ありふれた錬成師と神に愛された病弱で世界最強   作:ファフ

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零人「第二回『あり病』のあらすじのコーナー!はっじめっるぞー!」
ハジメ「それ言いにくくないか?」
零人「めっさ言いにくいっす」
光輝「なんで言ったのさ……」
零人「なんとなく?兎に角やるぞ~。今回は俺・ハジメ・光輝であらすじ紹介だ!『ありテスト』もあるからな!」



零人「前回は初のベヒモス戦だったな。これから何回か戦うことになるがどうだった?」

光輝「今となっては雑魚だけどあの頃は凄かったよ。俺は戦ってないが恐らく切り傷程度しか与えられなかったと思う」

ハジメ「だな。俺も地面に埋めることしか出来なかったから大変だった。今となっては一発で仕留められるけど。そう考えると足を切り落とした零人はすげぇな」

零人「あれは俺じゃなくてGNソードの切れ味とGNドライブの推進力のおかげだ。でも、Gが半端なかったぞ。全身の骨が砕けると思ったぜ」

光輝「だろうな。グラハムスペシャル並みにヤバイ事だから、俺ならともかくあの時の零人だったらヤバかったでしょ」

零人「よく生きてたよ、俺。その後、魔法の誤射(?)でハジメと香織が奈落に落ちちまった」

ハジメ「ほんと大変だったんだからな?真っ暗でほとんど見えないは、腕は喰われるは、吸血鬼を助けたり、色々あったからな。今となっては良いような悪いような思い出だ」

零人「そうか…………、おっと長くなったな。あらすじはこれくらいにして、ありテストにしようか。これでも俺達は召喚された当時は高校二年で受験が近づいてるからな、今回は高校化学から出題する。あらすじ紹介に出てない奴等も参加してもらうから覚悟しとけ」




問題(化学)
『料理の為に火をかける鍋を作成する際、重量の軽いマグネシウムを材料に選んだが、料理を始めると問題が発生した。この時の問題点とマグネシウムの代わりに用いるべき合金の例を一つ挙げなさい』

光輝・ハジメ・その他数人の答え
『問題点……マグネシウムは炎にかけると激しく酸素と反応するため危険だという点
合金の例……ジュラルミン(またはステンレス銅)』

零人のコメント
『正解。マグネシウムは酸素と化学反応しやすくて鍋やフライパンなどに使うと危険だぞ。合金はジュラルミンやステンレス銅などの軽くて火に強いやつがおすすめだ』

檜山・野村・近藤・その他の答え
『合金の例……鉄』

零人のコメント
『残念、不正解だ。鉄は合金じゃないぞ?確かに鉄を使う合金はあるが単品だけ書いたら不正解になるから次からは気を付けるように』

宮崎・菅原の答え
『問題点……IHや魔法を使ってないから』

零人のコメント
『問題文ちゃんと読んでこい。火にかけるって書いてあるだろ?とにかく焚き火でもいいから火にかけて』

???達の答え(?)
『アルミニウムとかって何?』

零人のコメント
『そうだった。■■■■達は解らなくて当たり前だもんな。今回は不問とするけど俺達の世界では一般常識だから皆から教えてもらって』

龍太郎の答え
『合金の例……魔法合金(←超強い)』

零人
『ねぇよ、そんなもん。実際にある合金を書け。あと、問題点を白紙で出すな』


真実と別れ

〔零人side〕

 響き渡り消えていくベヒモスの断末魔。ガラガラと騒音を立てながら崩れていく石橋。

 そして………………

 

 

 瓦礫と共に奈落へと吸い込まれるように消えていくハジメと香織。

 

 

 その光景を、まるでスローモーションのように緩やかになった時間の中で、ただ見ていることしかできなかった。

頭の中で昨夜の光景を思い浮かべた。

 迷宮攻略の準備をしてそろそろ寝ようとしていたとき、香織と雫がやって来た。紅茶モドキを四人で飲みながら軽く雑談し、香織がある約束をした。

 〝ハジメを守る〟と。

 香織が予知夢を視て、ハジメと香織と俺が消えることを教えてくれた。だから今日の攻略は気をつけていたつもりだった。

 だが実際に二人が消えてしまった。手が届く距離だったのに伸ばせなかった。GNドライブをフルで動かせば手が届いた。なのに急に心臓と肺が締め付けられるかのように痛み始めた。助けることができたのに…………!

