魔王生徒カンピオーネ!~汚物は消毒だァー!~   作:たけのこの里派
<< 前の話 次の話 >>

36 / 37
第三十四話 魔法先生ネギま! 終了のお知らせ

 

 

 

 今回の語り部である私、明石裕奈は転生者である。

 それを自覚したのはおおよそ三歳ほどで、明確な自我と記憶を認識し行動を始めた歳である。

 明石家は共働きで日中は家をほとんど空けるが、母は兎も角父は確実に家に帰ってくる。

 尤も、後で知ったが教授だからか家でパソコンに睨めっこしていて、こう言っては何だが家事がまるで出来ない。

 そんな父の世話をするのが母なのだが、その母が突然とんでもないことを言い出したのが転機の一つだった。

 

『裕奈、魔法って興味ない?』

 

 四歳のころ、静かに119番通報で都市伝説の黄色い救急車を呼ぼうとして大慌てした両親に欠片も笑えなかったのはいい思い出である。

 そこで漸く、私は世界の名前と創造神の名前を知るのであった。

 

【魔法先生ネギま!】。

 昔深夜に偶然つけたテレビで放送していた事が切掛けで読み始めた、おふざけ魔法ラブコメコミック。

 しかしアニメ一期の中盤以降、単行本では3巻からおふざけを成立させるための魔法が本格的にバトル展開に発展していく。

 そして本格的に戦闘パートが続き20巻を超えるころにインフレが加速して行った記憶があった。

 そんないわゆる原作知識は、実際にまほネットを通じて補完していき、両親や自分が原作の登場キャラクターだと認識した。

 

 最初は茫然とした。

 別に某竜玉物語みたいに気が付いた時には地球が消し飛んで蘇生待ちとか、某巨人物語みたいにある日裸の巨人に居住区を壊され捕食の恐怖に怯えるような物語じゃない。

 所謂裏の世界こそあれど、貴重な人間を見付ければホルマリン漬けにしようとすることが常套な人でなしが闊歩したりしていないので、それに比べれば遥かにマシなのけど。

 それでも、自分が物語に組み込まれているような錯覚にさえ陥った時もあった。

 ファンタジーが存在することへの高揚と、まるで操り人形になってしまったような虚脱感。

 しかし原作のとある出来事を思い出した時、そんな錯覚は一瞬で消し飛んだ。

 

 母が、仕事の最中に殉職するという出来事である。

 

 その時既に私は両親を愛していたのだと思う。

 それに、精神が肉体に引っ張られたこともあったのかもしれない。

 恥ずかしながら、私は色々と喚き散らしながら、涙ながらに母親へ縋り付いた。

 母が本国―――――魔法世界の人間の国(メガロメセンブリア)所属の捜査官であり、主人公の父親であり英雄ナギ・スプリングフィールドの失踪と同年に、任務で死亡する。

 そんな事実をどう説明したのか、結果として私は予知夢を行ったと両親に認識されたのだ。

 

 後から聞くと、私が絶対に知らないことを口走っていたみたいで、母も私の錯乱っぷりからトランス状態だと判断したのか、知識の出所を聞きに来ることは無かった。ラッキーというかなんというか。

 兎にも角にも、そんな予知夢からとはいえ家族の死に、そのまま何もしないという選択肢は父には無かった。

 責任感と職務意識の高い母をどう父が説得したのか、あるいは私の泣き落としが功を奏したのか、前線とも表現できる部署から転属し、安全な課に移ることで死の運命を乗り切ったのだ。

 原作改変が可能、という事実は修正力やらお約束が絶対ではないことを証明してくれたのだと歓喜した(実際は運命力自体は極めて強力なものとして存在していたのだが)。

 母の生存は、母との間に結んだ仮契約(パクティオー)カードが証明している。

 

 私がそこまで重要なキャラクターではなかったのも、私が小学生卒業まで気楽にできた。

 つまらない小学生の座学に飽き飽きしていた私は、ひたすら魔法に熱中した。

 基本反復運動、加えて先生役が元前線捜査官の母。厳しく悲鳴を上げながら母の魔法弾から逃げ惑うこともよくあったが、それでも日々の成長がゲームのレベル上げやスキルの修得度の向上のような快感があった。

 

 あるいは、物語の登場人物たちと物語とはまた違った形で肩を並べられるのだと。

 原作との差異こそが、自己の証明なのだと。

 

