風雲の如く   作:楠乃

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基礎基本の更に大元

 

 

 

 最下層に辿り着き、少し歩けばいつぞやレミリアがフランに激突してぶち壊した筈の壁が見えてくる。

 あれからそんな時間が経っていないとは言え、とうの昔に直したらしく、壁が塗り替えられたのかな、という印象しか受けないような状態なのは……まぁ、多分、妖精の作業が早いか、もしくは地下で老朽化が早いかのどちらか、なのかな?

 

 まぁまぁ、何はともあれ、その新しくなったであろう壁の横を通り抜け、アーチ状の入り口を潜れば─―――あの時と全く代わり映えのない、牢獄のような広い部屋に着く。

 

 天井や柱からは無作為に鎖が伸び、千切れ、重力に従い、無数に垂れている。

 破壊の痕跡を一部残しているような柱はほぼ残っておらず、代わりに継ぎ接ぎにしたかのような修理跡が、見える範囲の柱には全て残っている。

 

 ……あれだけあった破壊の痕も、一月経たずにここまで直すか。

 と、思うと同時に、どんだけ私とフランは遊びすぎていたんだ、と思わないでもない。

 遊びすぎていた、というか、発狂しすぎていた、というか。

 

 まぁ、これだけ修理跡が随所に見える、という事は……私の肉片が残っている、という可能性なんて万に一つもないだろう。それだけ手を掛けて、というか、それだけ手が入った、という事なのだから。

 それでも一応賭けてここに来たんだけど、目に見える形で何か残っている、という事は億に一つもないらしい。

 

「それで……ここで足りない自分探しでもするつもり? 残念だけど、絶対に見付からないと断言できるわ」

「みたいだね。でもまぁ、自分探しは正解かな」

「……はい?」

 

 

 

 そもそも、だ。

 

 ────いや、こんな解説口調になってる私も、今ここに来てようやく気付いたんだけど。

 

 ここで超回復をした私は、自分を構成する粒子が足りなくなってしまった。

 だから、肉体という器を小さくする等の事をしなければ、体調が悪いままだった。

 

 精神のみから復活した私と、フランと戦っていた時の私。

 

 この二人を比べて、何が今、私に足りなくて、足りない構成成分は一体何だったのか?

 

 

 

 ここで、そもそも、だ。

 そもそも、『私が復活した際、足りなかったモノ』は、何だ?

 

 それが、今の私に欠如している、構成成分。

 

 

 

「ふむ……やっぱりか」

「……分かるの?」

「ん、パチュリーは何も感じない?」

 

 私には、私を構成していた粒子が、このだだっ広い空間に満遍なく薄く広がっているのが、目に見えているんだけどね……何も言われないし、霧がかかっているかのようなこの状況に対して、誰も何も言わないし、何もしていないということは、やっぱり私以外には見えていないだろう。

 どういう原理なのかは、さておいて……まぁ、そもそも私の成分だから、とか言う落ちなんだろうけどさ?

 

 それでも、この空間に満遍なく広がっている、緋色の粒子が他人には見えず、何も感じない、と言われると、それはそれで……まぁ、納得しなくもない、か。

 私でしか見えない、それこそつまり、『私』……とか、なんとか、

 

「……私には、いつもの空間にしか感じないけれど」

「そっか。んー、それだけ薄いって事でもあるのかな……」

 

 そう呟いて、地面を蹴って柱を駆け上がり、梁の上へと乗る。

 この梁は確か私が蹴って砕いた筈なんだけどなぁ。

 まぁ、どうでもいいけど。

 

 

 

 新しく作られた梁の上から、地下室を見渡してみれば、やはり私の粒子が均一に広がっているのが分かる。

 それでも本体の私が近付いたからか、外気に触れている素肌の近くにある粒子は、少しずつ取り込むことが出来るらしく、私が動いた後には粒子の霧が少し薄くなっているのが何となく分かる。

 

 ……とは言え、このあまりにも広い空間を走り回る、というのも億劫過ぎる。

 まぁ、緋色玉と同じようにやれば、この霧も結晶化できるでしょう。

 

