『妖精大戦争 〜 東方三月精』
△△△
・難易度を選択して下さい。
【Easy 】 かんたん
超かんたん バカにすんなって
【Normal 】 のーまる
ふつう らくしょうだね!
【Hard 】 ハード
むずかしい でも気にしない!
【Lunatic 】 狂おしい
ゲキムズ! まとめて冷凍浄化してやる!
【Extra 】 おまけ
>> 【Perverse 】 ひねくれ者
△△△
>> 難易度 ひねくれ者
・キャラクターを選択して下さい。
>>
何が何だろうがねじくれた道を直進する。そんな矛盾したひねくれ者の貴方にお勧めです。
・キャラクターの性能
詩菜
能力 《衝撃を操る程度の能力》
・ショット
『ショット? 甘えてんじゃねェ』 撃てません。
・ボム(スペルカード?)
懐に仕込んであった『緋色玉』を撃ち出します。
弾幕として敵や弾幕等にお使い下さい。詩菜のみボムの上限がありません。
なお爆風にはご注意を。
・竜巻
数秒間、ショットボタンを押し続ける事でチャージショットのようなものを使います。
ボタンを離すと詩菜を中心に竜巻が起こり、弾幕が詩菜から吹き飛びます。
決して消えたりはしません。
性能により、高速移動と低速移動の差が物凄く激しいです。
その場に止まる事でボムが次々と作られていきます。
ガンガンいこうぜ!
△△△
Loading なう ・・・
春の宴会も終わり、桜の夜道が弾幕で吹き荒んだのも、少し前の話。
そしてチルノが魔理沙を倒し、後の祭りも終わった。
そんな事があったとは露知らずに、彼女は動き出す。
他愛のない行動が、ある地域を震撼させるとも知らずに。
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宴会が何処かで行われたらしい。
いや、まぁ、博麗神社なんだけどね。場所は。
彩目も文も皆宴会に行ってしまい、その時私は普通に自宅でお留守番をしていた。
何故かと言われたら、それはこの腕と眼をやってくれた、あの屋敷に関係している。
……しているっていうか、これは単なる私の僻みかな。
博麗神社で行われる季節恒例の宴会。
私は一度も参加した事は無いので実感はあまり無いけども、その宴会は多方面から実力のある連中が一堂に会するという、とても盛大な集会らしい。
そうなれば、必然的に紅魔館のメンバーと逢う事になる。
……私的に、だけども。
この傷、事件に関しては、あんまりヒトには言いたくない。
怪我自体は『喧嘩した』だけで通用するけども、レミリアと私の間にある確執、それは宴会に持ち込んじゃあいけないと思う。
それを文と彩目に説明し、連れていこうとする彼女等を私は説得し、結果彼女等は渋々ながらも納得してくれた。
……まぁ、いつかは行かなくちゃあいけない。話さなくちゃあいけない。逢わなくちゃあいけない。
その時には、この怪我も多少は治っているだろうと、細やかな夢を願ってみる。
閑話休題。
その宴会も終わり、文と彩目も帰ってきた。
二人から宴会で誰それがあんな事やらこんな事を喋ったやら行ったやら。そういう事を聴いていたら。
「そういえば、チルノが私に喧嘩を売ってきたわねぇ」
「あの妖精がか?」
「ええ。でも妖精だし、人間に向かわせたわ」
妖精だしっていうのにちょっとムカッと来たけど、それはどうでもいい。
……チルノかぁ……。
「……チルノに逢いに行くかな」
「……またいきなりだな」
「そういえばこっちに来て逢ってなかったしさ」
大妖精や妖精ちゃんもどうしてるかな?
相も変わらずいたずらしたり楽しく生きているのかしら?
その気になったら即行動。よし! 行きますか!!
座布団から立ち上がり、義肢を取り付ける。
今は四月。
右腕も微妙に再生し、二の腕の中間まで再生している。
左眼に至っては完全に回復し、今では何の支障もなく見る事が出来る。
いやぁ、両目があるって素晴らしいね!!
でもって左手での生活にも慣れて、最近は義肢をあんまり着けていないという、ね。
まぁ、流石に外に行く時には義手を着けるけどね。
いつ何が起きるか分からないし……いや、争い事は出来れば回避したいけどね?
装着した義肢に魔術で擬似的な感覚が繋がったので、ちょっと準備体操。
……うん。まぁ、ある意味いつも通り。
ほったらかしになっていた髪の毛を纏め、ポニーテールにする。
今じゃあ普通に髪の毛を、義肢の右手でも簡単に扱う事が出来るのだから、慣れっていうのは恐ろしいものである。
「んじゃまぁ、行ってくるよ」
「行ってらっしゃい」
「……じゃあ、私達は寝ようかしら」
「……そうだな。流石に眠い」
そりゃあ徹夜で酒呑んで、朝帰りしてから私にお土産話をしていればねぇ……。
そんなツッコミをグッと抑えつつ、湖に向かって歩き出す。
▼▼▼▼▼▼
さてさて、久々に『霧の湖』の来てみた訳なのだけれども、相変わらず視界が不明瞭だ。
まぁ、前みたいにいきなり湖にドボン! みたいに見通しが悪い訳じゃあないんだけど……。
現実逃避は置いといて、
……これは、一体どういう事なのかな?
