零人「今回はゲストが雫とリリィとヘリーナの三人だ」
雫「本当に私達で良かったの?まだ登場してない人達いるのに二回目なんて」
リリィ「オルクス大迷宮編が前回で一段落つきましたからね。たぶんその記念なんでしょう」
零人「
ヘリーナ「なら大丈夫ですね。ではあらすじ紹介に入りましょうか」
零人「前回は俺が
雫「寿命のこと黙っていたこと後でじっくり聞かせて貰うからね?(n回目)」
零人「………………Jud.」
リリィ「まぁまぁ、それでゼウス様にいろんなこと言われたんですよね?」
零人「エヒトの殺害命令や地球の大災害とかな、超びっくり」
ヘリーナ「その後に生き返って大迷宮のボスを倒した武器について質問が来てるんですが」
零人「ああ、
零人「元々、雷霆は実体のない強力な雷の集合体なんだけど、俺が使うことで戦斧になる。これは使用者に合わせて雷霆そのものが変化しているんだ」
ヘリーナ「なるほど、もし、南雲様が使った場合は銃になるってことですね」
零人「Jud.でも、それ以前にゼウス様から認められないと使えないけどな」
リリィ「それにしてもカッコいい装飾ですね」
雫「不思議な形よね。左右非対称だし」
【挿絵表示】
零人「それは俺も思った。でも、凄く使いやすいし、格好いい、特にこの紅い宝石が綺麗だろ?」
雫「零人が良いならいいけど」
ヘリーナ「話が長引いてしまいましたがそろそろ時間です」
リリィ「あら、もうそんな時間ですか」
雫「じゃあ、終わりの締めをしましょう」
零人「Jud.それじゃあ、せーのっ!」
「「「「本編をどうぞ!」」」」
〔零人side〕
「………………………そんなに食べられアーーーーーーーーー♂!」
「………はっ、夢か。………………あれ?なんかデジャブ?」
あ、思い出した。あれだ、さっき死んだときに見た夢だ。でも思い出せない。いつもなら断片ぐらいは思い出すのにそれすら思い出せない。集中して記憶の細部まで確認。
すると突然寒気が襲ってきた。すかさず後ろを振り返るが誰もいない。腕がめっちゃ震えてる。そりゃもう青鬼のたけし並みに。鳥肌も凄いことになってる。え、そんなにヤバイ夢なの?正夢になったりしない………よね………?
まぁ、そんなことは置いといて、
「ここどこ?」
純白のシーツに豪奢な天蓋付きの高級感溢れるベッドで俺は寝ていたらしい。しかもそのベッドがある場所は吹き抜けのテラスのような場所で一段高い石畳の上にいるようだ。爽やかな風が天蓋と俺の頬を撫でる。周りには太い柱と薄いカーテンに囲まれている。
例えるなら機動戦士ガンダムSEEDでキラがイージスの自爆に巻き込まれた後にラクスに匿われた時に寝かされていた場所だろう。今回はガラス張りではなくてカーテンだが。
空間全体が久しく見なかった暖かな光で満たされている。
さっきまで地下奥深くの迷宮で戦っていたのに不思議な気分だ。
(軽く探索でもしてみるか)
見た感じ地上みたいだけど地上独特の匂いがしない。確かに土や太陽の光などは地上とさほど変わらないけど決定的に足りないものがある。生き物の匂いだ。本当なら人間や動物、虫などの匂いがほんの少しだけするのだが全くしない。
それに三人のことも気になる。香織とユエは傷が残りそうな怪我はしていなかったが女の子だからもう一度神水を飲ませたほうがいいかもしれない。特に心配なのはハジメだ。左腕と右目の欠損に加えて、怪我の上にまた怪我を負って跡が残るレベルだった。今すぐにでも飲ませないといけない。
ベッドから起き上がり扉へ向かう。取手を掴み扉を開けると白髪隻眼の男が立っていた。もちろんハジメだ。
「「………………」」
沈黙が続く。
「(スッ)」
無言で扉を閉める。そのまま180度回転しベッドに戻る。ベッドに着きブランケットを羽織り瞼を閉じる。さて、二度寝でもしますか。
「なんで閉めんだ!」
ちっ、寝かせてくれねぇのか。
「めんごめんごw。てなわけでおっはー♪」
「おう、おはようさん。それだけふざけれるなら問題ないな」
呆れた顔で頭をガリガリ掻きながら近づいてくる。ハジメの後ろから香織とユエも来た。
「あれからどれくらい寝てたんだ?」
「丸一日だな。まぁ、時計がないから感覚的に」
