魔王生徒カンピオーネ!   作:たけのこの里派

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パソコンのディスプレイがヤバい。


第三十七話 バカ来訪数日前

 2003年4月。

 麻帆等学園に新たな春と共に新学期がやって来た。

 

 それまでは、英雄の息子にまつわる事件や騒動など起きず当たり前の、しかしかけがえの無い日々が過ぎ去っていった。

 

 図書館島を舞台とした学期末テストを巡る騒動は、そもそも「最下位のクラスは解散、特に悪かった人は留年どころか小学生からやり直し」という噂が広まったが故の暴挙。

 アスナを筆頭にクラスの成績を落としていた要因であるバカレンジャーの減少。

 根本的に「普通に考えればありえない」という事実。

 また図書館島に乗り込んだ最大要因である『読めば頭が良くなる本』の情報源が夕映であり、現状の彼女がそんな軽挙妄動を絶対にしないという事もあり起こりようが無いのだ。

 

 無論、男子生徒達が同様の暴走をする可能性はあったが、幸か不幸かそのクラスには魔王が居た。

 そんな暴挙を行っては最後「精神病院に叩き込まれる」という恐れから、彼等は絶対に度を越えた『おふざけ』が出来ない。

 その騒動自体起きることは無かった。

 同様に、別世界では春休みに起きた近衛このかの見合い騒動も、それによりネギが『仮契約』とパートナーへの関心も持つことも無かった。

 

 尚、それまでに女子寮へ侵入した小動物が居たが、『然るべき処分』が行われたとだけ明記しよう。

 そもそもオコジョ妖精は魔法漏洩を主に様々な犯罪行為の罰則としての『犯罪者の烙印』である。

 そんな存在に与える容赦など、彼女達にはありはしなかっただけなのだが。

 

 何はともあれ新学期は訪れる。

 一方、ネギの魔法の鍛練は進んでいた。

 

「──────ラステル・マスキル・マギステル!」

 

 図書館島の最深部、その広大な大瀑布を主にした場所で、ネギは父に与えられた杖に跨がり空を飛翔しながら呪文を紡ぐ。

 それを阻むように一つの影がネギの背後に瞬時に回り込む。

 

「『解放(エーミッタム)』! 『風花(フランス)風障壁(バリエース・アエリアーリス)』!!」

「おや」

 

 振るわれた拳が風の対物防御魔法に阻まれる。

 遅延魔法。

 高等とされるそれに驚きの声を呟く影は、しかし一瞬しかない効果に続けるように拳を振るう。

 

来れ雷精(ウェニアント・スピーリトゥス)風の精(アエリアーレス・フルグリエンテース)────」

「むっ」

 

 詠唱を続けながら、彼は腰にある魔法銃を抜き、照準を無視して引き金を即座に引き抜く。

 放たれたのは七色の煙幕。

 撹乱の為に撃たれた弾丸は、影の視界を遮り、再び刹那の時を稼いだ。

 

「────雷を纏いて(クム・フルグラティオーニ)吹きすさべ(フレット・テンペスタース)南洋の嵐(アウストリーナ)!」

「ふん!」

 

 腕を振るうだけで煙幕を消し飛ばし、標的を確認する。

 だが、稼がれた時間で呪文は完成した。

 

「『雷の暴風(ヨウィス・テンペスタース・フルグリエンス)』!!」

 

 ネギの掌から放たれた稲妻は、暴風を纏わせながらその影に襲い掛かる。

 このタイミングならば、仮に高位の術者でも相応のダメージから逃れることは出来ない。

 完璧なタイミング、完璧な威力。

 ネギが覚える数少ない攻撃魔法の中でも、最高威力を誇る攻撃魔法は、

 

「ふん!」

 

 先程の煙幕を払う声と同じ声色で、素手で余りにもアッサリと真横に弾き飛ばされた。

 

「えぇ……」

 

 困惑の声を漏らすネギに改めてその影の規格外さを見せ付けながら、彼に酷似した容姿の影はそのヤンチャそうな顔立ちに反して穏やかに微笑む。

 

「今回は少し持ちましたね。それではこれまで、少し休みましょう」

 

 そう言って、無詠唱で放たれた魔法によってネギの意識は狩り取られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第37話 バカ来訪数日前

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────『イノチノシヘン(ハイ・ビュブロイ・ハイ・ビオグラフィカイ)』。