目の前には空を飛んでいる妖精達が何十匹もいる。
それは良い。この湖に限らず、どんな自然であっても絶対妖精は居るものなのだから。
ただ、その妖精が、
『編隊を組んで、圧倒的な量の弾幕を、こっちに撃って来ている』としたら。
「どういうことなのよッ!?」
一歩踏み出し、能力で更に加速して弾幕を避ける。
草原をゴロゴロと転がり、弾幕が地面で破裂して、その勢いで飛んでくる石つぶてをガードする。
すぐさま立ち上がり、来た道を逆走して草原を走り抜ける。
その間にも後ろからは、妖精達の統制が執れた弾幕が私を襲ってきている。
後ろをチラッと振り返って見れば、地面は抉れて穴が開いていた。生身で受けていたらどんなダメージになっていたか想像に難くない。
何がどうしたのよこれ!?
何なのあの威力!? 妖精が地面を抉れる程の強さの弾幕を撃てるってどういう事!?
……威力がおかしすぎるでしょ……。
何で? 何であんな妖精が攻撃的になっているの?
いや、攻撃的な妖精も居るとは思うから良いとして、
問題はどうして、あんな連携が執れているのか。だ。
妖精は単体行動をする事が多くて、複数の妖精がつるむのはある条件の下でし、か……。
……そういう事か……その条件が今、この場に適応しているのか。
「……つまり、異変って事ね!!」
衝撃を操り、一気に妖精の元へと走り出す。
急激に止まり、急激に反対横行に飛び出す。私の十八番のベクトル変化だ。実際には違うけど。
色々と思い出したよ。
霊夢と魔理沙から聞いた異変についての話の中にあった、妖精についての話。
『異変、又は強大な存在が敵意を持って存在すると、妖精は場に影響されて危険度が増し力を増す。複数の妖精がつるみ、凶暴な弾幕を放つ様になる』
その状態が、今のこの私の状況にも当て嵌まる。
ふふっ。
異変? 良いじゃん。面白そうじゃん。
「ハハッ! 私も混ぜてよッ!!」
「……!?」
「……。……!」
「……!!」
「「「……!!」」」
若干狂気に近い精神状態になっているのは、後で戻すとして。
大声で叫びながら地面を蹴り跳び、突然の事で行動出来ない妖精の一人を地面に蹴り飛ばす。そんな事をした所でようやく妖精達が新たな連携を執り始める。
跳び回る私を追い続けながら弾幕を撃ち続けていた妖精達がばらけ、奥から更に新たな妖精達が出てくる。
一定の距離を取りつつ蒼の弾幕をばら撒いて、尚且つレーザーのように一つ一つが連結した緑の弾幕を私に向けて撃ってくる。それら全てはそれなりに早い。
無論、早いって言っても私にとっては遅い方なんだけどね。
「行けッ! 『緋色玉』!!」
「「……!?」」
懐から取り出した緋色玉を親指で弾き飛ばし、妖精の所へと射出する。
即座に爆破させ、弾幕と妖精達を消し飛ばしていく。
……まぁ、圧縮したならまだしも、とんでもない程の猛烈な勢いで弾き飛ばしているだけだから、妖精達が復活出来ない程のダメージは与えてない筈だけど……一瞬で消し飛ばす程の威力があるとはねぇ。
……アレかな? 最近腕の事もあって、戦ってないからテンションが高くなって無意識に高威力の攻撃をしているのかな?
でもまぁ、仕方ないよね!!
向こうもやる気だし、私もやる気だしね!!
この前の人間狩りの時はどうも、興奮出来なかったからなぁ。その時の反動って可能性もある。
いやぁ、戦力差は兎も角として、向かってくる敵と相対するって興奮するよねぇ!
爆風で吹き飛ばされた霧がまた周囲に漂い始める。
視界が微妙に遮られた所で、その霧の向こうから新たに妖精が現れる。
私は地面で、あいつらは空中。
私には彼女達への攻撃方法が緋色玉位しかなくて、あいつらには組み合わせがほぼ無限の弾幕がある。
……良いね。こういう逆境は。とても楽しい。
久々にゾクゾクしてきたッ!!
小さな妖精が五……七……十二人? 多すぎるでしょ……。
彼女達が眼に見えるほどの力を周囲から取り寄せて、一気に弾幕として撃ち出してくる。
真っ赤な弾が縦横に四つほど並び、それを無造作に全方向へとばら撒いている。しかもそれを十二人が同時に射出しているのだから性質が悪い。
まぁ、溜めておいた緋色玉があるから、それを使えば簡単に切り抜けられるっちゃあ切り抜けられるけど……まだ『先』があるのなら、あまり使いたくはないねぇ。
「よっ! ほっ! っとぉ!?」
とは言えッ……キツイ……!!