「そっか。んで?その服どったん?」
三人の服が変わっている。さっき(昨日)までボロボロの戦闘服だったのに今はラフな格好をしている。ハジメは白のカッターシャツに黒のジーンズ、香織とユエは白のワンピースを着ていた。作った覚えないんだけどな~。
「ああ、この反逆者の隠れ家から拝借したんだ。どうやら、男物だけじゃなくて女物もあったからな攻略した証で貰った。ちなみにお前も着ているぞ」
「あっ、ホントだ」
確かに俺の服も変わってた。黒のカッターシャツに灰色のスラックスだ。
「とりあえず着いてこい。隠れ家を案内する」
「へいへい」
ベッドルームから出た俺は、周囲の光景に圧倒され呆然とした。
目の前には地上とさほど変わらない風景が広がっていた。天井を見てみると太陽を模したガラス張りの円錐形の物体が浮いていた。ハジメが言うにはこの隠れ家の太陽みたいなもので夜になったら月みたいに変わるらしい。
次に注目するのは耳に心地良い水の音。扉の奥のこの部屋はちょっとした球場くらいの大きさがあるのだが、その部屋の奥の壁は一面が滝になっていた。天井近くの壁から大量の水が流れ落ち、川に合流して奥の洞窟へと流れ込んでいく。滝の傍特有のマイナスイオン溢れる清涼な風が心地いい。よく見れば魚も泳いでいるようだ。もしかすると地上の川から魚も一緒に流れ込んでいるのかもしれない。
川から少し離れたところには大きな畑もあるようである。今は何も植えられていないようだが……その周囲に広がっているのは、もしかしなくても家畜小屋である。動物の気配はしないのだが、水、魚、肉、野菜と素があれば、ここだけでなんでも自炊できそうだ。醤油があったらいいな。緑も豊かで、あちこちに様々な種類の樹が生えている。
「これでご飯には困らないな」
「うん、お腹いっぱい食べれるね!」
香織が凄い喜んでる。まぁ、香織はこう見えて食べるの好きだからな。
俺達は川や畑とは逆方向、ベッドルームに隣接した建築物の方へ歩を勧めた。建築したというより岩壁をそのまま加工して住居にした感じだ。
石造りの住居は全体的に白く石灰のような手触りだ。全体的に清潔感があり、エントランスには、温かみのある光球が天井から突き出す台座の先端に灯っていた。薄暗いところに長くいた俺達には少し眩しいくらいだ。どうやら三階建てらしく、上まで吹き抜けになっている。
取り敢えず一階から見て回る。暖炉や柔らかな絨毯、ソファのあるリビングらしき場所、台所、トイレを発見した。どれも長年放置されていたような気配はない。人の気配は感じないのだが……言ってみれば旅行から帰った時の家の様と言えばわかるだろうか。しばらく人が使っていなかったんだなとわかる、あの空気だ。まるで、人は住んでいないが管理維持だけはしているみたいな……。
「初めて来たときから埃が一切なかったんだ。おかしいだろ?」
「………たぶん、埃を消す魔法が家全体に掛けられてたんだと思う」
「へぇ~」
ハジメとユエが説明してくれる。チラッと周りを見たら掃除ロボット的な人形があった。恐らく、あれが掃除してたんだろう。
更に奥へ行くと再び外に出た。そこには大きな円状の穴があり、その淵にはライオンぽい動物の彫刻が口を開いた状態で鎮座している。彫刻の隣には魔法陣が刻まれている。香織が魔力を注いでみると、ライオンモドキの口から勢いよく温水が飛び出した。どこの世界でも水を吐くのはライオンというのがお約束らしい。
「あとで風呂入ってこいよ。汗とかは拭いといたが匂いがあれだからな」
「わかってるって」
さすがに俺でも気づく。一ヶ月近く風呂に入ってないからな。悪臭がはっきりわかる。
風呂好きの俺からしたらこの風呂は凄く嬉しい。
「エデンはここにあった………………!」
「お前、天国や神界にも行ったことあるだろ」
「あるよ?」
「「「………………」」」
三人から悲しい目線を向けられた。やめて、泣いちゃうから。
それから、二階で書斎や工房らしき部屋を発見した。しかし、書棚も工房の中の扉も封印がされているらしく開けることはできなかった。仕方なく諦め、探索を続ける。