 麻帆良学園中等部に入学し、原作最重要キャラが原作当時の様子が欠片も無くなっていることを知るまでは――――――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第三十四話 魔法先生ネギま! 終了のお知らせ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 原作重要キャラでも最重要なのは、私見ではあるが主人公ネギ・スプリングフィールドの最初のパートナー、出席番号8番神楽坂明日菜だろう。

 原作知識が曖昧でどんな物語の完結をしたか覚えていないのだが、彼女は魔法に対する天敵で世界に五人しか確認されていない『完全魔法無効化能力者(マジックキャンセラー)』であり、魔法世界最古の王国であるウェスペリタティア王国のお姫様だった筈である。

 そんな物語の根幹と言える記憶を封印されている影響か物覚えが悪くバカレンジャーなどと揶揄される成績底辺者になってしまうが、記憶封印前とはまるで別人のような明るい性格で主人公をここぞという時に引っ張っていく、物語面だけでなく主人公にとっても重要なヒロインだ。

 

 そんな『愛すべきバカ』と表現できる彼女は原作の天真爛漫さを何処へ投げ捨てたのか、無表情の様な無気力なジト目で、成績もバカレンジャーとは逆立ちしても言えない好成績を叩き出し、しかし『バカ』というより『頭おかしいんじゃねーか』という有様。

 この時彼女の記憶処理が機能していないのでは? という予感は的中していたのだろう。

 長距離走の授業では所謂『ドゥエ』と呼ぶだろう動きで先頭を滑走していた時、思わずすっころんだのは私と千雨ちゃんである。

 

 他には出席番号1()2()番の近衛木乃香と、出席番号1()4()番の桜咲刹那の二人だろうか。

 本来原作では二人は幼少の頃の事故が切っ掛けで桜咲さんの方が罪悪感により木乃香から離れ、結果仲違いとも言える関係となっていた。

 そんな二人に魔法関係の事件が二人の仲を回復させていくのだが、そんな二人は中等部一年の状態から仲が良かったのだ。

 それどころか、キチガイ染みた発言から木乃香の方は明日菜と並び『2-Aのやべー奴ら』として扱われている。

 そんな木乃香の言動にポンポンを痛めながら諫め、時にその時は知らなかった人物の名前に助けを呼んでいるのが桜咲さんである。

 木乃香は寧ろそんな彼女が見たいから、態々そんな言動を繰り返している印象さえある。

 それでも普段は仲の良い幼馴染といった風に付き合っているのだから人間関係は不思議である。

 

 そして致命的な変化。

 原作最強クラスにて主人公の最初の敵にして魔法の師となるキャラクター。

 不老不死にて吸血鬼の真祖。魔法世界史上最高賞金額の伝説的魔王。

 原作開始十五年前に英雄ナギに倒され、『登校地獄の呪い』なる魔法をアンチョコ混じりに掛けられ、術式がぶっ壊れていたことも加わり結果強制的に何度も中学生であることを強いられていた少女。

 エヴァンジェリン・A・K・マグダウェル。

 そんな彼女は性格が変わるなどは無かったのだが、そもそも生徒ですらなくなっていた。

 

 2-A担任教師、瑞葉雪姫。

 不老不死により十歳ほどの肉体年齢を強いられた彼女は、二十代半ばの豊満でエロエロな金髪外人女教師と化していた。

 原作エヴァンジェリンの影も無い彼女をエヴァンジェリンだと最初に分かったのは、明日菜や木乃香の呼び方が理由である。

 

『宿題多過ぎひん? 花のJCにはキツイ量やでエヴァちゃん!』

『そうだそうだー。エヴァはもっと皐月と遊ぶ時間くらい寄こすべきそうすべき』

『ほぅ? つまりはもっと欲しいと。欲張りな物乞いは叱らねばならんが仕方ない。いやはや私も甘いなァ』

『ファッ!?』

 

 それだけなら愛称か何かにしか聞こえないだろうが、そこからエヴァンジェリンに結び付けられる知識を有する私は絶句するしかなかった。

 加えて彼女の従者の科学と魔法のハイブリットである出席番号10番、絡繰茶々丸がそもそも居ないというのも、私の受けた衝撃は大きかった。

 

