オリジナル書こうとしてもアイデアがなけりゃあ意味ないんじゃあ……。
忙しいのに、二次創作小説を書いちゃうの。不思議ね()
春の宴会が終わり、
妖精達の戦争も終わり、
お嬢様との確執も解消された。
紅魔館から去り、自宅へと久々に戻ってみると、案の定天魔や文や彩目、何故か
まぁ、妖精に逢いに行くと言って出掛けたまま何日も戻らずに居て、挙げ句の果てにようやく帰ってきたと思ったら疲労困憊の状態だったのだから。
そりゃあ私だって彩目がそんな状態で帰ってきたら怒るだろう。『どうしてそんな面白そうな状況になったの!?』とか。
「……まぁ、お前に私達みたいな対応を望んだのが間違いだったか」
「うそうそ。幾ら何でもそこまで捻くれちゃいないよ」
「……お主の場合、自分が捻くれている事を極度に自覚しているからそうなるんじゃろう……」
「全く……さっさとスキマとか衝撃とかを使えっていう話なのに……」
「……文さんから聴いていましたけど、ここまでとは……」
あれれ。何だろう。物凄くアウェーになってる。
まぁ、いいか。いつもの事である。
「「「「……はぁ」」」」
いつもの事、いつもの事♪
▼▼▼▼▼▼
そういう事があって、数日後。
と言うか、私が紅魔館から山の麓へと帰ってきてから、数日後。
まぁ、体調は程なくして元の状態へと戻った。
右腕がなく、義手を付けて生活する、元の状態にね。
……しっかしまぁ、椛は結局何をしに来たのかね?
彩目から聴いた限りだと、文と椛って何だか不仲っていう話を聞くんだけど……あの時の会話から察すると普通に話したりはするのかね?
……ま、そんなに気になったら本人に直接訊いたら? っていう話なんだけどね。幸いにして文は私と一緒に隣でお茶を呑んで一服してるし。
でもまぁ、めんどくさいからいいや。
太陽がようやく頂点に昇り、縁側に居る私達に夏を予感させるような、それなりに強い直射日光が降り注ぐ。
だが残念ながらここにいる二人は、両方共風に関係する特性の持ち主だ。
暑くなれば心地よい風を吹かせば良いだけの話。快適な環境なんてすぐに作れるのである。
……まぁ、私はクーラー、苦手なんだけどね。
長時間浴びてると頭が痛くなる。
この体質は人間だった時から変わらない辺り、自分自身がどういう存在なのか本当に分からなくなる。
「……もうすぐ夏だねぇ」
「そうねぇ。またこの山が湿気に覆われるのかと思うとちょっとげんなりするけど……」
「吹き飛ばせば? 『竜巻旋風脚!!』とか何とか言って、スペルカード宣言しながら」
「……それ絶対違う技よね? というかそもそもスペカですらないでしょ」
「……作ってみるかな」
「いやいや」
「冗談だって」
「……幻想郷で私にそんな事を言うのはアンタくらいよ」
「ふぅん? 紫とかは?」
「あの大妖怪は山に用事があるとしたら、それは貴女か天魔様位にしかないわよ。個人的に逢った事なんて数える程しかないし」
「へぇ、そうなんだ」
「そうなんだ、って……アンタ仮にも彼女の式神でしょ?」
「へぇ、そうなんだ」
「……」
「……ちょっと、たかがジョークじゃん。何でそんな湯呑み振りかぶってんのさ。しかも笑顔で」
「私ね、数日前からアンタにいつかブチ切れようと思っていたの」
