吾命騎士 ー我、騎士であるー   作:ピー様

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Act 03 太陽騎士守則第三条:死ぬとしても、優雅極まりなく死ぬこと ①

 街道に出たらもう道案内はいらない。アンデッドの気配がまさしく天を衝く。町内にこれほど強烈なアンデッドオーラを感じたのは初めてだ…

 

 まさか、この前ネクロマンサーに指名した上級アンデッドなのか?うそ!先生によると、神殿が出してくれるお金が少ないから、せいぜい戯れに足りるぐらいのゾンビしか召喚しないと聞いたが。足とか腕とか欠けてるのがしょっちゅうのこと。

 

 前方に平屋がある…俺は壁を踏みつけて、屋根に跳び上がった。そして聖殿騎士が集まった方向を見計らって飛び降りながら声を上げた。

 

 「自然の死亡定理に違反するアンデッド、暗闇の汚らわしい存在よ、吾は光明神配下の太陽騎士である!天の太陽の名において、吾は必ず汝の存在を抹消し、真理の光明をこの土に連れ戻す!」

 

 「やっと来たか、太陽!」

 

 緑葉騎士がほっとした顔を俺に振り向いた。

 

 そばに暴風と大地、寒氷騎士もいた。それぞれの騎士隊中の騎士数名を率いている。数えてみたら、聖殿騎士は合わせて二十何人ぐらい集まっていた。俺が覚えている限りでは、町内にこれほど大規模な出動は確か初めてだ…

 

 しかし、原因はなんとなくわかる。アンデッドナイトはそんなちらほらありきたりのものではない…ちょ、待って!アンデッドナイト?

 

 アンデッドナイトを召喚するなら自分の手で敵を倒したほうがましなぐらいレアのアンデッド、なぜここにいる?

 

 迷子か?

 

 しまった!

 

 驚きのあまり、左足裏の筋肉が言うことを聞かなくなり、曲げる弧度が足りず、右足の腓腹筋を蹴って、右膝関節の角度をずらしてしまい、右大腿を前に出すことができなくなった…複雑そうに聞こえるが、簡単に言うと、これはつまり…

 

 つまずいた。

 

 しかも空中でつまずいた。

 

 幸いなことに、「合理的な訓練」と「不合理的な調練」の組み合わせ特訓で、光明神すら俺より優雅に転ぶことはできないと断言するのは大口ではない…光明神は転ぶことないだろうから検証できないが。

 

 俺は反射的に腰を前に曲げて、バレエを踊るみたいに両手を前に向かって優雅に弧を描かせて、次に空中で丸ごと七百二十度宙返りしてから、百八十度の側転で着地が決まった。最後に両手を蝶々みたいにゆっくりと胸の前から降ろして、ゆっくりと息を落ち着かせて、太陽騎士のあるべき優雅な立ち姿に戻った。

 

 パチパチパチパチ!みんな一斉に立ち上がって拍手をした。

 

 「アンコール、アンコール!もう一回!」

 

 盾を剣でトントン叩いて騒ぐ騎士がいた。

 

 やかましい!アンデッドナイトがなぜこのアホを再教育で光明神の元に送ってないんだ?

 

 「十点!」

 

 緑葉はやっぱり優しい。

 

 「フン!五点、着地のステップがふらふらしてた」

 

 クソ大地!さっき邪魔を入れたことまだ恨んでるんだろ。

 

 「八点、女王の御前で転んだ回のほうが優雅だった」

 

 暴風…まあ否定しない。

 

 あの時女王の御前で恥をかかないように、俺は「先生の指導の下で十年間生存できてしかもイカれてないイカれたとしても認めないからイカれてないとする」の常人を超えたメンタルで三百二十三階から優雅な転落を行った。

 

 あのころから、神殿の階段への恨みゲージは大地騎士をはるかに上回るようになった。

 

 クソが!階段をあんなに長くして殺人を企てているのか!

 

 神殿の下で待機していた数百名の祭祀が一瞬で千個以上の治癒術を施してくれなかったら、俺は史上一人目転落で命を落とす太陽騎士になるところだった。

 

 この前お前らに言ったはずだ。『太陽騎士は転んでも優雅極まりなく転ばなければならないんだぞ』と先生が言っていたよな?

 

 神殿の任務実習に派遣される年になったとき、先生が重々しく説明を補充した。

 

 『弟子よ、やっと任務を務められるようになったのはうれしく思うぞ。だが、伝えておかないと安心できないことがあるんだ』

 

 『先生、僕は気を付けます』

 

 感動した。先生はやっぱり俺のことを大事に思ってくれてるんだ!

 

 『そう、気をつけなさい!太陽騎士がいつでもどこでも優雅を保たなければならないことを覚えておけ』

 

 『先生、僕は優雅に任務を遂行してきてみせます』

 

 俺はこくりと頷いた。

 

 あの頃、俺はもう転倒の生活を何か月間過ごしていた。平均的に三日に一回、転落の怪我がひどすぎて祭祀に高級治癒術を施してもらわないと治らなかった。

 

 『弟子よ、優雅に任務を遂行するのは基本中の基本だけだ』

 

 先生は頭を横に振った。

 

 『ならば、次のステップは何ですか?』

 

 『弟子よ、任務を失敗して、死に臨む際は…』

 

 『光明神にお祈りをするのですか?』

 

 『違う、どういうポーズで死ぬかを考えるんだ。そのポーズに安らかな表情を付けるのか、壮烈な表情を付けるのかと。そして一番大事なのは、敵に一剣で心臓を刺されるか、自刎するかといった死因だ。様々な死亡要素を完璧に組み合わせて初めて一番優雅なポーズで死ねるんだ!』

 

 『太陽騎士は死んでも優雅極まりなく死ななければならないんだぞ!』

 

 『…』

 

 だから、「転落」というめちゃくちゃ優雅でない死因で死んだとしたら、先生はおそらくブチ切れて死霊魔術で俺をアンデッドナイトに復活させて、光明神の神術でもう一回優雅に死なせるだろう。

 

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