣伝よ♪」

「外堀から埋めようとしないでよ!?」

 

 

 

 結局。

 『中立妖怪 詩菜』は広まってしまいましたとさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私が彼女を知ったのは、とある湖の近くを旅していた時だった。

 再び家を飛び出し、今度は逆方向に行ってみるかと風・鎌鼬に変化して流されている時。

 

「……! ……!!」

「…んん?」

 

 何やら争っているような声が聴こえる。

 空を眺めていた視界を動かし、眼下に広がる草原に眼を凝らす。

 

「…妖怪と……妖精か? あれ?」

 

 いつぞや皆殺しにしかけた狼の妖怪に妖精が囲まれている。

 中央には青い髪に青いワンピースの妖精。

 

 ……もう時代錯誤な服装には気にしない事にしよう、うん。

 

 妖精らしくイタズラで、あの妖怪に喧嘩でも売ったのかね…?

 と、よくよく見れば妖精の後ろの方に瀕死っぽい緑色の妖精が一体、倒れている。

 

 気配を消し、ゆっくりと、それでもし戦闘になっても、こちらに被害が来ないぐらいまで近付く。

 どうやら、妖怪に立ち向かっている妖精は冷気を放っていて、それなりにその冷気は強い。夏だというのにこの涼しさはおかしい。というか寒い。

 あの狼妖怪を遠ざけている程だ。私も離れたいぐらいだ。

 

「くっ、来るな!!」

「グルルルル……!」

 

 …成る程、仲間を助けようとしてるのかな?

 

 妖精は死んでもすぐに復活するから、別に今ここで殺されても大丈夫なんじゃないかな…と思う。

 けど、後ろの仲間か友人を守ろうとする青い妖精の眼は、必死に生き残ろうとしている眼だ。

 

 

 

 ……面白い。

 あの狼型妖怪は何処が弱点かどれくらいの実力か、どの部位が肉として美味しいか、よ~く解っている。

 あの数なら余裕と判断。接触を試みる。

 

「……ねぇねぇ、そこの妖精さん?」

「ッ、誰!?」

 

 正体を表せという声も、声に戸惑う狼も無視。

 因みに私は妖力を隠し、風の状態。見抜ける妖怪なんて本当の大妖怪じゃないと無理…な筈。

 幽香とか、八雲なら兎も角……あの二人がおかしすぎるのだ。全く。

 

「貴女が後ろに庇っているのは誰?」

「ッッ! 大ちゃんは殺させない!! 絶対に!!」

「大ちゃんね……んじゃあ、なんで守ろうとしているの?」

「友達を守るのは当たり前の事でしょ!!」

 

 当たり前…ね。

 

「んじゃ、その友達を助けるから貴女は死ね、って言われたら?」

「アンタもコイツらも皆倒してやる!」

「…んん~? 話が通じないなぁ……」

 

 

 

 そうこうしている間に、声が出ている居場所を掴んだのか、私の居る場所を的確に攻撃してきた一匹の妖怪。

 

 まぁ、吹っ飛んでろ。

 簡単に突風を私の周りに一発。ハイ吹き飛びさよなら。

 

「つまり、友人も自分も助けるっていう訳? 実力の差なんてはっきりしてるのに?」

「…分かってるよ……でも! アタイは、仲間を見捨てたりはしない!!」

 

 うーん、60点。

 でも、ま、合格? (何様だよ)

 

「オッケーオッケー。面白くなってきたッ!!」

「ギャンッ!!?」

 

 振り向きながら姿を表し、妖精の盾になるように立つ。

 一番近い妖怪に振り向き様に真空刃を発射。

 水平に放たれた刃に切り裂かれ、口から尻まで上下に真っ二つ。残り四体。

 飛び込んできた奴の鼻面に掌底を1つ。鼻が顔面に埋まって複雑骨折サヨウナラ。残り三体。

 挟み撃ちで同時に突進してきた二匹を、両手の爪で華麗にさっくり切り裂く。残り一体。

 それらを見て、怯えて逃げ出す最後の一体。逃がすかっつーの。

 瞬時にダッシュして妖怪に追い付き、人差し指を滑らかに鼻先からお尻までなぞる。ハイ終わり。

 

 

 

 スタスタと歩いて妖精の元に戻る。

 

「…なんで最後のやつ残したの?」

「ん? こういう事」

 

 …ギャアッ!?

