憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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呪い(呪いとは言っていない)


呪い?

 帝国学園の試合から一日が経った今日。部室に集まり昨日の試合についての見直しをしていた。

 

「問題点も何も、基本的なところが足りなさすぎ。昨日の試合だって、必殺技連発しすぎてみんなバテてたじゃん」

 

 マックスの言う通りである。言い返せる余地がないのか、みんな俯いてる。

 

「まあ、確かにそこは課題点だな。基礎は大事だししっかり練習しよう」

 

 そこからは特訓メニューを決めていく。

 とは言ってもやることはわかっているのでポンポンと決まっていく。特訓メニューが大方定まったところで部室の扉が開く。

 

「円堂くん、お客さんが来てるわよ」

 

「お客さん?」

 

 俺が不思議がっていると秋が客を連れてくる。現れたのは雷門夏未。

 

「臭いわ」

 

 開口一番、これである。これでもだいぶ綺麗にしたはずなんだが。普通の運動部の部室よりはマシである自信はある。

 

「帝国との一戦で廃部は免れたようね」

 

「おう、これでフットボールフロンティアに出られるぜ!」

 

 そう言うと、夏未は何がおかしいのかクスクスと笑う。

 

「そんな貴方たちのために次の対戦校を決めてあげたわ」

 

 尾刈斗中、そこが次の俺たちの相手だ。ここら辺だと強い部類に入る。確か、去年も地区予選の準決勝ぐらいには行ってたはずだ。

 

「因みに負けたらこのサッカー部は廃部よ」

 

 そう言って出て行った。

 負けたら廃部。帝国のときと同じ条件だ。サッカー部に何の恨みがあるのだろうか

 

「よし、尾刈斗中との試合に向けて特訓だ!」

 

 今日も学校のグラウンドは使えないため河川敷で練習となる。少し遠いが行きのランニングでスタミナがつくし悪いことはない。

 

「今日も使わせてくれてありがとうございます、会田監督」

 

「構わないよ。あともうきみの監督ではないよ、円堂くん」

 

「はは、そうでした……つい癖が抜けなくて……」

 

 彼の名前は会田力。俺が昔お世話になっていた稲妻KFCで指導者をしていて、昔はイナズマイレブンとして日本一になったすごい人だ。

 グラウンドを使えないので、会田さんに頼み込んで本来稲妻KFCの練習場である河川敷を使わせてもらっている。染岡のドラゴンクラッシュ習得にも手伝ってもらっていて頭が本当に上がらない。

 

「それと、今日も彼らの相手をしてもらってもいいかな」

 

「もちろんです。俺たちは使わせてもらっている立場ですし俺たちの刺激にもなります」

 

 河川敷を使わせてもらう代わりに、稲妻KFCの練習相手をしているのだ。

 稲妻KFCは小学サッカー界では強豪と言われるところだ。下手をしなくてもそんじょそこらの中学よりかは強い。

 KFC側は体格が違う相手との練習になる、俺たちは練習場が手に入る、まさにwinwinな関係だ。

 

 少し遅れてやってきたKFCの面々と練習をする。会田さんのアドバイスもありとても質が高い練習になった。

 

 

 

 次の日、秋に紹介したい子がいると言われ部室でその子に会っていた。

 

「新聞部の音無春奈です!帝国学園との試合ですっかり皆さんのファンになっちゃったんですよっ!だから、私をサッカー部のマネージャーにしてください。対戦チームの情報収集から部室の掃除とかまでお役に立ってみせます!」

 

「というわけ」

 

「新入部員ならいつでも歓迎するぜ!よろしくな、音無!」

 

「はい、キャプテン!」

 

 断る理由もないため、すぐに了承する。

 

「音無……?」

 

「やかましの間違いじゃないの……?」

 

 音無の元気の良さに半田とマックスが苦笑いを浮かべる。

 

「次、尾刈斗中と対戦するんだけど……」

 

「はい、そう言うと思って調べてまとめておきました!」

 

 音無さん、有能すぎない?昨日だよ、試合決まったの

 

「どうやら、噂通り足が突然動かなくなったり不可解なことが起こっているようです」

 

 試合動画を見せてもらうと噂通り尾刈斗中の相手チームは一歩も動けていない。試合の始めは動けていたが、尾刈斗中側が何らかのポーズを取った途端、急に動きが止まった。

 

「音無、音量上げてもう一回再生してくれるか?」

 

「?わかりました」

 

 俺の言葉に疑問符を浮かべながら音無は動画を再生する。

 

「マーレマーレマレトマレマーレマーレマレトマレ」

 

「……やっぱり」

 

「どうかしましたか?」

 

「小さな声で何か言ってるのが聞こえないか?」

 

 音無たちは耳をすませてもう一回動画を再生する。

 

「マーレマーレマレトマレマーレマーレマレトマレ」

 

「本当です!小さな声で止まれ止まれ、って言ってます!」

 

「ど、どういうことッスか!?まさか、幽霊の声!?」

 

「違いますよ、これは尾刈斗の監督の声ですよ」

 

「なるほど、催眠術か」

 

 そういうことだ。豪炎寺が言う通り、尾刈斗中は催眠術を使っている。

 選手の動きで相手の思考を停止させ、その隙に監督の言葉で止まれという暗示をかける。これが尾刈斗中の呪い、ゴーストロックの正体だ。

 

 正体がわかったということで、ビビっていた宍戸たちは落ち着きを取り戻した。

 これでビビって実力が出せないなんてことにはならない。ぶっちゃけ、それだけが一番怖かったからな。

 

 それから数日後、尾刈斗中との練習試合がついに始まった。




尾刈斗中、始まる前に切り札の必殺タクティクスが破られる模様。


地区予選が終わったら、雷門中メンバーの選手情報とかまとめたやつアップします
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