「へぇ、そうなんだ」
「喰らいなさい!!」
「バーンサーンカーン」
「みぎゃ!? ぅ、す、脛に跳ね返ってきた……く、ぐ……」
「ちなみにちゃんと言うと、バーンサーンカーンは『バンサンカーン』で、その『バンサン』は最後の晩餐の『晩餐』で、私は未だにチボなのかジボなのか分かっていないんだよ。どうなんだろうね?」
「ど……どうでもいい……」
「だね。ほれ、脚を見せなされ」
「何で貴女に攻撃された箇所を当の本人が治しているのかしら……」
「さぁ?」
下らない話。けれどもそれこそが日常、つってね。
まぁ、どうあがいても自業自得は自業自得。弁慶の泣き所から衝撃を操って痛みを治す。
見た感じや触った感じでは痣とかにもならなそうなので大丈夫だろう。流石妖怪と言うか何と言うか。
この行為を治療と言っていいものか悩んで、どうでもいいという結論を出した後に、ゆっくりと文の脚を下ろした。
それから五分ほどは動かさないように言っておき、地面に落ちた湯呑みを洗って取り替え、ついでに二人分のお茶を注いでまた縁側でゆっくりと寛ぐ。
まぁ、しばらく睨まれていたけど、いつもの事かと諦めたように溜め息を吐いた後は、またゆっくりと寛いでいる彼女も慣れているな〜とか、思わなくもない。
しばらくまたグダグダと世間話をした。
綺麗に会話が途絶えたので、タイミング的には良いかとばかりに背伸びをする。
さて……出掛けるかな。
「あら、何処かに行くの?」
「ちょいと紫のとこに。暇潰しに」
「……また遅くなったりしないわよね?」
「アンタ達は私のお母さんかっての」
「そうね。彩目のお母さんはお母さんじゃないもの。イタズラっ子だもの」
「ぐうの音も出ないよ。ぐう」
「言ってるじゃない」
「まぁね〜」
実にどうでもいい会話をしてから玄関に向かい、下駄を履く。
赤い鼻緒の一本歯下駄。何やかんやでチルノの冷凍とかで半壊していたので、新しく見繕ってもらった。
履いているとまだ違和感があるけど……まぁ、仕方ないね。貰ったの昨日だし。
そのまま玄関から周り、さっきまで居た縁側に戻る。
先程まで居なかった彩目も居た。実に見事なタイミング。何していたのか知らないけど。
「んじゃ、出掛けてくる。多分今日中、もしかしたら明日の朝に帰るかも」
「はぁ……」
「ま、ある意味いつも通りよね」
「……体調が良くないんだから、何かあったらすぐに戻るんだぞ?」
「善処するよ」
「……はぁ……」
おぅおぅ、彩目から幸せがどんどん逃げていきますなぁ。
▼▼▼▼▼▼
スキマを通り抜けて、八雲一族の住む一軒家に到着。
とは言え、喚び出された時ぐらいしか来た事がなかったし、自分から訪れるのは何気に初めてである。
この家自体は千年ぐらい、場所も様子も何も変わってないから、行く事はわりと簡単なんだけどね。
とは言え、防犯のために色々と契約とか所定の解呪とかしないと来れないから、簡単ではない。なんという矛盾。
さて……、
「……やぁ」
「……」
「無視かな?」
この妖怪は何なのだろう。
いや、猫又? 尻尾が2つ、濃い茶色の毛。緑の帽子。赤い服に白い袖、胸元に大きな……リボン? 一応人化は出来ているから……多分、猫の妖怪……かな?