 

「離して!香織を助けに行かないと!お願いだから離してぇ!」

 

 飛び出そうとする雫を光輝と龍太郎が必死に羽交い締めにする。雫はそれを尋常ではない力で引き剥がそうとする。

 このままでは雫の体の方が壊れるかもしれない。しかし、だからといって、断じて離すわけにはいかない。今の雫を離せば、そのまま崖を飛び降りるだろう。それくらい、必死の形相だった。いや、悲痛だろう。

 

「雫っ、駄目だ!雫!」

 

 光輝は雫の気持ちが分かっているからこそ、かけるべき言葉が見つからない。ただ必死に名前を呼ぶことしかできない。

 

「君まで死ぬ気か!香織とハジメは大丈夫な筈だ!だから落ち着くんだ!このままじゃ、体が壊れてしまう!」

 

 それは光輝なりの精一杯の気遣った言葉。だがそれでも止まらない。

 

「でも行かないと!きっと助けを求めている!」

 

 先程よりも力が増しており、筋力がクラス1の龍太郎でも押さえきれなくなってきている。周りの生徒もどうすればいいか分からず、オロオロとするばかり。

 その時、メルド団長がツカツカと歩み寄り、問答無用で雫の首筋に手刀を落とした。ビクッと一瞬痙攣し、そのまま意識を落とす雫。

 

「ありがとうございます、メルド団長」

「こうしなければ彼女の精神が死んでしまってた。手荒な真似をしてすまない」

「いえ、それでも雫を助けてくれたのは変わりません」

「そうか………、では全力で迷宮を最短距離で脱出する。光輝は雫を、龍太郎は零人を頼む」

「「了解」」

 

 龍太郎におんぶされる。光輝が雫を抱かえ、それを確認したメルド団長が先陣を切って階段を登っていく。

 

「………すまん、龍太郎」

「いや、いいってことよ。倒れた零人を運ぶのは俺の仕事だからな」

「違う……、二人を助けれなかったことだ。俺なら助けれた筈なのに助けれなかった…………!」

「零人のせいじゃねぇよ。ほんとは俺も嫌な予感はしてたんだ。だが、足がすくんで動けなかった。だから零人だけの責任じゃねぇ」

 

 支えていてくれている腕の力が強くなった。…………こいつも悔しいのだろう。

 

「……ごめん」

 

 

 

 

 

 それからしばらく経ち、なんとか一階の正面門まで帰って来た。一日しか入っていないのに、随分と昔に通ったような感覚に襲われた。大広場に向かい、降ろされる。やっと痛みが退いてきた。ほとんど全員が息を荒らして膝をついたり、腰を下ろしている。それもそうだろう。六十五階層からここまで休まずに全速力で帰ってきたんだから。メルド団長達は息切れをしていないみたいだ。流石、国から認められた騎士だ。

 

「お前達、よくぞここまで戻ってきてくれた。まだ気持ちの整理が整ってないと思うが聞きたいことがある。あの時、二人に向かって魔法を射ったのは誰だ?

 

「「「「「「っ!」」」」」」

 

 確かにあの時、幾つもの魔法がベヒモスに向かって飛んでいた。だが、一つだけ方向転換して二人に向かっていった。ハジメがいち早く気づいて直撃を避けていた。早く気づけたのは誰かが叫んだだからだ。あの時叫んだのは…………、

 

「俺です」

 

 大介が手を挙げながら立ち上がった。

 

「ど、どういう事だよ?檜山があの火球を射った?冗談だろう!?」

 

 大介と仲の良い近藤が叫ぶ。友達が二人を殺そうとしたんだ。混乱するのも悪くない。

 

「どういう事だ、大介。何故二人に魔法を放った?〝無垢の領域〟」

 

 無垢の領域の結界を展開できるまでの魔力が回復したから急いで展開させる。これで本当の事しか言えなくなった。

 

「俺にだってわかんねぇよ………!あの時、風球の詠唱をしていた筈なのに何故か火球の魔法陣が展開されたんだ。急いで詠唱を止めたが全然止まんなかった」

「なに?」

 

 風球を使おうとしていたのに火球が出てきただと?

