風雲の如く   作:楠乃

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神様ですってよ奥様。

 

 フワハハハハハ!!あっさり入っちゃったよ!

 あ〜……オーケー、ちょっと冷静になろう。Lets,cool!

 ……ゴホン。

 

 

 

 目の前には、此処等一帯の信仰を集めている守矢の神社。

 神々しい気配が物凄い。鳥肌が治まらない。

 

 ここまで侵入するのはそれなりに大変だった。

 まず近辺の調査。そして侵入する為の準備。

 準備としては、調度良く老夫婦が住んでいたから助かった。それも、上手い具合に困っている人が。

 守矢の神社の庇護の下に行きたいけれども、自分達だけで向かってもその途中で妖怪に殺されるのがオチ。

 だから、私も神社に用があるから護衛をする代わり、道を教えて欲しい……ってね。

 

 そんな事を考えていると、その老夫婦が御礼を言ってきた。

 一瞬何の事か分からなかった。それだけぼーっとしていたって事だけど……すぐさま理解して何とか話を合わせる。

 いや、流石に『何の事ですか?』って返すのは問題があるだろうよ私。

 

「詩菜さん、有り難う御座います」

「はい?……あ、いえ!私も此処に来てみたかった訳ですし、そんな感謝されても」

「いえいえ、そんなに謙虚になされても、私等を救ってくださったのは貴女ですから」

「は、はぁ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだね…人の感謝は要らなくても、受け取った方が双方とも気が楽になるもんだ」

 

 老夫婦とは違う声が聴こえた。

 新たな声の内容はのんびりしたものだったけども、

 その声が聴こえた瞬間、自分が消し潰されたかと思う程の重圧。

 空気が圧縮されるミシッ、という幻聴が聴こえてきそうな程の、重苦しく威厳のある存在感。

 一瞬、二度と空気を吸い込めなくなったかとも思った。それでも頭上から降ってきた柱を、なんとか身体を動かして避ける事が出来たのは、天魔との特訓(?)の賜物だろう。

 

 驚いている老夫婦を抱えてすぐさまその場から逃れる。

 大人二人を抱えるには私は小さすぎるけども、押し飛ばす事なら出来る。

 そして、押し飛ばした彼等に『衝撃』が加わらないようにすれば、大きな怪我は負わないで済む。

 ……刺さったり引っ掻かれたり、そういうのは私にはどうにも出来ないけどね。

 

 避ける事に関しては私の得意分野だよ、多分。

 

 

 

「おお、オンバシラを避けるかい。それなりに速く打ったんだけどねえ」

 

 馬鹿でかい柱……いや、声の言う通りにするなら、オンバシラ?が地面に着弾。

 辺りに巻き上がった砂ぼこりが酷い。何か火があれば粉塵爆発でも起きるんじゃないのコレ。

 

 誰よ、こんなとんでもないの撃ってきたのは……。

 ……まぁ…予想はついてるけど、さ…。

 

 砂の煙が晴れてきた。神々しい気配がする方からは煙の奥から後光のような光が見えている。

 空中に佇んでいたのはやはり予想通りの御方。

 

「『八坂 神奈子』…」

「おや、既に私の事も調べてあるのかい?じゃあ諏訪子の事も調べてあるようだね」

 

 諏訪子……彼女が言っているのは、恐らく『洩矢 諏訪子』だろうね。

 この二柱がこの王国を護る神様という訳だ。

 片方が何故来ないのか解らないけど…こっちとしては助かる。

 唯でさえ、あの重圧だけで屈しそうになっているのに、更にもう一柱来てみろ。泣きたくなるよ?絶対に泣くね。

 

 さて、どうしたものかなぁ……。

 戦闘するにしても、ここまでの実力差だとどうせ勝てないからイヤなんだけど、自分は妖怪だし…。

 仲良くは、まぁ、出来ないもんかねぇ……。

 

 

 

 …ああ!

 その前に言う事があったよ。もっと大事な事。

 

「ねぇ、そこの神様?」

「なんだい?妖怪『詩菜』よ?」

 

 ありゃ、名前がここまで伝わってるのか。

 参ったな……まぁ、いいか。

 

 さっき突き飛ばした老夫婦は既に気絶しているから、丁度良い。

 

「妖怪の私を神様が退治しようとするのは分かります。けどその傍に居ただけの人間を巻き込むのは、神様としてよろしいんですか?しかも自分を信仰してくれている人間を」

「……噂はどうやら本当みたいだね」

 

 噂。って……。

 …知らん、もう知らん(ヤケクソ)!!