こんな所に居るんだから、八雲に関係してるんだろうけど、私は見た事がない。
まぁ……最後に来たの、幻想郷が出来る前だけど。
う〜ん……家に入りたいんだけど……。
でも、あの警戒度は動いたら問答無用で噛み付いたり引っ掻いたりしてくるだろうなぁ……猫だけに。
この前家に来ていた猫はいつの間にか何処かに行ってしまったけど、あの懐き度を顧みるとある意味特殊な猫だったのかなと、思わなくも無い。
はてさて、どうしたものか……。
「橙、そのヒトは通してもいいぞ」
「あら、藍じゃん。おはよう」
「……ああ、おはよう」
何気にまだ午前十時ぐらいだったりする。そんなどうでもいい事。
そんな事を思考のすみで考えていると、橙と呼ばれた妖怪は藍の方へと向いた。
「……誰なんですか? この妖力のない妖怪は」
「……」
久々にグサッと来た。
「くっくっくっ、彼女も八雲家の式神だよ」
「藍も藍で笑ってるんじゃないよ……」
「えっ!? あの紫様のもう一人の!?」
「……そういう君は?」
何だか話に置いてきぼりな気がしたので、猫又に質問してみる。
猫、ねこ……はて、何か今思い出しそうな気がしたけど……。
「……貴女が詩菜、なんですか?」
「え? うん。いやだから君は?」
「藍様の仇ぃーっ!!」
「……おい藍、この子に私の何を話した?」
「ち、橙!! その話は私と橙だけの秘密だろう!?」
「本当に何を話したのよ!? 色々と違うから!?」
と、橙の突進やら引っ掻きやら弾幕をひたすらに避けながら藍にツッコミを入れる。
……まぁ、このぐらいの速度なら簡単に避けられる。
遅いねぇ。まだまだ余裕であります。これなら吸血鬼の姉妹の方が早かったよ?
「ぜっ、全然追い付けない!? なんで!?」
「さぁ、何故だろうね〜?」
「くうっ! やっぱり藍様の言った通りです!! 『飄々とし過ぎていて紫様よりも面倒な事が多い』って言っていたのはホントだった!」
「ら〜ん〜、どういう事かしら〜?」
「あっ、あれ!? 紫様!? こっ、こんな朝早くに起きてどうされたのですか!?」
「ふふ、朝から何か騒がしくて目覚めちゃったのよねぇ……で、自分の式神に貴女は一体何を吹き込んでいるのかしら?」
「あっ、ちょっ!? あれは言葉の綾、あっ、まっ──────」
……あ〜あ、藍がスキマに連れて行かれちゃったよ。
どうしよ……橙とか言うこの子は全くそれに気が付いてないし……。
「……どうしたもんかなぁ……」
「にゃあっ!!」
「ハイはずれ〜」
……何やかんやでこの追い掛けっこを楽しんでいる自分が居るから、止まれないんだよねぇ……。
はてさて、どうしたものかなぁ、っと!
しばらくして、橙という猫又が崩れ落ちた。
「……はっ……はっ……ぜん、ぜん当たらない……」
「あれ? もうおしまい? ストレッチとしてはヒッジョーに満足だけど、まだまだ余裕なんだけど?」
「くっ……!」
とは言え、普通のスペル十枚分くらいはずっと追い掛けっこしてたんだけどね。
チルノとの戦いで自宅に飛ばした義肢の調整も兼ねての運動だったんだけど、首尾も上々と。
まぁ、紅魔館で休んでいた日数も合わせて一週間ほど動いてなかった。
だからどれくらい体調が戻ったかを調べるのも良いかな、と思ってずっとやってたんだけど、中々に回復してるね。良かった良かった。
「どうやら身体の確認も終わったみたいね」
「紫こそ、お仕置きは終わったの?」
「ええ♪ 久々に楽しめたわ」
「……そう、何があったかは訊かないけど」
どうやら紫の方の用事も終わったらしいので、ようやく家に上がらせて頂く事にする。
見なくても後ろから橙が睨んでいるのが分かる。
でも膝をついて息も絶え絶えな彼女には、今は何も出来ないだろう。それに奇襲されても避けられるだろうし。
まぁ、弾幕については私よりも練度が高いのは見ての通りだったのが悔しい。とか思いつつ何も行動しないのが私である。
「あの子は橙っていうの。藍の式神よ」
「へぇ……藍の式神って事は、紫にとっては式神の式神って訳? めんどくさいねぇ」
「式神で居て式神じゃない貴女程ではないと思うけど……」
「そう?」
居間に着き、先に居た藍からお茶を貰う。
……何だろう。藍の瞳から光が消えているような気がするんだけど……。
……気、気の所為だ! 気の所為だろうね! うん!