 

「そこで気づいたんだ。魔法陣に使われている魔力の色が俺のじゃなかった」

「魔力の色が違った?」

「ああ、俺のはワインレッドなんだが使われてたのは透明な白い魔力だったんだ」

 

 ステータスプレートに魔力を流しながら言ってくる。確かにワインレッドだ。そこでメルド団長が話し掛けてきた。

 

「大介、それは本当なのか?」

「それは俺が保証しますよ。今使ってる無垢の領域の結界内は前にも説明した通り、嘘をつけず本当の事しか言えなくなります。なので大介の言っていることは本当ですよ」

 

 これで大介が黒じゃない事を証明できた。

 

「まるで誰かに魔法陣を乗っ取られた感覚だった」

「そうか……、大介、お前が犯人ではないことは分かった。だが、間接的に二人を殺したんだ。暫くは投獄されるだろう」

「はい、わかってます」

「あの…………、二人とも死んでませんよ?」

「なに?」

「今、〝生命の目録〟を使って二人の生死を確認したんですけど、まだ生きてますよ」

 

 俺の技能、生命の目録は俺が知っている人物の名前が書かれた地図のような物に名前の横に色で生死が判別できる。緑なら生きてる、赤かったら死んでいると分かる。クラスメイト全員と愛ちゃん先生、メルド団長に騎士の四人、そしてリリィとヘリーナとランデル王子の名前が書かれていて、全部緑色に光っていた。つまり誰も死んでいない。

 

「そうか……!だが、この事を王国に行って報告しなければならない。二人の救出は遅くなってしまう」

「大丈夫です。こんなこともあろうかとハジメに栄養食を沢山持たせてあります。しばらくはもつと思いますよ」

 

 昨日、香織と雫がやって来て予知夢のことを教えてくれた後にもしもの時ようにハジメに持たせて正解だった。

 

「わかった。なら急いで王国に戻るぞ。だが、もうこんな時間だ。出発は明日の朝一になる。今日はゆっくり休め!」

 

 そう言われ、宿舎に戻ろうと歩きだした。

 

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《その夜》

 

 

 俺はある準備をしていた。

 

「………これとこれ……、あとアレかな」

 

 少し大きめのリュックに包帯や薬、十数日分の食料などサバイバルに持っていくような道具を入れていく。

 このリュック、実はアーティファクトだ。王国を出発するときにリリィがくれた物で中身の重さを無くしてくれる便利なアーティファクトらしい。しかし、容量はこのリュックの大きさまでで四次元構造になってないから入れられる物は限られる。

 

「よし、あとはアレだけだな」

 

 ホルアドに来たときに一緒に持ってきた特別な鞄に近づき、蓋を開ける。中には十本の試験管と数十個もの錠剤が入った瓶を取り出す。

 

「できれば使いたくなかったな…………」

 

 試験管の方には書いてないが瓶の方にはシールが貼ってある。シールには『限界突破薬(仮)』と書かれている。

名前の通り、薬によって擬似的な〝限界突破〟を行うことができる薬だ。だが、擬似的なものだから効果は本家より低い。本来ならステータスを三倍にするものだが、これは二倍しか強化されない。

 しかし、メリットもある。それは持続時間だ。本家は三~五分しか続かないが薬にしてあるから最大で十二時間は持つ。それに眠気や空腹、疲労を無くしてくれる優れものだ。だがデメリットも強い。効果時間を過ぎたらそれまで無くしていた眠気などが一気に来て暫くの間動けなくなってしまう。

 それにこれは俺以外が使った場合。俺が使ったらメリットやデメリットはそのままだが、ステータスは本来のものになる。つまりステータスが二倍化されずに元のステータスに一時的に戻るだけ。まあ、それでも光輝達より強いんだけどね。

