翌日から早速訓練と座学が始まった。
自由参加とはいえ、愛ちゃんを含む全員が集まった。なんとなく近藤を見てみる。目が真っ赤になって、下にはクマができていた。そんなに今日が楽しみだったのか(←確信犯)。
訓練施設に集められた生徒達に手のひら大の銀色のプレートが配られた。こうゆうカードのような物を渡されると言いたくなる台詞がある。
「お中元?」
「お歳暮?」
「お年玉?」
「クレジットカード?」
「TCG?」
「ポイントカード?」
「違う違う。クレジットカードとか何かわからんがおそらくお前達が思ってるものとは違うだろう」
いいツッコミありがとう。それが聞きたかった。他のやつらもいい笑顔だ。
不思議そうにプレートを眺めていると騎士団長メルド・ロンギスが説明を始める。
「よし、全員に配り終わったな?このプレートはステータスプレートと呼ばれている。文字通り自分の客観的なステータスを数値化してくれるものだ。もっとも信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だから失すなよ?」
「なるほどマイナンバーカードか」
誰だかわかんないがポツリという。
非常に気楽なしゃべり方をするメルド団長。彼は豪放磊落な性格のようで、「これから戦友になるのにいつまでも他人行儀に話せるか!」と他の騎士団員達にも普通に接するように忠告するぐらいだ。考えることができる龍太郎と思えば簡単か。俺たちもその方が気軽で助かったが。
「プレートの一面に魔法陣が刻まれているだろう。そこに一緒に渡した針で指に傷をつけて魔法陣に血を垂らしてくれ。それで所有者が登録される。ステータスオープンと言えば表に自分のステータスが表示される筈だ。ああ、原理とか聞くなよ?そんなもの知らないからな。神代のアーティファクトの類だ」
「アーティファクト?」
初めて聞いた単語に光輝が質問する。
「アーティファクトっていうのは現代じゃ再現できない協力な能力を持った魔法の道具の事だ。まだ神やその眷属たちが地上にいた神代に作られたと言われている。そのステータスプレートもその一つでな、昔からこの世界に普及している唯一のアーティファクトだ。普通はアーティファクトは国宝になるんだが、これは一般市民にも流通している。量産できるし、便利だからな」
量産できるんだから、もうアーティファクトと呼べないんじゃね?と心の底で思う。
「量産しているならアーティファクトと呼べないんじゃ?」
言ったぁ!?言ったぞ!勇者がいる、ここに勇者がいるぞ!前から光輝は勇者なんじゃねって思ってたけど、まじで(別の意味で)勇者だった。
「それは言ってはいけない」
ですよね~。ツッコんだら負けだもん。よく言ったよあの勇者。たぶん、人生で初めて尊敬するよ。
とりあえず、魔法陣に血を垂らしていく。横にいるハジメも血を垂らしていく。すると、ハジメのステータスプレートが一瞬淡く輝き、全体が空色に変化して、生徒たちは瞠目する。
メルド団長曰く魔力とはそれぞれ違う色をしており、ステータスプレートはその色になるらしい。光輝は純白、龍太郎は深緑、香織は白菫、雫は瑠璃、ハジメは水色だった。俺の色は
(赤……?いや、紅色か?)
一瞬赤かと思ったが、赤よりも濃いためおそらく紅色だと思う。とりあえず、ステータスを見てみる。
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紅零人 16歳 男 レベル:1
天職:断罪神、奏者、調合師
筋力:500
体力:600
耐性:450
敏捷:380
魔力:1000
魔耐:910
技能:断罪・剣術・弓術・斧術・体術・投擲術・暗殺術・全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・縮地・隠密・限界突破・高速魔力回復・生命の目録・無垢の領域・静寂の領域・演奏・楽器生成・調合・鑑定・機兵召喚・武具生成・神々の寵愛・神の威圧・偽装・病弱〈B〉・技能追加・言語理解
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………………………………………………………?
バグかな?何、この《断罪神》って。絶対世界敵にすんじゃん。一番恐れていたことが起こるなんて。あっ、病弱はあるんだ。
メルド団長からステータスの説明がなされる。
「全員見られたか?説明するぞ?まず、最初に“レベル”があるだろう?それは各ステータスの上昇と共に上がる。上限は100でそれがその人間の限界を示す。つまりレベル100とは、自分の潜在能力を全て発揮した極地ということだからな。そんな奴はそうそういない」
……ってことはドラクエみたいにレベルでステータスが上がるわけじゃなくて、ステータスが上がるとレベルが上がるのか。レベルというより熟練度だと思えばいいか。
「ステータスは日々の鍛練で当然上昇するし、魔法や魔法具で上昇させることもできる。また、魔力の高い者は自然と他のステータスも高くなる。詳しいことはわかっていないが、魔力が身体のスペックを無意識に補助しているのではないかと考えられている。それと、後でお前達用に装備を選らんでもらうから楽しみにしておけ。なにせ救国の勇者御一行だからな。国の宝物庫大解放だぞ!」
なるほど、だから病弱なのにスペックが高いのか。それにしても魔力多くね?