「それで? 珍しくアポイントメントも無しにこっちに来るなんて珍しいわね」
「珍しいも何も、今日が初めてだよ」
「そうだったかしら?」
「そうそう。まぁ、用は特に無いんだけどね」
「……相変わらずねぇ」
相変わらずも何も、そう簡単に妖怪は変わっちゃいけないと思うんだけどなぁ。
まぁ、強いて理由を言うならば、文との会話にたまたま紫が出たからなんだけど……。
「そういえば、さっき私の体調の事、知ってるような口振りだったけど、もしかして見てた?」
「そりゃあそうよ。あの時点では氷妖精がもしかしたらそこらの妖怪さえ圧倒出来うるかも知れない程の実力を持っていたのよ? 幻想を守る者として、緊急時には手を出すつもりでしたわ」
「あらま、しかもそこから見られてたのか……」
ふむ、考えてみれば当たり前か。
……でも、冬になると寝てしまう辺り、本当に幻想を守っているのかどうかと疑問に思っちゃうんだけど……まぁ、いっか。
そこまで話した所で、結局会話が途切れてしまう。
まぁ、別段会話が途切れても長年の付き合いだし、特に何とも思わない。それは果たして良い事なのか悪い事なのか。どうでもいいけどね。
私が飲み干したお茶を、藍が無表情で湯呑みにお代わりを注いでいくのを、何とも言えない気分で見ていると、どうやら急須が空になったようだ。
そして「お茶を新たに作ってまいります」と、物凄い棒読みで紫に言って、ロボットのように動く彼女を見て思うのは、『あ、やっぱり駄目だアレ』とか思ってしまう私は悪くない筈だ。
「……ねぇ?」
「ん〜?」
「……貴女も一度、式神を憑けてみない?」
「……ハイ?」
▼▼▼▼▼▼
「どうかしら?」
「……どうって言われましてもねぇ……」
紫によって、式神を憑けられた詩菜改め『八雲
いや、まぁ、正直どちらもそんな変わらないかもしれないけどさ……。
……緋紅はないでしょ緋紅は……日暮れって、そんな私を黄昏れさせたいか。
いや、寧ろ黄昏れって考えるから駄目なのか。男性という観点で男性の名前なら合うのかな?
と言っても、今だって義肢を付けた状態なんだし、志鳴徒に変化したくはないかなぁ……。
どうせ変化したら絶対に一回は義肢が外れちゃうだろうし、その義肢を付けた状態で里なんて歩けば一発で志鳴徒の腕が無いなんて分かっちゃうだろうし。
精々、志鳴徒の時に式神を付けた時に名乗るとしよう。変化して式神化するかどうかだけどね。
まぁ、式神を憑けても大して違和感はない。強いて言うなら口調が畏まった感じになったぐらいかな。頭の中は普通なのに。
あ、でも体調はさっきよりも格段に回復してるね。後は……実践で確かめるしか無いかな?
「ついでに訊きますけど、私に何を憑けたんです?」
「ついでなの? 一番大事な所でしょうに……」
「え? そうなんですか?」
「……まぁ、式神について何も知らない貴女はそうよね……」
何故か飽きられた。何でだろうか。まぁ、分かるけど、分かるけど、わからないという事にしておく。
「で、一体何をインストールしたんです?」
「……変な所で理解しているのね。まぁ、いいけど……泰山府君、って言ったら?」
「そんな陰陽道の主祭神なんて嘘でしょう?」
「やっぱり変な所で詳しいわね……嘘なのは確かだけど」
神々なら私はそれなりに詳しいのである。まる。
人間時代の中二病の所為でな!!
