ありふれた錬成師と神に愛された病弱で世界最強   作:ファフ

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 どうもファフニールです。
 今回は原作で光輝が無責任発言をする話ですが、この作品では何と言うでしょうか?
それでは本編をどうぞ!


異世界召喚されました

 眩しかった光が止み、目を開けてみるとまず目に飛び込んできたのは巨大な壁画だった。縦横10メートルはありそうなその壁画には後光を背負い、長い金髪をなびかせてうっすらと微笑む中性的な顔立ちの人物が描かれていた。背景には草原や湖、山々が描かれ、それらを包み込むようにその人物は両手を広げている。恐らく、神なのだろう。

よくよく周囲を見てみると、巨大な広間に集められたようだ。光沢を放つ白い石造りの建築物は同じ材質の模様がある柱に支えられ、ドームのようになっている。零人たちがいるのは最奥の台座のような所にいる。まるで教会の祭壇みたいだ。

 周りを確認すると呆然と周囲を見渡すクラスメイトたちがいた。どうやら、あの時教室にいた全員がここに運ばれたようだ。

 とりあえず荷物を確認する。鞄の中は荒らされてなく、食べかけの弁当もちゃんとある。もったいないから弁当を食べよう。

 

 この広場にいるのは零人たちだけではない。少なくとも30人近い人々が、台座の前にいた。まるで祈りを捧げるように跪き、両手を胸の前で組んだ格好で。信者のような服装をしている。

 そのうちの1人、烏帽子のような物を被ってる70代位の老人が進み出てきた。彼は手に持った錫杖をシャラシャラと鳴らしながら、外見によく合う深みのある落ち着いた声音で話しかけてきた。

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いております、イシュタル・ランゴバルトと申す者。以後、よろしくお願いしますぞ」

 

 そう言ってイシュタルと名乗った老人は好々爺然とした微笑を見せた。

 

 

 

 何で女神と同じ名前なんだろう?

 

__________________________________________

 

 場所を移り、10メートル以上ありそうなテーブルが幾つも並んだ大広間に通された。恐らく、晩餐会などをするための部屋なのだろう。

 え?弁当はどうしたかって?移動する前にちゃんと食べて今は鞄の中にある。隣にいた雫と幸利にあきれられた。しょうがないじゃん、もったいなかったんだから。

 全員が着席すると、絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドさん達が入ってきて、飲み物を配っていく。全員美少女、美女であり、男子の大半がガン見し、女子が男子を汚物を見るような目で見る。

 

「なあ、ハジメはあのメイドさん達どう思う」

「え?綺麗でまさに美女・美少女だと思うよ。……あの香織さん?後ろに見えてる般若はいったい?」

「何でもないよ?ただ単にハジメくんはあんなのが好きなんだなって思っただけだよ?」

「それにしてはすごく怖い目をしてるんだけど……」

「話戻していいか?俺が聞きたいのは見た目じゃなくて、動きについてなんだが」

「動き?確かに素人っぽく見えるねそれがどうかした?」

「多分ハニトラ?ってやつのために呼ばれた人たちだと思う」

「「なるほど」」

「だから一応気を付けておいてくれ。香織はハジメの監視を頼む」

「うん、わかった」

「えっ、僕信用されてないの?」

 

 全員に飲み物が配られるとイシュタルが話し始めた。

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させていただきますのでな、まずは私の話を最後までお聞きくだされ」

 

 そう言ってイシュタルは話し始めた。

 ここはトータスと呼ばれる異世界であり、ここには人間族、亜人族、魔人族の3つの種族が存在している。人間族は北一帯、魔人族は南一帯、亜人族は東の樹海で生きているらしい。

 このうち、人間族と魔人族は何百年も戦争を続けているらしい。魔人族は人間族に数で負けているが個人の資質では勝っている。しかも、魔人族は魔物を使役することができる。

 魔物とは野性動物が魔力を取り入れ変質した生き物らしい。この世界の人間でも魔物のことは詳しく分かっていないようだが、それぞれ固有魔法という特殊な魔法を使える害獣という認識らしい。

 これにより、人間族の数というアドバンテージが崩れ、人間族は滅びの危機に陥ってるらしい。

 

「あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にして、この世界を創られた至上の神。恐らく、エヒト様は悟られたのでしょう。このままでは人間族が滅ぶと。それを回避するためにあなた方を喚ばれた。あなた方の世界はこの世界より上位にあり、例外なく強力な力を持っているのです。あなた方にはぜひこの力を発揮し、エヒト様のご意思の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救っていただきたい」

 

 イシュタルはどこか恍惚とした表情で語る。まるで神の言っていることだけが正しいと思っているような口調に疑問を持っていると、突然立ち上がり、猛然と抗議をする人が現れた。我らが愛ちゃん先生だ。

 

「ふざけないで下さい!結局、この子達に戦争をさせようってことでしょ!そんなの許しません!ええ、先生は絶対に許しませんよ!私達を早く帰してください!きっと、ご家族も心配しているはずです!あなた達のしていることはただの誘拐ですよ!」

 

 彼女は今年で25才になる社会科の先生で、非常に人気がある。150センチほどの低身長に童顔、ボブカットの髪をしており、生徒のためにあくせく走り回る姿は微笑ましく、いつでも一生懸命な姿と大抵空回りしてしまう残念さのギャップに庇護欲が掻き立てられる。裏では合法ロリ?って呼ばれているらしい。

 

 今回も多くの生徒が「ああ、また愛ちゃんが頑張っているなぁ……」とほんわかする。だが、その空気がイシュタルの次の言葉で凍りつく。

 

「お気持ちはお察しします。ですが……現状あなた方の帰還は不可能です」

 