 そんな漠然とした予感に従って、ゆっくりと右手を宙空へ差し伸ばし、粒子を操り始める。

 掌の上に風が集まり始め、薄い粒子が非常にゆっくりと集まり始めた。

 

 あまりにも空間が広い所為か、それとも漂っている粒子そのものの密度が薄い所為か……目に見える形で風が動いて、空気が圧縮され始めているにも関わらず、私の目だけにしか見えないらしい粒子が集まる速度は、非常に遅い。

 

「何をやっているの?」

「ん、萃香のマネ」

「……『密と疎を操る程度の能力』?」

「似たような感じ」

 

 まぁ、私が粒子状になれるのは、種族が一応『鎌鼬』だからであって、能力で出来る、って訳でもないんだけどね。

 

 気付けばパチュリーも隣に来ていた。割と暴風が吹き荒れていると思うんだけど……その中でも安定して座ったまま飛翔できてるってことは、やっぱり中々の実力を持った魔女らしい。

 いや、別に魔理沙やアリスを貶すつもりは欠片もないんだけどさ。

 

 ここに来て私の掌の上を見ているという事は、彼女にも緋色に輝く結晶が見えているのかもしれない。

 

 とは言え……この調子、スピードで集まるというのなら、全ての粒子を集めきるまでにどれだけの時間が掛かるんだコレ……?

 数分経って砂糖一粒って感じなんだけど……。

 

 

 

 

 

 

▼▼▼▼▼▼

 

 

 

 

 

 

 まぁ、結果から言うと、予想以上に集まるのは早かった。

 集まるのは早かった。うん。『集まる』のはね?

 

 早かった、というよりも、予想以上にこの地下室に散らばっていた粒子が、思いの外少なかった、というのが真実だったりする。

 

 一時間も掛からずに集めきった粒子は、緋色玉のように赤く輝く結晶へと凝縮された。

 けれどその右手の上には、私のこぶしの、更に二回り程小さいサイズの、結晶でしかない。

 

 

 

 復活した直後の私に無かった物と、同等の質量は、どう見ても、ない。

 

 

 

「……どうしたの?」

「ん〜……足りないんだよね」

 

 粒子が少なくなっているとかはあるだろう、とは思っていた。

 フランの力によって、蒸発、──と言うと、霧状になった、みたいな説明になるけど、そうではない意味合いで──消滅した私の粒子という分も間違いなくある筈なのだから、私の肉体が死亡した際より、少ないか、もしくは同等程度の構成成分が、少なからずこの地下室で戻ってくる筈だろう。

 

 ……と思っていた。

 

 思っていたのだけれど。

 

 予想に反して、右手にゆっくりと溶けていくこの結晶は、なくなった私の成分の、おおよそ半分程度しか凝縮されてない。

 

 フランと発狂しながら遊んでいた時の実力を100とするならば、今コレを取り込んでも私の実力は大きく見積もっても、6〜7割という所。

 どう足掻いても凝縮しても、元の実力には戻れない。

 

 出来るとして、ハッタリで100%取り戻したかのように演じれる程度。それも数十分で妖力すっからかん。

 ハッタリを続けるにしても、現在進行形で神力も既にすっからかん。

 詰んでる。

 ……いや、ハッタリをしなければいけない状況って訳でもないんだけどさ?

 

 結局、何割か実力が戻ってきても本気が出せない状態……いや、もはやこの状態での本気が、私の完全なる本気だということになるのかしら。

 ……やれやれである。

 

「まぁ……戻ってきただけでも良しとすべきなのかね」

「……」

 

 妹ちゃんの『破壊』を受けてないからこそ、これだけ存在の粒子を回収できた、と考えるべきだろう、多分。

 

 氷が溶けていくように少しずつ小さくなっていく結晶を、グッと握りしめれば一気に掌から力が巡り始める。

 まぁ、いきなり力を還元し始めても危ないだろうし、まだまだ完全に吸収する訳にもいかないけどね。

 何か障害が起きたら困るし……無いとは思うけどさ。

 