「荒覇吐……って言ったらどうするかしら?」
「……また意味不明な神様を持ってきた、と言います」
そりゃあそうだろう。出典どころか諸説ありすぎてもはや偽史なのではないかという説が主な神様なのだから。
……まぁ、一部のゲームとか漫画で有名にはなってはいるけど。
「で、荒覇吐? またの名を字で書くと荒脛巾ですか。どちらかと言うと賽の神ですかね? しかも仏ですら無い……確か民族信仰の神様じゃありませんでしたか?」
「本当に詳しいのね……凄いマイナーなのを選んだつもりなのだけれど」
「本人に聞かれたら怒られそうな事を言いますね……」
「良いじゃない。不満なの? あやふやな貴女にはぴったりでしょう?」
「……まぁ、そうかもしれませんけど」
「……予想通り認めたわね……」
荒覇吐ねぇ……。
キュヴィエ症候群!!
まぁ、どうでもいいか。
「私にバキさんが憑いた事でどんな効果があるのですか?」
「(バキさん?)普通に空を飛べる筈よ?」
「何ですと!?」
そう言われ、意識する。空に浮かぶようなイメージ。
……おおぅ、飛んでる! 私飛んでる!!
「凄い!!」
「……そ、そんな喜ぶ事? あと、そろそろぶつかるわよ?」
「へ? あた」
天井に頭が衝突。でもまぁ、衝撃無効で無問題。
外に出て、試してみる。
おぉ……。
「……うっわ、凄い感動する……」
「そう。それなら良かったのだけど……」
「はい?」
「……それ以上、上へいけないのかしら?」
私が居る位置は、地面と足の裏の距離を高さとすると、大体二mくらい。身長も入れて三mとちょっと、というぐらいの高さだ。
それ以上が、どうやっても、浮けない。浮くとしたら衝撃を使うしか無いだろう。
もし、もしだけど、
この私に憑いているバキさんが『あの』バキさんならば、
『風』というのは弱点である。WakePointだ。自分のターンが一気に無くなる!!
……と、まぁ、そういうゲームの話はどうでもいいのだけれども、大事なのはこの世界での『イメージの強さ』である。
言ってしまえば──『想えば、当たる』それが『幻想郷』である。
私が『衝撃に私は弱い』と想えば、それはそのまま自分に還って来てしまう。自分を衝撃で浮かそうものなら、瞬く間に式神が外れて地面に叩き付けられるだろう。
そういう訳で、私は自分に術を撃たない為にも、ご主人様を誤魔化さないといけないのであった。
……いや、別に誤魔化す必要はないんだけどね。自傷が嫌だからやらないってだけで。
「……行けませんね」
「どうしてそう貴女はつくづく浮けないのからねぇ……」
「知りませんよ……はぁ……」
そう言って地面に降り立つ。
空を動く感覚は鎌鼬状態と同じだったから楽で良かったよ。
この感覚で普段から浮ければいいんだけどねぇ。どうしても飛べないのが現状だ。
想えば当たる? ハッ、ウケないんですけど? 浮けないんですけど?
「でも、まぁ、浮けたので良かったです」
「ポジティブ思考ね……」
「はい♪」
「……」
いつもの事である。まる。
逆の時もあるけどね。
その後、色々な説明を紫から聴いて自宅に戻ることにする。
一つ、水が弱点なので注意する事。恐らく雨でも水を被ってもアウト。
二つ、ご主人(紫)が居なければ式神状態になる事は出来ない。
まぁ、そういう事で、紫から仕事が来ない限り私が式神になる事は殆ど無いだろう。実に無念である。
スキマ使って拝み倒せば、もしかしたら憑けてくれるかも知れないけど、そんな緊急時にスキマを使う暇を相手が与えてくれるかどうかである。まぁ、無理だろうね。
結果的に、さっさと自宅に戻れる事は出来たけども、式神状態ではないので、結局は収穫もなし、って感じかな?
まぁ、出来る事が増えただけって訳だ。
今更強くなってどうするの、って話なんだけどね。
式神が憑いていない時、橙は炬燵で丸くなる。藍は性格が丸くなる。詩菜は歪む。
式神が憑いていると、ある意味喋り方が丸くなる。
ネコ、キツネ、イタチ、って、どれもネコ目(食肉目)で、
……まぁ、どうでもいいですけど。