 場に静寂が満ちる。まあ、異世界転移ではあるあるのことだからな。多分、先生以外は気付いているだろう。

 

「ふ、不可能って……どういう事ですか!?喚べたのなら帰せるでしょう!?」

「先ほど言ったように、あなた方を喚んだのはエヒト様です。人間に異世界に干渉するような魔法を使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様の御意志次第ということになります」

「そ、そんな……」

 

 愛ちゃん先生が脱力したようにストンと椅子に腰を落とす。そして周囲もそれほどではないが騒ぎだした。

 

「嘘だろ?まあ、予想してたけどさ?」

「でも、そうなると結構大変なことになるじゃん」

「戦争するの嫌だしな。どうにか帰る方法はないのか?」

「いや、あったら教えてくれると思うんだけど?」

 

 何故か落ち着いている生徒達を見て愛ちゃん先生が驚く。

 

「何で皆さんはそんなに落ち着いているんですか!?家に帰れないんですよ!?」

 

 そう言われ全員が顔を見合わせる。

 

「いや、帰れないのは正直めっちゃ悲しいよ?」

「まあ、ここに来たときある程度予想してたんだけどはっきり言われたから内心結構驚いてる」

「でもこれだけははっきり言えるよ、愛ちゃん先生」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「異世界転移で帰れないのは定番だよ?」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 うん、やっぱ皆ハジメに毒されてきてる。そんな生徒達に絶句している愛ちゃんとイシュタル達。結構見物だ。ここでクラスのリーダーである光輝が立ち上がった。

 

「まっ、とりあえず今帰れないことは置いといて、今後の事を考えよう。俺は戦争に参加しようと思う。それで帰れるならその可能性にかけてみたい。一日でも早く皆を日本に……特に零人を帰さないといけない。イシュタルさん、戦争に勝てば帰してもらえるんですよね?」

「そうですな。エヒト様も勇者様の願いを無碍にはしますまい」

「そうですか、ではこれからのことを皆と話したいのでこの部屋を少し貸してもらってもいいですか?」

「畏まりました。それでは部屋の外におりますので終わったら声をかけてください」

「ありがとうございます」

 

そう言ってイシュタルやメイド達が部屋を出ていって離れたことを確認した。

 

 

 

 

 

 

 

「よし、皆作戦会議をしよう」

 

 そう言って扉から一番離れた所に集まる。愛ちゃんは戸惑ってたけど。

 

「とりあえず俺たちが置かれている状況を纏めてみよう。清水、できるか?」

「ああ、それはもうやってある。俺たちが今、

・神エヒトによって召喚された

・元の世界に帰れない

・戦争に参加させられそう

・戦争に勝てば帰れるかも(?)

・零人の安全確認

だな。何か異論のあるやつはいるか?」

「え?俺の安全も含まれてるの?」

「「「「「「当たり前だバカ!!!」」」」」」

「怒られた!?」

「気付いてないの?」

「零人は病弱なんだから、いつ風邪を引くかわからないのよ?そしたらどうなると思う?」

「そりゃあ、倒れるに決まってるじゃん」

「しかもこの世界の医療技術がどれ程なのかわからないのよ。もしも悪化したら大変なことになるわ」

「……あれ?俺、結構やばくね?」

「「「「「「「「今気づいたのかよ!?」」」」」」」」」

 

 雫たちに言われるまで気づかなかった。ガチでヤバくね?

 

「あと、この世界の事なんだがおそらく19世紀くらいの中世ヨーロッパだと思う。建築物や彼らの服装を見る限りそこまで発展してないみたいだ」

「さらに大変なことになったわ。それじゃあ、薬があまりないんじゃないの?」

「多分、薬は作れると思う。だってイシュタルさんが言ってただろ?『魔法』って。この世界はファンタジーの世界だから魔法が使えると思う。確か零人は薬剤師の勉強してたよな?」

「おう、父さんが薬剤師だからな。一応、母さんが看護師だから医学も教えてもらってる。もしかして……」

「そのもしかしてだ。魔法を使えば薬ができるんじゃないか?」

「「「「「「「「っ!」」」」」」」」

 

 それもそうだ。魔法があるなら回復系の魔法もあるかもしれない。これで少しは希望が持てそうだ。

 

「あと、この世界、というより人間族は一神教であることが問題だな」

「一神教のどこが問題なんだ?」

 

 龍太郎が質問してくる。まあ、龍太郎だからしょうがないけど。

 

「日本の神道とかの多神教はともかく、一神教は危険視されているんだ。過去には一神教が関わっている大規模事件が幾つもある」

「そんなにやばかったのか……」

「パリの同時多発テロが有名だね」

「俺たちの世界の神の名を言ったら最悪殺される可能性がある」

「それほどまで一神教が危険だと言うことね」

「皆も一応気を付けておいてくれ」

「「「「「「「「了解」」」」」」」」

「とりあえず今はこれぐらいでいいか。確か皆、鞄を持ってきてたよな?なら、詳しいことは後でLI○Eで話そう。これならあの人達に聞かれないしな。先生は連絡先をください。俺たちのグループに招待しますので」

「わかりました」

 

 

 

「……よし、これで準備はいいかな。皆、何としてでも日本に、俺たちの世界に帰るぞ!!!」

 

 

「「「「「「「おぉー!!!!!」」」」」」」」

 

 

 

 光輝の掛け声によって、皆が拳を挙げながら叫ぶ。これで全員が戦争に参加することになった。

 

 




 どうでしたか?
 自分的には一応できはいいと思います……。感想や質問がありましたらどんどん聞いてください!
次回は晩餐会から始まります。やっとリリィを出せる。

この『ありふれた錬成師と神に愛された病弱で世界最強』の略はなに?

  • 錬病
  • あり神
  • あり病
  • 錬神
  • その他
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