「次に“天職"ってのがあるだろう?それは言うなれば“才能”だ。末尾にある”技能“と連動していて、その天職の領分においては無類の才能を発揮する。天職持ちは少ない。戦闘系天職と非戦闘系天職に分類されるんだが、戦闘系は千人に一人、ものによっちゃあ万人に一人の割合だ。非戦闘系も少ないと言えば少ないが……百人に一人はいるな。十人に一人という珍しくないものも結構ある。生産職は持っている奴が多いな」
へー。それにしてはめっちゃ技能多くね?たぶん断罪神の技能が多いと思うが絶対実力行使しろって言ってるようなもんだな。
隣にいるハジメのを見ようとしたらハジメの顔色が悪かった。
「どったの?」
「いや、それがさ……」
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南雲ハジメ 男性 17歳 レベル:1
天職:錬成師
筋力:10
体力:10
耐性:10
敏捷:10
魔力:10
魔耐:10
技能:錬成・言語理解
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「???……俺より低くね?」
「へ?」
とりあえず、俺のステータスを見せる。さっきよりも顔色が悪くなっていくのが見て分かる。
「何このチート」
「さぁ?俺がこんな感じだから光輝達はもっと高いんじゃね?」
微妙な顔つきで話していたが、メルド団長の次の言葉を聞いて真顔になる。
「後は……各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10ぐらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな!全く羨ましい限りだ!あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」
すみませぇぇぇん!!!煽らないで下さい、お願いします!只でさえ、俺との差が激しいのに平均ステータスだと言われてもうほとんどライフが残ってないのに見せなきゃいけない屈辱をハジメに与えるのやめて下さい!ほら、もう目が死んでるから、目が死んでるからぁ!
そんな心の叫びをものともせず光輝が最初に見せに行く。
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天之河光輝 17歳 男 レベル:1
天職:勇者
筋力:100
体力:100
耐性:100
敏捷:100
魔力:100
魔耐:100
技能:全属性適性・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・剣術・剛力・縮地・先読・高速魔力回復・気配感知・魔力感知・限界突破・言語理解
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ゑ?
「ほお~、流石勇者様だな。レベル1で既に三桁か……技能も普通は二つ三つなんだがな。規格外な奴め!頼もしい限りだ!」
「いや~、あはは……」
メルドの称賛に照れたように頭を掻く光輝。かくいうメルドのレベルは62。ステータス平均は300前後、この世界ではトップクラスの強さらしい。しかし、光輝が特別というわけでもなく、他の皆々も及ばないながら十分チートだった。
うん、やっぱ皆平均より高いな。誰かハジメの顔察してやれよ。女子にも負けて、口から魂が出そうになってるから。あっ、ちょっと出た。
出てきた魂を口に押し込んでいるとメルドがやってくる。
「後はお前達二人と先生だが見せてもらってもいいか?」
「……え?あっ、はい」
気絶仕掛けていたハジメが差し出すとメルドが困った顔になった。
「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛冶職のことだ。鍛冶するときに便利だとか……」
「おいおい、大丈夫か南雲。メルドさん、その錬成師って珍しいんっすか?」
「……いや、鍛冶職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っている」
「マジっすか。ということは後方支援職って大丈夫っすよね?」
「そうだな。武器や防具の整備がメインになる」
檜山とメルドの会話を聞いて、皆が困った表情や慰めの視線を送ってくる。
やめてあげて!?もうライフが1しか残ってないから!
