一位アカリ(オリキャラ)←new!
二位ネギ
三位アスナ
完璧に全員ウェスペルタティア王家な件について。
全く、オスティアは地獄だぜ!(゜д゜)
─────スプリングフィールド。
魔法世界に於いてこの名の影響力は計り知れない。
大戦の英雄、世界を滅ぼそうとした悪の組織『
だが真実を知るものならば、エヴァンジェリンやアスナ達の前でその名を名乗った少女と、此処には居ない彼女の兄にとっては、もう一つの意味合いを持つ事が理解できる。
大戦の裏で起こった罪全てを押し付けられ処刑されそうになり、ナギ・スプリングフィールドが救い結ばれた災厄の魔女。
ウェスペルタティア王国最期の女王、アリカ・アナルキア・エンテオフュシア。
つまりアカリ・スプリングフィールドを名乗った少女と彼女の兄ネギ・スプリングフィールドは、大戦の英雄を父親に持つと同時に、魔法世界にとってタブーである歴史的大罪人を母に持つということ。
さて、問題点を提示しよう。
先ずは父親であるナギ・スプリングフィールドの子供である事の問題点。
成る程、英雄の子であるというのは多くのメリットが存在する。
生まれながらの才能に、周囲からも特別視されチヤホヤされるだろう。
英雄である父親のコネも大きい。
だが問題は、彼が大戦の英雄だということ。
大戦の英雄ということは、人を殺して自国民─────正確には自国民ではないが、味方した国から英雄と呼ばれたということだ。
確かに世界を救った英雄という側面も持っているからか、敵対国である帝国にすら彼等は人気だが、しかし間違いなく彼に殺された側の人間が存在する。
特にナギ・スプリングフィールドは極大呪文を多用する。
同じく紅き翼のジャック・ラカンとの戦いは地形を大きく変える程の物となる程だ。
つまり魔法を連発するだけで数百数千の死傷者が発生する。
それを考えると、帝国側の人気はまさしく異常とも呼べるだろう。
死傷者が存在するということは、遺族が存在するということだ。
旧世界─────地球での代表例は、日本の呪術師達がそうだ。
紅き翼が現れる以前のメセンブリーナ連合は、当時帝国に押されていた。
紅き翼が存在しなければメセンブリーナ連合の敗北という形で戦争が終わっていたかもしれない。
それに対し兵を増員する為に行った彼等の政策は、旧世界の人間を徴兵という名の拉致で無理矢理戦場に送り出すというモノだった。
その徴兵で帰ってきた者は非常に少ない。
ナギ・スプリングフィールドの問題とされるのは、犠牲者の中に彼の魔法に巻き込まれた者も多い、という点である。
何せ当時の若きナギ・スプリングフィールド、彼は魔法の技術面では魔法学校中退に恥じない拙さだった。
それにも拘らず才能とセンス、膨大な魔力量だけで彼は大戦の英雄となったのは極めて驚異的だろう。
だが、本来極めて精密な術式が必要な極大呪文を、当時の彼は魔力でのゴリ押しで発動させていた。
しかもだめ押しにアンチョコ混じりと来ている。
つまりは、呪文の効果範囲の制御など出来る訳が無かった。
つまりは誤射である。
某国に「一発だけなら誤射だ」という言葉があるが、巻き込まれた者からすれば堪ったものではない。
死者が絡むとすれば尚の事である。
それこそ日本の、魔法使い達の
更に追加すると、政治的な思惑に巻き込まれやすいという点もある。
英雄の息子というネームバリューは計り知れない。
追加でその才能を受け継いでいるとすれば、その手の政治家や権力者─────メガロメセンブリア元老院にとって
如何様にも利用出来る。
実際に英雄が必要になるほどの問題が存在する以上、利己的な目的が無い者もかつて世界を救った英雄の子に期待せざるを得ない。
だが、英雄と讃えられる父親だけでこれだけの問題を挙げられる。
では、大罪人とされる母親の問題はどうだろうか。
先ず、彼女アリカの罪は着せられた冤罪であり、公式では処刑されたということ。
そして罪を着せた者達は本国、メセンブリーナ連合の
仮に真実が処刑される直前に英雄に助けられ、約十年間生きていたとしても、彼女は元老院にとってとうの昔に死んでいる筈の人間だ。
そんな彼女に、明らかに処刑後に産んだ子供が存在する。
しかも自分達が掲げた英雄が助け、結ばれた証拠そのものが。