 

 

「さて、私の用事はとりあえず終わったけど……」

「……」

「何やら煮え切らない顔をしているね?」

「……いえ……」

 

 振り返ってみれば、先程と変わらず空気椅子に座り続ける魔女が一人。

 アリスならともかく、魔理沙とかなら私が顔を見て、何かを言う前にまず質問が飛んで来るだろう。多分。

 

「まぁ、別に質問があるならいつでも、答えれる範囲なら答えるけどさ?」

 

 そう答えて梁から飛び降り、出口へと向かう。

 ん、能力の調子も異常なし、と。

 流石に力が二倍になったとしても、計算式や能力に狂いが出なくて良かった。

 という事は、身体の構成を元に戻さないと、元の筋力にも戻らないと……まぁ、それは当たり前か。妖力戻った所で身体が元に戻った訳じゃないし。

 

 寧ろ逆に、問題なのは、この身体での動き方に慣れつつある状態なのに、また元に戻るっていう私の方への混乱かなぁ……。

 

 

 

 考え事をしながら歩いている内に、さっきから隣に居た筈の人物の衝撃が、やけに遠くから聴こえる。

 具体的に言うなら、さっきまで私が居た位置から聴こえる。

 

「パチュリーは戻らないの?」

「……戻るわよ」

 

 振り返ってそう聴くと、怒ったような口調でふわりと浮き上がってこちらへと飛んでくる。

 その表情はやはり、どこか歯に何かが詰まったような、質問したくてもできなさそうな顔……すれば良いのにねぇ。

 

 それにしても、詠唱もなしにあれだけ風を操作して自身を浮かせるのは凄い。

 

 ……流石に私の知ってる魔術じゃあ、彼女の飛翔術は解析できないらしく、どれだけ術式を解析しようとしても、出てくるのは読めない言語や認識できない文字列ばかり。

 私の知ってる魔術って、作ろうとして出来なかったラストスペルと、義肢を動かす術式だけだから、当然といえば当然なんだけど。

 

 ま、これから教わっていけば良いか。

 時間が空いてたなら相手してあげる。って了解は取れたし……口約束だけど。

 

 

 

 そうしている内に、階段をまた二人して並びながら上がっていく。

 こう、階段を上がるという肉体労働に対して、魔術を使って見た目何も動いていない彼女の精神労働は、果たして等価なのだろうか。

 どうでもいいけどさ。

 

 

 

 

 

 

 そんな事を考えながら、天井が上手く見えない大きな螺旋階段を登っていく。

 

 

 すると、

 

「……貴女、本当に……『鎌鼬』なの?」

 

 

 

 私を一切見ず、階段の先を睨むように見ながら、隣の魔法使いが訊いてきた。

 

「……んー、訊きたい?」

 

 こちらが顔を向けても、何の反応を見せてくれない。そんな虚空を睨んでばかり居ると、眉間をまたほぐさないといけなくなりますよ?

 とか内心どうでもいい心配をしつつ、視線を階段の先へ、元に戻す。

 

「……出来れば、で良いわ」

「ふむ、それならどこから話したものか。どこまで話せば良いものか」

 

 まぁ、別に隠している訳でもない。

 

 私が知っていた未来の情報なんてモノも、一年前に無くなっているし、誤解がないように話せば別に何の問題もない。

 その誤解が起きそうだから、面倒だし話さないってだけで、隠しているつもりもない。

 

 と言うかまぁ、勘の鋭いヒトなら私があまりにも人間臭いとか、人に近いとか、あまりにも人間離れしたヒトに見えるとか、そういう風に感じている奴も居るかもしれない。

 ……そういや紫に、私が元人間って話したっけ……? 話してない気がする、けど……いや、なんか知ってそうだしなぁ。『彼』とのいざこざで。

 

 そんな事は、今はどうでも良い訳であって。

 

 さてさて、どこをどう話していこうかね……。

 