 

 

 

「…だね。それに関しては此方のやり方に問題があった、すまない」

「……それは私じゃなく、彼等に謝ったらどうです」

「フフッ、そうだね。後で謝っておくよ」

 

 ……神様って意外と普通に謝るんだね…。

 もっと人間とか、なめてると思ってたよ。

 

「……けど、その前に…神が治める地にウロウロ入ってきた妖怪。それを逃すのは神様としてもねえ……駄目なんだよ!!」

「ッと!!」

 

 色とりどりの弾幕を私に向けて放ってきた。

 神の力だから…単に『神力』か?神力で構成されたらしき弾幕は、どれもこれもがかなりの威力を持っているのが分かる。所謂『必殺』って奴かね?

 ふむ……。

 

 弾幕をこの眼で始めて見たよ。怖っ!!

 なんかもう眼に優しくない!!痛い!眼がチカチカする!

 こんな泣き言を言っても弾幕は途絶えない訳であって、ね……くそぅ、泣きたくなってきたじゃないか…。

 

「ほらほら!どうしたんだい!?アンタの力はこんなもんかい!?」

「高評価どうもッ!っと!!」

 

 弾幕なんて撃った事無いし!?

 被弾しないように自分の位置を考えながら、相手にどう被弾させるかなんて、そこまで考えられる方がおかしいって!!

 

 何故か微妙に攻撃の手が緩くなったので、とりあえず天魔の(真似っこ)弾幕。

 鎌鼬の爪を伸ばして空に単に振る。その際の衝撃波を刃にして増幅、射出!!

 

「せいやっ!」

「おおっと!?」

 

 避けられた。けれど刃の端にでも引っ掛かったのか服が裂けた。

 ……まぁ、悪く言えば、それだけである。まる。

 

「…面白い技を使うじゃないかい」

「ハハハ……それはどうもっ!!」

 

 親方ぁ!!空からでっかいオンバシラが何十本も!?

 いやいやいやいや!?無理でしょ!?

 

「押し潰されな!!」

「だが断る!!」

 

 ジョジョってる場合じゃない!!

 考えろ。動きながら考えろ。どうすれば良い?

 

 降ってきたオンバシラは神力が通っている。地面に落ちた後なら弱くなって触れない事もない筈。

 …手が大火傷するだろうけど、そんな暢気な事も言ってられないし……。

 私は一応天狗から貰った普通の下駄を履いているから…まぁ、直に触れてる訳じゃないから足場にも出来る筈。

 あのオンバシラは多分鎌鼬の爪では斬れない。斬ろうとした瞬間に神力が伝わってきてアウトだろう。

 老夫婦が気絶している所からは既に離れたし、いつの間にか辺りに人がいない拓けた場所まで移動しちゃってる。つまり人目は気にしなくて良い。

 そして私は弾幕が撃てない!

 

 

 

 さて、これらの条件を考えて……。

 …考えて…。

 

 ……考えてって云うか……無理じゃね?

 そもそも攻撃の弾幕モドキすら集中しないと出せない辺りが終わってると言える。

 

 

 

 あ~……チクショウ…負ける、いや、死ぬのかぁ…。

 ……なら、死ぬまで藻掻いて足掻いて、抗おうじゃないの。

 

 オンバシラを登る。垂直にそびえ立つ柱を能力を使って駆け登る。

 天まで届こうとしているかのようなオンバシラも、必ず終わりがある。筈!!

 その間も弾幕は絶えず私を狙って降り注いでいる。

 けれど足場なら充分にある。そこら中に突き刺さったオンバシラがね。

 これだけオンバシラが密集してくれれば、私だって反撃の糸口ぐらいは掴める。掴んでみせる!

 

 

 

「ちょこまかと逃げるんじゃないよ!」

「んな無茶な……っと!」

 

 衝撃を使って登っているんだから、速度的にはかなりのモノの筈なんだけど、普通に追い付かれている……。

 ……流石は神様。ってか。

 

 そのまま縦横無尽に跳びまくり、ようやく到着。

 結局、オンバシラの頂上は雲の上にまで来ていた。ありえん。

 大事な事なので二回言うけど……ありえん。普通ここまで来る?

 

「ここでやろうってのかい?」

「……」

 

 八坂神奈子も飛んできた。

 良いねぇ。人の形で飛べるの……。

 

 

 

 神風特攻隊の前に、最終確認及び交渉だ。

 

「……私じゃ貴女に何をどうやっても勝てませんよ」

「…本っ当に、妖怪らしくないねえ」

「良く言われます…で、ですね?要は妖怪が入ってきてそれを退治しなかった。というのが貴女方の問題点なのでしょう?」

「…まあ、そうだね。こうやって民を護るのが私等の仕事だしね……なんだい?人は襲わないから助けてくれ、ってかい?」

「……まぁ、端的に言えばそうです」

「…ふうん?アンタはなかなか面白そうだから、私としてもそれなりに興味があるんだけど……」

 

 おっとぉ?