俺達は三階の奥の部屋に向かった。三階は一部屋しかないようだ。奥の扉を開けると、そこには直径七、八メートルの今まで見たこともないほど精緻で繊細な魔法陣が部屋の中央の床に刻まれていた。いっそ一つの芸術といってもいいほど見事な幾何学模様である。
しかし、それよりも注目すべきなのは、その魔法陣の向こう側、豪奢な椅子に座った人影である。人影は骸だった。既に白骨化しており黒に金の刺繍が施された見事なローブを羽織っている。薄汚れた印象はなく、お化け屋敷などにあるそういうオブジェと言われれば納得してしまいそうだ。
「………………なにあれ?」
「さぁ?俺にもわからん」
「たぶん、この隠れ家の持ち主じゃないかな?」
「ん、明らかに反逆者っぽい」
その骸は椅子にもたれかかりながら俯いている。その姿勢のまま朽ちて白骨化したのだろう。魔法陣しかないこの部屋で骸は何を思っていたのか。寝室やリビングではなく、この場所を選んで果てた意図はなんなのか………。
「とりあえず入ってみるか?」
「おう、地上への道を調べるには、この部屋がカギなんだろうな。さっきの書庫と工房の封印も解けるかもしれないし。三人は待っていてくれ。何かあったら頼む」
「おっけー」
「気を付けてね」
「頑張って」
ハジメが魔法陣へ向けて踏み出した。そして、魔法陣の中央に足を踏み込んだ瞬間、カッと純白の光が爆ぜ部屋を真っ白に染める。
やがて光が収まり、眼を開けると目の前には黒衣の青年が立っていた。
〔零人sideout〕
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〔ハジメside〕
魔法陣が淡く輝き、部屋を神秘的な光で満たす。
中央に立つ俺の眼前に立つ青年は、よく見れば後ろの骸と同じローブを着ていた。
『試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?』
話し始めた彼はオスカー・オルクスというらしい。しかもこの【オルクス大迷宮】の創造者のようだ。驚きながら彼の話を聞く。
『ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか……メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。……我々は反逆者であって反逆者ではないということを』
そうして始まったオスカーの話は、俺達が聖教教会で教わった歴史やユエに聞かされた反逆者の話とは大きく異なった驚愕すべきものだった。
それは狂った神とその子孫達の戦いの物語。
神代の少し後の時代、世界は争いで満たされていた。人間と魔人、様々な亜人達が絶えず戦争を続けていた。争う理由は様々だ。領土拡大、種族的価値観、支配欲、他にも色々あるが、その一番は〝神敵〟だから。今よりずっと種族も国も細かく分かれていた時代、それぞれの種族、国がそれぞれに神を祭っていた。その神からの神託で人々は争い続けていたのだ。
だが、そんな何百年と続く争いに終止符を討たんとする者達が現れた。それが当時、〝解放者〟と呼ばれた集団である。
彼らには共通する繋がりがあった。それは全員が神代から続く神々の直系の子孫であったということだ。そのためか〝解放者〟のリーダーは、ある時偶然にも神々の真意を知ってしまった。何と神々は、人々を駒に遊戯のつもりで戦争を促していたのだ。〝解放者〟のリーダーは、神々が裏で人々を巧みに操り戦争へと駆り立てていることに耐えられなくなり志を同じくするものを集めたのだ。
彼等は、〝神域〟と呼ばれる神々がいると言われている場所を突き止めた。〝解放者〟のメンバーでも先祖返りと言われる強力な力を持った七人を中心に、彼等は神々に戦いを挑んだ。
しかし、その目論見は戦う前に破綻してしまう。何と、神は人々を巧みに操り、〝解放者〟達を世界に破滅をもたらそうとする神敵であると認識させて人々自身に相手をさせたのである。その過程にも紆余曲折はあったのだが、結局、守るべき人々に力を振るう訳にもいかず、神の恩恵も忘れて世界を滅ぼさんと神に仇なした〝反逆者〟のレッテルを貼られ〝解放者〟達は討たれていった。