「ん、レミリア……ていうか基本的に誰にも喋らないなら、詳しい所まで話そうか」

「良いの?」

「いやぁ、隠してないしね。突っ込んで訊かれることもないし……訊かれたら答えるけど、訊かれないなら教えたくない、って感じかな」

「……そう」

 

 まぁ、長い付き合いでも知ろうとしないし知った所で関係は変わらなそうなお姉ちゃんとか、知っても変わらなかった娘とか、知りたそうにしても本人には決して訊こうとしないお姉ちゃんとか……いや、そういや前回訊いてきたな。

 テンションおかしかったもんで、ついはぐらかしちゃったや。

 って事は、やっぱり知らないのかな……? まぁ、だからと言ってどうこうする気も更々ないけどさ。

 

 ……下手したら、今も監視されているかも、って考えたけど、そんな感覚はないし、多分大丈夫でしょ。フラグじゃない筈。

 何を考えてあんな質問をして、私をどう見て確信を得たのかは、私でも分からないけどね。あの人ほんと分からないし。分かるけど解らないし判らないから。

 

 

 

 まぁ、如何に私の考え方や行動理念がその時のテンションで左右され過ぎているかって話をふと考えた所で、眼の前の彼女に、はてさて、どう説明したものやら。

 

「まずは……根本的な所から行こうか。私が本当に『鎌鼬』なのか」

「そう言う、って事は……」

「んー、そうだね……本物の鎌鼬かどうか、私には確認できない、っていうのが本音かな」

「どういう事?」

 

 

 

 

 

 

 まず、私は人間から妖怪に転生した身だ。

 その際、妖怪となる因子を埋め込まれ、肉体を改造されて、今の私である『詩菜』となった。

 

 通常生から死まで一直線上にある筈の人生が、私の場合は極端に捻れ曲がっており、当時十六歳になる一ヶ月前に、私は肉体も種族も変えられて、1445年前の世界へと送り込まれた。

 そうして、妖怪『詩菜』は産まれた。

 

 ……口の中に広がる血の味も、無理矢理勘違いしていたんだろう、多分。

 私は誰がこんな事をしてくれやがったんだ、と、半分復讐するつもりで生きてきていた。その内なんかどうでもよくなりつつもあったけど。

 

 そうして大昔から何とか生き残ってこれた私は、自分をこうした奴を探すために、生き残り、創られたばかりの幻想郷を離れ、無理して現代まで必死に生きて、そうして自分──この場合は『彼』と呼ぶべきであろう、自分──を見付けた。

 

 ……まぁ、その部分やあの夏休みについては、誰にも言うつもりはないから、ひた隠しにするけどさ。

 いや、パチュリーさん、そんな目で見られても、詳しい事は言えないよ? ってか言わないよ? 紫に訊いたら半分ぐらいは知ってるけど、訊いたら……分かるよね?

 

 ま、何にせよ、そこでようやく私は気付いた。気付く事が出来た。

 

 大事件が起こり、世界線がズレた事で、私は知ってしまい、行動してしまった。

 私は自分によって過去に送られた、と。

 ……行動しなかったら、私そのものの存在も消えてたんだろうけどさ。

 

 さて、そこでまた別の疑問が出てくる。

 パチュリー、凄い驚いている所悪いけど、これでようやく前提部分が終了だ。

 

 

 

 妖怪として生きたその1445年間。

 自分を過去に送って、知らない未来の一年半を生きた、この1446年間。

 私は、自分を『鎌鼬』だと信じて生きてきた。

 

 けれど、その鎌鼬にしてくれたのは、自分だった。

 あの血の味は、渇きは、粘液のような感触は、どれも自分の腕の味だった。

 自分がこうなったのは、自分のせいで、自分が自分の腕を噛み千切らせたから、妖怪となれた。

 

 じゃあ、その鎌鼬となる原因の物質は、一体どこから来た?