すると、愛ちゃんがハジメに近付いてきた。
「大丈夫ですよ、南雲君。先生の天職だって非戦闘職ですし、ステータスもほぼほぼ平均です!ハジメ君だけじゃありませんからね!」
そう言って愛ちゃんはプレートを見せてきたが……
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畑山愛子 25歳 女 レベル1
天職:作農師
筋力:5
体力:10
耐性:10
敏捷:5
魔力:100
魔耐:10
技能:土壌管理・土壌回復・範囲耕作・成長促進・品種改良・植物系鑑定・肥料生成・混在育成・自動収穫・発酵作用・範囲温度調整・農場結界・農場天雨・言語理解
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「「「「「「「「愛ちゃんがチートじゃねぇか/ないの!!!!!!」」」」」」」」
結果:みんなの心が一つになる。
「そうなんですか!?あと、愛ちゃんって呼ばないで下さい!」
「愛ちゃん先生?愛ちゃん先生も聞いたことがあるでしょ、『腹が減っては戦はできぬ』って」
「あ」
まさか気づいてなかったとは。社会担当なのに、社会担当なのに!
「ぐふっ」
「ハジメぇぇぇ!?」
ハジメが胸を押さえて倒れた。
「ハジメ君が死んだ!」
「この人でなし!」
「えっ、あっ、す、すみません!」
今そのネタやるのか。とりあえずハジメを看病してやれよ。特に香織。
「そんなことより、おーい起きろハジメ~。お前のスマホの隠しファイル香織に見られてるぞ」
「ちょっとぉぉぉ!?」
声をかけて起きるまでの時間、まさかの0.35秒。そこまで見られたくなかったか。まぁ、入ってるのは香織似の女性の写真だけだし大丈夫じゃねえの?
「そんなことよりお前にいい情報があるが聞くか?」
「そんなことって……、僕の生死を分けることをそんなこと扱いするなんて……。とりあえず、何?いい情報って」
「お前や皆も知ってるはずだぞ。主人公が錬金術師のアニメ」
「「「「「「「「あっ」」」」」」」」
「やっと思い出したか、そうハガレンだ」
「ハガレン?」
メルドや他の騎士達が不思議そうにこっちを見てくる。
「ハガレンっていうのはですね、『鋼の錬金術師』の略で俺たちの世界の物語なんです。主人公が錬金術師つまりこっちだと錬成師で、地面から武器や壁などを作り出して戦う話です」
「地面から武器を作り出すのか!?」
「ええ、錬金術師なんですから鉱物系を操ることができるので相手によって武器を作ったり、地形を変えたりして戦えますよ」
「なるほど、錬成師は鍛冶にしか使えないと思っていたがそんな戦い方があったのか。よし、ハジメといったな。お前には城の工房に行って錬成を学んでもらう」
「はい、わかりました!」
よし、一件落ちゃ
「あとはお前だけだぞ?」
…く、とはいけないか……。うん。
「ちょっとタイムで。皆集まって。作戦会議しよう」
※ここから声が小さいです。
「で、どうしたのさ?急に作戦会議なんて」
「ステータス見せてないのあとお前だけだぞ?」
「いや、一番恐れていたことが起きました」
「「「「「「「「は?」」」」」」」」
「これ見て」
そう言ってプレートを渡して皆に見てもらう。
「「「「「「「「何これ?」」」」」」」」
「俺にもわからん」
「ステータスや技能もすごく可笑しいだけど特にこの天職……」
《断罪神》の所を雫に指摘される。
「やっぱりそこだよな?俺もビックリしてる。これとある技能が問題なんだ」
《神々の寵愛》《神の威圧》を指差す。
「何で神様になってんだよお前……」
「さぁ?心当たりはな……」
「?どうしたの?」
「ごめん、めっちゃあったわw」
「「「「「「「「あるの/あるんかい!?」」」」」」」」
「まさか夢だと思っていたことが現実だったなんて俺も想定外。説明は後でするからとりあえず、これをメルドさん達に見せるかどうかを聞きたい」
そう聞くと一斉に下を向き始めた。
だろうな。初めてトータスに来たときに言ったもんな。俺達の世界の神の話をしてはいけないって。下手したら殺されちゃうし。
そう思っていると野村が言ってきた。
「見せないでおいたら?天職がなくて、ハジメ以下って言えばなんとかなると思うし」
「その根拠は?」
「俺の第・六・感☆」
「よし、見せよう」
「だね」
「ありのまま話したら良いと思う」
「ちょっと待てい」
「何?」
「俺の話聞いてた?見せないほうがいいって言ったのに?」
「ああ、確かに言ってたな。だがな、」
皆が一斉に野村を見て言う。