その血縁は医学的にも魔術的にも、調べれば容易く証明されるだろう。
大戦の英雄が大戦の大罪人の冤罪を主張しているのだ。
翻ってそれ即ち、彼女を悪だと断じて嵌めた元老院にとって、存在するだけで自分達の罪の証明に他ならない。
どんな手段を以てしても、必ず消さなければならないだろう。
特に、母親の外見を色濃く受け継いでいるのであれば尚の事─────
第十五話 死亡フラグ発生率第一位の実力
「─────………成る程な」
アカリ・スプリングフィールドと名乗った少女の事情を掌握してはいないが、把握したエヴァンジェリンは、感慨深く口を開いた。
「コイツはメガロメセンブリアの元老院に狙われて、だから私達に保護しろと。つまりそういうことかタカミチ?」
「エヴァ達なら、彼女を受け入れてくれると思ってね」
そう口にするタカミチにも、一筋の汗が額に浮かんでいる。
下手をしなくても、国一つ敵に回すレベルの問題以外何者でもない案件を持ち込んで、能天気に「頼むわ!」とは言えない。
だが、ここでタカミチは引く訳にはいかない。
恩人であり憧れの人物の忘れ形見の安全を護れるのは、此処しか無いという考えだからだ。
「成る程成る程、確かに私ならば災厄の魔女の悪名も霞むだろうなぁ」
こと魔法世界の悪名という点に於いて、エヴァンジェリンの右に出るものは居ない。
彼女は紛れもなく伝説であり、魔法世界のナマハゲである。
たかが戦争犯罪者の小娘など、歴代最高額の賞金首に比べればどうということはない。
メガロメセンブリアは元より彼女の敵だ。
正義を語るには悪が必要であり、そんな彼女を悪へと仕立てあげたのだから。
「だが、逆に言えば私がソイツを預かる必要も無いが?」
「エヴァ!?」
エヴァンジェリンの答えに、アスナが戸惑いの声を上げる。
彼女にとってアカリは、恩人の娘であり自身の子孫だ。
利用され、または狙われる彼女の出自に共感しなかったと言えば嘘になるし、同情もした。
見捨てることなど出来はしない。
だが、同じくこの場にいる刹那は、目を閉じて決して話に口を出さなかった。
「何だ、意外だなアスナ。もうそんな口を利けるほど強くなったつもりか?」
「ッ……!」
だが、立場としてアスナは護られる側の人間。
自分すら満足に護れないのに、誰かを抱え込む余裕などありはしないのだから。
エヴァンジェリンはアカリを抱え込む事は出来るが、抱え込んでもメリットはほぼ無い。
寧ろデメリットしか存在しないと言えるだろう。
何より身内に優しく、その反面怒り狂えば容易く世界を滅ぼしかねない少年がこの娘を抱え込めば、世界の終わる確率が跳ね上がる。
最近急激に甲斐性が付いた、普段は寛容な少年だ。
アカリの境遇を哀れんで「一人増えても変わんないでしょ」とか言って彼女を受け入れるだろう。
だが、それは足手纏いの増加を示している。
エヴァンジェリンには、あの愛しい弟の負担が増える選択をするのなど御免被りたいのだ。
「─────そんな事はどうでも良いんですよ、
「アカリ君……」
その問答を切って捨てる様に、アカリが口を開いた。
「ほぅ? 自分の事はどうでもいいと。なら貴様は何故此処に居る」
「……私の故郷は一年前に、魔族の襲撃を受け壊滅しました」
ウェールズの山奥の里。
ナギ・スプリングフィールドの故郷でもあるソコは、魔族の襲撃を受け壊滅している。
生き残ったのは、スプリングフィールド兄妹と従姉のネカネ・スプリングフィールドだけ。
「その際、私と愚兄を除く村の全ての住民と従姉の足の一部に、永久石化を受け─────」
「!」
「……成る程つまり」
得心がいったとばかりに溜め息をエヴァンジェリンが吐く。
つまり、アカリがエヴァンジェリンという悪名高い、しかし確実に最強クラスの魔法使いに会いに来た理由は一つ。
「彼等の永久石化の解呪をお願いします。その為なら、私がどうなっても構いません……ッ!」
ソレまで無愛想で無表情だったアカリの表情が歪み、机に頭を付けるほど頭を下げた。
異常なまでに年不相応なほど早熟とはいえ、今の彼女が出来る限りの懇願だった。
─────魔族の襲撃で村が壊滅してからの一年間、彼女は地獄に居た。
彼女は
つまり、落ちこぼれと呼ばれる立場の人間に。
云わば英雄の子にあるまじき不才。