 意外なところで恋愛フラグですかぃ?

 

「悪いね、神としてその願いは叶えられない」

「ハハ……まぁ、信仰している民どころか、その民を襲う妖怪ですしねぇ。私は」

「…そういう事なんだけど、言われると調子が狂うねえ……アンタ、本当に妖怪かい?人間臭すぎるよ?」

「私は妖怪『鎌鼬』ですよ」

 

 ……情報屋でもないからね?

 …なんでこんな時にイザヤ君を思い出すかな……。

 

「へえ…『鎌鼬』ねえ。さっきの刃がそうなのかい?」

「…まぁ、そうですね。こう爪を伸ばして」

「じゃあその爪でオンバシラを斬ったり出来るのかい?」

「……いやぁ、それは流石に教えませんよ」

 

 …今、明らかに和やかムードだったよね……?

 この人本当に神様か?

 

「…そうだね。それもそうか」

 

 ……今の一言で、私から彼女の印象は『立派な神様』から大分遠ざかってしまった。

 もう神奈子で呼び捨てでも良くない?良いよね?許可は取らないけどさ。

 

 

 

 まぁ、お喋りはここまでにしておいて。

 この戦いも終わらすとしよう。

 

 向こうも、何だかやる気みたいだし。

 

「アンタはさっき私に勝てないと言った。なのにまだ戦おうとしている」

「……起死回生の一手、というものですよ。これが巧く行けば逃がさせて貰いますよ?」

「…ふふ。ならその一手を見せてみな!撃ち破ってみせるよ!!」

 

 一斉に頭上から落ちてくる数々のオンバシラ。それと同時に神奈子の手から放たれる綺麗な弾幕。

 私が狙っていたのはその落ちてくる『オンバシラ』である。

 オンバシラは私の爪では斬れないが、元々の材質は『木材』の筈。

 木材なら集中して出した衝撃刃で『加工』が出来る。

 

 オンバシラを駆け登っている最中に、私もただ登って避けているだけでなく、反撃もちゃんとしていた。

 その中で、数撃ちゃ当たる戦法でやたら滅多に放った衝撃波を彼女が引き寄せたオンバシラで防御していた。

 防御として使ったオンバシラは、神様が直に触れていたおかげで神力がみなぎっていたにも関わらず、柱の中ほどまで深い切れ込みが入っていた。

 彼女もそれにはかなり驚いたようで、それからは私の攻撃を防御する事なく、全て避け切っている。防御貫通なんてされたくないんだろう、多分。

 

 そこを、オンバシラを加工して、突く。

 幸い、さっきの和やかムードの途中に術式は完成出来たし……ね!

 

「行けっ!!『ガルーラ』!」

 

 …パクったよ。ええパクりましたよ!!

 

 閑話休題。 (に、しておこう)

 

 私が出せる最高の衝撃属性魔法がガルーラである。

 ガルーラに直撃したオンバシラは私の想像した通りに木材を加工。見事なバットに早変わりしてくれた。思惑はあっさりと成功したのである。

 ジャンプして弾幕を避け、落ちてくるオンバシラを足場にして、未だに神力が残っているバットを持つ。

 手のひらから肉の焼ける音がして、とんでもない痛みが私を襲っているけども、それは今、どうでもいい。

 

 まずは一番近くにあったオンバシラ…!!

 

「いっけえぇー!!」

 

 ホームランバット。

 スマッシュ攻撃によって相手をかなり吹っ飛ばす。カキーン!となると気分が良くなる。されると腹立つ。すっごい腹立つ。

 

 …単なるバットで私が衝撃を操っているからこうなってるだけだけどね。

 

 次々と私に向かって飛んでくる弾幕、オンバシラ、障害物等を全て打ち返していく。

 オラオラオラ!!弾幕も吹っ飛ばしてやるぜぇ!!

 メジャーリーガーなんてなんぼのもんじゃー!!

 

 

 

 数百とあった弾幕やオンバシラも全て吹っ飛ばし、これが最後のオンバシラ。

 目標の神奈子は唖然とした顔でこちらを見ている。フッフッフッ!

 標的、神奈子!!

 衝撃全反射のオンバシラを喰らい 「ボキッ!」 ……ボキッ?

 

 ……えっ?