「「「「「「お前の直感は絶対外れる」」」」」」
「ちくしょう!」
よーし、見せに行くか~。
「というわけで見せることになりました」
「どういうわけなのか分からんが見せてもらえるんだな?」
「はい。でも、これは絶対に他の方には教えないで下さい。皆が危険な目にあってしまうので」
「?わかった。お前らわかったな」
メルド団長が他の騎士達にも伝え、全員を集める。
「じゃあ、使ってみるか。〝静寂の領域〟」
技能欄にあった《静寂の領域》を発動し、クラスメイトと騎士達全員を覆うように透明なドーム状の結界を作る。
「っ!これは一体?」
「静寂の領域ですか?そうですね、効果としたら結界の中の声や音が外に聞こえなくさせる技能ですね。密告とかに最適ですよ」
「そうか。それでステータスはどうなっている?」
「これを見てください」
メルドさん達にステータスプレートを見せる。
「なんだこれは!?天職が3つにステータスが勇者の倍、技能が30もあるだと!?それにこの《断罪神》とは一体?」
「その事なんですが今ここで説明します」
皆が一斉にこっちを見てくる。まるで大好物を目の前にしている目だ。
「俺がまだ十歳になってないときに病気で入院した時の事なんだが」
そのときに夢を見たんだ。道端でボロボロのおじいさんが倒れているのを。その人を助けて名前を聞いてみたんだ。それでおじいさんは何て言ったと思う?ゼウスって言ったんだ。まだその頃、ゼウス様がギリシャ神話の最高神だって知らなかった。「どうして倒れてたんだ?」って聞いたらさ、日本人の
だが、それだけじゃないんだ。また、夢の中で会ったんだ。普段の夢には現れないんだが、風邪をひいた時にいつも現れるようになった。それを繰り返していると、すごく気に入られて神界に連れていってもらったんだ。凄かったぞ。ギリシャ神話だけじゃなく北欧神話、日本神話、インド神話とか、複数の神話に出てくる神々がいた。しかも、その中には神話上で死んだはずの神もいたからビックリした。どうやら、一度死んだら数万年後に復活するらしい。それから、何度も風邪をひいては夢で会っては学校の事や町の事とかをしたり、遊んだり、仕事を手伝ったりしたんだ。
気付いたら、神様全員に気に入られるようになっちまった。
確か、高校に入って間もない頃に風邪ひいたのを覚えているか?
そのときにゼウス様に呼び出されて、何事かと思ったら神の座と神格をあげる言われたんだ。どうやら、高校の入学祝いだと他の神様達に用意されたらしい。流石にやりすぎじゃね?って思ったんだよ。それから特に身体に異常も無かったから気のせいかなぁって思ったんだが、今日ステータスを見て
「って感じです。だから天職が断罪神で、技能に《神々の寵愛》と《神の威圧》、《武具生成》があります」
「……ふむ、とりあえずお前が規格外なのがわかった」
「心外な!」
「いや、普通は神に会わないし気に入られないから」
…………ちくしょう、何も言い返せない!
「まぁ、そんなことよりもこれからどうしたらいいんでしょうかね?教会に知られたら即刻死刑されそうなんですけど?」
「そうだな……。この《偽装》を使えばいいんじゃないか?」
「《偽装》ですか?ああ、なるほど。これでステータスを変えればいいんですね」
「そうゆうことだ。神に関する事だけでいいぞ。それにしても驚いたぞ。まさか、神の使徒の中に本物の神がいたとは!」
「本人の俺もビックリですよ。まさか夢で会っていた方々の本物の神様で、俺も神になっていたなんて」
「それもそうか!」
「「アハハハハハハ‼︎!」」
「「「「「「「「いや、笑えねぇよ/ないよ!?」」」」」」」」
メルドさんとばか笑いしてたらハジメ達と騎士達につっこまれた。しょうがないじゃん。まさかまじで神様になるとかw。普通あり得ないっしょwww。
「まっそんなことは置いといて、偽装終わりました」
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紅零人 17歳 男 レベル:1
天職:断罪者、奏者、調合師
筋力:50
体力:60
耐性:45
敏捷:38
魔力:100
魔耐:91
技能:断罪・剣術・弓術・斧術・体術・投擲術・暗殺術・全属性適正・全属性耐性・物理耐性・複合魔法・縮地・隠密・限界突破・高速魔力回復・生命の目録・無垢の領域・静寂の領域・演奏・楽器生成・調合・鑑定・機兵召喚・偽装・病弱〈B〉・技能追加・言語理解
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「こんな感じでいいですかね?」