紅き翼(アラルブラ)』のブレインである魔導書の付喪神たる、アルビレオ・イマのアーティファクト。

 有する能力は、他者の『人生』の収集と、それによる特定人物の身体能力と外見的特徴の完全再現。

 彼の出会ってきた人間の半生を詩篇形式で記した『半生の書』にしおりを挟む事で、対象者に変身し能力を自在に使用可能。

 

 ただし、術者より強いとされる人物の再生は僅か数分に留まり、しかしアルビレオより強い人物は数える程しか居ない。つまり殆どがアルビレオより弱い為、あまり積極的に使用される能力ではない。

 

 だが、修行でなら一人で様々なタイプの強者を以て鍛えることが出来る。

 特に、父に憧れる少年には様々な意味で有用だった。

 

「どうですか? 父の力、そのほんの一端は」

「凄いです……」

 

 ソファーで気絶していたネギは目が覚めてから振られた問いに対し、そんな年相応の言葉に、万感を込めることしか出来なかった。

 先程までアーティファクトの力によって、まさしく父のナギとなったアルビレオと戦っていたのだから。

 例え力と姿形だけの仮初めだとしても、憧れる父の力と相対することが出来る。

 全力で手加減されているのも解るしもどかしいが、それでもネギは嬉しかった。

 モチベーションがうなぎ登りなのは、言うまでもないだろう。

 

「今回でハッキリしましたが、ネギ君はナギと同じ戦闘スタイルを構築することは難しいでしょう」

「そう、ですか……」

 

 落ち込むように、アルビレオの言葉に分かりやすく消沈する。

 

「勿論、魔法戦士云々の話ではありません。術者の能力が高位になればなるほど、両者の違いは無くなっていきますから」

 

 西洋魔術師の戦闘スタイルには2種類ある。

 一つは魔法使いスタイル。

 前衛を完全に従者に任せ、本人は守られながら強力な魔法を撃ちまくる固定砲台役であり、基本的な魔法使いのイメージだろう。

 

 もう一つは魔法剣士、即ち魔法も使える近接戦闘者である。

 肉体強化の魔法や簡易な攻撃魔法と、武術や武器を併用することによって従者と共に前衛で戦うスタイルだ。

 威力よりも魔法の速度や持久力が重視される、ナギ・スプリングフィールドのスタイルである。

 

 だが、最強と呼ばれる術者にはこれ等は該当しない。

 より正確に言えば、両方出来なければ最強クラスなどとは言えないからだ。

 

「なら、どうして?」

「何故ならナギは馬鹿で、貴方は賢いからです」

「え」

 

 英雄は頭が悪い。というか学歴も糞である。

 憧れる父を隠すこと無く罵倒する自身の師に、思わずネギが硬直する。

 

「天才感覚型と天才頭脳型では、後者が前者に合わせようとする必要は然程ありませんし、無理にしてもデメリットの方が遥かに多い。無論、前者が後者の真似は絶対に出来ませんが」

「あ、あははは……」

「現段階でネギ君、貴方に最も不足しているのは様々な戦闘経験、そしてそれへの心構えです」

「様々な?」

「えぇ。今は事実上『紅き翼』総出で貴方と模擬戦を繰り返してしますが、それでも実戦には遠く及ばない」

 

 それは致命的なもの。

 そもそもネギは戦闘者の才能こそあるが、その性格は研究者に近い。

 五歳の時に、日頃命を狙われ本当に常在戦場だったアカリが異常なのだ。

 

「実戦経験……ですか」

「ですが、今の世で実戦経験など積むのは難しいでしょうね」

「じゃあ、どうすれば!?」

 

 焦る様に声を荒げる。

 それは焦燥と言っても良い。

 原因は、双子の存在であるのは語るまではないだろう。

 

「アカリさんですか」

「……!」

 

 再会した双子の片割れは余りにも変貌し、そして自身が路傍の石であると錯覚するほどに強くなっていた。

 ナギとなったアルビレオと模擬戦を繰り返してそれは確信となった。

 彼女の力は、場合によっては父と互角以上なのではないのかと。

 