 ちょっと離れた所から何かが真ん中から割けた音と、まるで身体が半分だけ転んだような音が、立て続けに二回。

 目指せ北斗○拳、目指せ斬○剣。

 

「よし、威力も時間もピッタリ」

「……ハァ~…」

 

 緊張が抜けたのか、腰から崩れ落ちた……誰だっけ?

 瀕死なのが大ちゃんで…守ろうとしてたのは……あれ? 名乗ってなかったっけ?

 

「ねぇねぇ、貴女の名前は?」

「…チルノよ。アンタは?」

「ん? 私は詩 「ってそんなことより大ちゃんがッ!?」 ぉい、そんな事かよ」

 

 そんな事かも知れないけどさ…。

 

 

 

 そんな風に呆れつつ、その大ちゃんと呼ばれた妖精に近付いて、状態を見てみる。

 どうやらあの狼に襲われ、生と死の狭間を彷徨っている状態のようだ。

 …これじゃあ妖精だし、死んだ方が早いんじゃあ……と思うけども、まぁ、助けようとしているヒトの目の前でそれをするほど、私は腐っていはいないつもりだ。

 

 回復用の術式を組み立て、大ちゃんの頭に翳した手から妖力を元にしたエネルギーを与える。

 自然現象が具現化したものなら、これででも回復すると思うんだけど……。

 回復も何も、こんな術式なんて初めて組むしな…成功するかどうか……。

 

 と、思ったけど、案外成功。

 結構な賭けだったんだけど、みるみる傷が修復され、彼女の顔にも血の気も戻ってきた。よしよし。

 

「……ぅう」

「大ちゃん!! 大丈夫!?」

「…あれ? …チルノちゃん…どうしたの…?」

「……良かった…!」

 

 感動の再開。ってかね?

 お邪魔虫らしき私は退散するとしよう。

 再び、鎌鼬に変化し、妖力を隠して飛び立つ。

 

 

 

 …今度、またいつかこの湖に寄ってみようかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……『太陽の畑』ね…」

「いらっしゃい。中立妖怪さん」

「……それは止めてよ、幽香」

「あら? 素敵な二つ名じゃないかしら? 私は絶対に名乗りたく無いけど」

「だろうね……私もだよ…」

 

 『太陽の畑』という看板が立てられ、それを眺めていると声をかけられた。

 無論、風見幽香である。本日も洋傘を開いて優雅に過ごしていらっしゃるようで。

 

「…さて、ここに来た。という事は準備は万端なのかしら?」

 

 ……そんな嬉しそうな顔をしなくても…。

 …やっぱりどSなのか……?

 

「いや、万端からじゃないから、稽古をつけに」

「…私から教えを直接受ける、って事かしら?」

「……あ~、ダメ?」

 

 痛い思い、それどころか死ぬ気でやらなくちゃダメなんだろうけど……死なない為に特訓するんだったら、一番この人が合ってると思うんだよね。

 そもそも、このヒトに勝つ為に始めたんだし。目的と手段を一緒にしちゃえ、みたいな?

 

「今まで逢ったヒトの中で、一番体術が上手いのが幽香だったからね」

「……まぁ、とりあえず勝負ね」

 

 あ、さいですか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行くわよ」

「ふぅ……来いッ!」

 

 傘を持たない幽香。ハンデだってさ。両手は素手である。それでも勝てる気がしないのはどうしてだろう……?