最後まで残ったのは中心の七人だけだった。世界を敵に回し、彼等は、もはや自分達では神を討つことはできないと判断した。そして、バラバラに大陸の果てに迷宮を創り潜伏することにしたのだ。試練を用意し、それを突破した強者に自分達の力を譲り、いつの日か神の遊戯を終わらせる者が現れることを願って。
長い話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。
『君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか。……君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを』
そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。同時に、脳裏に何かが侵入してくる。ズキズキと痛むが、それがとある魔法を刷り込んでいたためと理解できたので大人しく耐えた。
ゆっくりと頭痛が引いていき、安堵の息を吐く。
「お疲れ~」
「ハジメ………大丈夫?」
「ああ、平気だ………、たぶん神代魔法を習得した影響の頭痛だ。………にしても、どえらいこと聞いちまったな」
「だね、どうする?」
香織がオスカーの話を聞いてどうするのか聞いてくる。
「ん?別にどうもしないぞ?元々、勝手に召喚して戦争しろとか言う邪神(笑)なんて迷惑としか思ってないからな」
ほんと何してくれてんだ。こっちは今季のアニメ視聴やら漫画とゲーム制作が残ってんだよ。早よ返せや。
「あっ、そうだ。言い忘れてた」
零人が何かを思い出したかのように手のひらのポンッと叩く。
「死んでいた時にゼウス様に会ったんだけどさ」
「っ!?ゼウスってあの!?会ったのか!」
「もしかして帰れるの!?」
零人の肩を掴んで問いただす。もしかしたらこのまま帰れるかもしれない!
「いや、帰るのは難しい。あの
「………そうか」
それから零人は死後のことを教えてくれた。あの世に行ったのではなくて、いつもの〝この世とあの世の狭間〟に行っており、そこでゼウスと会っていたこと。地球が大災害に見舞われたが幸い死者は出ていないこと。エヒトが正式に邪神認定されたこと。零人の神格が覚醒したこと。ヒュドラの攻撃で死んだのではなく寿命で死んだこと。トータスに来る前に病院で一ヶ月の余命宣告されていたこと。
「なるほど、話は大体分かった。だけどな………」
零人の顔を鷲掴みし、力を入れていく。
「ちょっ、アイアンクローは勘弁………!」
「何故余命宣告のこと黙ってた?」
「あ、無視ですか。『バキッ』ほら!今鳴っちゃいけない音がした!」
手から頭蓋骨がバキバキとひびが広がっていく感覚が伝わってくるが無視する。激痛で掴んでいる腕を何度も叩いてくるがそれも無視する。
「ほら、さっさと答えろ」
「答える!答えるからこの手外s『バキンッ!』………………………………………………………」
骨が限界を迎えて今までよりも大きな音が鳴り響く。同時に零人も動かなくなり倒れた。頬を何度も叩くが一向に起きない。
「 」
返事がない、ただの屍のようだ。
「力入れすぎたか」
まっ、どうせ後で起きるだろ。さっさと香織とユエにも神代魔法習得してもらわないと。
そう思い、二人を招いて魔法陣の上に立たせる。また魔法陣が輝き、オスカーの映像が再生された。
また、これを聞かないといけないのか。
〔ハジメsideout〕
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〔零人side〕
「………………………死ぬかと思った。頭蓋骨大丈夫だよな?割れてないよな?」
………………ん?割れたから気絶したんだよな。あれぇ?可笑しいな?まっ、いっか。
「んで、何で三人ともげんなりしてんの?」
三人の顔を見てみると疲れたように顔色が悪くなっていた。気絶する前に見たときは元気だったはずなのに。
「………………ああ、ちょっとな」
「?」
どうやら神代魔法を習得するときに必ずオスカー・オルクスの録画が再生されるらしい。しかも、全く同じ内容で録画が終わらない限り神代魔法を習得できない。鬼かな?