「彼女は確かに強い。正直ルール無用の真剣勝負なら相性もあって、全盛期の『紅き翼』でもその大半は今の彼女によって潰されるでしょう」

「なッ……」

「彼女の禍払い───魔法無力化能力(マジックキャンセラー)とはそういうものです。我々魔法使いは常識に対して強者足り得るが、彼女は魔法使いにとって死神にも等しい」

 

 そういう意味では『紅き翼』に於いて、現状敵対する余地が殆ど無い近衛───青山詠春がアカリにとって最悪の相手だろう。

 技量と禍払いに特化したアカリに対し、耐久ではなく回避を重きに置く剣士であり、技量も確実にアカリを上回る戦士である。

 次点でジャック・ラカンだが、彼はあまり参考にならないので除外とする。

 

「まぁ、実戦経験については、大丈夫でしょう」

「えっ?」

「というよりも、私が口を出す権利が無いのですが」

 

 麻帆等学園に於ける実戦経験。

 ソレが起こり得る大停電に伴う、去年忌むべき出来事が起きた学園結界の一時解除。

 即ち、去年『狼王』の魔の手が伸びた学園大停電、それに伴う大規模防衛。

 去年は悲劇だった。

 では今年は何が起こるのか。

 

 そんな出来事が、一週間後に迫っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 魔王皐月の帰宅後の日常は、本来の家である雪姫のログハウスには殆ど無い。

 魔王であり不老の皐月と、吸血鬼性こそ喪われたが()()()()()()()()()()()()()()が故に不死性も健在な雪姫。そして肉体そのものが神具であり権能である茶々丸。

 

「もう中三とは、月日が吹っ飛ぶのが早い早い」

「春期に向けて此方は大忙しだったがな。教師生活を始めて別荘の存在が本当に貴重だと何度でも思えるよ」

「こっちは課題終わらせるだけだから楽だわ」

 

 この三人は通常の老化をしないが故に、逆竜宮城と言える別荘に頻繁に訪れることが出来るのだ。

 そんな三人の団欒に、一人の参加者が加わっていた。

 彼女はメイド服に身を包みながら、お盆に乗せて持って来た珈琲を二人の前に置き、雪姫の側に控える。

 

「ほいっと」

「な」

 

 そこでおかしい行動をしたのが皐月だ。

 雪姫の前に置かれた珈琲を奪い、そのまま飲み干す。

 

「うむ、旨い」

「何を……それは雪姫様のカップです!」

「だって何か仕込んでんでしょ。全く、嫌がらせみみっち過ぎない?」

「なぁッ……!?」

「はぁ……」

 

 結城夏凜(イスカリオテのユダ)

 かの救世主から最後の審判まで存命することを約束された十二使徒の忌まわしき13人目。

 神の子を売り渡すという役割に耐えられず、しかし地獄に落ちることも神のスケールの愛という人にとって迷惑極まりない物によって許されず、未だ存命。

 中世魔女狩り時代にエヴァンジェリン──雪姫に救われた鋼鉄の聖女。

 

 勘違いやら殺し合いやら紆余曲折の後、彼女は雪姫に仕える道を選んでいた。

 そんな彼女にとっての目の上のタンコブこそ、この神殺しの魔王だった。

 

 敬愛する雪姫に最も近しい男。

 ソレだけでも嫉妬で腸が煮えくり返ると言うのに、あまつさえ皐月自身、問われれば迷わずこう答えたからだろう。

 

『え? 雪姐? そら愛してるけど』

 

 果たしてこの『愛』が友愛か親愛か恋愛か判別は付かない。

 何せこの魔王は『家族』に殊更執着する男だ。

 そんな家族である雪姫を愛してるかと問えば、恥ずかしげもなく肯定するのは当然の事。

 その時の夏凜に飛来した感情は、謎の敗北感だった。

 そこから敗北感を払拭するため、大したことの無い、みみっちいと言われる嫌がらせ紛いのちょっかいをかけ続けていたのだ。

 

「いい加減やめろ夏凜。みっともないぞ」

「しかし……!」

「しかしではない。全く……」

「……ッ」

「そこで俺に敵意向けてる時点で駄目なんだよなぁ」

 

 雪姫に呆れられる度に消沈し、そしてその原因を皐月に見出だし敵意を膨らませる。

 漫画やアニメでよくある話だが、皐月にしてみれば理不尽極まる為、容赦などする理由がなかったりする。

 