 一方、能力・妖力・ようやく回復しかけてる神力、どれも全開にして使って良い私。

 

 ……これでも私が負けてるんだぜ…どんだけなのよ……。

 

 しかしながらも、修業の成果か動体視力及び身体機能も若干上昇しているので、前回みたいに何も出来ず、能力による反射が勝手に発生する事も少ない。

 ……発生しちゃう時はしちゃうけど、ね。

 

「でもッ! 攻撃するッ隙がないッッ!!」

「ほらほら♪ もっと行くわよ!」

「ぬわっ!?」

 

 飛んできた右拳をつい反射して両手で受け止める。衝撃を封じ無理矢理拳を止める形にして、そこからは意識的に幽香の肘に負担をかける形に持っていく。

 けど両手を防御に使うという事は、その他から来る攻撃に対して防御が疎かになるという事。

 右肘の関節に響いている筈の痛みを無視して、私の脇腹目掛けて蹴ってきた左足。よくやるよ、ホント。

 ……まぁ、私も能力が無かったら何度死んでるやら……。

 

 その攻撃を無視し、次の攻撃へと移る。無論攻撃とならなかった両手のねじりは離して。

 右に引いて思いっきり幽香の腹に目掛けて掌を当てる。それも上手い具合に身体を引いて、威力を殺される。

 距離をとって、さぁ、仕切り直しかと思ったら、幽香が声をかけてきた。

 

 

 

「…肉弾戦は貴女にとって最高の場」

「?」

「『衝撃を操る程度の能力』は打撃に対しては、最強の防御手段」

「…まぁ、そうなるだろうね」

「一方私は『花を操る程度の能力』を持ってる。これは戦闘においては、それほど使えるという訳でも無い」

「ハ、ハァ……?」

 

 だから何なのさ…?

 八雲といい、幽香といい、言いたい事があるならさっさと言えば良いだろうに。

 

「衝撃を無効化する相手なら、衝撃以外で攻撃すれば良い訳よね」

「……何が言いたいのよ?」

「つまり、使い方次第では能力も上手い活用出来るって事よ♪」

「…? ……ぐえっ!!?」

 

 いきなり首にかかる圧迫感。

 く…『花を操る程度の能力』……ね…。

 

「…く、ぐ…操った蔓で……絞め技…か…!!」

「フフ…『衝撃以外で攻撃すれば良い』…そして私の能力。どうやら相性は最悪なのかしらね?」

 

 …いかん…! 意識が遠退いてきた……!

 なんとか意識を集中して爪を伸ばし、首に絡まった蔦を切り裂く。

 

「ゴホッゲホッ! …まぁ、植物なら切れば良いけどね…!」

「じゃあこうしましょう♪」

「ムギュ…!!」

 

 今度は腕、足も一緒にがんじがらめに縛られる。

 ……なんだろう、幼女が縛られているというのを何処かで見たような……。

 はっ……いかん、なんか嫌なものを思い出しそうな気がする。

 

「これでどうかしら?」

「……! ……!!」

「ふふ、聴こえないわよ? もっと可愛い声をあげなくちゃ」

 

 この……ドSめ…!!

 

 でも、まぁ…さっきよりも首が絞まってないし、なら…『ガル』だ。

 自身を中心に竜巻を発生させ、全身に絡み付く植物をぶつ切りにする。

 

「ぷはっ、っと!」

「…鎌鼬だから斬撃でも傷が付かないのか、貴女の言う『衝撃属性』だから身体が傷付かないのか……分からないわね」

「ふぅ……まぁ、能力なんて、どう認識するかによって変わってくると思うよ?」

 

 喋ってる間にも、大分前に作った術式を立ち上げ、妖力を通して技を発動させる。

 回転しながら私の周りに浮かぶ幾つかの緑色の刃物は、私がイメージする技と寸分違わずに再現した。

 

「行けッ! 『ザムト』!!」

 