 

 私の腕から。じゃあ、私は鎌鼬だろう。それは今でもそう思っている。私は『鎌鼬』だ……多分ね。

 それじゃあその妖怪の私が産まれた時はどうだったか。それも間違いなく、『鎌鼬』だろう。

 

 なんせ妖怪として産まれた直後だ。身体能力はかなり向上し、能力にも新たに目覚め、血肉を貪るために他者への殺害欲求も芽生えていた。

 ……今思えば酷いの一言だけど。

 

 じゃあ、その前は?

 あの時の自分は、人間だろう。それは間違いない筈。

 今となっては自力で調べることも出来ないけれど、少なくとも妖怪としての欲求なんて欠片もなかった。人間らしくない思考はちょいちょいあったかもだけど。

 

 

 

 さて、

 

 じゃあ、私がこうも自分を『鎌鼬』だと確信できる、その遺伝基は一体どこから来たか。

 

 妖怪を喰って今まで生きてきたのは確かだけど、その中で鎌鼬と呼べそうなモノは喰ったことがない。

 それどころか私は、同族に今まで一度も逢ったことがない。

 詳しく言うなら、鎌鼬と認識されている、三位一体の悪神や飯綱や野鎌に出遭っても、同族だと認識できなかった。仲間だと、一欠片も思わなかった。

 

 それでも私は、種族『妖獣・鎌鼬』、鼬塚詩菜、だと自分を信じて、ここに居る。

 

 

 

 

 

 

「さぁて、私は鎌鼬かな?」

「────」

 

 絶句したままの彼女に、こう言い直してみる。

 

「前にも言ったでしょ?

 『自分でもいまいち分かってないんだよね。正真正銘の妖獣鎌鼬なのかさ』、って」

 

「……そ、そう……なるほどね……」

 

 ようやく、息が吸い込めたとばかりに深呼吸を繰り返す、隣の魔法使い。

 ……大丈夫かしらね。喘鳴が聞こえるんだけど。

 

 

 

 まぁ、グダグダと話したけど。

 

「別に、私自身そんなに気にしてないんだ。自分がどうしてこうなったのか、とかを考えるより、この後自分がどう生きていくか、じゃない? 後悔するのも良いけど、それを次に活かせるか、じゃん」

「それは……そうかもしれないけれど」

 

 過去を振り返らず未来を見て生きていこう、とか言う私もちゃんちゃらおかしいけどね。

 それお前今まで何見て言って考えて生きてきたよ? って話になっちゃうんだけど……まぁ、パチュリーしか居ないからね。

 

 勇儀とかがもしこの場に居たら、今頃私は笑われながら怒られながら全身粉砕されているに違いない。

 おおぅ怖。いい加減にしろとか言われながら抵抗しない自分が簡単に想像できる辺り、今も若干テンションがおかしいのかもしれない。

 

 

 

「……自分の生まれとか、気にならないのかしら?」

「うーん、考えることはたまにあったりするんだけど……今はそんな気分じゃない、っていうのが正確かなぁ」

「そんな気分じゃないって……」

「ん、『今、私はここに居るのに、その居る理由を考えるとか、必要?』って感じ」

「………………本当、理解不能ね」

「そうかなぁ……そんなに理解されないこと言ってるつもり、あんまりないんだけどな……」

 

 少なくとも、パチュリーがレミリアに対して、『何故この友人は友人なのか?』って考えないのと、多分同じだと思うんだけど。

 

 ……って、つい言いそうになったので、必死に堪える。

 どうにもテンションがおかしくなりかけてる。自重自重。

 

 

 

 

 

 

 まぁ、種族について訊かれたからこういう答え方をしたけど、これがまた、「妖怪なの?」とか、「何者?」なんていう訊かれ方をされたら、多分──ていうか、確実と言っても良いけど──また、私はいつぞやと同じ答え方をするんだろう。

 如何にテンションがおかしくても、気分がおかしくても、精神がおかしくなっていても、

 

 それでも多分、「私は私だから、何処までも私で、私だよ」って答えるんだろう。

 

 

 

 隣で深く考えてるパチュリーに、そんなヒントはあげないんだけどね。

 いやぁ、だって訊かれてないし?

 

 

 

 


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