加えて大罪人の母と酷似した容姿。
魔族の被害者と哀れみを受けるなら兎も角、災厄の魔女の生まれ変わりと蔑まれ、果てに彼女が魔族襲撃の犯人だと宣う者すら居た。
それほどまでに、彼女は母と似ていた。
ソレに対して彼女の兄ネギはどうだ。
容姿は英雄の父に酷似し、その才能は魔法学校入学前というのに片鱗を出し始めている。
災厄の魔女と酷似した落ちこぼれの妹と、英雄と酷似した才能がある兄。
周囲の人間がネギだけを持て囃すのは必然だった。
嫉妬は無かった。
元より
そんなアカリが自然とネギとは違う家で一人で生活するようになったのは、周囲の人間が鬱陶しかったというのが理由だった。
尤も、魔法使いが自身を殺しに来始めて別居したのが正解だと再認識したが。
元老院の刺客ではなかった。
いつの間にか流れていた『災厄の魔女の生まれ変わり』という噂を真に受けた、本国出身の純正培養の正義に憧れる無知な者達であった。
ウェールズには魔法世界への
そういう魔法を絶対視する未熟な者達が、幼い正義感で襲ってきたのだ。
彼等が全て悪いとは、アカリは言わない。
だがその時こそ、魔法使いという存在が彼女の中で敵であるという認識で固まった瞬間でもあった。
幸い彼女にはそれらを退ける力はあった。
あの襲撃の夜に現れた悪魔が、彼女の
魔族襲撃から一年。タカミチが従姉で数少ない彼女の味方のネカネと、祖父の魔法学校校長と共にやって来た時、アカリは襲ってきた魔法使いの死体を処分している所だった。
タカミチはその状況を見て愕然とした。
尤も、襲撃のことはネカネ達も知らなかったようだが、タカミチはその瞬間走馬灯の様にかつての仲間へ言った自分の言葉を思い出していた。
『─────いいじゃんか、今日のとこはさ。ハッピーエンドってコトで』
一体これの、何処が。
この世界は、物語のようにハッピーエンドを迎えようとも終わらないのは解っていた。
だからこそ、あれから自分が今まで動いてきたのは、何より『コレ』を作り出さない為ではなかったか。
だが結局は、年端もいかないこんな小さな少女に、全てのし掛かっているではないか─────と。
アカリは魔法学校には入学しない。
呪文詠唱が出来ないのだから、行く意味は殆ど無いだろう。
だからタカミチは麻帆良へと彼女を連れてきた。
アカリ自身、タカミチが自分と同じ呪文詠唱が出来ず魔法使いでは無い者ということやネカネ達が連れてきた人物でもあるということが、彼女が麻帆良まで足を運ぶ要因ではあった。
だが何より保護して貰うよう頼む人物が、世界で最も恐れられた伝説の魔法使いとは思いもしなかった。
彼女ならば、永久石化をも解くことが出来るかもしれない。
それが叶うなら、魂を対価にしても構わなかった。
全ては、偏に石化し今尚苦しんでいる故郷の人達のために。
「私には永久石化は解けん」
「─────」
だがアカリへのエヴァンジェリンの返答は、解呪不可能という現実だった。
「えー。エヴァ解けないの? 恥ずかしい二つ名いっぱい持ってて、子供みたいに自慢してるのに」
「喧しい! そんなものが解けるなら真っ先にナギの掛けた呪いを解いているわッ!!」
そう。確かにエヴァンジェリンは解呪について一通り調べたことがあり、資料や情報を図書館島から片っ端から掻っ払ったことがある。
そんなエヴァンジェリンだからこそ、永久石化という魔法の重さを理解できる。
「あの呪文が使えるということは、相応の階位の魔族だったのだろう。アレが使えるのは最低でも準神獣クラス以上だからな」
人間にとって永久に解けない、禁じられたギリシャ神話の怪物が起源の石化の呪い。
だからこそ付けられた名が『
人類が未だ解呪不可能な呪いの一つである。
「永久石化は人間では解呪不可能の魔法の一つだ。それを都合良く解ける奴など、それこそ神か──────────」
そう言いかけて、ピタリ、とエヴァンジェリンとアスナが止まった。
つい最近、というか数年以内にそれぞれの解呪困難、または不可能に近い呪いや封印を掛けられていたエヴァンジェリン。
そんな彼女は、一体誰にソレを解いてもらった?
二人がその思考に至ったと同時に、玄関の扉が開かれる。
では再び問う。
そんな、人間では解呪不可能な魔法を解ける存在が都合良く現れるだろうか?
