吾命騎士 ー我、騎士であるー   作:ピー様

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俺は騎士である。正確に言えば、光明神殿の太陽騎士である。
光明神殿が仕える光明神は、この大陸における三大勢力の中の一つに入る。
光明神殿に十二聖騎士がいることは全大陸に誰もが知っている。
その十二聖騎士それぞれが自分のあるべき個性と特徴を有するのである。
燦爛とした金髪と青さに澄み切った瞳孔、情け深い個性、輝かしい笑顔は、太陽騎士として持つべきものである。

『仁慈な光明神はあなたの罪悪を許すことでしょう』
俺の騎士生涯中に何百万回も言ったセリフだ。
だが、俺はこの一生でほかの何よりもしたいのが、
「『全大陸に誰もが知っている』とかクッソ食らえー!!!
太陽騎士が笑うのが嫌いで悪いか!
クズどもを許したくないのが悪いか!
何を言おうとク〇を交えて言いたいのが悪いか!」
と世間の目の前に精一杯叫ぶことだ。
哀れなことに、今も、
俺は満面の笑みで言い続けやがっている。
『仁慈な光明神はあなたの罪悪を許すことでしょう』


第1巻 騎士基本理論
序章:諸神信仰 ▲


 

【挿絵表示】

 

 

 ここは信仰に満ちた大陸である。

 

 この大陸では、「神様」はもはや助けを求めるときだけに思いつく虚無な存在ではない。神は、正真正銘の存在で、それも少なくない数である。

 

 弱小な神がいる。もっとも、いわゆる弱小というのは神の基準によるものであるが。そして、強大な神もいる。神の絶大な力は信者の信心から集めるものなので、信者の多寡が神の強弱を決定する要となる。

 

 だから、神々が縄張り争いのように、一生懸命自分の信仰を広めようとする。

 

 しかし、信仰を広めるために勝手に力を振るい、ほかの神とむやみに衝突を起こしたら、この大陸の滅亡はそう遠くないだろう。

 

 そんな状況を回避するために、神々の中で一番強い神たちが「諸神条約」を結ぶことにした。すべての神はこの大陸で神力を使うことが禁じられる。力を信者の身に託し、信者を通じて力を発揮することだけが許される。

 

 それで、様々な信仰が次々と出現し、盛んになった。

 

 その中で最も名高い信仰は光明神を崇める光明神殿に過ぎるものはない。戦神、混沌神の信仰の勃興により、今時光明神殿の名望はかつての絶頂期ほどではなくなったが、腐っても鯛だけあって、一番悠久な歴史を持つ信仰はどれかと聞かれると、光明信仰以外を答える者などいないでしょう。

 

 そして、光明信仰の一番人口に膾炙した伝統は、代々伝わる十二聖騎士である。

 

 そのうち、光明神の教徒でなくとも、三歳児さえ知っているのが、まさに完璧な人間といわれる「太陽騎士」である。

 

 十二聖騎士の頭かつ光明神の代弁者であり、太陽みたいに常に燦々とした輝かしい微笑をたたえ、慈悲深く、人の善意に信じ、迷子になった魂の救済をどれ一つ決して諦めない。

 

 その中で、三十八代目の太陽騎士はさらに完璧の中の完璧な人間である。彼の事跡は長編史詩をほぼ五冊使ってやっと述べ終えるぐらい多く、光明神の転生そのものだという噂すら耳にする。

 

 彼は暗黒のアンデッドナイトを深淵までに退治し、極悪非道なリッチをやっつける上に、ドラゴンを倒したり、お姫様を救助したり、魔王を討ち破ったりすることになる。

 

 そう!この本の主人公は、その三十八代目の太陽騎士なのである。

 

 さあ、彼の偉大なる事跡を一緒に見ていこう。すべては、幼き三十八代目太陽騎士と、彼の師匠である三十七代目太陽騎士との初会話から始まっていた…

 

 

 「弟子よ、これからお前は太陽騎士の後継者になるのだ。苦痛に会うも辛抱強く堪える、失敗するも心が折れず乗り越える、どれほどの困難や誘惑があっても、騎士としての栄誉を守り抜くことができれば、お前が成人する日をもって、私から太陽騎士の名を授けるとしよう。」

 

 「先生、今から取り下げても間に合いますか?」

 

 「だめだ」

 

 「なんで?」

 

 「候補を選ぶのを忘れてしまったのだ」

 

 「…」

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