 九本の試験管を割れ防止の為にタオルで包んで瓶と一緒にリュックに入れる。沢山入れたからリュックがパンパンだ。試しに持ってみるが中身の重さを全く感じない。本当に重さを無くしているようだ。

 残った試験管をポケットに入れて部屋を出る。出発する前に雫の様子を見るためだ。

 

 

 しばらく歩き、雫と香織の部屋にたどり着いた。ドアを三回ノックする。

 

「雫、入るぞ」

 

 ドアを開け、中に入る。二つのベッドのうち、窓側の方に雫が横たわっておりその横には恵里と鈴がいた。

 

「あっ、零人君」

「よっ、二人とも。雫の容態はどうだ?」

「大丈夫、今はぐっすり寝てるよ」

 

 恵里が雫の手を握りながら言う。

 

「メルドさんが言うにはね、今は寝て落ち着いているけど起きたらどうなるか分からないって」

「そうか………」

 

 気絶するまでずっと気を取り乱して叫んでいたんだ。目が覚めて、また思い出したら今度こそ精神が壊れてしまうだろう。

 

「じゃあ、これを二人に渡しておくよ」

 

 上着のポケットから瓶に入った少し大きめの錠剤を取り出し、二人に渡す。

 

「精神安定剤だ。こっちの材料で作ったから地球産のものより質は良い筈だ」

「うん、ありがとう。これを雫ちゃんに飲ませればいいんだね?」

「ああ、これで少しは落ち着くはず。雫を頼む」

「任せてれいれい、しずしずは絶対守るから!」

 

 鈴が瓶ごと手を握ってくる。これで雫のことは安心だ。雫の頭を軽く撫で、部屋を出て自分の部屋に戻った。

 戦闘用のコートを羽織り、リュックを背負って、雫達に会いに行く前にポケットに入れた試験管の限界突破薬を飲む。味覚(苦味)過敏の俺用に調整した味だから一気に飲める。

 

「よし、行くか!」

 

 部屋を出て、クラスメイトや騎士達にバレないように宿の門をくぐり、オルクス大迷宮に向かう。

しばらく歩き、巨大な入り口に到着した。扉を開けようと手を添えた瞬間、後ろから視線を感じた。

 

「誰だ」

 

 魔法の準備をし、視線を感じた方向を向く。そこには見知った人影があった。

 

「俺だ、零人」

「っ、メルドさん………」

 

 夜にも関わらず重装備を着たメルドさんが立っていた。

 

「どうしたんですか?そんな装備を着て。今は夜で皆は宿にいるんですよ?ここに居ちゃ駄目じゃないですか」

「お前のような勝手に迷宮に潜ろうとする大馬鹿者を取っ捕まえるためだ」

「ははっ、やっぱりお見通しでしたか」

 

 流石にメルドさんには気づかれてると思ってた。だが、ここで引き下がるわけにはいかない。

 

「止めても無駄ですよ。なんと言われても、足を折られても俺は行きます」

「………もうこれ以上犠牲者を増やすわけにはいかないんだ。だが、お前はそれを無視して行くんだろう?」

「はい」

 

 メルドさんの目をしっかり見つめる。十秒ほど見つめあって、観念したのかメルドさんが呆れ顔をこっちを見てきた。

 

「………わかった。今回は見逃してやる」

「ありがとうございます、メルドさん」

「だが、ちゃんと生きて帰ってこい!」

「Yes, My lord!(了解!)」

 

 メルドさんに見送られながらオルクス大迷宮に入っていく。

 

(待っていろよ、ハジメ、香織。必ず迎えに行くから)

 




 どうだったでしょうか?
 零人の「yes,mylord」の台詞ですが、コードギアスの台詞を使いました。ユア・マジェスティ>ユア・ハイネス>マイ・ロードの順で使う相手が違います。
 マジェスティは皇帝、ハイネスは皇帝以外の皇族、ロードはそれ以外の上官などに使われます。
 現状報告ですが、この小説のお気に入り登録者が286になり、もう少しで300人に到達します!いや、ほんとに嬉しいです。まさかここまで増えるとは思っていませんでした。それに評価の部分が赤になってるのにビックリしました。これからも頑張って執筆するので楽しみにしていてください!

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