「うーい。オイちゃんが帰ったよぉーい………ッて、ナニこの状況」
例え神の呪いだろうと魔法だろうと、問答無用で焼き尽くす
疲れて帰ってきたサラリーマンのような
◆◆◆
「へむへむ。成る程ある意味テンプレ乙と述べたいが、ソレをリアルに遣られると反応に困るな」
「忍タマ乱太郎?」
そうそう懐かしいなぁマジで。しんべえの眼球がどうなってるか医学的に解剖したくなったんだよなぁ─────じゃなくて。
「確かに、俺の権能使えば神でもない神獣紛いの魔族程度の魔法、簡単に燃やせるだろうなぁ」
「ほ、本当ですか!?」
「嘘ついてどーすんのよ」
掌からアグニの浄火を灯し、花火のように演出する。
ソレが何れだけの意味を持つか、嬢ちゃんが理解しているかは解らないが、ただその炎に目を奪われている事は確かだ。
アグニの浄火は、呪いを解くのではなく術式そのものを燃やし尽くす。
云わば複雑なパスワードが必要なドアを建物ごと爆破解体するのと同じ。
術式の難解さは関係がない。
「まぁ……しかし、今すぐってのは、ちとややこしい事態になるんじゃねぇの?」
「どういうこと、皐月?」
「俺の存在が元老院の連中にバレる」
魔族襲撃は一部の元老院の行動だ。
ならば元老院全体もその事態を把握している筈。
ならば本来解呪不可能な永久石化を解呪した存在が居れば、確実に注目するだろう。
「そうなればエヴァ姉の事も、アスナの事も嬢ちゃんのことも芋蔓式で連中に知られかねない。それは面倒だ」
「なるほど……
タカミチさんの言に、俺は同意するように頷く。
蹴散らすのは極めて簡単だが、魔法先生には一般授業という仕事もあるのだ。灰にして解決、という訳にはいかない。
アカリ嬢は、希望が奪われたような絶望の表情で俺を見る。
「では……、一体どうしたら……」
「だからバレない様に準備しないとなぁ」
ポカン、と間抜けな顔を晒している幼女に、思わず苦笑いが漏れる。
アレだけの人間が一気に現れたら土地や食べ物とかで絶対にバレるのだから、そんな馬鹿正直に解く訳がないが、解かないとは言っていないだろうに。
「まぁ俺が高校に進級するまで待ってくれや。それまでには元老院潰すし」
「…………はッ?」
原作が終わればあんな面倒な組織、潰せばエエやん。真っ正面からケンカ売って首都に絨毯爆撃でもして制圧すれば主導権は此方のモンだ。
エヴァ姉とアスナの敵を生かしておく理由も無ぇし。
ていうか仮に原作通りに事が運ぶとして、そしたら別に卒業を待つ必要も無い。
学園祭が終われば潰しに行けばイイ。
幸い足はヴィマーナで事足りる。
「……いや、皐月君。そうポロっと言わないでくれないかな? その発言、立場上僕が聞いちゃいけないヤツだよ?」
「いや、簡単でしょう。連中の弱味と証拠はこっちにありますし。ナギ・スプリングフィールドとアリカ王女の馴れ初めとか救出劇とか映像にしたヤツを魔法世界に配布しまくればイケんじゃないスかね」
「確かに、ジャックがそんなの作ってそう」
アスナが言っているように、原作で実際に某英雄筋肉達磨が映画を作っている。
ソレをマホネットやら情報機関やらに流しまくればイイ。
下手をすればソレだけで暴動が起きかねない。
それは原作の本国魔法使いの代表である脱げ公や、帝国一般人代表の帝国獣娘部隊の反応が証明しているしな。
そして今、俺が小学三年生だから、
「後、六年……」
「まぁその間精々爪を研いでおくんだな」
俺達が預かってエヴァ姉の別荘使っても良し。
変態司書のトコで変態授業受けるのも良し、学園長に教えを説いて貰うのもイイだろう。
更に言えば、少々危険だがジャック・ラカンのトコでもアリっちゃアリだ。
手段は幾らでも有る。
「……ただ、一つだけ聞いてイイか?」
「はッ、何なりと申し付けください」
「……ま、まぁその口調は後で問い質すとして」
皆さん気になっていただろうから、代表して俺が聞こう。
─────君、
─────五歳です。
いや、ねェよソレ。
あけましたおめでとうございます(*´ω`*)
というわけでアカリ説明会そのⅠ。
今まで呼んだアンチ作品系テンプレ主人公要素を詰め込んだキャラクターがアカリですね。
つまりアンチ二次にはありがちです。
というか、アンチタグは彼女の存在故です。原作初期のネギ君の失態は彼女がビシバシ突っ込んで言って貰えれば(まぁ原作の流れを遵守するとは言ってませんが)
だからと云って、彼女の言葉が正しいとは限りませんのでご注意ください。
アカリの精神年齢と肉体の齟齬については次回に。
次辺りにキーワードというか、終盤に不可欠なアイテムを取りに居ればなぁ。もしくは行こうとするまでは行きたいですね。
ちなみにアカリの外見イメージは『魔弾の王と戦姫』のリムアリーシャ。
理由は彼女のアニメのキャラデザがアリカとクリソツだったからです。初めビックリしました。
つまり別荘ラッシュ確定。そしてロリ一掃も近い……!!
修正点は随時修正します。
感想待ってます!(*´∀`)