「自分の好感度をそこまで順当に下げようとするとは、たまげたなぁ」

「ぐぬぬぬぬっ……!」

「いい加減にしろ! というか皐月、お前も必要以上に煽るな。言い分は間違っていないが、言い方に戯言を弄し過ぎだ」

「げらげらげら。いや何、ここまで露骨に敵意剥き出しなの珍しくって。つい愉悦が」

 

 すでに何度も行われ手玉に取られている夏凜に哀れと思ってか、雪姫が間に入る。

 しかし、そんな夏凜に対して皐月の感情は悪いものではなかった。

 忌避、畏怖。

 ヤクザに面と向かって暴言など、一般人が吐けないように。

 魔王であるが非道を行ってはいないが故に、格別敵意を向けられた事が比較的少ないのだ。

 そんな皐月にとって、夏凜の行為は子供がジャレついているような可愛らしいものだった。

 無論、夏凜がそのような幼稚な行動に出るのは雪姫に関わる事に限るのだが。

 

「さて、夏凜ちゃんを揶揄うのはここら辺にして、今後の話をしようか」

「……次の大停電か」

「警戒しても損はないだろ?」

 

 時系列的に、原作では『桜通の吸血鬼』事件が起こっていた頃だろう。

 そう内心呟く皐月は、原作との相違を確認しようとするも、直ぐ諦める。

 

 原作の今の出来事は、雪姫────エヴァンジェリンとの衝突である。

 事実上初めての魔法戦闘。

 呪いによって縛られる真祖の吸血鬼と、呪いを解く鍵である英雄の息子の戦い。

 

 つまり前提が破綻しているのだ。

 雪姫は既に魔王によって呪いを燃やされ自由の身。

 英雄の息子を狙う動機は何処にもないのだ。

 さらば原作。

 フォーエバー原作。

 そんな事より、去年の防衛戦の出来事が彼等、そして学園側を戒めていた。

 

 今回、魔王一行は大停電に伴う防衛戦に殆ど参加しない。

 元々去年のような例外的な状況でも無い限り、警備を担当すべき立場では無いのだ。

 一応教師として雪姫、看護兵として最後方でこのかが参加するが、あくまで補助。

 今回の警備は、魔法生徒の技量を高める意味合いが強いからだ。

 

「外部勢力に目立った動きはないんだな?」

「楓───甘粕さんからは現状そういった報告は無いな。それこそ単身日本にやって来て数日潜伏するでもしない限り話にならない。それでも警戒すべき魔王は存在するが……」

 

 英国の魔王、アレクサンドル・ガスコイン。

 自分で設立した魔術結社『王立工廠』を率いる『黒王子』の二つ名を持つ若手魔王だ。

 彼の特徴として神速の権能が挙げられ、国や大陸といった垣根を易々と飛び越え世界中を容易く動き回る事が可能な、非常に足が軽い魔王と言える。

 

「とは言えアレは女運とデリカシーのなさ、強盗癖と計画の傍迷惑さを鑑みてもまだ話の解る部類だろうな。まぁ、会ったこと無いが」

 

 魔王の過半数が会話困難であり、暴力を言語としている時点で怪盗紛いがどれだけマシか、という悲しい相対評価しかないのだが。

 特に皐月は、三人目の最古参の魔王に関してその特性から、例外的に()()()()を誓っている。

 

「……何か、嫌な予感がする」

「オイ……、魔王(オマエ)の嫌な予感が予言と同義だと知っているだろう」

 

 思わず冷や汗を流す雪姫に、皐月自身本気でまずいと感じたのか、直ぐ様立ち上がった。

 

「ちょっと今の内にドローン造っとくわ。いや、超にもノウハウ借りるか。ちょいと行ってくるわ」

 

 そう言うと、皐月は足早に別荘を去った。

 彼が去った別荘に静寂が充ちる。

 まるで新たな嵐の前触れと言うように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。はい、えぇ、有り難う御座いました。それでは失礼します」

 

 豪邸の執務室のような場所で、スーツ姿に身を包んだ男は丁寧な言葉で電話を切る。

 電話の相手はイタリア空港局の、相当上の人間であった。

 電話の内容は、とある人物の渡航履歴。

 最近行方不明となった、とある人物の行き先を掴むための電話だった。

 

 

「───────あんのクソッタレがぁ!?

