ぼくはやばんなさかなです。
ぼくはおねえちゃんたちと
いっしょにくらしていましたが、
おねえちゃんたちはぼくのことを
みようとしません。
なぜならぼくが
やばんでみにくいさかなだからです。
ぼくはとてもひとみしりで、
おみせでたべものをちゅうもんすることができません。
ぼくはとてもおくびょうで、
おばけやしきからいっぽもうごけません。
でも、ぼくがなによりこわいのは、
ぼくがほんとうにすてられてしまうことです。
おかあさんはぼくに
やさしくしてくれるけど、
いつもおとうさんと
けんかをしていました。
ふたりはいつも
よるのおしごとをしていて、
ぼくはさみしくて
こっそりとみていました。
あたらしいすに
おひっこししてからは、
おとうさんはいなくなりました。
たよるべきひとが、
ひとりいなくなってしまいました。
あのときのんでいた、
めろんそーだのあじを
おもいだします。
おねえちゃんはぼくといっしょに
めろんそーだをのんでいたけれど、
ぼくがうるさかったから
だんだんとおこっためを
するようになりました。
そのめはとてもつめたかったけれど、
ちいさなおべんとうをたべていたので、
じぶんはげんきでした。
おかあさんにおもちゃを
たくさんかってもらったけど、
おねえちゃんは
じっとそれをみていて、
ぼくがじっとみても
しらんぷりです。
おねえちゃんたちがあそんでいるときに
ぼくがとびだしてくると、
にらんで、
ぷいっとそっぽをむいてしまいます。
ぼくがいちばん、
きらわれている
とかんじるときでした。
ぼくは、
おねえちゃんたちがふたりで
およいでいるすがたがだいすきで、
だいきらいでした。
ほかのすにいる
いじわるしてくるこたちや、
じゃまだといって
ぶつかってくるこよりも、
いちばんそのすがたが
みたくありませんでした。
おねえちゃんたちも、
ふらふらとゆれながら
ぼくがばかなことをするのを
みているのは、
ほんとうに
つらかったでしょう。
しかたがないのです。
ぼくはみにくいさかなです。
ぼくはやばんなさかなです。
だれもみてくれはしないのです。
たいせつなひとが
くじらにたべられても、
かなしむことができないのです。
だから
おねえちゃんは
でかけるぼくをみて、
きっとなにもいわないのです。
おでかけのもくてきちが
おおきなさめのいぶくろでも、
きっとなにもいわないのです。
だから、ぼくはへいきです。
なにもしらないかおをして、
すをでていくことができます。
でも、ひとりなくなっちゃって
おかあさんはないちゃうだろうな。
ごめんなさい。
やばんなさかなで、ごめんなさい。
おねえちゃんたちみたいに
きれいじゃなくて、ごめんなさい。