憑依円堂列伝〜TS娘と時々未来人〜   作:花蕾

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円堂守伝説やり直しながら書いてる。LボタンとRボタンが壊れているせいでバーニングフェイズが使用できないの辛い……


偵察

「これで二回戦に進出した学校は全部決まったか」

 

 俺は今、音無と他校の試合を観戦している。もう少し部員がいれば他に頼んでいたが、いないものに頼ってもしょうがない。

 

「帝国、緑ヶ丘、尾刈斗、秋葉名戸、王帝月ノ宮、美濃道三、御影専農、そして我が雷門中合わせて8校が二回戦の面子です」

 

「そして、俺たちの二回戦の相手が」

 

「はい、今勝った御影専農中です」

 

 俺と音無はつい先程試合が終わったグラウンドに目を向ける。そこには1-0と結果を伝えるスコアボードと機械のように無表情な御影専農メンバーがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから一日が経ち、情報を共有し御影専農戦に向け河川敷で練習していた。

 野生中戦で怪我をした染岡も今ではすっかり元気になり練習に勤しんでいる。

 

「しかし、多いな」

 

 河川敷には普段からは考えられないほどの数の人がいた。栗松たちはファンができた、と喜んでいる。

 

「円堂、わかっているだろうが」

 

「ああ、他校からの偵察だろ」

 

 練習試合にて強豪の帝国と尾刈斗に勝利、先日の地区予選一回戦では野生中に勝利。注目されるに頷ける戦績だ。

 

「おーい、みんな、今日から基礎練を中心にやっていくぞ!」

 

「え、キャプテン、必殺技の練習は……」

 

「なしだ」

 

 ええー、という声がメンバーから上がる。どうして、という声が強まるなか、グラウンドに一台の車が突っ込んできた。

 

「必殺技の練習について言いに来たけれど必要なかったようね」

 

「まあな」

 

 車から出てきたのは夏未だった。野生中戦後、マネージャーとして入部した彼女は河川敷の状況をどこかから知り飛んできたようだ。

 

「なんで必殺技の練習をしないでヤンスか!?」

 

「そうだぜ!せっかくこんなにギャラリーもいるってのに」

 

「じゃあ、貴方達あれが何か分かるかしら」

 

 夏未は観客を指差し問う。

 

「俺たちのファンっスよね」

 

「全然違うわ。あれは他校からの偵察隊よ」

 

 部員たちからは驚愕の悲鳴が上がる。

 ファンではないことにガッカリしているのを見ると夢を壊した感じがして少し心が苦しい。

 

「だから、キャプテンは必殺技の練習を禁じたんですね」

 

「でも、次の試合は必殺技の練習なしでどう勝つんですか!?」

 

 尾刈斗戦ではドラゴントルネード、野生中戦ではイナズマ落としと、試合のたびに新必殺技でピンチを脱している。そういうことから心配になる気持ちは分かる。

 

「必殺技の練習はできなくてもやれることはたくさんある」

 

「ああ、パス回しにトラップ、スタミナ付けなどな」

 

 豪炎寺の言う通りである。というわけで今日から必殺技以外の練習をすることになった。

 

 

 

「ありがとな、夏未」

 

「何よ、突然」

 

「心配してくれたんだろ。じゃなきゃ、グラウンドに突っ込むなんて無茶はしないさ」

 

「当然の事をしたまでよ。この私がマネージャーになったからには敗北なんてものは許さないから」

 

 素直じゃない。そう思うが、口には出さないようにしておく。

 夏未は理事長代理としての仕事が残っているらしく雷門中に戻っていった。

 

「俺も練習に戻るか」

 

 

 

 数日が経つが、偵察の数は減らない。むしろ増えている。今日に至ってはレーダー付きのトラックまで来ている。

 それを無視して練習をしていたが、堪忍袋の尾が切れたのだろう。トラックから二人の男がでてくる。御影専農のGKの杉森にFWの下鶴だ。

 

「なぜ、必殺技を隠す?」

 

「はい?」

 

「隠しても無駄だ。我々は既に解析を終えている」

 

 じゃあ、必殺技見る意味ないだろ。マジでなんできたの?

 

「我々には100%勝てない」

 

「なんだと、テメェ……!」

 

「染岡、言わせておけ。試合の日になったらどうせ勝負することになる」

 

「勝負……?何を馬鹿な、これは害虫駆除に過ぎない。我々がデータを欲するのは、より正確に駆除を行うためであり、次なる駆除の正確性を上げるためでもある」

 

 この発言後、一気にみんながキレた。無理もない、害虫呼ばわりされて落ち着いている方が異常だ。

 しかしながら、言い争っても仕方がない。さっさと追い出したいところだが、杉森たちはこちらが必殺技を使うまではどく気がなさそうだ。しょうがないため、折衷案としてPK戦をしこちらの必殺技を少し見せることになった。

 

「では、始める」

 

 開始のホイッスルがなると、下鶴はボールをあげる。そして、炎を纏いながら回転する。

 

「まさか、あれは!」

 

「『ファイアトルネード』!」

 

 豪炎寺の十八番、ファイアトルネードだ。雷門メンバーからは驚きの声が上がる。

 

「『爆裂パンチ改』!」

 

 やっぱり豪炎寺よりは軽いな。なんなく連続パンチでボールを弾いた。

 

「じゃあ、こちらの番だ。豪炎寺、頼んだぞ」

 

「ああ、任せておけ」

 

 こちらからは豪炎寺がキッカーとなった。

 染岡たちからは、本当のファイアトルネードを見せてやれ、などのヤジが飛ぶ。

 

「『ファイアトルネード改』!」

 

 豪炎寺は下鶴と同じくファイアトルネードを放つ。

 

「『シュートポケット』!」

 

 杉森は両腕を広げバリアを展開する。ボールが展開されたバリアに触れ威力を落とす。最後は杉森がボールを掴み取る。

 

「証明完了だ」

 

 結果からすれば引き分け。しかし、頼りにしている豪炎寺のシュートがコピーされ挙句の果てに止められた。杉森たちが帰った後もその事実は雷門メンバーに重くのしかかった。

 




御影専農は技コピーできる辺り有能。せっかくならゴッドハンド、コピッたほうがよかったのでは、と思う自分がいる。
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