やばんなさかなと、きれいなさかな。

1 / 1
やばんなさかな

ぼくはやばんなさかなです。

 

ぼくはおねえちゃんたちと

いっしょにくらしていましたが、

 

おねえちゃんたちはぼくのことを

みようとしません。

 

なぜならぼくが

やばんでみにくいさかなだからです。

 

ぼくはとてもひとみしりで、

おみせでたべものをちゅうもんすることができません。

 

ぼくはとてもおくびょうで、

おばけやしきからいっぽもうごけません。

 

でも、ぼくがなによりこわいのは、

 

ぼくがほんとうにすてられてしまうことです。

 

おかあさんはぼくに

やさしくしてくれるけど、

 

いつもおとうさんと

けんかをしていました。

 

ふたりはいつも

よるのおしごとをしていて、

 

ぼくはさみしくて

こっそりとみていました。

 

あたらしいすに

おひっこししてからは、

 

おとうさんはいなくなりました。

 

たよるべきひとが、

ひとりいなくなってしまいました。

 

あのときのんでいた、

 

めろんそーだのあじを

おもいだします。

 

おねえちゃんはぼくといっしょに

めろんそーだをのんでいたけれど、

 

ぼくがうるさかったから

 

だんだんとおこっためを

するようになりました。

 

そのめはとてもつめたかったけれど、

 

ちいさなおべんとうをたべていたので、

じぶんはげんきでした。

 

おかあさんにおもちゃを

たくさんかってもらったけど、

 

おねえちゃんは

じっとそれをみていて、

 

ぼくがじっとみても

しらんぷりです。

 

おねえちゃんたちがあそんでいるときに

ぼくがとびだしてくると、

 

にらんで、

ぷいっとそっぽをむいてしまいます。

 

ぼくがいちばん、

 

きらわれている

とかんじるときでした。

 

ぼくは、

おねえちゃんたちがふたりで

およいでいるすがたがだいすきで、

 

だいきらいでした。

 

ほかのすにいる

いじわるしてくるこたちや、

 

じゃまだといって

ぶつかってくるこよりも、

 

いちばんそのすがたが

みたくありませんでした。

 

おねえちゃんたちも、

 

ふらふらとゆれながら

ぼくがばかなことをするのを

みているのは、

 

ほんとうに

つらかったでしょう。

 

 

しかたがないのです。

ぼくはみにくいさかなです。

ぼくはやばんなさかなです。

 

だれもみてくれはしないのです。

 

たいせつなひとが

くじらにたべられても、

 

かなしむことができないのです。

 

だから

 

おねえちゃんは

でかけるぼくをみて、

 

きっとなにもいわないのです。

 

おでかけのもくてきちが

おおきなさめのいぶくろでも、

 

きっとなにもいわないのです。

 

だから、ぼくはへいきです。

 

なにもしらないかおをして、

すをでていくことができます。

 

でも、ひとりなくなっちゃって

おかあさんはないちゃうだろうな。

 

ごめんなさい。

 

やばんなさかなで、ごめんなさい。

 

 

おねえちゃんたちみたいに

きれいじゃなくて、ごめんなさい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。