憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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新作ゲームいつでるのかな……


サッカー部ができた日

 小さな絶対守護神

 

 この前行われた、日本全国小学生サッカー大会決勝、稲妻KFC対リトルエンペラーズの試合の結果は我々に衝撃を齎した。長年、頂点の座に君臨していたリトルエンペラーズを3対0で打ち破り、万年2位であった稲妻KFCが見事優勝を掴みとった。この試合のMVPを上げるならあのオレンジのバンダナがよく似合う少年しかいないだろう。稲妻KFC1番・円堂守くんである。今大会初出場ながら、ゴッドハンドや熱血パンチ、爆裂パンチといった多種多様な必殺技を駆使し、全試合無失点という快挙を達成した。彼は閉会式の後のインタビューで「練習の成果がでてよかったです」と語った。

 彼は現在小学6年生、あともう少しすれば中学生である。彼の存在が中学生サッカー界にどのような風を吹かせるのか、目が離せない。

 

(○×新聞より一部抜粋)

 

「まあ、俺がいく雷門中、サッカー部ないんだけどね」

 

 俺は苦笑いするようにその記事を読む。

 

「しっかし、苦節数年、ようやくここまできた」

 

 俺はいわゆる転生者と言われるやつである。それも憑依系というやつだ。

 そう、俺は、イナズマイレブンの主人公、円堂守に憑依転生してしまったのだ。

 

 イナズマイレブンとは、「これが超次元サッカーだ」というキャッチコピーと共に世に出されたゲームだ。超次元サッカーの名に相応しく必殺技と呼ばれるものがあり、炎を纏ったシュートや地面から壁を出してブロックするなど日常茶飯事といったトンデモサッカーゲームである。

 

 さて、そんな超次元サッカー世界の主人公に憑依転生してからは行動はすばやかった。母さんに頭を下げ三日三晩かけて説得し地元のクラブチームに参加した。家庭の事情で説得は困難を極めたが、学校のテストの点数と交換条件で許しを得ることができた。小学生のテストなら簡単だし落とすことはない。実質無条件だ。

 クラブチームに入ったおかげで必殺技を早期獲得できたのである。

 

「おーい、円堂!」

 

「その声は風丸か!」

 

 振り返ると水色の髪を束ね、リボンが特徴的な制服に身を包んだ()()がいた。

 

(TSじゃん)

 

「ん、どうしたんだ?顔に何かついてるか?」

 

「あ〜、いやいや、制服きてる風丸が新鮮で」

 

「ふふ、そうか。円堂も新鮮だよ」

 

 風丸は俺の言葉にはにかんだ笑顔を浮かべた。何この可愛い生き物。

 

「円堂は中学でもサッカーをやるのか」

 

「まあな」

 

「でも、雷門中にサッカー部はないぞ」

 

「知ってるさ。ないなら作ればいい。俺はやるぞ!」

 

「円堂らしいな」

 

「そういう風丸は陸上部か?」

 

「その予定」

 

「ならお互い頑張ろうな。うし、放課後は秋と部員集めだ!」

 

「秋ちゃん?」

 

 何が引っかかったのだろうか。風丸は足を止めた。

 

「円堂と秋ちゃんが二人きり……?だ、だめだ!俺もサッカー部入る!」

 

「はあ!?風丸は陸上部に入るんだろ!」

 

「いーや、サッカー部に入るね。円堂も部員が一人増えるんだから文句はないだろ」

 

「いや、それはそうだけど……」

 

「なら、決まりだ!」

 

 ズンズンと風丸が進んでいく。部員、一人獲得したけど、風丸は一体何を怒ってるのだろうか。

 

「ふん」

 

「お、おい、待てよ!」

 

 結局、風丸の機嫌は放課後になるまで直らなかった。

 

 ◇◇◇

 

 始業式後、冬海先生から前サッカー部の部室の鍵をもらい、風丸とマネージャーの秋と共に部室の前に来ていた。

 

「ここが部室か」

 

「歴史を感じるね」

 

「よし!まずは部室掃除から始めるぞ!」

 

 俺と秋、風丸は小さく拳を上げる。

 扉を開けると、物がごった煮し埃が大量に舞った。ざっと見た感じ、サッカーボールやホワイトボード、三角コーンなどきちんとあり、部室を綺麗にすれば部活動に支障はきたないだろう。

 

 

 とりあえず、全部、外に物を出す。量も多いし、三人という人手の少なさのせいで疲れる。タイヤトレーニングで鍛えたはずだが、まだまだだということだな。

 

「おい、円堂これ!」

 

「どうした、風丸……あっこれは」

 

「どうしたの、一ちゃん……これって」

 

「「「サッカー部の看板!」」」

 

 少々掠れてはいるが、雷門中サッカー部、と読むことはできる。風丸から受け取り、片付けより先に看板を綺麗にする。

 

「よーし!雷門中サッカー部の始動だ!!」

 

 綺麗になった看板を部室の表に掛けた。ないとあるのとでは偉い違いだ。

 

「俺、サッカー部が出来たらさ、いっぱい試合してフットボールフロンティアっていうでっけぇ大会に──」

 

 気分が高揚してもはや何度目かという話をしてしまう。円堂守だから、それは関係ない。俺がサッカーが好きだからサッカーをする。それを再確認できたような気がする。

 

「無駄です、雷門中にサッカー部は出来ません」

 

「「「!?」」」

 

 いきなり、水色の髪で赤紫の瞳の少女が……え?ベータ?アルファじゃなくて

 

「すぐに嫌いになっちゃいますから」

 

『ムーブモード』

 

 ベータはサッカーボール型のデバイスを起動する。機械音がなりドーム型のエネルギーを幕を作り出し、その中にいた俺たちを強制的にワープさせた。

 

 それを見ていたあるものは

 

「しまった、連れ去られた!」

 

「僕たちも行こう!」

 

 追いかけ

 

 また別のあるものは、

 

「キラード博士!」

 

『わからない。だが、今は動けない。堪えてくれ』

 

 断腸の思いで踏み出していた足を止めた。

 

 今、複雑な思いが絡み合った壮絶な戦いの幕開けとなる試合が始まろうとしていた。

 




最初はTS円堂でやってたのに逆になってた。なんで?
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