 

 

 紳士的で理知的な佇まいから一転、白眼を剥くほどその態度が豹変する。

 机に拳を叩き付けているが、片方の手は腹部に添えられていることから彼の豹変原因が何も知らない人間でも察する事が出来るだろう。

 

「確かに神獣の噂や狼王と青銅騎士団の行動報告から、成る程信憑性が高いというのは理解できる。だが、そうホイホイ動いて良い立場ではないだろうが……ッ。この前もヴェネチアで釣りをしてると報告を受けてどれだけ周囲が動いたと思っている……!!」

 

 ストレスで死にそう。

 そんな苦しみに、しかし直ぐ様平静を取り戻す。

 狂乱し続けたいのは山々だが、そうしている内に取り返しの付かない事態が進行している可能性は大いにあるのだから。

 彼は荷造りをしながら、即座に部下に連絡を入れる。

 

「私だ、今すぐ日本へ飛ぶ。あぁ、あのバカ案件だ。もし去年からの噂が本当なら、あのバカの性格から衝突は不可避だ。加えて三年前のあの事件の情報から、かの王は人に怒りを覚えるタイプの可能性が……あぁ、最悪の場合、イタリアが焦土と化す。ジェット機を用意しろ。あのバカはどうやったか普通に公共の旅客機で移動している。上手く行けば先回り出来るかもしれない」

 

 彼の口から度々出る『噂』とは、去年に流れた狼王ヴォバンの行動が発端であった。

 

『────かの狼王が己が権能たる「死せる従僕」を日本の学園都市に送り込んだ』

 

 そんな噂が流れたのだ。

 魔王とは天災であり、あらゆる機関が目を向け対処を試みる存在。

 そんな魔王が権能で死者を差し向け───全滅させられた結果が観測されたのだ。

 

 特に魔術師呪術師達を恐怖させたのが、観測の為の術式を悉く飛び火だけで燃やし尽くし、監視衛星で漸く捉えることが出来た、焦熱地獄を形成した人影。

 かつて魔女の会合に準えて『魔王の狂宴(ヴァルプルギス)』と呼ばれた激突で初めて観測された、炎を操る未知の魔王。

 

 加えて、その日本の霊地には白銀の狼の神獣の存在も噂されていた。

 これもまた、炎の魔王が従えていた存在である。

 これにより、日本には新たな魔王が存在するのでは、という噂の信憑性が高まってくる。

 

「出来うる限り、あのバカの耳には入らないようにしていたのだが……っ」

 

 日本からの発表は何もない。

 つまり、まだかの魔王は表舞台に立つつもりが無いということ。

 どの様な思惑があるか不明だが、大人しくしてくれるというのなら願ったりかなったりである。

 だが、バカと呼ばれる戦闘狂が知った場合どうなるだろう。

 

「止められないとしても、せめてイタリアの被害は抑え込まねば……!」

 

 彼─────『王の執事』の異名を持つアンドレア・リベラは使命感さえ滲ませながら、急ぐ。

 尤も、激突は半ば諦めているのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

『─────フーフン、フーフフン、フーフーフーン♪』

 

 日本に向かう旅客機の中で、金髪で非常に整った顔立ちの優しげな、場合によっては能天気とさえ思う様な、遠足前日の小学生の様な浮かれた表情の若者が、旅客機の窓から覗く景色を見ながら鼻歌を呟く。

 

 大停電まで、後残り数日。

 

 

 

 




時間が飛んで三学年。原作三巻に突入しました。
カット理由は作中で描写しましたが、イベントが起こりようが無いんですよね。
本来なら修学旅行までカットでも良かったですが、とあるカンピオーネキャラを突っ込むには最適でしたのでココにしました。

次回内容は……まぁ未定です。
やる内容決まってても前後調整が難しいのが非常に辛い。

あと、前書きにも書きましたがパソコンがヤバいです。
ディスプレイだけが壊れてるならワンちゃんありますが、ディスプレイ一体型なのでディスプレイだけ買って画面外付け代替が出来無いのなら詰みです。
なので今回は携帯で執筆しております。
携帯で変換できない漢字が多々あるので苦労しました。

誤字指摘いつも大変助かっております。
指摘や加筆箇所があれば即座に修正します。
では次回お会いしましょう。




あ、スカディはスマン呼札二枚抜き、水着BBは十連二枚抜きしました(煽り自慢)
なお本命のXXェ……
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