 そして2-Aについては完全な異物、原作に存在していなかった少女の存在で締めることにする。

 出席番号25番、瑞葉燈。

 ブロンドの長髪をサイドポニーに束ね、中学生離れの豊満な肢体(というか私も今は結構大概だけど)の浮世離れした美少女。

 原作でエヴァンジェリンが年齢詐称薬で成長した姿もだが、その『虹彩異色症(ヘテロクロミア)』や、クールで氷のような表情から、主人公ネギ・スプリングフィールドの母、作中でも物語の根幹に関わるアリカ・アナルキア・エンテオフュシアなる人物を彷彿とさせた。

 

 当時は幾ら似ていても「いやいやいや」と変な汗を出しながら否定していた。

 幾らネギの母親のアリカとアカリという名前の類似があっても、燈なんて日本でも珍しくない名前だと。

 幾ら明日菜や桜咲さんといった、平然と瞬動を体力テストや運動会以外では使用する魔法関係者(明日菜は完全に隠す気がない)の人達に追い付き、あまつさえ追い抜いていたとしても。

 まぁ、その後流れたとある噂で確定したのだが。

 

 そんな中だろう。初めての魔法関係者による集会前に配布された資料を見て、目が点になったのは。

 

 神殺しの魔王? 羅刹王? 人類の代表者? まつろわぬ神?

 原作ではまるで無かった単語に、他の魔法生徒と同じ、あるいはより酷いアホ面を晒すしかなかった。常識が壊れるという意味では、私も同じなのは当然なのだけど。

 そして魔王さまの登場の予告に久しく感じていなかった未知への恐怖に身が竦み、しかし幼稚園で引率する先生のような魔王に気が抜けキョトンとしてしまったのだが。

 

 そしてもう一人ありえない転入生がいるのだが、正直彼女とはあんまり喋らないし皐月君への当たりがきつくて喋りにくいのもあり、何より私が彼女の事をよく知らないというのもある。 

 それに、以前思いっきりぶん殴っちゃったし……。

 

「どうかした? 裕奈」

「へっ!? な、何でもないよ結城さん」

「……別に、夏凜でいいのよ」

 

 というか、十三使徒って何歳年上なの!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「チートもなしで神様殺しちゃったんだ」

「むしゃくしゃして殺った。後悔も反省もしていない。寧ろ積極的に破壊活動を行っていた連中が悪い。神々とか現代社会には不要だからね仕方ないね。連中は有り体に言えば天災の擬人化。人権など無ェ」

「た、確かに……!」

 

 この会話の後、木乃香に「完全に丸め込まれとるよソレ。ゆーなはほんに素直やなぁ」と言われることになるが、今の私の交友関係はそれなりに凄いことになっていた。

 

「私って、魔王一行に入っちゃってるのかな」

「さぁ? そもそもその括り何よ。四天王的な?」

「勇者一行的な感じじゃないかな」

「じゃあ『巻き込まれて良いようにされてる哀れな村娘(意味深)』みたいな?」

「周囲からの視線が酷いことに!?」

 

 そんなオークやゴブリンに連行されている女騎士を見たみたいな視線は、別に向けられている訳では無い。

 

 黒い髪に後頭部で少しだけ余る髪を束ね酷く鋭い黄金色の瞳が特徴の、人とは思えないほど整った少年。

 その容姿は美の神を殺した影響らしいが、もし街中に彼が立っていたとして、話しかけられる他人が居るかどうか。

 というよりこの同胞の少年は、自分を変に卑下しているのだろう。

 

『神殺しとかやっちゃう時点でソイツはキチガイ』

 

 日頃神殺しの魔王(カンピオーネ)に対してそう評価して憚らない彼、瑞葉皐月は『神殺しの魔王(カンピオーネ)』である。

 自分をそんな風に言う絶対強者である彼の、人としての自己評価は基本的に低い。

 神を殺す。

 正直スケールが大きすぎて理解できなかったのだが、彼自身神殺しを為した頃を境に、明らかに精神性が変化、あるいは被っていた皮を脱ぎ捨てたようなモノがあったのだという。

 いくら怒り狂っていたとはいえ、人を殺すよりも酷い行いを平然と行えるようになったらしい。

『魔王としての精神性と、日本人として育んだ倫理観との摩擦のようなものだ』というのが、雪姫先生の予想である。

 

 魔王。

 輝かしい勇者が討つべき大悪。

 そんな構図は、皐月君曰くインド神話の『ラーマヤーナ』における、姫シータを攫った羅刹王ラーヴァナと、奪われた姫を取り戻す為、羅刹王を討つ為に人間の王『ラーマ』に転生した全王神ヴィシュヌの物語が元ネタらしい。