 私の命令に従い幽香に殺到する真空刃は、触れる物全てを切り裂く。なかなかにホーミング能力も高い。

 ……これもネタ技、パクリですよ。ええ。

 

 

 

 五つ位発射して、それを全部一気に幽香に向かわせたんだけど……。

 

「……もう終わりかしら?」

「…この個数が私の限界です……」

 

 あっさり全部避けられて終わり。

 …いや、この人の身体能力が異常なんだって…。

 一応、アレって原作だと絶対命中なんですよ? 位置さえ合えば、だけど。

 

「ねぇ? 他に面白い技は無いの?」

「ええ~…?」

 

 なんでそっちがワクワクしてんの……?

 

 ……あと…あと何がある…? パンドラで面白い奴ぅ…?

 ビクシオマ、フレイスカロス、ヴァダズム、ギリィク、エクストリーム…ってこれは公式チート銃か。

 後はどれもこれもがレーザーか炎の技だしなぁ……せいぜいアバッツか…?

 

 …いや……あるか?

 ん~…? 威力だったら前に天魔にやった空間圧縮がヴァドに一番近いかな……?

 でも太陽の畑でやったら咲いてる花は全滅するだろうし……何より威力の調整がまだ終わってないんだよねぇ…アバッツも同じ理由で無理かな?

 

 

 

「…何個かあるけど、どれも威力の調整が出来ないし花が全滅するかもよ?」

「……どのくらいの範囲を巻き込むのかしら?」

 

 緋色玉……前回は両手拳大の大きさで辺りの地形が変わったからなぁ……。

 最低威力は片手握り拳位? の大きさだから、BB弾程かな…? とすると…範囲は……直径25m位かな。

 

「…え~と……」

 

 メートルって言われても、わかんないだろうなぁ……こんな時代だし。

 ……確か…確かだけど、成立してなかった筈……うん……。

 

「……今の幽香と私の距離を五つ分位かな?」

「…結構な範囲ね。じゃあ上に投げてくれるかしら? 見事防御しきったらお仕置きね」

「何その恐ろしいの」

「さっさと準備しなさい」

「まぁ、良いけどさ……知らないよ?」

 

 あの威力、使うのは二回目。あの事故以来使っていない。

 しかも今回は、強大な妖怪とはいえ、知り合いの幽香、ちょっと気が引ける。

 

 躊躇いも無しに使うがな!!

 

 

 

 幽香が推定100m程の上空に浮上していくのを見ながら、右手に力を込めて思いっきり握り締める。

 能力操作、能力操作に妖力封印。完成『緋色玉』!

 初めてのオリジナル技だよ!! やたー!

 

 ……扱いづらいけど、ね……。

 

 

 

「行くよ~!! ……うおりゃ」

 

 緊張感の無い掛け声と共にぶん投げる小さな玉。

 物凄い勢いで上昇し、幽香の居る高度を越え、上昇を止めた所で爆発。

 真っ昼間から花火とはまた随分と虚しいものだなぁ……しかもたった一発って。

 

 雲1つ無い青空に突如として現れた赤黒い球体。それなりの高度で爆発したにも関わらず、地上に居る私が爆風で圧されたのだから凄い。

 向日葵畑にいきなり強い風が吹く。植物は折れそうな程曲がるが、案外植物というのは強いものでどれもそう簡単に折れたりはしない。

 

 

 

 …さーて……幽香は…何処だ?

 上空に眼を凝らし探す。居ない。

 何処を見渡しても、いない。

 

「…あれ?」

「……あれ…じゃないわよ…」

「うおッ!? いつの間に隣に!? ……うん? 落とし穴ですか風見さん?」

「……私の着陸跡よ」

 

 あちゃー……。

 ……封印指定だな。ウン。

 

「…なんか、もう…色々とスミマセン……」

「本当よ…ふぅ」

 

 ハハハ、ハ……笑えねぇ…。

 

 

 


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