くっそ……っ!
重なった『壁』として飛んでくる弾幕の一つを抜けた所で、次の弾幕の『壁』が眼に映る。
弾幕と弾幕を隙間を埋めるように弾幕が入り込み、その更に向こうにも重なった弾幕の『壁』がある。
あ、無理だコレ。
「ッ! 『竜巻』!!」
瞬時に帯から扇子を抜き取り開き、押し寄せてくる『壁』に向かって一閃する。
発生した疾風は弾幕を押し返し、狙い違わずに妖精達に跳ね返る。
うむ、いきなりの挑戦だったけど、上手く成功して良かった。
弾幕が当たらなかった妖精も少し吹き飛ばされたようだし、今の内に進む、のは……無理かな?
そんな余韻に浸る間もなく、次の陣が私を追い返そうとやってくる。
扇子を仕舞い、上を見上げれば数十人もの妖精が大量に青い弾幕を撃ち、その中に何か赤く揺れ動く弾幕を少し混ぜて撃って来ている。
……いや、揺れ動いているんじゃあ、ない……?
あれは……火の着いた弾幕?
ッ、『炎弾』か!!
「ならッ、『竜巻』!!」
扇子を仕舞う意味が無かったなぁ。とか実に呑気な事を考えながら、扇子を開いて突風を起こす。
この扇子が起こす竜巻は燃える弾幕を押し返し、返された炎弾は妖精に上手く当たってくれた。
……いやぁ、火を消す勢いで風を叩き付けたつもりだったんだけど、全く炎が揺らいですらいない所を見ると、何かの術でカバーされているのかね?
まぁ……どうでもいいか。
何が何であれ、私はここを突破する。
それだけの簡単な話である。
妖精達が一掃され、また新たな妖精が出てくる。
……ん?
「あれ? 妖怪?」
「珍しいわね。こんな所に歩いている妖怪なんて」
「他の妖精達が殺気立っているのも彼女の所為かしら?」
……珍しいと言いたいのは寧ろこっちである。
いやはや、こんな力のある妖精と普通に会えるとは。
話せるほどの力がある。この妖精が暴れまわっている中で比較的落ち着いている。それだけでもう実力がある事が分かる。
一人目、青いドレス、青いリボン、黒髪ストレートに薄い羽根。
二人目、どちらかというと白いワンピース、白いベレー帽に金髪に縦ロール。
三人目、赤の刺繍が入った白の服、金髪に青い眼、カチューシャのようなものを着けている。
……まぁ、いいや。さっさと要件を伝えよっと。
「今、ここで異変でも起きてるの?」
「異変?」
「……そうね。異変が起きてるわ」
「サニー!?」
「しっ! 作戦会議よ!」
……。
ん、うん。そうか、作戦会議か。
三匹の妖精が秘密会議をしている……。
この距離だからばれていないと思っているんだろうけど、残念ながら私の能力で
(何考えてるのよサニー?)
(考えてみてよ。妖怪よ? しかも弱そうな)
……まぁ、弾幕に関してなら否定はしないけど……。
(そうね……妖力も薄そうだし)
(あの妖怪に勝てば、私達も皆からの注目を纏められるんじゃないかな?)
(そういう事ね! 勝ってチルノに見返してやりましょう)
お? チルノ?
……あ、そういえば当初の目的はチルノだった。
いかん、完全に忘れてたや……ハハハ……。
あ〜……やっぱりちょっと狂気側に意識が動いているな。会議が起きている内に境界を動かしておくかな。
流石にそれだけの操作で紫や彩目が動く事は……多分、無いだろう。私自身が治してるんだし。
「ねぇ、貴女は異変を解決しに来たのかしら?」
「……。……っと。うん、まぁ、そんな所かな」
今更『用事を思い出したので帰ります』なんて言えるかっての。
予想以上に会議が早く終わっちゃって、ちょっと焦ったけど何とか間に合った。
それに……、
「良かったわね。私達が異変の立役者よ!」
「解決しに来たって事は、勝負よね!」
「弾幕ごっこで追い返してやるわ!!」
それに……、
────こっちの方が面白そうだしね。
「妖精が起こす異変? あり得ないでしょ」
「何ですって!?」
「でもまぁ、勝負を挑まれたのなら、それにはちゃんと応じなくちゃね」
扇子を振るって自分を中心に風を起こす。
春を代表する花が散っていき、空に吹き上がっていく。
「私は『
「フフッ、私は『
「『
「『
そう。サニーにスターにルナね。星に関連する三匹の妖精達。
さぁて、私は私なりに、私の戦い方って奴を魅せてやりますか!!
「異変の首謀者だろうが何だろうが、花と散りな!!」
2014年4月3日の午前一時に、更に投稿予定。
つまり、一時間後に次回を投稿。