 インド神話は大体創造神ブラフマーが無自覚に要らん加護や特権を与えた結果問題が発生し、それを人間に転生したヴィシュヌ神の化身が何とかするお話であるそうな。

『マハーバーラタ』? あれは階級制度を強めるための物語だから。現代からすれば悪役であるカルナとドゥリーヨダナが完全に主人公しているのだが、いやでも母親のクンティーが悪いよアレは。

 とは皐月君の呟きである。

 ちなみに私はインド神話についてはさっぱりである。

 

 話が逸れたが、兎も角そんな羅刹王と称される皐月君の学園での評価は彼の自己評価の低さに反し、寧ろ好評と言っても良い。

 英雄『紅き翼』よりも遥かに強いとされる彼だが、学園の生徒としては普通に優等生である。

 一部の生徒達には『中等部の魔王』と畏れられているが、結果としてはいじめを行う生徒を黙らせているというもの。

 モノホンの魔王にトラウマ刻まれるとかある意味光栄であるというのが、関西出身の桜咲さんや皐月君に心酔しているアカリさんの言葉である。まぁ桜咲はかなり常識人なので信頼できる話だろう。

 

 一見ハーレム主人公のように見えて、しかし彼がまともに異性扱いしている異性は周囲の少女たちの数に比較してもかなり少ない。

 雪姫先生こそが、魔王一行の中で彼が明確に異性扱いしている女性である。

 曰く「なけなしの倫理観」とやらにとって、中学生には欠片も見えない女子中学生でもアウトらしい。具体的には長瀬さんとか水原さんとか(龍宮隊長!?)。

 そんな中、肉体年齢を操作できる実年齢600才の雪姫先生は『同胞』である彼にとって周囲に数少ない『頼れる歳上』なのだ。

 正直肉体関係でもあるのかと雪姫先生に質問したこともあるのだが、笑ってはぐらかされた。

 しかし耳が真っ赤なのを私は見逃してはいない。

 

 だがしかし、何とも気恥ずかしいのだが、何故か私は、その、彼に異性扱いを受けているのだ。

 といっても特に何か好意(アプローチ)を受けているわけではない。

 単純に、明日菜たちが『子ども扱い』ならば、私や雪姫先生に対して『女性扱い』をしているというだけ。彼自身に私への恋愛感情とかは無いのだろう。

 だが明日菜たちはその差こそに意味があるのか。

 その『差』が明日菜たちに認識された時の騒動は、本気で思い出したくない。

 

 理由は分かる。

 彼と私は正しく『同胞』なのだ。

 私自身、無意識にこの世界の人々に何らかの疎外感を抱いていた。

 しかし瑞葉皐月という少年には圧倒的な共感と同胞意識を持っている。

 例えば、親にも話さない事を話したりする仲である。

 より具体的には、原作知識とか。

 

「遂に始まるみたいだねー」

「今始まってもどうしようもない気がするけどなー」

 

 魔法生徒の私にも通達された、最重要案件。

『修行のため、英雄の息子ネギ・スプリングフィールドの来訪』。

 即ち、原作の開始を意味する。

 

「ネギ君、タカミチさんの話からだけど原作と変わりがないみたいだ」

「純粋培養で世間知らず?」

「んだ」

 

 原作、そしてこの世界における主人公ネギ・スプリングフィールド。

 原作当初の彼は正しくやや常識離れのラブコメ風の少年である。

 魔法学校において主席で卒業していながら、惚れ薬が重罪であることを知らず、くしゃみで膨大な魔力がたやすく暴走してしまい『武装解除』という、相手の身に着けている服諸共吹き飛ばす魔法が暴発してしまうなどの致命的な欠点がある。

 ラブコメ的に唐突にヒロインを裸に剥くお色気展開やオチには都合が良いのだろうが、そんな奴が自分の娘を預かる教師をしているなど、彼が10歳の少年でなければ即座に警察沙汰になっただろう。

 

「というか10歳の子供が教師ってありなのかな?」

「アウトに決まってんだろ。幾ら麻帆良が一種の治外法権でも、PTAが助走してドロップキックしに来るわ。どんなに学力があって頭が良かろうが、少なくとも義務教育はただ知識を学ぶだけじゃねェんだから」