 

 バットを見る為に、恐る恐る後ろを振り返ってバットを見てみれば途中で真っ二つに折れている。

 そしてその手前に視線を動かしてみれば、手のひらは妖力によって完治している。何の跡もない。あれほど神力の影響で焼け爛れるのが半永続的に続いていたのに・

 

 フム……恐らく溜めてあった神力が無くなって、それに相対して耐久度も無くなってんだろう。

 神力も無くなったから手のひらも焼けていない、と。

 なるほど。

 

 

 

 ……あ~、ぶつけたオンバシラとかは衝撃で吹っ飛ばしたけど、こっちは衝撃無効にしてなかったっけ……。

 バット自体に掛かる衝撃を無効化してないと、そりゃ簡単に折れちゃうだろう。

 車を木製バットで打ち返そうとしているようなものだ。そりゃ無理だ。

 

「ありゃ~…やっぱ死んじゃうのかぁ…」

 

 ピタリと脳天に止まったオンバシラ、落ちてくる衝撃は防いだけれどオンバシラから放出している神力によって頭が痺れ、意識が暗転していく。

 神様にやられた妖怪はここで息絶えるって訳だ。

 

 ……私の転生人生も…ここで終了か…。

 

 …総合で……結局40年しか生きて、ないから…まぁ、普通の人生…と変わらない、のか……な…?

 ……ハハ……ハ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……なんだい、ありゃ?

 

 私の目の前には、オンバシラや私が放った弾幕を次々と打ち返している詩菜がいる。

 オンバシラを鎌か何かで加工して筒状の木材を造り、その棒で攻撃を全て打ち返している。

 

 私はその光景に唖然としてしまい、攻撃を止めてしまった。

 少なくともこの光景に驚きはしても攻撃を止め、ましてや移動もしないというのは戦闘中ではありえない行為なのに。

 何が軍神だか……と、心の何処かで呆れているのが分かる。

 でも、行動出来ない。動けない。それほどまでに自分は驚いてしまっている。

 

 

 

 最後のオンバシラ。他の弾幕等は全て吹っ飛ばされている。

 私が呆然としている隙を狙ったのだろう。明らかに此方に向けて打とうとしていた。

 少なくとも、私はオンバシラが自分に直撃したとしても、そんな簡単に死にはしない。

 

 だが……如何せん距離が近いし、打ち返した後の速度もかなりの速さになっているから……まぁ、重傷にはなるだろうね。

 

 ありゃ~…流石の起死回生の一手だ。負けたね。

 詩菜の実力は本当だったって訳かい…。

 

 

 

 …そんな諦めに似たような気持ちで、詩菜がオンバシラを打とうとしているのを見ていた。

 それは、

 

 ボキッ!

 

「「…えっ?」」

 

 詩菜が持っていた棒が折れた事によって終わった。

 それはもう、見事に真っ二つに。

 

 ああなってしまうと、もうオンバシラは打てないだろう。もう武器としては永久に使えないであろう。酷い有様。

 打とうとしたオンバシラはもう詩菜の頭上に迫っている。

 

 

 

 呆気に取られて、それを見ている私。

 そして……本当に諦観していたのは、向こうの方だった。

 

「ありゃ~…やっぱ死んじゃうのかぁ…」

 

 それなりの速度で落ちてきたオンバシラは詩菜の頭の上に落ち、そこで止まった。

 潰されずにその場で静止したのだ。家屋などの近くに落ちただけで風圧で吹き飛んでしまう程の、重さと速度で狙ったのだから。

 私は、彼女が妖力か何かでオンバシラを止めたのだと思った。

 そして……この妖怪はどれだけの力を持っているのか、とも思った。

 これほどの妖怪が本当に人々の敵として、妖怪として活動すれば私達は人を護る存在として、それを止められるのだろうか?

 ……いや、止めなければいけないのだ。私達が。

 こいつが本当に人間の立場にも立っていて良かったよ、本当に…。

 

 

 

 いや、それにしても何故アイツは動かない?

 …神力が出ているオンバシラをそんな長時間頭に載せているのは何故だ?

 

「…おい……詩菜?」

「多分気絶してるよ?ソイツ」

 

 声に反応して後ろに振り向くと、いつの間にか来ていた諏訪子が違うオンバシラに座っていた。

 

「…なんだ、諏訪子かい……って、え?気絶?」

「うん。意識が感じられないし」

 

 近付いて頭のオンバシラを消して、詩菜の頭からどかしてみるとバッタリと倒れた。息も普通にしている。外傷で酷いものは無いみたいだ。ほとんど避けられていたしな。

 

 ……しっかし…なんて人騒がせな奴。

 

「…さて、帰ろっか。世話は神奈子がしなよ~」

「はい?え?いや、なんで!?」

「ん?気に入ったんじゃないの?さっき見てた時、にやけてたけど」

「ッ!?」

「まぁ私は気にしないからね~?」

「うううるさいっ!!」

 

 

 

 …まったくなんでこうなったんだか……。

 

 

 

 


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