心の中でブツブツ愚痴をこぼしてきたが、実はすでにアンデッドナイトと十数回剣戟を繰り広げていた。剣を交える度に響く斬撃音が痛いほど心まで響く。剣と剣のぶつかり合いは怖いものだ。レベルが違いすぎる場合以外、ぶつかり合う度に刃の切っ先に割れ目が増える。割れ目が重なると整備に出さなきゃいけない。整備にもお金がかかるっていうの…
アンデッドナイトの剣にあのまがまがしい火がなければ、まじで体で攻撃を受け止めていた。どうせ光明殿は祭祀にあふれるし、無料で治癒術を好きなだけ使っていい!
それでもなんかおかしいな。召喚が激ムズの伝説のアンデッドナイトは、想像した強さではなさそうだが?
もしかしたら俺が気づかないうちに強くなったのか…なんてね。
こないだ審判と稽古をしたときは相変わらず三回でやれれた。強くなったとか脳みそが腐ったアンデッドナイトでも信じられるはずがない!
それとも、目の前のこいつはアンデッドナイトじゃなくて、たまたまネクロマンサーにゾンビに変えられた「
アンデッドナイトを観察した。ふむ!全身ボロボロで、剣術もボロボロで、俺が戦闘中に妄想の余裕がありつつ優勢を保つぐらいならもう下手くそどころじゃ…ゴホン!あまり上手ではないというのか。
バカ!こいつが下手くそと言ったら自分も下手くそだと言ってる同然じゃねぇか!俺の剣術は確かにそこまでよくはないけど、下手くそだとは認めねぇからな!
したがって、剣術からこのアンデッドはアンデッドナイトじゃなくて、「
まあどうでもいい!「アンデッドナイト」だろうが「
俺の剣術はあまりよくないが、聖騎士専用の神聖闘気には抜群に優れているんだぜ!一撃で十分だ。ならなぜこのアンデッドとこんなに時間をかけて戦っているのかというと…
『弟子よ、超強いアンデッドに遭遇したとしても、時間をかけて相手とじっくり戦った上で、神聖闘気で安らぎを与えなさい』
『最初から使えばいいんじゃないですか』
幼い俺がそれを理解できなかった。
『弟子よ、考えてみろ。民衆が化け物に遭遇したとき、化け物の強さを示すためにだいたい十分かかって何人かがやられて、そして十分かかって泣きわめいて、さらに十分かかって逃げ散らかして、ようやく騎士の救援を迎える。そこで三秒で解決してはい退勤―したら、三十分も待ってくれた野次馬民衆には申し訳ないだろう?』
『…では先生、民衆の期待を裏切らないにはどれぐらいかければいいんですか』
『弟子よ』
先生が遠方を見つめて意味深な答えをした。
『戦闘を詩曲に例えれば、お前は戦闘に起承転結を付与する吟遊詩人なのだ。時には民衆を楽しませる緊張感を作り上げて、優雅に横になるまでボコられることができたらなおさらいい。相手が品のある悪役だったら、このときに自慢げに侮辱の言葉をかけてくる。それに反応してお前のなかに潜んでいる宇宙を爆発させて無双を…』
『宇宙?無双?』
『えっと、光明神術を爆発させて、優雅に相手をボコって、最後に安らぎの一撃で仕留める。これこそ、完璧無欠な戦闘なのである』
…超疲れそうな戦闘にしか聞こえない。
あれから、戦闘型任務に激しく嫌悪を抱くようになった。その辛さは階段を三百階転ぶのと同じくえげつない。だから特約のネクロマンサーが送ってくれたうつ病予防のアンデッド以外はすべて審判騎士に丸投げする。あいつは敵をあっさりと一撃で倒す。
どおりで審判騎士の戦闘には見物する民衆がほとんどいない。つまらなさすぎる。
「太陽、後ろ!」
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