「てことは、俺もまた聞かないといけないのか………」
「俺達は三回目だけどな………」
めんどくさい………。しょうがない、さっさと終わらせるか。
立ち上がり魔法陣の上に立つ。すると魔法陣が輝き、光が溢れる。だが、さっきと光り方が違った。
不思議に思いながら光が治まるのを待っているとやっぱりオスカーの投影が現れた。
『
「「「「は?」」」」
え、ちょ、どゆこと!?何で俺が神だってバレてんの?ネタバレ防止は?ネタバレ防止係の方はどうしたの?あっ、休み。そっか~、ならしょうがないか。じゃねぇよ!?
「まじでどゆこと?」
「知るか」
「私も分かんないかな」
「ん………不思議」
ですよね~。本当に何でバレたんだろう?
『おそらく、私が貴方のことを神だと分かるのかに戸惑っているかもしれません』
うん、その通り。
『それは魔法陣が貴方の神気に反応したことにより、この記録映像が流れるようにしてあります』
へぇ~、なるほどね~。なら納得。でも、それ以外にもあるでしょ。
『それともう一つ、この屋敷に来る前に試練で私が生み出した人工魔物と戦いましたね?あれは魔法陣と同じように神気に反応するようにしてあります。あなた方が来た時に人工魔物のリミッターを解除し、本気で相手するようにしてあります』
(………………ん?てことはヒュドラが突然強くなったのは俺のせいってこと?)
なんとなく後ろを見てみるとハジメがドンナーを俺に向けていた。しかも引き金に指を添えて。
―――後で謝るからやめて!?
―――断る、慈悲はない。
―――ちくしょう!
アイコンタクトとジェスチャーで必死に訴えるが駄目だったぽい。
まぁ、あとで殺されるのはそこら辺に捨てといて、今は目の前のことだ。と言っても話の内容は最初とほとんど変わっていなかった。変わったのは口調だけ。なんか敬意を払われながら言われた。これでも同じ人間なんだけどな。
「「「同じじゃないから」」」
「心の中読むのやめて?」
何で俺の周りって俺の心読めるの?俺に人権ってないのかな?
『貴方に私の力を、〝生成魔法〟を授けます。この力をどう使うかは貴方の自由です。ですが、もしよろしければ私の願いを聞き受けてくれませんか?先ほども話したようにこの世界はエヒトによって崩壊の危機に陥っています。どうかエヒトを倒し、世界を救ってほしい。………………これで私の話は終わりです。聞いていただきありがとうございます。貴方のこれからが自由の意志の下にあらんことを心から願います』
そう言い、スッと消えた。
「うーん、やっぱすげぇこと聞いたな」
「で、お前はどうすんだ?世界救ってほしいって言ってたけど」
「そりゃあ、救うに決まってるだろ。もともとエヒトを殺すのが俺に課せられたあの
「特にお前はな」
薬貰ったり、衣食住用意して貰ったり、薬貰ったり、話し相手になって貰ったり、薬貰ったり、色々して貰った。
それにリリィとヘリーナには約束してるし、必ず帰らないといけないからな。なんか大事なこと忘れてるけど気にしないでおこう。
「はいはい、話も終わったところで」
香織が手をパンパンッと叩き注意を向ける。はて、何事やら?すると、ユエが何故か満面の笑みで告げてきた。
「お仕置きターイム」
あ、やっべ。
「歯ぁ食い縛れ」
ハジメがドンナーを構え、香織が〝螺炎〟、ユエが〝雷帝〟の魔法陣を展開してた。俺に向かって。
「ちょっ、まっ」
「「「問答無用!」」」
三十分ぐらい集中砲火された。
こころのそこからおれのたいきゅうりょくがあいつらのこうげきりょくよりたかくてよかったとおもった まる
《零人sideout》