「ああ、天職が3つあるから技能も多くても問題ないだろう。ステータスも一桁減ってるし」
「ありがとうございます」
「お前達、絶対にこの事を教会や国に知らせるな!これは誰にも話してはならん!」
「「「「了解!」」」」
「「「「「「「「わかってます」」」」」」」」
騎士達と皆が応えてくれる。
「そんなことしたら俺たちは間接的にだが神殺しをしたことになる」
神殺し?そういえば、
「そういえば思い出したんですけど、俺の技能に断罪がありますよね?あっ、無垢の領域」
「ああ、それがどうした?」
「その技能を鑑定っていう技能で調べたら情報が出てきましてね。なんか、ステータス上昇ともう一つ効果があったんですよ」
「ほうほう、それで?」
「なんでも最重要断罪目標を教えてくれるんですよ」
「それは凄いな。で、誰なんだ」
「エヒト神です」
「「「「「ゑ?」」」」」
メルドさん達がなんとも言えない表情をしている。
「だからエヒト神ですよ。しかも邪神認定されてます」
「は?ちょっと待て。エヒト様が邪神?」
「はい。なんでも、人間族と魔人族の戦争がエヒト神によって引き起こされたみたいで、この戦争をゲームとし、我々を駒として扱っているみたいです。詳しいことは七大迷宮?を攻略したら分かるらしいですよ。今、無垢の領域を展開してるので本当の事しか言えません」
「そ、それは本当なのか?」
「イエス、まじで邪神認定されてます」
「……だったら私たちが信じてたエヒト様は糞野郎だったってことか」
「そういうことになりますね」
「そうか……だったら俺はエヒトを信仰しない。邪神を信仰するなんて真っ平ごめんだからな。お前達はどうする?」
メルドさんが騎士達に問いかける。騎士達は暗い顔をしているが決意を決めたような顔をしている。
「いまだに信じられませんが紅様がいっていることは事実でしょう」
「我らは騎士です。騎士は市民を守る義務がございます」
「たとえ、相手が今まで信仰していた神でも我らは戦います!」
「それがこの国を、いや世界を救うことならば!」
「いいんだな、お前達?もう戻れないぞ」
「「「「分かっております」」」」
そう言って忠誠を誓うポーズをする。
「まっ、詳しいことは七大迷宮を攻略しないとわかりませんから」
「そうだな。ならば真実を突き止めるために我々はお前達に力を貸そう。いいか、お前達?」
「「「「了解!」」」」
「でも、まさか零人が神になっていたとはな」
「そうだね。紅君を神のように皆で崇めていたけど本当に神様だったんだね」
ん?今聞き捨てならないことを言っていたような?
「ちょっと待って、神のように崇めていた?俺を?何で!?」
俺の問いに何故か愛ちゃんまで首を傾げている。
「もしかして気付いてなかった?」
「お前、誰にでも優しいから色んな人に慕われてんだぞ。確か、凶悪犯にも優しくするからお前関わった犯人全員が自首したはず。今まで六千件以上解決している」
「は?」
「うちの学校でも有名でほとんど全員がお前に救われてるからな。落とし物探してくれたり、飯奢ってくれたり、告白のシチュエーションを作ったりetc.」
「今では学校全体で崇めいるの」
「えっ?」
「あれ?私が聞いたのは町全体だよ?」
「はぁ?隣町までじゃなかったか?」
「この前T○itterで見たら北海道まで拡がってたぞ」
「えっ、私はイギリスの人が紅君の事紹介しているツイート見たよ」
「???」
「まあ、とりあえずお前は世界中で崇められているってことだな!」
龍太郎が言う。やべぇ、頭が追いつかねぇ。
「……なんかもう、わけわかんねぇや……」
そう言って横に倒れる。処理が追いつかなかった。
「「「れ、零人ぉぉぉ!?!?!?」
「誰か衛生兵呼んで!メディック!メディーック!!!」
「救急車ぁぁぁ!」
「誰が原始的な呼び方しろって言ったよ、この馬鹿!」
「てか、そもそもこの世界に救急車なんているわけないじゃない!」
「「「「「「「「そうだった!」」」」」」」」
とりあえず、死にはしなかったらしい。
話は変わるが愛ちゃん先生の天職である作農師が非戦闘職の中でも激レア中の激レアらしく、その事実を知ったハジメが口から魂が出掛けたことはまた別の話。
きゅ、9000文字を越えた!?マジか。
いろいろネタを考えながら書いていたらいつの間にか自己ベスト更新してた。
次回はオルクス大迷宮までの二週間の話の予定です。
この『ありふれた錬成師と神に愛された病弱で世界最強』の略はなに?
-
錬病
-
あり神
-
あり病
-
錬神
-
その他