 

 少し口調が荒くなる彼の呆れは、そんな教育者にとって当たり前のことを魔法云々の物語の都合上ゴリ押してしまったコミック的なご都合主義さに対してだ。

 でも、コミックならば笑い話になる。

 だが現実となったこの世界ではそうはいかない。

 

 本国では神聖視さえされている『千の呪文の男(サウザンド・マスター)』の息子。

 中等部二年、三学期二月中旬。

 間も無く訪れる春を前に、到来するのは嵐である。

 

「まぁ、原作通りには行く訳が無いわな」

 

 私達の様に転生した訳でも、曰くアカリさんの様に膨大な知識を得て精神が強制的に成長している訳でもない、天才ではあるものの、正真正銘ただの十歳児が、年上の中学生。それも異性を三十人も()()()()()()()()()()()()

 現実でやろうものなら、そんなまだまだ教育を受けるべき子供も、そんな子供に教えを請わなければならない生徒も不幸になるのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 日本のとある空港で、大荷物を抱えたスーツ姿の赤毛の幼い少年が、キョロキョロと周囲を見渡す。

 

「あっ! タカミチ!!」

「やぁネギくん。無事会えて良かった」

 

 そんな少年は目当ての人物を見付けると、笑顔でその人物に駆け寄る。

 巷で天才と讃えられ、実際に飛び級を重ねている少年は、しかし年相応に旧友との再会に満面の笑みだ。

 二人はそのまま、男性の乗ってきた車で空港を出る。

 車内の会話での少年の表情には、先程の笑顔ではなく新天地への不安があった。

 

「タカミチも、先生なんだよね?」

「アハハ……まぁ本国の仕事が多くて、何処かのクラスの担任という訳じゃないけどね」

「そっか……、ねぇタカミチ。ボク、やっていけるかな?」

「何、向こうでは良い先生も生徒も沢山いるさ」

 

 目的地は麻帆等学園都市。

 少年は、魔法学校卒業後に課された修行の為、この国を訪れていた。

 

「でも、皆年上の人なんでしょ? 上手く馴染めるかなって……」

「だからこそ、ソレ以上に頼り甲斐もあるさ。もし喧嘩しちゃっても、誰かに相談して、少しずつ改善していけば良い。まぁ……、一人だけは絶対に、怒らせちゃ駄目な子も居るけどね」

「えぇ!? 大丈夫なの!?」

「いや、彼は沸点高いから。余程の事でもないと───まぁ、君なら大丈夫さ」

 

 とある魔王を思い出してひきつった笑みを浮かべる、しかし学園でも馴染み深くなった苦笑で男性────タカミチ・T・高畑は、己の運転で車が麻帆等学園都市の入り口である大橋を通り過ぎる中、歓迎の祝言を少年へと告げる。

 

 

 

「──────ようこそ麻帆等学園中等部2-Dへ。学園の一員として君の編入を心より歓迎するよ、ネギ・スプリングフィールド君」

 

 




 というわけで、漸く原作突入です。いやぁ長かった。
 ちなみに感想で裕奈のビジュアルの話がありましたが、別にカルデアの人類悪ではありません。皐月と同じ【メカクシティアクターズ(カゲロウプロジェクト)】出典の如月モモで描写しています。おっぱいです。
 尚、別に周囲の注目を集める能力はありませんが。
 実はリリなの三期のスバル・ナカジマにしようか悩んでいたり。その場合外見から能力を設定する自分のスタイルからアーティストがリボルバーナックルになっていたかもしれません(そっちの方がいいかなぁと今なお葛藤中)。
 え? なら何でモモちゃんにXグローブか? 何でだろうねぇ……髪色?(自分でも意味不明)。

 そして原作主人公のネギ君。原作からして明らかに序盤はメンタル面の幼さから。終盤はそもそも学園物からジャンル替えの影響で教師やってないなど。
 いろいろツッコミやアンチ・ヘイト様々ですが、基本皐月を含め過剰にアンチすることはありません(ちうたんなど、元々は子供嫌いなどを除き)。
 なので、彼の行いを精神が追い詰められつぶれるほどのアンチは一人を除き行いません。
 彼はあくまで10歳の子供ですから。
 それ故に、彼と同じ境遇のアカリからの批判はその分冷徹なものになるかもですが。

 いつも誤字指摘有難うございます。







感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に
感想を投稿する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。