オーバーロード・元ナザリックの騎士王   作:魔女っ子アルト姫

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第25話

突然上がってきた報告に思わずアルトリウスは聞き返してしまった、一体この宰相様はなんと言ってくれたのだろうか。竜王、竜王と言ってくれたのだろうか。

 

「竜王と名乗る者と妖精騎士が遭遇しました」

「……ハァァァッッッ」

 

思わず深い深い溜息が出てしまった。ユグドラシルにおいてもドラゴンという存在は強大であった、単純なAIであったとしてもエネミー補正を受けた100レベルは適切なスキルや武器を持たぬのであれば苦戦は間逃れず対策をしていたとしても油断する事が一切できない相手でもあった。そんなドラゴンの中でも特に強大とされる存在こそが竜の王、ドラゴンロード。それが接触してきた……想定こそしていたがこうも最悪のど真ん中を突き抜けてくれるといっそ清々しく感じられる。

 

「いや遭遇し無事に情報を持ち帰ってくれたという事は相手には敵対する意思はないのだな」

「今のところは、と付くでしょうがそのようです。そして妖精騎士ガウェインに接触した際にはプレイヤーか否か、という問いを掛けてきたそうです」

 

それを聞いて益々アルトリウスの中での要警戒度数が上昇している。この世界においてプレイヤーの存在は明確でありそれを認識している相手という事にもなる。そして何故竜王と名乗る者なのかという事については現れたのが白銀の鎧だったからである、それを操っている本人が竜王との事だがその真偽は確かめられていないので本当に竜王なのかも怪しいとの事だが……。

 

「本当に竜王だと仮定すべきか……相手のレベルも分からないが100と想定して動く方が良い」

「賛成です」

 

幸いな事にこのキャメロットには竜への特攻を持ち合わせている存在は複数存在している、それと上手く連携を取る事が出来れば最低でも一矢報いる事が出来るだろう。

 

「……のんびり冒険者家業に勤しむという訳にも行かなくなってきたという事か……やれやれっ儘ならんな」

「私としては喜ばしい事ですね、貴方がこのキャメロットに居続けるのですから。そうすれば私があれから寝取るチャンスも来る訳ですから」

「それはない。あったとしても側室に迎える程度だ」

「それこそあり得ませんね、私こそが貴方の正室に相応しい」

 

と胸を張って渾身のドヤ顔を浮かべるモルガンに兜の下で何言ってんだこいつと言わんばかりの表情を作るのだが、こんな彼女にした元凶が自分だという事を思い出して何とも言えない気分になってきた。だとしても王としてはこれ程までに重要な情報を持って来てくれた宰相に対する礼は確りしなければならないと思いながら立ちあがりながらその頭へと手を差し伸べて軽く撫でる。

 

「だが有難うモルガン、君のお陰でこの世界における最大の脅威となりうる存在の情報を得る事が出来た。情報は力、これを基に対策を打てる」

「いっいえ私は宰相として当然且つ妻としてですねあのっ……」

「兎に角有難う」

 

少しだけ強く頭を撫でてから指輪を使って転移を行いながらフレンドメッセージでモモンガに連絡して竜王の事を伝えておく。この時、完全にリラックスしていたモモンガは自室でひっくり返るような衝撃を受けるのであった。

 

「フッフフフフフッ……!!いいですよこれはっこのまま私の優秀さを見せ付け続ける事で徐々にアルトリウスの信頼をあれよりも高めていきながら何れはっクフックフフフフ……!!」

 

純白の肌を赤く染めながら笑いを抑えきれずに色々と漏れ出してしまっているモルガン、その姿は魔女という言葉に相応しい程に不気味な光景だったのかアルトリウスに会いに来たアルトリアが部屋に入った際に全力でいやな顔をしたのだが……自分に気付かずに笑い続けているそれを見てそっと扉を閉めてその場を立ち去る程だった。

 

「ド、ドラゴンロードですか……うっわぁっマジかよぉ……ドラゴンってだけで警戒対象ではあるのにその上でロードって……い、いや向こうはプレイヤーの事を知った上で対話して来たんですから戦闘以外の道を模索する事は可能な筈……!!」

「是非とも俺もそう願いたいわ……」

「というかアルトリウスさんが何とか出来ないんですか?ある意味貴方もドラゴンみたいなもんでしょ」

 

フレンドメッセージを送った直後、モモンガ側から開かれた〈転移門/ゲート〉を通り再度ナザリックへと訪れたアルトリウス。その目的はもちろん竜王への対策を如何にするかという物であったが現状では警戒しておく以上の手立てがないので何とも言えない。

 

「本当に竜王なのかと言う所さえもありますからね……」

「そっちの対応は俺の方でやるしかないね、というか実際あったのもこっちの妖精騎士な訳だし……でも俺達ドラゴンに対する手立てがあって良かったよな」

「全くですね」

 

キャメロットの竜特攻持ち、そしてナザリックではモモンガ自身がドラゴンに対する備えを有している。そう言った意味である程度の対策は立てやすい状況にはある。そう言った意味では幸運だった。

 

「でもこうなるとより一層パンドラを動かすべきじゃないか、モモンガさんの影武者として」

「うっ……確かに竜王という脅威を前にすると出来れば出したくはないという俺の我儘を通す訳にも……」

 

モルガンの一件もあるのでモモンガのパンドラズ・アクターへの気持ちへの理解度が深まっているアルトリウス。出したくはないという気持ちは分かるのだがこの辺りは上手い事、整理を付けて貰うしかないだろう。

 

「なんというかこの世界でも頭が痛くなるような問題が出て来ちゃいましたって感じですね……」

「だァね……まあ竜王の件もそうだけどさ、そっちはそっちでアルベドとかシャルティア大丈夫かい。まあ俺のせいだけどさ」

「……全然大丈夫じゃねぇですよ。指輪を付けている時を見計らうように来るんですよ……しかもどっちも完全に野獣の眼光ですよ、本当に何してくれんですか」

「安心しろ、俺はキャメロットの女性陣に狙われてるから。というかついさっきモルガンに堂々と自分が正室になり替わる宣言された」

「……うわぁっ」




女性関係問題>竜王。
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